繰り返される堕天   作:猫犬

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全部書き終わった~。あとは、おかしい部分とかないか見てくだけ~。
という訳で、連日投稿実行です。もう始まってるけど。

今回は梨子ちゃんと果南ちゃん視点です。


23 よくない予感

『リリー!マリー!返事をしてよ!』

『『……』』

 

風邪をひいたよっちゃんのお見舞いに来た私と鞠莉ちゃんは、エレベータに乗ったらワイヤーが切れたのかいきなり落下して、落下したエレベータは地面に衝突した。そして、その中にいた私と鞠莉ちゃんは地面に倒れていた。私はそれをなんでか別の視点から見ていた。どうしてそこに私が倒れていて、それをはたから見ているのかわからない。わかることは、あの私と鞠莉ちゃんは明らかに助からないこと。

階段を駆け降りてきたよっちゃんはどうにか私たちの元に行こうとするけど、ちょうど帰って来たよっちゃんのお母さんに身体を押さえられる。

どうして、私はこんな光景を見ているんだろう?どうして、私と鞠莉ちゃんが死んじゃう光景が広がってるんだろ?

 

 

暗転

 

 

『私のせいだ!私がもっと早くに気付いていれば……そもそも風邪をひいて休んだりしてなければ……』

 

場所は変わって、よっちゃんの部屋。よっちゃんは自分の部屋のベッドの上で泣いていた。私と鞠莉ちゃんは病院で死が確認されたらしい。

すると、よっちゃんは身体を起こして机に寄る。そのまま机の上に置いていた黒い水晶の付いたペンダントを手に取る。綺麗な水晶だなぁと思っていると、ペンダントを握りしめる。そして、一度目を瞑ると少ししてから何かを決心したような表情をし、

 

『我願う。故に我乞う。リリーとマリーの居る日常を!』

 

そう口にした。直後水晶が輝き、私とよっちゃんは輝きに包まれたのだった。

 

 

~~

 

 

ピピッ、ピピッ。カチャッ!

 

アラームが鳴って、一切顔を上げないで時計に手を伸ばすとアラームを止める。

 

「ん~。朝?」

 

寝ぼけ眼で身体を起こすと、カーテンからこぼれる光で今が朝なのだと理解する。なんだろ?今の夢。私と鞠莉ちゃんが死んじゃう夢なんて縁起が悪いなぁ。

今日は朝練があるからあまりのんびりしていられない。だからベッドから起きると制服に着替えてリビングに行く。お母さんがちょうど朝ごはんを作っているところで、食器棚から食器を出して並べ、その上に乗せられていく。それを机に運ぶと食べ始める。

 

「梨子。何かあったの?浮かない顔しているけど」

「うん。なんでか、私が事故に遭う夢を見ちゃって」

 

食べていると、お母さんがそう聞き、隠す必要も無いから夢のことを話すとお母さんは浮かない顔をする。

 

 

『今日の十二位は双子座のあなたです』

「大丈夫。ただの夢なんだから」

「そう……でも、一応気を付けてね」

「うん」

 

お母さんに心配はかけたくないから明るく振る舞うと、それで一応は安心してくれたようだった。

正夢にはしたくないから今日は気を付けようと心に決めると、朝ご飯を食べ終え、私は部屋に戻って忘れ物が無いか確認する。そう言えば、よっちゃんは今日学校に来れるのかな?一日で治るとは思えないけど。

 

ヨハネ『治らなかったわ(キッパリ)』

 

するとスマホに通知が来ていて、善子ちゃんは今日も休むようだった。

なんで、そんなに堂々としてるんだろ?それと予想が的中しちゃった。

 

「『やっぱり……』っと。どんな反応をするのかな?」

 

マリ『そんな気がしてたわ』

ヨハネ『なんでよ!』

 

あっ、ツッコんだ。っと、のんびりしていられないしそろそろ行こっと。

 

 

~~

 

 

「では、今日の練習はこのくらいにしておきましょうか」

 

放課後。私たちはダンスの練習をしていた。そして、あまりやりすぎるのも禁物ということで今日の練習が終わった。

 

「そうだ!この後みんなで善子ちゃんのお見舞い行かない?」

「いいですね……とはいえ、お見舞いに来なくていいと善子さんは言ってましたが」

「そうは言ってもお見舞いに来てもらえたらうれしいものでしょ?」

「マルは賛成かな?善子ちゃんにプリント持って行かないとだし」

 

千歌ちゃんがそう言ったことでみんな差はあれど賛成なようだった。でも、よっちゃんが朝の段階で来なくていいと言ってたわけで、本当に行っていいのかが問題だけど。できれば、よっちゃんい直接会って大丈夫か知りたいところではあるけど。

 

「でも、全員で行くのは迷惑になりそうだし、数人にしておかない?」

「そうだね。全員で行くのはさすがにね」

「じゃっ、じゃんけんで負けた二人にしよっか」

「なんで負けた二人なの?」

「気分?」

「どっちでもいいずら。でも、マルは負けてみせるずら」

「負けることに意気込むのって変な感じですわね」

「じゃーんけーん」

『『『ぽんっ』』』

 

何故かじゃんけんで負けた二人が行くということになり、私たちはそれぞれ手を出す。その結果、

 

「あっ、負けた」

「Oh、負けたですね」

「やっぱり違和感ない?」

 

私と鞠莉ちゃんが負けて行くことになり、曜ちゃんは首を傾げていた。でも、よっちゃんの事が心配だし良かったかな?

 

「では、善子さんのことは任せましたわ」

「これ善子ちゃんに渡してね」

「うん。ちゃんと渡すね」

 

花丸ちゃんからプリントと今日と昨日の分の授業のノートを受け取ると鞄にそれをしまい、私たちは学校をあとにした。

 

 

~~

 

 

「よっちゃん寝ちゃったね」

「そうね」

「善子、大丈夫?あら、お見舞いに来てくれたのね」

 

よっちゃんの家に上がらせてもらい、プリントとか鞠莉ちゃんが途中で買ってきた果物の詰め合わせ(どうやってあの量を鞄に入れたんだろ?)を渡した。それから、少し話をしてよっちゃんをベッドに寝かせ、なかなか眠れないから昔病気の時にお母さんにしてもらったように頭を撫でると、よっちゃんは落ち着いたようで眠りについた。私たちはそれを見届けると、ちょうどよっちゃんのお母さんが帰ってきた。

 

「お邪魔しています」

「ええ。お見舞いに来てくれてありがとう。この子、強がってはいるけど、昨日も寂しそうにしてたから」

「そうだったんですか。なら、来てよかったです」

 

よっちゃんのお母さんからそんな話をされると、私たちはそろそろ帰ることにした。あまり長いしていても迷惑かもしれないし。

 

「では、私たちはこれで」

「そう?気を付けて帰ってね」

「はい。そうしますね」

 

そう言って、マンションの廊下に出ると、私たちはエレベータの方に行く。そして、ボタンを押してエレベータが来るのを待つ。

あれ?この光景何処かで見たような?……あっ、今日見た夢だ。エレベータに乗ったら落下してたし。そう考えると、急に乗るのが嫌になってきたかも。

 

「ねぇ、鞠莉ちゃん。なんとなく階段で帰らない?」

「気が合うわね。私もなんとなくそんな気分だわ」

 

私の提案に鞠莉ちゃんも同意してくれた。でも、私の意見に乗ってくれるとは思ってなかった。もしかして、鞠莉ちゃんも私と同じ理由だったりして。まさかね?

 

 

~~

 

 

結局あの日は何事も無く家に帰ることができた。でも、一昨日よっちゃんから聞いたけど、エレベータが落下したとか。ただの偶然だよね?現に私たちは生きてるんだし。

 

「なんて夢を見たの」

「ふぇ~。チカも屋上から落下しちゃう夢を昨日見たんだよね」

 

土曜日の放課後。曜ちゃんから自分が死んじゃう夢を見たと聞いた私と千歌ちゃんは夢のことを話した。まさか、二人まで見ていたとは思わなかった。でもそうなると、あれがただの夢だったとは思えなくなってくる。似た夢を三人とも見ているし、これを偶然で済ませたら何かがまずそうだし、手遅れになりそうな気がする。

 

「あれ?千歌に二人とも、なんでこんなところにいるの?」

「ん?何のこと?」

 

すると、しいたけちゃんの散歩に行っていた美渡さんが部屋にやって来て、私たちがここに居ることに対して驚いていた。どうして驚かれたのかわからずに困惑していると、美渡さんは私たちの反応から言葉を続ける。

 

「いや、善子ちゃんが浦女の方に行くバスに乗ってたから、なんかするのかと思って」

 

その瞬間、私は何か良くない事が起ころうとしている気がした

 

 

~果南~

 

 

『嘘……果南!ダイヤ!』

『よいしょ』

『果南!ダイヤ!……善子!ここで何が起きたの!?』

『……いきなり倉庫が崩壊して……それで二人とも私をかばって……』

『嘘……』

『いやっ!』

 

ダイヤと曜、善子ちゃんと倉庫の掃除をしていたところ、私たちは倉庫の崩落に巻き込まれ、転倒した善子ちゃんを助けて脱出しようとするも崩落に巻き込まれていた。そして、倉庫の柱が私とダイヤの身体に突き刺さっていた。見るからに痛そうだし、出血の量から見ても、手遅れなのは一目で分かる。

そんな光景を少し離れた場所から私は見ていた。私が私を見てるのは違和感しかないけど、こんなことそうそう起きる訳がないからたぶん夢かな?

 

『私のせいだ!私が……』

「善子ちゃん!?」

 

そして、善子ちゃんはいきなり走り出すと曜の声を無視して何処かに行く。善子ちゃんが何を考えているのかわからないけど、この夢は善子ちゃんを中心にしているみたいで善子ちゃんの方に動き出す。

善子ちゃんは部室に着くと自分の鞄を漁って黒い水晶のついたペンダントを取り出す。ダイヤに見つかったら没収されそうだなぁと思っていると、善子ちゃんは一度目を瞑って動かなくなり、パッと目を開くと、

 

「我願う。故に我乞う。果南とダイヤの居る日常を!」

 

よくわからないことを口にした。なんかの呪文みたいだけど、どういう意味なんだろ?それに、私とダイヤの名前が入ってるし。

 

「わっ!」

 

すると、水晶からまばゆい輝きが放たれ、私はその眩しさから手で目を覆った。

 

 

~~

 

 

「わっ!」

 

目を覚ますとそこは私の部屋だった。なんというか気分が悪い。自分が死んじゃう夢なんてただでさえ不快なのに、ダイヤまで死んじゃってるとか。

それに加えて外はまた雨。こういう時は身体を動かして気分転換したいのに、あまり外で走る気分にはならない。小降りなら走れるけど、さすがにこの雨の中走るのは風邪ひきそうかな?

とりあえず制服に着替えると朝ご飯の準備を始める。母さんも父さんも今日はお客さん予約があるからとか言ってたから今は家の中にいないみたいだった。それと、洗い終わったお皿があるってことはもう食べたみたいだし。でも、こんな雨の日だとキャンセルされそうかも。潜るからあまり雨は関係ないけど、あまりに強いと海が荒れるからその辺りは難しい所。海が荒れるとこっちと向こうの行き来が難しくなるから、荒れないでほしいけど、今日はどうだろ?

そんなことを考えながら、食パンをオーブンで焼いて、卵焼きとウインナーをフライパンで焼く。そして、レタスとかを適当に切ってドレッシングをかけてっと。

それらを机に運んでテレビを点ける。雨が止んでくれるといいんだけどどうだろ?

 

『今日の十二位は山羊座のあなた』

「ん、山羊座って一月だからダイヤだ」

 

ちょうど占いをやっていたところで、山羊座が一月一日を含めていたからそう呟いた。ダイヤって割と占いとか信じそうだし後で教えてあげよっと。

それから朝ごはんを食べ終えて、食器を洗って準備を整えるといい感じの時間だから家を出る。さっきスマホを見たら鞠莉は理事長の仕事があるから先行くって書いてたから、一人。まぁバスに乗れば誰かしらに会うか。

 

 

~~

 

 

「ダイヤー。これも運ぶ奴に入れればいい感じ?」

「はい。そうですね」

「うぅ、なんでこんないっぱいここに関係ない物があるのー」

「あはは。文句を言っても減らないから頑張ろ」

 

放課後になっても雨が降っていたことで練習が出来ず、私たちは生徒会の仕事を手伝っていた。梨子ちゃんと一年生三人は生徒会室で書類整理、鞠莉は理事長の仕事、私たち四人は倉庫の整理をしていた。善子ちゃんはなんでか倉庫整理をしたがったけど、病み上がりだし流石にきつそうだからあっちに行ってもらった。正直、こっちは力仕事だから一年三人には厳しそうだし、梨子ちゃんは一応あっちにいた方が書類整理はスムーズに進みそうだからこういう分かれ方になった。

でも、困ったことにここの倉庫に無いはずの物が置かれているせいで棚に収納しきれない。ダイヤの話だと、適当にしまわれた結果だとか。こういうのはちゃんと整理しないと後々こういうことになるから、ちゃんとやっておいてほしかったぁ。

曜が言った通り文句を言っても無駄だから黙々と、時々ダイヤに確認しながら進めていく。

 

「さて、余計なものはこれくらいでしょうし、運んでしまいましょうか」

「うん。それでどうする?二人で運んで、残り二人はここで作用を進める?」

「うーん。その方がいいのかな?」

「どうだろ?……」

ビュー、ガタガタ。

 

ここに二人残して、それぞれの倉庫に物を戻しに行くか、二人ずつに分かれて倉庫に運ぶか。向こうの倉庫に行ったら、しまわなきゃいけないけど、ここもまだまだやることは残っている。

それと、さっきから倉庫に風が吹きつけるたびに妙な音が響くのが気になる。まさか、倒壊なんてことは無いよね?朝見た夢的に少し怖い所だけど。

 

「まっ、二人ずつに分かれて運ぼうか」

「そうしましょうか」

「じゃぁ、千歌は曜ちゃんと行って来るね」

「ヨーソロー」

 

千歌と曜は聞くや走って行ってしまった。雨降ってる中走るのは危ない気がするけど平気かな?

そんなことを考えながら、私たちももう一つの倉庫の方に荷物を運ぶ。

 

「なんか、倉庫が崩れないか心配なんだけど」

「わたくしもそこは気になりますけど、そう簡単に壊れる物でもありませんし……」

「でも、心配?」

「まぁ、あんな音が鳴っていれば」

 

ゆっくり運びながらそんなことを言えば、ダイヤも同じことを思っていたらしかった。となると、やっぱり倉庫壊れるのかな?そんな予感があるから極力倉庫から離れる選択をしたけど。

もう一つの倉庫に着くと、本来ある場所に荷物を入れていく。こっちの倉庫は風が吹きつけても変な音は聞こえてこない。そのせいか、余計に向こうの倉庫が心配になって来るんだけど。

 

「果南さん、心配し過ぎですわ。一応半年前にも検査はしま――」

ドンガラガッシャーン!

「……」

「今の音って」

 

超嫌な予感しかしない音がさっきまでやってた倉庫の方から聞こえてきた。ちょうどしまい終わったところだから私たちは戻ってみると、倉庫は崩れていて、物音を聞きつけたのか生徒や先生が集まっていた。

 

「わー。倉庫がぺちゃんこだ」

「すんごい音だったね」

「まぁ、結構ギシギシ言ってたしね」

「はぁー。整理したのが無駄になりましたね」

 

率直な感想を漏らすと、千歌と曜も走って戻って来て目を丸くしていた。いやー、みんな倉庫の外に出払っててよかった。

 

 

~~

 

 

「鞠莉も見たんだ……」

「果南も見てたとなると余計不吉ね」

 

土曜日の放課後。みんなと別れて淡島に戻ってきた後、私の部屋で鞠莉と一緒に次の曲の振付案を考えていた。そんな中、無茶な振り付け案も考えた時に「それじゃ事故になるわよ」って言われて、事故でそう言えばあの時の倉庫はどうなったのかって話になった。倉庫自体はやっぱり老朽化が原因らしく、火曜と木曜の雨がとどめになったらしかった。

で、そう言えばあの日の朝に倉庫の崩落に巻き込まれる夢を見たと言ったら、鞠莉は顔色を変えて、どんな夢か聞かれたから、覚えている範囲で話した。そしたら、鞠莉は難しい顔をして考え込んで、鞠莉も自分が死んじゃう夢を見たのだと話した。こんな不吉な夢を鞠莉も見ていたことに驚いた。

その後、いきなり曜から『善子ちゃん、そっちいる?』って連絡が来た。

話を聞くと、善子ちゃんが浦女の方に行くバスに乗っていたんだと美渡姉が言ってただとか。それだけならただ忘れ物で押して取りに戻ったと思えるけど、善子ちゃんと連絡が付かないだとか。だから、みんなは知らないのかと聞いているみたい。

 

「変な夢に、善子ちゃんと連絡が付かない」

「それと、たて続けに最近起きてる事故。そして、私と果南の夢に共通して願う善子」

「なんかすんごく嫌な予感しかしないんだけど」

「奇遇ね。私もよ」

 

鞠莉も私と同じようなことを想像しているようで、私たちは立ち上がる。善子ちゃんが何事も無く見つかればそれでいい。

 

「鞠莉、これ着て乗って!」

「OKよ」

 

一階に降りると私は鞠莉にダビングスーツを投げ渡す。鞠莉はそれだけで私のしようとしていることを理解して制服の上から着始める。私も自分のを手に取るとそれを着る。

何か起きる前に見つけないと!




また、明日~。ノシ
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