☆一般職男子   作:みさお

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<配属先決定>、<通勤電車>

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「また、ダメだったか」

僕は不採用通知を投げ捨てた。

三流大学、しかも僕は二浪している。

本命の大学が諦めきれず二浪までしたが、結局ダメで滑り止めの大学に入ったのがいけなかったのか。

もう、ほとんどの会社の入社試験は終わっている。

残るは中小企業だが、やっぱり、大企業に入りたい。

大学入試で失敗したんだ、ここで挽回したい。

周りにも自慢できるし、女と付き合うにも、勤め先のブランドは大きい。

なんとかならないものか・・・

 

ふと、求人情報が目に留まる。

『三つ葉商事 一般職急募 男女問わず ※総合職への転換制度あり』

これは・・・

 

去年、男女雇用機会均等法が再改正され、総合職と一般職の男女採用数の均衡を図ることになった。

政府の指導により、大企業には目標数値が設定されている。

これは、実際には一般職の男子募集ではないか。

それに、総合職への転換制度もあるって書いてあるし、取り合えず、一般職で入社して、総合職を目指すという手もあるんじゃね。

一筋の光が見えた気がした。

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<配属先決定>

二週間の研修が終了し、配属先が決まった。

本店営業五課

本社への配属だなんて、幸先がいい。

「本社勤務」って、なんかエリートサラリーマンみたいじゃね。

最後に、一般職全員と男子一般職だけで記念写真。

土日をはさんで、週明けには、いよいよ本番だ。

土曜日の夜、僕は久しぶりにサークルの友人達に連絡をとり、飲んだくれた。

「オレ、いきなり本社勤務になったんだよ」

僕は上機嫌で友人達に自慢した。

「スゲー、マジかよ」

一般職ってことはもちろん秘密だ。

 

翌日の昼過ぎに、ようやく起きる。

うーん。

もう、明日からはこんな自堕落な生活はできないな。

僕は、最終日に配布された制服を見る。

上は、ワイシャツにベスト、下はパンツスタイルっていうかズボンだ。

リボン風の小さなタイがちょっと恥ずかしい気もするが、ソムリエやギャルソンだって、こんなリボンタイしてるし、これ位どうってことはない。

最終日には、サイズ確認のため、実際にこの制服を着てみたが、男性が着ても違和感はなかった。

ズボンともデザインがマッチして、むしろオシャレな感じ・・・てか、僕って結構イケメンじゃね。

     

【挿絵表示】

 

 

 

<通勤電車>

こんな朝早くから電車に乗るのは何年振りだろう。

朝のひんやりとした空気が心地いい。折角だから、先頭車両に乗ってみるか。

んっ?

周りが女性だらけだ。

次の駅でも、入ってくるのは女性ばかり。

しまった!これは、女性専用車両か。

僕は慌てて、次の駅で隣の車両に乗り込む・・・乗れない。

この時間って、こんなに混んでるのかよ。

僕は諦めて、一本見送って次の列車に乗る。

むっ?なんだか、お尻がムズムズする。

オイオイ、僕は男だぞ。

首筋に荒い息がかかる。

気持ち悪い。

痴漢は絶対すぐ後ろのヤツなのに、ぎゅうぎゅう詰めで全く身動きが取れない。

何だか恥ずかしくて、ちょっと怖いのもあって声も出す気になれない。

悔しくて、惨めだ。

こんなことなら、そ知らぬ顔をして、あのまま女性専用車両に乗っておけばよかった。

こんなに混んでなくて、結構快適だったのに。

     

【挿絵表示】

 

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