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「また、ダメだったか」
僕は不採用通知を投げ捨てた。
三流大学、しかも僕は二浪している。
本命の大学が諦めきれず二浪までしたが、結局ダメで滑り止めの大学に入ったのがいけなかったのか。
もう、ほとんどの会社の入社試験は終わっている。
残るは中小企業だが、やっぱり、大企業に入りたい。
大学入試で失敗したんだ、ここで挽回したい。
周りにも自慢できるし、女と付き合うにも、勤め先のブランドは大きい。
なんとかならないものか・・・
ふと、求人情報が目に留まる。
『三つ葉商事 一般職急募 男女問わず ※総合職への転換制度あり』
これは・・・
去年、男女雇用機会均等法が再改正され、総合職と一般職の男女採用数の均衡を図ることになった。
政府の指導により、大企業には目標数値が設定されている。
これは、実際には一般職の男子募集ではないか。
それに、総合職への転換制度もあるって書いてあるし、取り合えず、一般職で入社して、総合職を目指すという手もあるんじゃね。
一筋の光が見えた気がした。
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<入社研修>
4月になった。
今日から入社研修だ。
少し郊外にある研修所で、二週間の宿泊研修。
久しぶりに9時から5時まで、みっちり講義。
ふう、こんなの高校以来だ。
結構疲れる。
それに、たまに運悪く指されることがある。
なんだか、しどろももどろになって、うまく答えられなかった。
恥ずかしい。
後から考えると、十分答えられる質問だったのに。
アフター5は、女子たちと飲み会のセッティングに奔走する。
これは、サークルで鍛えたお手の物、数少ない男子を集めて、連日合コンだ。
んっ?
今日の講師役の社員は、なんか見覚えがあるぞ。
誰だったか・・・
「もしかして、センパイじゃないですか?」
<先輩と後輩>
「えー、ひょっとして、たっちゃん?」
講師役の彼女は、高校時代の一年後輩だった。
星野 龍子(ほしの りゅうこ)
龍の字をもじって「たっちゃん」て呼んでいた、高校時代の部活の後輩。
実は結構いい雰囲気になりそうだったこともある。
勇気がなくて告白はしなかったけど、当時、彼女も僕に多少は好意があったんじゃないかと思う。
彼女は僕の本命志望の大学に現役合格して、入社二年目だと言う。
しかも、特選抜で今年、主任になったんだって。
「すご~い」
僕は素直に感心して、驚きの声を上げた。
「こら、今はあたしが先輩社員なのよ。ちゃかさないで」
「ごめんなさい、セ・ン・パ・イ」
二人で大笑い。
まるで、高校時代に戻ったみたい。