とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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プロローグっぽいもの

悪魔、天使、堕天使

 

これらの種族は古来より長く争ってきた。

その戦争は三つの勢力に多大な被害を出し、ありとあらゆるモノに影響を与えていった。

 

しかしその戦争の最中とある種族は言った。

 

 

━━━我等こそ頂点に立つべき種族。それ以外は全て下等な存在だ

 

 

その種族は王を筆頭にあらゆる生物の命を奪っていく。

 

悪魔、天使、堕天使、魔獣、幻獣、伝承の生物、そしてドラゴンまでもありとあらゆるモノの命を奪ってった。

 

その中には"二大龍"【赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)】と【白い龍(バニシング・ドラゴン)】までも。

 

双龍は"闇の鎧を纏った王"と争う。肉を裂き、血を流し、骨を砕き、臓器を潰し、ただ殺し合い続ける。

 

そして長い長い闘いの果てに双龍と王は跡形も無く消えた。

その闘いは戦地を灰に変え、あらゆる種族を巻き添えにして戦争は終わったのだ。

 

 

それ故に三大勢力はその種族を恐れた。

世界各地にあらゆる伝承を残したその存在は正に畏怖を形にしたような種族だった。

その種族は生きてはいけない。

いや、生かしてはいけない存在なのだ。

 

いつしか、その種族は王の死により王位を狙ったモノ達による殺し合いと、三大勢力の手によって滅んだ。

 

 

その種族の名は【ファンガイア】

命を奪い取る怪物だ。

 

 

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

「…………」

 

 

月の光が眩しい夜の廃棄された工場。

そこに一人少年が立っていた。その少年は不気味という程静かだった。

少年の目は壊れた天井から漏れた月の光に反射されているのか不気味に輝いていた。

 

 

『お兄ちゃん……どうしたの…?』

 

 

すると廃工場の奥から一人の女の子が歩み寄ってくる。

 

『こんなところにいると危ないよお兄ちゃん………』

 

「…………」

 

『こんなところにいたら危ないよ……危ないよ 危ないよ 危ないよ危ない

危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない死ね危ない危ない危ない危ない危ない死ね危ない危ない殺す危ない危ない危ない危ない危ない危ない食わせろ危ない危ない死ね危ない危ないない死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね危ない危ない食わせろ食わせろ食わせろ死ね死ね死ね死ね殺す』

 

 

しかしその女の子の背中から肉が溢れて出てくる。巨大な腕が脚が鋭い牙が爪が尾が出てくる。

 

『あ、あ、あ、あ亜あああnAああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!』

 

その女の子の正体は醜い化け物だった、その化け物は暴れるかのように爪を振り回す。

恐らく化け物はその鋭い爪で少年の体を引き裂いた後、肉の一欠片、血の一滴も残さず全てを喰らい尽くすつもりなのだろう。

 

化け物は雄叫びを上げながらその少年に飛びかかる。

 

 

「オラオラッーーーーー!!!勝手に食おうとしてんじゃねーーっ!!」

 

瞬間、化け物の周りに金色の蝙蝠が飛び交う。

その蝙蝠が化け物に体当たりすると小さな体格に似合わない力で化け物を怯ませる。

 

「可愛い顔して化け物とは、綺麗な花にはトゲがあるってか⁉︎

まぁ、いいか。キバって行くぜ!!」

 

金色の蝙蝠が少年の周りを飛んでいると少年の手によって鷲掴みにされる。

 

「ガブッ!!!」

 

少年はそのまま掴んだ蝙蝠を片方の手の噛みつかせる。すると噛みつかれた手から顔にかけて謎の紋様が浮かび上がる。それはまるで植物のような、ステンドグラスのような美しくも怪しげな神秘さを感じさせる。

 

 

━━ジャララララララララッ!!!

 

 

瞬間、少年の腰に鎖が巻かれメタリックレッドカラーのベルトへと変化する。

少年は蝙蝠を掴んだまま化け物に向かいながら叫ぶ。

 

 

「変身ッ!!!」

 

 

少年が蝙蝠を赤いベルトに装着すると全身が異形の姿へと変貌を遂げる。

黄色いつり上がった複眼に血のような真っ赤な胸部、そして肩、右足に付けられている鎖がジャラリと音を立てる。

 

「ハァッ!!」

 

異形の存在は化け物に駆け足で近づくと飛び膝蹴りを食らわせる。怯んだ化け物の隙を見逃さずそのまま腹部にパンチのラッシュを浴びせる。

 

『グッ……アァァァァ』

 

殴る、蹴る、殴る、殴る、蹴る、蹴る、殴る蹴る蹴る殴る殴る殴る殴る殴る殴るそして蹴る

 

一方的だった。化け物は成す術なく異形の存在の攻撃を受けるばかりだった。

 

『グ、グアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

化け物も負けじと激しい攻撃を無理矢理押し退けるように反撃に出る。

 

「ハァッ!!!」

 

ズドン!!!

 

『グォオォォッ!!!??』

 

しかし化け物の反撃は軽々と避けられ化け物の腹部に蹴りが深く入る。まるでバズーカ砲が当たったのではないかという程の音が廃工場内に響く。 異形の存在の蹴りによって化け物は壁に叩きつけられ、あまりの衝撃だったのか化け物の身体は壁にめり込んでいる。

 

『あ、が……ゴポッがっ………………』

 

しばらくして化け物は口から血を吐き出し、ガクリと意識を失う。

 

気絶したのを確認した異形の存在はベルトについているモノを取り出し、ソレを━━━━━

 

 

「あなた………一体何者なの?」

 

「!」

 

異形の存在が振り向くとそこには、紅い髪の毛をした美しい女性、黒髪ポニーテールの正に大和撫子と言うべきに相応しい女性、金髪の泣き黒子を持つ整った容姿の少年、小さな体格をした可愛らしい白髪の少女、茶髪の情に熱そうな少年、そしてその少年の背後にいるお淑やかな金髪の少女。

 

その集団は常人よりも優れた容姿を持つ者ばかりだった。そして全員は同じ服装、学生服を見に纏っている。

リーダー格であろう紅い髪の毛の女性は再び異形の存在である少年に問いかける。

 

「聞こえていないのかしら?もう一度言うわ……あなたは一体何者なの………?」

 

「…………」

 

異形の存在は黙ったままだ。お互いにしばらく睨み合った後、少年は集団に背を向け歩く。まるで見逃すように、いや、最初から眼中に無いように異形の存在である少年は歩を進める。

 

「ッ!!待ちなさい!」

 

紅い髪の毛の女性は呼び止めるが異形の存在の足は止まらない。

 

「朱乃!!」

 

「えぇ!!」

 

 

バチバチッ!!!

 

 

黒髪ポニーテールの女性の手から電撃が発生する。その電撃は異形の存在へ一直線に向かう。

 

「ハッ!!!」

 

「!」

 

しかし少年は電撃を地面へと難無く振り払う。すると火花が飛び散りその場に煙が立ち込める。

 

煙が晴れたその場には気絶した化け物を残して異形の存在は姿を消していた。

 

「………逃したわ」

 

「リアス、さっきのは一体………」

 

紅い髪の女性と黒髪の女性が話し合っていると金髪の少年が二人に駆け寄る。

 

「部長、これを見てください」

 

「これは⁉︎」

 

部長と呼ばれた紅い髪の女性を筆頭にした集団は化け物が壁にめり込んでいる光景を目にする。

金髪の少女と茶髪の少年がその光景に大きく驚いている様子だがそれ以外の者達は冷静にその場を分析している様子だった。

 

「すっげぇ……これってアレがやったのか」

 

「イッセー君、驚くところはソコじゃ無いんだ。はぐれ悪魔じゃなくて、はぐれ悪魔がめり込んでいる壁をよく見てほしい」

 

茶髪の少年が言われた通りに化け物がめり込んでいる壁を確認すると「なッ⁉︎」と言いながら驚愕を露わにする。

 

化け物を中心に"蝙蝠のが翼を広げたような紋章"が壁に刻まれているのだ。その紋章からは只ならぬ力を、おぞましさを感じる。全員はその紋章を前に冷や汗を流す。

 

「間違いない………やっぱりアレが例の"コウモリ男"なんですよ!部長!!!」

 

「えぇ、その通りねイッセー。だけどアレの名前はコウモリ男なんかじゃ無いわ」

 

「え?」

 

イッセーと呼ばれている茶髪の少年は腑抜けた声が漏れる。

紅い髪の女性は少年に向かって話す。女性の瞳には決意と不安、そして今も尚襲いかかって来ている恐怖に打ち勝とうとする力強さが見られる。

 

「あなたを度々救って来たアレは都市伝説でコウモリ男と呼ばれている。だけど違う」

 

 

━━アレの名前は【キバ】ファンガイアの王よ。

 

 

 




ここら辺でOPが入りそう(小並感)
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