外から鳥のさえずりが聞こえる。いつの間にか寝てしまっていたようだ。
赤鬼たちの血が付いたままだと言うのに何で寝たのだろうか?
とりあえず着替えて下に降りると、刹那さんがソファーの上で眠っていた。毛布ぐらい用意してから赤鬼をやっつけてくればよかったな・・・。ここは反省だ。
今更遅いが彼女に毛布をかけて俺は調理場に向かって卵と牛乳とパンを用意する。
フレンチトーストという奴だ。細かい味付けは食べる本人がつけるのが俺の方針なのでぱぱっと調理をする。
音のせいだろうか?それとも匂いのせいだろうか?いや、そんなに浪漫の溢れたことなんておきゃしない。ただいつも通りの時間だから彼女が来た。
「起きてぇ!!!!!」
「うるせぇ!まだ寝てる人がいんだろうが!叫ぶのは後にしろ!てか叫ぶならクソゲー走ってろ!」
芹だった。いやまあ知ってたんですけどねー。
「クソゲーは開店時間まで出来ないよ〜」
「んなら静かに天井のない最高ランク1パーのソシャゲでも走ってろ」
卵牛乳に付けたパンを焼いた後皿に盛ってから次の品に取り掛かる。炭水化物は用意できた。次は野菜系だな。
これは袋詰めされた物をボウルにそのまま入れて終わりだ。
テーブルに俺、芹に刹那さんの分を置くと芹は俺が言う前に刹那さんを起こしにいった。
「あの〜お休み中の所申し訳ないのですが・・・」
「・・・・・・?」
寝ぼけているんだろう。俺も朝はキツイ特にここは他人の家だうまく寝付けなかったことを考えればパッとはしないと思う。
「芹。これを渡してやってくれ」
俺は芹に冷水を渡してそれを飲ませる。
「ん・・・んっ・・・んっ・・・はぁ・・・」
「どう?目が覚めました?」
芹はこんなに人見知りだったっけか?部活してるから人見知りじゃないと思ったんだが。部活してるからって誰とでもすぐに話せるわけじゃないし、逆に誰とでも話せてタメ口だったらそれは問題だ。敬語だし問題ないか。
「むと・・・むっ・・・。ええぇ何とか。無断でお邪魔してごめんなさいね。芹さん」
「え、えと。き、気にしなくで下さい。と言うよりここは修也の家ですから、私に言わなくても・・・」
「それも・・・そうね。ありがとう、修也」
「俺は何もしてないっすから。ただ俺が無理矢理自分の家に連れて来ただけなんですから」
「ということは、修也誘拐したの!?」
本当は赤鬼が理由だが、見ていない人間にどう説明すりゃいい?耐久が君みたいな筋肉モリモリマッチョマンの変態だとでも言っておけば通じるか?
「ちげえよ。ただ刹那さんのファンがしつこいから身を隠すために連れて来ただけだ。その連れてくる方法が誘拐紛いなだけだ。断じて俺は犯罪は犯してねえ」
本当なのかと疑う目を向けてくるが、嘘はついていないのでしっかりと芹の顔を見る。すると刹那さんのフォローが入った。
「嘘ではないわ。本当アイドルでもないのにしつこいファンがいるものね。自分のものにしたいのか、あの手この手で来るもの」
一瞬こちらを見て左の瞼を閉じる。ウィンクというやつか。まあ俺は不器用なんで出来ないですけどね。
刹那さんのフォローもあって芹はうむむと考え込みはするものの気にしないと考えたようで疑いの気配は小さくなった。
「冷めると美味くないしさっさと食べましょうぜ」
そそくさと朝食を食べ終えると、俺は先に2人は行ってもらい後から行くと伝えた。
皿洗いもあるし、その前に昨日使った彫刻刀の整備に手榴弾の加工もする必要があるしな。
皿洗いを終えた後俺は洗っておいた空き缶をいくつか手に持って部屋に向かう。やることは簡単だ。
ただただ空き缶に釘を刺して中に害獣を追い払うための火薬を突っ込む。本物と比べて些か火力が低いのは理解しているがそれでも数メートル飛ぶ火薬だ。爆破方向を一定に集中させれば問題ない。怪我を負わせる程度になら十分だ。それに空き缶なら調達もしやすいしな。