僕らの鎮魂歌   作:キノコ二等兵

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あれが事実なのか・・・

「おーい何寝てんだ?こんなとこで寝ると虫に刺されるぞー」

 

うるさい。どうせさっきみたいに目がない人がいるに違いない。トロワの声みたいだけど、もしかしたらさっきのが声を変えて出て来てるのかもしれないし・・・。

 

「寝てないなら少しぐらい反応しろよって言いたい所だが、熱中症かもしれないし、ちと身体の体勢変えるぞ・・・っよっと!」

 

「辞めてよ!」

 

「そんな怒ることないだろ?どうしたんだよ。いきなり倒れたと思って起こしに来たらいきなりキレて、こっちはついていけねえぞ」

 

「ふぇ?トロワ?」

 

「おう、トロワだぜ!何で倒れたかは聞かねぇけど、熱中症には気をつけろよ」

 

「うん・・・ごめん」

 

「悪いことしたわけじゃないのに謝んなよ。意味もなくすると最終的には謝っても意味なくなるぞ?」

 

確かにそうだけどボクからしたら、周りの人に喧嘩を吹っかけるような事をした訳だけど、トロワからすればそんなの知るかって事だし・・・・・・。

 

何故か倒れ込んでいたので立ち上がって身体に着いた土や葉を払い落としつつ、周りを見る。

 

誰もいない。いやいるにはいるんだけれど、いるのはトロワ達であってさっきの子供達はいない。やっぱり気のせいだったんだろうか?

 

———人殺し。いつまでそうやって逃げつつけてるんだ?———

 

さっきの目のない子供の声だ。他のみんながいる方向にはいないし後ろにいるんだろうか?何度も見たいものでもないし振り向かずトロワに店長が呼んでいたと伝えると、嫌がりながらもみんなに声をかけて枝を集めた山を手に抱える。

 

人1人ぐらいの山なのでこの人数で運べるんだろうか?ボクは手伝う気はないよ。ボクが頼まれたのは呼びに来る事で手伝えとは一言も言われてないし。って言っても下に降りたら降りたで何で手伝ってないんだとか言われるだろうし・・・。

 

それにしてもさっきのあれは何だったんだろう?外にシアター機具なんてないように見えるけれど、というか外にそんなの置いてもこの明るさじゃ見えないだろうし。ありえるとしたら、VRでも頭に取り付けたりしないと無理だろしなぁ・・・・・・。もし付けていたとしても違和感を感じない訳がないし・・・。

 

「ねえトロワ、こんな量の枝をたったの4人で足りるの?何回か往復しないと無理じゃないかな?」

 

「お前が来た方から行けばそうだろうけどさ、向こうになだらかな道があるんだ。それを荷台を使って運べば一回で行けるって訳だ」

 

「道の終わりはちゃんと店長の所に行くの?」

 

「それは神のみぞ知る何かってやつだぜ」

 

そんな行き当たりばったりな考えで恥ずかしくないんですかねぇ・・・?放っておくわけにも行かないけれど、贇が放置されてるのを考えるとトロワ達についていくわけにも行かないし・・・うーむどうしようか?

 

よし、こうしよう。トロワ達にはそのまま運んでもらって、ボクは先程来た道を戻りながら少ないけれども枝を集めて贇の所に行こう。トロワにはボクは確実性を取ると伝えてからさっきの道を戻って行く。

 

・・・・・・にしてもあの夢みたいな光景が現実だったとしたら、何処かに雨宿りが出来る場所があるはずだ。何故か気になって少し道を外れて先程の広場が見えるように円を描いていく。

 

——————そうやって偽善ぶって何がいいのさ。結局のところ君は逃げる理由を見つけるのに必死なんだ——————

 

それはそうかもしれないけど、誰だって自分は人を殺した記憶がないのにそんな事言われたら、自分が本当にそんなことをしたのかを確認したくなるじゃないか。

 

——————勝手にすれば?こっちは君が自分が殺したんだって分かった時の絶望の顔を楽しみにするだけさ——————

 

愉悦したいだけなのかな?人が苦しむ所を見て何が楽しいんだか・・・ボクには分からない。

 

広場の上に上がると小さいが墓石がある。あまり管理されていないようで、苔やらツタなどが墓石を守るように囲っていた。他人の墓石に手を出すのはあまり良いことではないけれども、どうしても気になるので名前が書いてあるだろう表の部分のツタを払うと、中には人の名前が刻まれていた。

 

気のせいだと思った。そこにはロシンという先程夢で見た名前が刻まれていた。これで確定したことになるのかな?いや、ここに残った死んだ人の意識がボクに見せたのかもしれない。そうでないと、何で人が死んだのにボクはそれを軽々と忘れられているのかが分からない。

 

家族じゃないからなのかな?だとしたらボクはなんて薄情な屑野郎なんだってことになるけれど、もしかしたら本当に薄情な屑なのかもしれない。そちらから行くと言って聞かないトロワもトロワだけれども、しっかり言い聞かせれば良い話しだし。

 

念の為インターネットでこの事について調べてみると、そのサイトには20人の子供が行方不明になり、1人の子どもだけが救助されたらしい。誰が救助されたのかまでは表記されてなかったけれども、少なくともここに刻まれている名前は行方不明者の名前なのかもしれない。

 

行方不明になった子供たちには悪いけれど、ボクはその墓石をケータイで撮る。その写真が撮れているか確認しようとしたら、店長から連絡がきたので写真は後にして電話に出る。

 

『おい!何でトロワを呼びに行ったお前の方が遅いんだよ。常識的に考えて一緒に帰ってこいよ』

 

あ、そっちからも行けたんだ。というか早くない?

 

「ちょっと気になったもの見つけてさ。もうみんなは集まってる感じ?」

 

『そうだな。あとは贇とお前だ』

 

「誰も行ってないのか・・・」

 

『お前が行くって言ったからな。それに俺も今やっと電話できる状況になったから連絡してるだけだし、さっさと贇を引き下ろして連れてこいよ』

 

分かったと言い電話を切る。この墓石は気になるけれども今はみんなと遊びに来ているんだ。嫌な事は考えるのは後でいいや。

 

ボクは坂を走って下り贇の所に向かってからみんなのいる場所に向かった。

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