僕らの鎮魂歌   作:キノコ二等兵

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走馬灯4

手製の手榴弾を完成させた後、俺は共に整備した彫刻刀と共に制服の中に忍び込ませる形で入れて置く。

 

昨日の夜のことを考えると、昼に襲われることはないだろうが、ここ最近の太陽の沈み方から考えて、下校途中に狙われるかもしれない。刹那さんを助けた弊害だ。気にすることじゃない。

 

学校に着いて授業を受ける。学校でもあの赤鬼を見た人がいたようで、不審者扱いで注意された。これは関係ないだろうが、生徒が何人か来ていなかった。十中八九風邪を引いただけだ。

 

放課後俺は休んだ生徒の代わりに体育館の掃除をする事になった。

 

それを終わらせ教室に戻っている途中、廊下に赤鬼が歩いているのを見つけた。

 

なんで赤鬼がいるんだ?昨日俺が殺したからか?仲間意識で俺に復讐しに来たのか?

 

俺の教室の前にいる。見ていない間に入ることは出来るだろうが、今度は出る時がキツイ。窓から出るか。

 

廊下側の窓から中庭が見えるので見てみると、そこにも赤鬼がいた。俺と同じように掃除で帰るのが遅くなったのだろうか?だがあのままでは襲われる。とはいえここは三階だ。運動をまともにしていない俺が降りればただ赤鬼に潰されるだけだ。

 

なら見捨てるのか・・・・・・?どうする?どうすりゃいい?

 

裏側に隠した手榴弾を思い出す。これを投げれば赤鬼を殺せるだろうけど、下の人が巻き込まれる可能性がある。

 

「見捨てりゃどうせ死ぬんだ。ワンチャンに賭けるしかない・・・・・・!」

 

空き缶を中庭に投げ込むと、地面に落ちて跳ね上がると同時に爆発して赤鬼数体の足に釘が刺さっていった。

 

その音に反応した廊下内の赤鬼たちもその音の元へと足を進めていった。

 

よしこれで入れる。教室に戻るとすぐに荷物を持って教室を後にする。

 

・・・・・・気配を感じる。これは赤鬼じゃない。じゃあ生徒か?赤鬼がいたから隠れていたのか?にしては・・・・・・。

 

後ろを振り返るが誰もいない。だが気配はある。俺が振り返ったのを見てまた隠れたのか?

 

もう暗くなって来たのもあって、もしかしたら俺と赤鬼を勘違いしたのかもしれない。それじゃあ、追いかけたり探したりするのは辞めておいた方がいいだろう。

 

俺はもう一度荷物を確認すると、赤鬼を警戒しながら階段を降りていく。

 

階段からでも中庭を見ることが出来るので踊り場から見てみると、——————は?

 

いや、勘違いだろう。奴らにだって理性に近い物はあるはずだ。だが、もしかしたらない・・・のか?んなバカな。まさか。まさか・・・まさ、か・・・・・・?

 

ゲームに出てくるゾンビとは違う。そういう証拠は何処にあった?ただ俺が見たことはなかっただけだった。

 

つまりはそういうことだ。赤鬼たちは自分の命を持たせるために虫の息の赤鬼を食べたのだ。

 

拳に力が入り壁を殴る。その音と共に首元に冷たい刃物の感覚が流れる。赤鬼だったらこんなことをせずに俺に刺しているだろう。つまりは人だ。だが、なぜ刃物を持ってきている・・・?俺は持ってきてはいるものの首元に持ってきても冷たさを感じる程の長さはない。だから・・・・・・。

 

俺は振り返りながら空いた手を腰の彫刻刀に当て拳を作った腕を盾の様に使う。

 

「音を立てるな。キミがあれを作ったのか・・・!?」

 

「お前は・・・確か、クラスで影の薄い・・・・・・」

 

これが俺が後に唯一無二の悪友となり贇と会った、そんな夜だった。

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