思ったより赤鬼たちの走る速度が速い。体力のない俺にはキツかった。だか止まるわけにはいかない。追いつかれてもいけない。となると・・・迎撃しかない。
まずは刹那さんを引っ張って背後に流し、背負ったバックを前に持ってきてそれを使って敵の攻撃の衝撃を受け止めるつもりだ。
バック越しに俺に衝撃の刃が突き刺さる。実際に刃があるわけじゃないただ赤鬼の筋力のみでこうなったのだ。
「ぐっ・・・」
材質的にダメージを受けるのは把握済みだったが、それでもここまで受けたんだ。バックを盾にしていなかったどうなっていただろうか?そしてそんな相手を刹那さんは戦っていたのだろうか。
次の攻撃の為に何とか身体を動かしていたが、赤鬼は力尽きその場に伏せていた。
「たった1発殴っただけだぞ?」
「奴らはその圧倒的な腕力や脚力を持っているけど、代わりに耐久を失っているの。今のうちに距離を取りましょ」
ああ。と俺は頷き刹那さんの前を進む。刹那さんが言うことからあの赤鬼に作った奴らは完全に使い捨ての駒としてあれを作ったのか。
家まで間も無くというところで、一度赤鬼をいないか前後左右そして上下を確認する。見つかっている状態だったら隠れる意味はないし、それに家は汚したくない。
赤鬼がいないことを確認した俺は家の中に素早く刹那さんを入れて自分も入る。
「くはぁ・・・何とかこれで今日のうちは大丈夫だろ。刹那さん。勝手か人の家だから悪いと思うけど、自由に使ってくれて構わない」
「それならお風呂でも借りようかしら。着替えなら持ってるから気にしなくて良いわよ」
男性服しかないんで出しゃしませんよ。冗談も混ぜた刹那さんを風呂場まで案内した後俺は三階の自室に入る。
部屋の窓から外を覗くと3体ほどの赤鬼が家の前の道を歩いていた。こちらの場所を見つけてはいないようだが、芹が帰って来るときにあれらと会うと、もしかしたら狙われるかもしれない。
右横のタンスから釘が至る所に刺さった空き缶と彫刻刀をつけたベルトを取り出す。
「友達との遊び用に作ってた装備がこんなことに使うことになるとはねえ・・・」
当時は殺傷性高いなと思ったけど、逆に今はちょっと低いかなと思ってしまう。いくら耐久が低いとはいえこんな短い彫刻刀では仕留めるのは難しいだろう。
難しいだけで出来ないわけじゃない。それに攻撃を振らせてそれを何かに当てさせれば勝手に自滅するだろう。てかそれが1番楽だろうし。
窓から外に出てそのまま赤鬼の方に行・・・かず、迂回して他宅を分ける壁を使って家を特定し辛くしてから近づく。
彫刻刀を赤鬼たちの壁の側へ投げて音を立てる。夜の暗さも相まって赤鬼たちは別々に行動を始めた。こうなればこちらのものだ。
余った彫刻刀を赤鬼の首に突き刺しすぐに横に引く。耐久がないのが影響してこのような短さでも機能するほど赤鬼は力にステータスを振っているのが分かった。
すぐに赤鬼たちを片付けると先程と同じように壁を伝って部屋に戻った。