☆一般職男子   作:みさお

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<初出社>、<歓迎会>

<初出社>

出社していきなり、困った。

男子更衣室が見当たらないのだ。

僕は仕方なく、男子トイレの個室で着替える。

個室の外で他の社員とすれ違う。

一瞬驚いたような顔をして、彼は立ち止まった。

「おはようございまーす」

僕は、軽く挨拶してトイレの外に出る。

     

【挿絵表示】

 

 

「天川 操夫(あまかわ みさお)と申します。よろしくお願いします。」

僕は、当たり障りにない挨拶をして席につく。

配属された営業五課は、課長も含め全員女性で少し不安だったけど、その中に高校時代の後輩だった星野 龍子(ほしの りゅうこ)がいて、少し安心した。

やっぱり、知り合いがいると心強い。

僕の教育係は、入社2年目の一般職の女性で、松田 綾乃(まつだ あやの)さん。

優しいお姉さんってタイプかな。でも、ホントに彼女の教え方って丁寧でとても分かり易い。

 

お昼は、同期の一般職の女子社員と一緒に食べる。

彼女は、同じフロアの営業三課の大城 麻里(おおしろ まり)さん。

研修中の飲み会で仲良くなった女子の一人だ。

別フロアの休憩室で仲良くお弁当を広げる。

一般職の給料は安い。少しでも節約するんだ。

まあ、まだ給料は一度も貰ってないんだけどね。

「ちょっと、タバコ」

食べ終わって暫くすると、彼女は部屋の隅の喫煙室へ向かって行った。

『えー、彼女タバコなんて吸うんだ。幻滅だなぁ』

研修所の娯楽室で飲み会をした時は吸っていなかったけど、研修所内は禁煙だったもんな。

最近のOLさんってタバコを吸う人が結構いるっていうけど、喫煙室の中は女性だらけで、男性は数人の年配の社員だけのようだ。

女性がタバコなんてみっともないし、下品だと思う。

第一、女がタバコなんて生意気だろ。

 

 

<歓迎会>

午後3時に、綾乃先輩がお茶を淹れてくれた。

僕は仕事の手を止めてティータイム。

一緒に配ってくれたお菓子を食べながら、綾乃先輩と世間話。

この時間帯は、総合職の社員はほぼ全員出払ってる。

束の間の、まったりとした時間。

今日は水曜日。

毎週水曜日は早帰り日だそうだ。

まだ。実質入社3日目の僕には、その感覚が分からないが、今日は何だか、みんな活き活きとしてるような気がする。

定時の5時で業務終了、だけど今日は課内で僕の歓迎会だ。

休憩室で時間を潰してから、お店に向かう。

開始時間になったけど、席に着いたのは綾乃先輩と僕の二人だけ。

早帰り日と言っても、実際にはなかなかそうは行かないらしい。総合職って大変なんだなぁ。

30分ほど待ってようやく全員集合。

ふう、待ちくたびれた。これで、やっとビールが飲める。

「「カンパーイ」」

予想していたとおり、今日は僕への質問責めだ。

たっちゃん、いや、星野主任と高校時代に、先輩後輩の関係だったことは、既に全員が知っている。

当然、質問はそこに集中するわけで、当時どんな関係だったのか、執拗に聞かれまくる。

僕は誤魔化すために、飲みまくった。

もっとも、高校時代の僕が彼女のことが好きだったことは、白状させられてしまったけど。

 

「うーん」

見慣れない部屋で、僕は目を覚ます。

二次会に行ったことまでは覚えてる。

うんっ?

「あっ、起きたの?」

彼女がコーヒーを僕に手渡しながら、そう言った。

えっ!僕、やっちゃったのか?

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