僕らの鎮魂歌   作:キノコ二等兵

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走馬灯5

「お、おいお前。なんてもん持ってきてんだよ?それ日本刀か?」

 

「そういうキミもしょうもない彫刻刀を持ってきてるの?言い分によってはキミが今回の首謀者だと判断させてもらうよ?」

 

こちらの意見は聞くつもりはないらしいようで、本気でそれをこちらに振ってきた。

 

「ちょ・・・!」

 

「動いたら打ち身も出来ないじゃないか!」

 

振るってる方が文句って逆ギレかよ・・・。遊びで作っていたとはいえ本気で人に刺すことなんて考えてないし、その前に刺す場所が見えない。どこも回避される。

 

刺すなら肉を切らせて骨を断つような形になる。つまりは意表をつくような使い方じゃないと当てること自体が出来ないほど、俺と贇とに差があるということだ。

 

「あとで喧嘩は受けてやるから、今は赤鬼が最優先だろ!あんな危険なもん残してたら俺を殺した後に贇。お前が殺されるかもしれないんだぞ!」

 

「君でも数体は倒せたんだ。僕に出来ない訳がない。それに蒔いたのは君なんだ。君さえ倒せば戦いは終わる」

 

ああぁぁぁ!!!!!何で人の話聞かないんだよ!あれか?SAN値ゼロだからなのか?ファンブってるんじゃねえよ!

 

下に行けば赤鬼がいる。前には贇がいる。どちらも相手にするのは俺には出来ない。出来たらさっき爆弾なんて使わない。

 

「あれはなんなんだ!言わないのならこちらは薬を使ってでも聞き出すよ?それはあんまりしたくない。知っているなら教えてくれないかい?」

 

そういうが刀を降ろす気配はない。というよりいつでも俺に突き立てられるようにも見える。まあ怖いから余計にそう見えるのもあると思うが。

 

上から足音がする。まだ赤鬼が上にいたのか?それとも別の階段から上がってきたのか?

 

「二人とも、声を上げて喧嘩をするなら全部が終わってからにしてくれない?あの化け物に襲われたいのなら続けてもいいのだけれど」

 

刹那さんだ。芹と帰ったと思ったが・・・。

 

「刹那ちゃん?ここ中学校だよね?何故あなたが?」

 

「そういう贇もわざわざ日本にまできて学生をやっているのかしら?」

 

「キュウの命令かい?最近の彼の行動は理解出来ないよ」

 

「日南休君とは関係ないわ。ただあの化け物について調べているからここにいるだけ。修也君。芹さんなら自宅まで送ったから気にしなくていいわ」

そうか・・・俺が掃除している間にちゃんと家に帰ったのか・・・。安堵で胸の撫で下ろす。

 

「彼は関係ないのかい?これには」

 

「いつものあなたなら簡単に見抜けるでしょうに。どうしたのかしら?」

 

「極東の人間の顔なんてみんな一緒だし、残ってれば犯人かなって」

 

なんて浅はかな・・・・・・。贇は知らない、興味ない場合は適当に処理するんだろうか?さっきまでみたいに。

 

「その態度はあとで抗議するとして、まずはここ出るわよ」

 

「下には赤鬼がうじゃうじゃいるんだぜ?どうやって脱出するんだ?」

 

全部ぶっ倒して行くとかは辞めてくれ。贇ならやりかねないが刹那さんはそこまで脳筋体質ではない事を切に願う。

 

刹那さんはこっちに来いと手招きをする。会話で赤鬼たちが反応したからだろう。僅かでも気づかれないように動きで伝えるつもりのようだ。

 

鞘があるわけではないので贇は刀を降ろすだけで捨てたりはしない。向けられてこちら側からすれば怖いので、先に行けと手で譲る。

 

向こうも分かってくれたらしく、俺はしんがりになることが出来た。

 

さあ刹那さんは俺たちをどこへ連れて行ってくれるんだ?

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