<就職活動>
「また、ダメだったか」
僕は不採用通知を投げ捨てた。
三流大学、しかも僕は二浪している。
本命の大学が諦めきれず二浪までしたが、結局ダメで滑り止めの大学に入ったのがいけなかったのか。
もう、ほとんどの会社の入社試験は終わっている。
残るは中小企業だが、やっぱり、大企業に入りたい。
大学入試で失敗したんだ、ここで挽回したい。
周りにも自慢できるし、女と付き合うにしたって勤め先のブランドは大きい。
なにか上手い方法はないのか・・・
ふと、求人情報が目に留まる。
『三つ葉商事 一般職急募 男女問わず ※総合職への転換制度あり』
これは・・・
去年、男女雇用機会均等法が再改正され、総合職と一般職の男女採用数の均衡を図ることになった。
政府の指導により、大企業には目標数値が設定されている。
目標達成できなかった企業にはかなり厳しいペナルティが課されると言うし、マスコミに取り上げられて社会的な批判にさらされることを企業はかなり警戒していると言う。
だいだい。求人票にわざわざ男女問わずと書いてあるのも奇妙だ。
これは、実際には一般職の男子募集ではないか。
それに、総合職への転換制度もあるって書いてあるし、取り合えず、一般職で入社して、総合職を目指すという手もあるんじゃね。
一筋の光が見えた気がした。
<採用試験>
エレベーターを降りて、最上階の大会議室に入る。
やっぱり女子が多い。
男子学生もちらほらいるが、目に入る範囲ではほんの数人だ。
やっぱり、男は形式的な募集なのかも
なんだか、少し不安になる。
ええい、弱気は禁物だ。
とにかく、今日の一次試験に合格するんだ。
総合職の一次試験を何度も受けた僕だが、今日の試験はかなり難しかった。
面接重視の総合職とは少し、勝手が違うようだ。
もっと、一般職向けの試験を研究しておくべきだった。
うーん、今日はヤケ酒だ。
一週間後、三つ葉商事からの郵便物。
僕は震えながら、封筒を開ける。
一次試験合格だ!
やった、次は面接だ。
もう、コレって採用されたも同じじゃね。
僕はご機嫌で飲んだくれた。
面接は上々だった。
圧迫面接もなかったし、随分丁寧な面接だ。
今までの総合職の面接とは違って、十分、手ごたえはあった。
コレはいけるぞ。
もう、コレって採用されたも同じじゃね。
僕はご機嫌で飲んだくれた。
一週間後、三つ葉商事からの郵便物。
僕は震えながら、封筒を開ける。
・・・・えっ?まさか・・・・
僕は青くなった。
それは、まさかの不採用通知だった。