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「また、ダメだったか」
僕は不採用通知を投げ捨てた。
三流大学、しかも僕は二浪している。
本命の大学が諦めきれず二浪までしたが、結局ダメで滑り止めの大学に入ったのがいけなかったのか。
もう、ほとんどの会社の入社試験は終わっている。
残るは中小企業だが、やっぱり、大企業に入りたい。
大学入試で失敗したんだ、ここで挽回したい。
周りにも自慢できるし、女と付き合うにも、勤め先のブランドは大きい。
なんとかならないものか・・・
ふと、求人情報が目に留まる。
『三つ葉商事 一般職急募 男女問わず ※総合職への転換制度あり』
これは・・・
去年、男女雇用機会均等法が再改正され、総合職と一般職の男女採用数の均衡を図ることになった。
政府の指導により、大企業には目標数値が設定されている。
これは、実際には一般職の男子募集ではないか。
それに、総合職への転換制度もあるって書いてあるし、取り合えず、一般職で入社して、総合職を目指すという手もあるんじゃね。
一筋の光が見えた気がした。
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<採用通知>
なにがダメだったんだろう。
僕の回答に対して、面接官達の反応は良かったし、今まで総合職の面接とは違って、十分、手ごたえはあった。
やっぱり、男の採用は建前で、本音は女子のみなんだ。
うーん、今日はヤケ酒だ。
数日後、僕はスマホでメールをチェックしていた。
うん?
三つ葉商事?
今更なんの連絡だ。ただのダイレクトメールかな。
削除のチェックした筈が、操作ミスで中身を開く。
えっ?
それは、追加の採用通知だった。
やったーーーーーーーーー!!
僕は久しぶりにサークルの友人達に連絡をとり、飲んだくれた。
「オレ、あの三つ葉商事に受かったんだよ」
僕は上機嫌で友人達に自慢した。
「スゲー、マジかよ」
一般職ってことはもちろん秘密だ。
<通信教育>
1ヵ月後、膨大な資料が送られてきた。
入社前に通信教育で事前勉強しなくちゃいけないなんて、聞いてない。
せっかく、講義もゼミも週一になったことだし、もう、残りの大学生活は遊んで暮らそうと思っていたのに、思惑が外れてしまうじゃないか。
大学の講義なら友人のノートを借りて試験対策するところだが、こんな会社独自の通信教育では、その手は使えない。
そうだ、飯でもおごって、後輩にやらせちゃえばいいんじゃね。
去年の講義の資料とトレードしてもいいし。
我ながら上手い手じゃん。
送られてきた他の資料にも目を通す。
一般職の制服の資料もあった。
女性のモデルだったが、注意書きに男子一般職はパンツスタイルと書いてあった。
パンツスタイルってズボンのことだよな。
まあ、さすがにそうだよな。
いくらなんでも男にスカートを履かせるわけないもんな。
僕はご機嫌で飲んだくれた。