とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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皆さんの好きな仮面ライダーは何ですか?
僕ですか?

W(ファングジョーカー)
オーズ(プトティラ)
ドライブ(デッドヒート)
ビルド(ハザード)
クローズチャージ
アマゾンズ系
ですかね。

何故か僕自身、暴走する危険なライダーが好きなようです。


ちなみに連続投稿2話目ですよー。
あと、今更ながら……キャラ崩壊注意。



12話 ウンメイノー

「俺、昨日部長に夜這いされたんだ……!」

 

「…え?何だって?」

 

東崎はイッセーの言葉を疑った。

 

━━夜這い

 

それは夜中に性交を目的に他人の寝ている場所を訪れる事であり国文学関係の研究者の間では、一般には夜這いは古代に男が女の家へ通ったと言われ語源は、男性が女性に呼びかけ、求婚することであると言われる。

 

「と言うわけで……どう思う?」

 

「とりあえず、チェーンソーでバラバラにされれば良いんじゃないかな?」

 

「最近俺の親友が冷たくて辛い……」

 

「そりゃあ……アーシアさんが居るって言うのに浮気って……」

 

「え゛っ━━!!??べ、べべべつに、あ、アア、アーシアとはそそそ、そう言う関係じゃねねねねねね」

 

「いや、戸惑い過ぎだよ」

 

イッセーの反応を見るからにアーシアの事もちゃんと思っているらしいがリアスの事はどう思っているのだろうと考えた。

 

とりあえず東崎は今、一番気になっている事を聞くことにした。

 

「まぁ、とにかく……童貞は卒業できたの?」

 

「それ聞くか⁉︎…銀髪のメイドさんが乱入して来たので出来ませんでした」

 

「うん。……うん?………銀髪?……メイド?」

 

「……それにしても部長の様子おかしかったなぁ」

 

「話題すら変えんなコラ」

 

イッセーの一言に東崎は疑問を持ちながら旧校舎へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「部長のお悩みならグレモリー家に関わる事じゃないかな?」

 

「朱乃さんなら何か知ってるよな?」

 

「朱乃さんは部長の懐刀だからね。もちろん知ってると思うよ?」

 

「家柄の悩みかー……結婚とか?」

 

木場、東崎、イッセー、アーシアの4人はと言う順で並び廊下を歩いていた。

そこにキバットが無理矢理話題に入ってくる。

 

「おぉ、あの悪魔が結婚か。ありゃあ性格の悪い奴と結婚してその後、性的な酷い仕打ちを受けるパターンだな」

 

「せい……てき……?」

 

「テメェェェェェ!!!キバットォォォォォオオオ!!そんな事あるわけねぇだろうがぁぁぁぁああああ!!部長の処女は俺のもんなんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「しょ……じょ………?」

 

「あぁ、うん。アーシアさんはまだ知らなくて良いよ」

 

「んだよ興奮出来るシチュエーションだろ?笑えよ」

 

「興奮するけど笑えねぇよ!!!」

 

取っ組み合いを始めたキバットとイッセーを尻目に3人はオカルト研究部に入ろうとする。

すると木場が扉を開けようとする直前、動きが止まる。

 

「……僕がここまで来て初めて気配に気付くなんて……」

 

━━ガチャリ

 

扉を開けるとそこには豪華なオカルト研究部の部屋なのだが、見知らぬ銀髪の女性が立っていた。

 

「……誰?」

 

「あの人は昨日の……!」

 

東崎はイッセーの反応から察し、昨日の銀髪のメイドと特徴が一致している事に気付く。

東崎は銀髪のメイドを「あ、弾幕シューティングの時止めナイフ使いのメイドにそっくり」くらいにしか思っていた。

すると、銀髪のメイドが東崎に挨拶をしてくる。

 

「こうして会うのは初めてですね私の名前はグレイフィア。グレモリー家に仕える者です。よろしくお願いしますね」

 

「あ、えっと?はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

東崎はメイドの「こうして会うのは」と言う言葉に引っかかりながらも礼を返す。そもそも東崎はこうして生のメイドを見るのは初めてなので戸惑っている節がある。

 

「…全員揃ったわね。部活をする前に少し話があるの」

「お嬢様。私が」

 

グレイフィアの言葉をリアスは手を向けて制止させる。必要ないという意思表示だろう。リアスはそのまま口を開く。

 

「実は━━」

 

彼女が喋ろうとした瞬間、床に書かれた魔法陣が輝く。

もしかして転移魔法だろうか?

そう思った東崎だが、グレモリーの魔法陣の形が違う紋様へと変わったのだ。

 

そして魔法陣が一層輝きを増すと次の瞬間、部屋の温度が急激に上昇する。魔法陣からはゴォ‼︎と炎が溢れ、熱気が室内に溢れる。

 

そして、その炎の中から人影が姿を現す。炎の中で佇む人影は己の腕を薙ぎ払い炎を掻き消す。

そこに現れたのはパッと見チャラい格好をした男。赤いスーツを来て、胸元を着崩している金髪の男性だ。

 

(うわぁ、カッコいい演出……)

 

「人間界は久しぶりだ……会いに来たぜ、愛しのリアス」

 

(……子安ボイスだと⁉︎)

 

その男は口元をニヤリと吊り上げる。それに対してリアスは愛しと言っている男性に対し半目で見つめていた。

 

「さぁて、リアス。早速だが式場を見に行こう、日取りも決まってる早いほうがいいだろう」

 

男はリアスの腕を掴むが、リアスは腕を振り解く。

 

「━━離してちょうだいライザー」

 

彼女にしては珍しく、低い声音で完全にキレている事が目に見えて分かる。ライザーと呼ばれた男は特に気にする様子もなく苦笑いするだけである。

 

「おい、あんた部長に対して失礼だぞ。女の子に、その態度はどうよ」

 

するとイッセーがその様子を見るのに耐え兼ねなかったのか、口を開いていた。しかし男はイッセーを軽く一瞥すると

 

「…お前誰?」

 

そう言って来た。まさしく興味が無い顔と声だ。

 

「俺はリアス・グレモリー様の【兵士】兵藤一誠だ!」

 

「あっそ」

 

完全にスルー。

全く興味のなさそうな顔であり、イッセーはその態度に対して完全に怒っている様子だ。

 

「あの野郎……ッ!!無視するなんて…例え男でもやっていい事とやって悪い事があるんだよぉ……ッ!!」

 

「イッセー君。それブーメランだから」

 

はっきり言うとお前が言うな発言だった。イッセーも男に全く興味が無い1人である。

東崎は溜息をついてから男に向けて口を開く。

 

「すみません。えっと…どちら様でしょうか?」

 

「なんでこんな所に人間がいる?……いや、待て半分人間では無いなお前」

 

すると東崎と金髪の男の間に先ほどの銀髪のメイドであるグレイフィアが介入する。

 

「この方はライザー・フェニックスさま。純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます」

 

東崎は「フェニックス……鳳凰幻魔拳使えるかな?」と呟き驚いている様子ではなかった。

だが、イッセーはフェニックスと言う単語よりも、その後の発言に酷く驚かせられる事となる。

 

「そして、グレモリー家次期当主の、婿殿にあらせられます」

 

「…婿?」

 

「リアスお嬢様とご婚約されているのです」

 

「…え?」

 

 

 

 

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええてええええええええええええッ!!!!!?????」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「いい加減にして!」

 

やや大きめなリアスの声が部室内に響き渡る。そこには立ち上がったリアスがライザーを睨んでいた。しかしそれに対するライザーは顔色を1つ変えず落ち着いた様子だった、

 

「前にも言ったはずよ! 私は貴方とは結婚しないと!」

 

「あぁ、聞いたさ。だがそういうわけにもいかないだろう? 君のところのお家事情も。結構切羽詰っていると思うんだが?」

 

「余計なお世話よ! 私も次期当主である以上、相手は自分で決めたいの。父も兄も一族も皆性急過ぎる! 当初では、私が人間の大学を出るまでは自由にさせてくれると!」

 

「あぁその通りだ。君は基本的に自由だ。大学に行っても構わないし、下僕も好きにするといい。だが君の父親もサーゼクス様も心配なんだよ。家が途絶えるのが怖いんだ。先の戦争で大勢の純潔悪魔が亡くなったし、堕天使、神のとの両陣営とも拮抗状態。純潔の悪魔同士がくっつくのは、これからのことを考えてなんだ。純潔悪魔、その新生児が貴重なことを君だって理解してないわけじゃないだろう」

 

東崎はまるっきり話が頭の中に入ってこなかった。

要約すると『七十二柱の悪魔達がほぼ居ないのでさっさと結婚して子供作ろうぜ』と言う感じだろう。

 

「なんか、面倒臭い話になって来たね」

 

「そうですね。部長の兄様が既に家を出ているので残っている部長が必然的に家を継ぐ事になっているんです」

 

「政略結婚ってヤツかー……」

 

塔城とお菓子を食べながらその様子を見ている東崎。

その様子を睨みながらもイッセーも少しは冷静になっているようだ。

 

「私は家を潰さない。婿養子だって迎え入れるわ」

 

「なら話は早い。早速俺と━━━」

 

「けどそれを決めるのは私よ! 私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にも、相手を選ぶ権利はあるわ」

 

「チッ」

 

(うわっ舌打ち……)

 

見るからに機嫌が悪そうなライザー。東崎は胃に穴が空きそうな状況から抜け出したい気分だった。

 

「…俺もな、フェニックス家の看板を背負ってるんだ。この名前に泥をかけるわけにもいかないんだ。こんな狭くて汚い人間界の建物になんて来たくなかったしな。…この世界の炎と風は汚い、炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだ!」

 

ボウッ!とライザーの周囲に炎が巻き起こり、周辺をチリリ、と火の粉が舞った。

さらに、部屋の所々から炎が発生する。

 

「━━俺は君の下僕全てを燃やし尽くしても、君を冥界に連れて帰るぞ」

 

殺意と敵意が部室全体に広がり、更なる炎とライザーから放たれた敵意が、部員全員を包み込む。

全員はいつでも対応できるように戦闘態勢に入る。

 

そして

 

 

 

━━━ブワァァァァァァアアアアッ!!!

 

 

 

白い煙が部屋の中を包み込んだ。それはまるで吹雪が襲い掛かってきたのではないか?と言うほどの煙の量だ。

煙が晴れる頃には、1人の人物が何かを構え立っていた。

 

「すみません……流石に室内では火気厳禁なので勘弁してもらえませんか?」

 

と消火器を構えた東崎が真っ白になったライザーに向けて喋った。

その様子にリアス達は笑いを必死に堪えている様子だった。もちろんライザーはそれに対して完全にキレている。

 

「ライザー様。落ち着いてください。…これ以上やるのでしたら、私も黙っているわけに参りませんが」

 

静かだが、迫力のある声色だったその声を聞いたライザーはわずかに表情を強ばらせる。

 

「…最強の〝女王〟と呼ばれる貴女にそんなこと言われたら、さすがに俺も怖いよ。化物揃いと評判のサーゼクス様の眷属とは絶対相対したくない」

 

と、真っ白なライザーは落ち着きを取り戻す。

 

「…こうなることは重々承知でした。正直に言いますと、これが最後の話し合いの場だったのです。…この結果を予測されていた旦那様たちは、最終手段を用いることにしました」

 

「最終手段?」

 

「お嬢様、意見を押し通すのなら、ライザー様と【レーティングゲーム】で決着をつけるのはいかがでしょうか」

 

「━━━⁉︎」

 

レーディングゲームと言う聞き慣れない単語に東崎は首を傾げる。

 

「レーディングと言うのは爵位持ちの悪魔が下僕同士を戦わせ競うゲームの事です。公式なゲームは成人した悪魔でなければできないという制限がありますが非公式な純潔悪魔同士のゲームなら、半人前の悪魔同士でも参加が可能です」

 

「へぇ、知らなかった。ありがとう塔城さん」

 

「…つまり、お父様たちは私が拒否した場合を考えて、最終的にゲームで娘の人生を決めようというの。…まったく、どこまで私の生き方を弄れば気が済むのかしら」

 

完全にリアスは怒っている。いや、怒りを通り越して呆れているのだろう。それもその筈、自分の人生がゲームで左右されてしまうのだから、本人としてはたまったものではないだろう。

 

「では、お嬢様はこのゲームを拒否すると?」

 

「まさか。絶好の機会よ。いいわ、ゲームでケリをつけましょう」

 

「ほう……受けるのか。構わないが俺は既に成熟しているし、公式なゲームもいくつかこなしている。今のところは勝ち星の方が多い。…それでもやるのか?」

 

「やるわ。貴方を消し飛ばしてあげる」

 

「いいさ。そっちが勝てば好きにすればいい。しかし俺が勝てば、リアスは俺と即結婚してもらうぞ」

 

(ゲームなのに凄い物騒……)

 

東崎はゲームの話から消し飛ばす〜やら結婚〜やらの展開に若干引いていた。

 

「承知しました。お二人のご意志、このグレイフィアが確認させていただきます。両家の立会人として、私が指揮を取らせていただきますが、構いませんね?」

 

「えぇ」

 

「あぁ」

 

グレイフィアの言葉に二人が同意する

 

「承知しました。両家には、私からお伝えします」

 

そう言って彼女はぺこりと頭を下げる。

 

「ところでリアス…ソイツは別として、そいつ以外のメンツが君の下僕なのか?」

 

その一言にリアスは片眉を吊り上げた

 

「だったらなんなの?」

 

「話にならないぜ? 君の女王くらいしか、俺の可愛い下僕たちに対抗できそうにないな」

 

そう言ってライザーはパチンと指を鳴らした

すると部室の魔法陣が光り出し、フェニックスの魔法陣が映し出され、ライザーの眷属であろうモノ達が出てくる。

その数おおよそ15名。

 

しかし、全員女性だった。

 

(うわぁ、ハーレムなんて初めて見た……)

 

すると隣で見ていたイッセーが涙を流し始めた。その涙は感動か嫉妬なやどちらか、いや恐らく両方なのだろう。

 

「…おい、リアス。どうしたんだコイツは」

 

「あー、すみません。イッセー君の夢はハーレムなんです。…ぶっちゃけ羨ましいんじゃないかと思います」

 

額を抑えて困っているリアスに代わって東崎が返答する。その様子にライザーの眷属達はクスクスと笑う。

 

「ライザー様ーこの人、気味悪いですー」

 

「えーマジ、ハーレム?」

 

「キモーい」

 

「ハーレムが許されるのは上級悪魔だよねー」

 

「「キャハハハハハハ」」

 

 

イッセーはその場で膝から崩れ落ちる。

ライフは既に0であるイッセーに対して追い討ちをかける眷属達。

 

東崎はその様子を見て思った。

 

 

(それはひょっとしてギャグで言ってるのか⁉︎)

 

 

「そう言うな。上流階級のものに羨望の眼差しを向けてくるのは、下賎な輩の常だ。俺たちがアツアツな所を見せつけてやろう」

 

そう言うとライザーは眷属の一人と唇を重ね━━━━

 

 

 

「あーあーあーあーーーーッ!!!2人には何も見えないし聞こえませんーーーーーッ!!!」

 

「先輩…前が見えません」

 

「えっと東崎さん、何が起こってるのでしょうか?」

 

「まだ早いから!!!2人にはまだッ!!早いからッ!!!」

 

まだ綺麗な小猫とアーシアを穢さないよう東崎は2人の目元を手で隠し、声を張り上げ、聞こえないようにする。

ちなみにイッセーはその様子を見て股間を抑え始めた。

 

「お前じゃあこんなことできまい、下級悪魔くん」

 

「俺が思ってることそのまま言うんじゃねぇ! ちくしょう、【ブーステッド・ギア】!」

 

イッセーはライザーに向けて手を突き出し、己の神器である【赤龍帝の籠手(ブースデッド・ギア)】を発動させる。

 

「お前みたいな女ったらし、部長には不釣り合いだ!」

 

「その女たらしにイッセー君は憧れているんだけどネー」

 

「うっせぇ!!!そんな事あるわけねぇだろ東崎!」

 

「本当は?」

 

「滅茶苦茶羨ましいぞこの焼き鳥野郎!!!」

 

本音をブチまけると同時にライザーを侮辱するような事を喋るイッセー。

とてもくだらないが、『焼き鳥』と言う単語に反応するライザー。

 

「なッ!焼き鳥だとぉ⁉︎調子こきやがって!リアス下僕の教育はどうなってやがる⁉︎」

 

「ゲームなんか必要ない! ここで全員倒してやる!」

『BOOST』

 

イッセーが神器の能力を発動させ、ライザーに向かって走り出す。

 

 

 

 

 

━━そのとき不思議な事が起こった。

 

 

 

 

 

〜〜♪【LORD OF THE SPEED】

 

 

(この歌は⁉︎)

 

イッセーが走り出した瞬間、謎の曲が流れ始めたのだ。

しかも東崎はその曲がどのような曲か知っている。そしてその曲が流れるとどうなるのかもだ。

 

「ミラ、やれ」

 

「はい、ライザーさま」

 

「マズイ!イッセー君ダメだぁーーーーーッ!!!」

 

小猫位の小さな女の子が棍を手にし、構える。

そして、2人が激突する。

 

結果は━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

<ウンメイノー

 

 

「ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

「…うん。知ってた」

 

 

イッセーが耐えた時間、およそ3秒弱。

爆死用BGMが流れてきた時からこの予想はできていた東崎。

爆死しなかっただけでも充分である。

 

 

「弱いなお前」

 

はっきりとその事実を告げる

 

「ミラは俺の【兵士】。下僕の中では一番弱いが実戦経験も悪魔の質も上だ。ブーステッド・ギア? ハッ」

 

ライザーはわざわざイッセーの近くへ歩き、その神器を軽く足で小突いた。

 

「確かにコイツは凶悪無比、無敵の神器だ。使い方じゃあ神も悪魔も倒せるさ。過去にも使い手はいたが、未だに神も魔王も退治されてない。ソレは何故か?」

 

ライザーは嘲笑い、イッセーを見下す。

 

「この神器(セイクリッド・ギア)が不完全だからだよ。使い手も弱者ばかりだったて事だ、お前も例外じゃない。人間界の言葉で例えるなら『豚に真珠』、『宝の持ち腐れ』。そうだお前だよリアスの兵士くん?」

 

言い返したいのだろう、しかし残念だがライザーの言っている言葉は正論であり、言い返せないのだ。

そこで、ふとライザーの視線が東崎へ向かう。

 

「…ところで、お前は一体何なんだ?」

 

「東崎莉紅と言います」

 

「名前じゃない。お前の種族だ。人間以外にも不思議な魔力を感じる。お前は何者だ?」

 

質問するライザーだが、グレイフィアが東崎の代わりに答える。

 

「彼は人間とファンガイアのハーフ。そして今代のキバでもあります」

 

「何ッ⁉︎コイツがあの【キバ】だと⁉︎」

 

ライザーは驚愕の表情を露わにする。そして、何やら考え事をしているらしく、しばらくしてライザーは東崎に詰め寄る。

 

「おい、リアス。どうせ非公式のゲームだ。コイツの参加も認めても良いぜ?」

 

「ふざけないで!彼は関係無いわ!!」

 

リアスはライザーの発言に怒りを露わにするが、ライザーは気に留めず喋り続ける。

 

「関係?関係ならあるぜ?そもそも俺達が結婚するハメになったのは元々【ファンガイア】が俺達、純血の悪魔をほとんど殺したからだろう?」

 

ライザーは自身の顔を東崎の顔に近づけ、その鋭い眼光で睨みつける。

 

「つまりだ……お前の責任でもあるんだよ。ファンガイア……!」

 

「……えぇー……マジですかその話」

 

「……えぇ、七十二柱の悪魔達は戦争によってその命を落とした。だけど、その大半の悪魔はファンガイアによって殺されたのよ」

 

リアスは複雑そうな気持ちで東崎の問いに答える。

 

「でも、東崎。貴方には関係の無い事よ!貴方はそもそもファンガイアと三大勢力の関係を知らなかった!だから!」

 

「あぁ、ハイ。分かりました。それじゃあ参加します」

 

「ねぇ!人の話聞いてた⁉︎」

 

リアスはレーディングゲームの参加を即答する東崎に思わずツッコミを入れる。

そしてそのまま東崎に詰め寄る。

 

「良い⁉︎貴方は関係無いのよ!!もしレーディングゲームに参加したら、真っ白焼き鳥野郎のライザーの事よ!事故と見せかけてわざと貴方を殺す可能性もあるのよ!!」

 

「おい、リアス。サラッと俺を馬鹿にするんじゃあない。それに安心しろ最強の女王の前でそんな事はしない」

 

ライザーはこめかみに青筋を立てながらリアスに言う。

 

「でも、あっちの眷属は15人、それに対してコッチはリアス先輩を含めて6人ですよ?ハッキリ言って現時点では勝ち目無いと思うんですけど……」

 

「ぐぐぐぐ……」

 

「確かにソイツの言う通りこのままでは俺の圧勝は間違いない。リアス、このゲームは十日後でどうだ?」

 

「⁉︎…私にハンデをくれるというの?」

 

「感情だけで勝てるほどレーティンゲームは甘くないぞ。下僕の力を引き出してやらねば敗北は確実だ。才能があってもなくても、初戦で実力を出せず負けた奴らを俺は何人も見てきた」

 

ライザーはコチラを真剣な表情で見つめてくる。

 

「十日もあれば君なら下僕をなんとかできるだろう」

 

ライザーの視線がそのままイッセーに映る。

そしてイッセーに対して一言添える。

 

「彼女に恥をかかせるなよ。お前の一撃はそのまま、彼女の一撃になるんだ」

 

その言葉が、確実にライザーの実力が見た目だけではないということを表していた。嫌味ったらしい彼だが、彼なりにリアスを想っての言葉なのだろう。

 

「じゃあな。次はゲームで会おう」

 

そう言うと、彼等は魔法陣の中へ消えて行く。

その場にはオカルト研究部の全員とグレイフィアが残された。

 

 

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

「何を考えているの!!」

 

部屋の中でリアスの声が響く。

 

「全く……良いかしら?非公式と言ってもこのレーディングゲームが誰かに見られたら貴方は命を狙われる可能性が高くなるのよ!」

 

「え?そうなんですか」

 

東崎の腑抜けた声にリアスは額を抑える。

 

「あぁ……もう。これじゃあ胃薬がいくつあっても足りないわ……」

 

「あ、あのー、部長。コイツ昔からこんな性格なんすよ。気にしたら負けと言うか……」

 

リアスは東崎の親友であるイッセーの苦労を知り、ある意味で尊敬した。恐らく昔から大変だったのだろう。あとで膝枕をしてあげようと思った。

 

「ったく…おい莉紅。グレモリーの嬢ちゃんが言ってんだから別に参加しなくても良いだろ」

 

「うーん、でも僕もオカルト研究部の1人だから…」

 

「………ハァ、分かったわ。参加を認めるわ」

 

諦めたかのようにリアスは溜息をつきながら喋る。

このままだと話は平行したままだと察したのだろう。それに、自身の政略結婚を防ぐ事ができる為、良かったとリアスはプラス面に考える。

 

「まぁ、でも。無理矢理参加する事になったのだから私ができる事なら何でもするわよ」

 

「ん?今何でもするって言いましたよね」

 

「え?」

 

「え?」

 

「……え?」

 

東崎がそう言うとイッセーはハッとなり東崎の胸倉を掴む。

 

「……て、テメェもかぁぁぁぁああああ!!テメェも焼き鳥野郎と同じく部長の処女狙ってんのかぁぁぁぁああああッ!!」

 

「いや、別にソレは興味無いです」

 

「あれ?何故かしら?紳士的な言葉の筈なのに複雑な気持ち……」

 

「で、何を要求するんですか?」

 

騒いでいるメンバーを尻目に小猫は東崎に質問する。小猫の一言に周りの皆は真剣な表情となる。

もしかしたら彼かリアスの代わりに王となる〜〜的な事を言うのでは無いか?と心配なのだろう。

そして東崎の口が開かれる。

 

「旧校舎の一部をください」

 

 

「……うん?」

 

 

リアスは首を傾げた。一部をくださいとはどう言う事なのだろうか?もしかすると、部屋を貸して欲しいと言う意味なのだろうか?

 

「……まぁ、良いわよ?そらくらいなら」

 

「ありがとうございます!それじゃあ僕はこの辺d━━━」

 

「東崎様」

 

グレイフィアは東崎を呼び止める。

 

「?…どうかしたんですか?」

 

「リアス様の為にありがとうございます」

 

彼女はそう言うとペコリとお辞儀し、魔法陣の上へと立つ。

そして魔法陣が輝きを帯び始める。

 

「あと、部屋の掃除はお願いしますね」

 

「……え?マジですか」

 

そう一言だけ喋るとグレイフィアの姿は消えていた。

そして東崎は真っ白になり所々焦げ付いている部屋をグルリと見渡す。

 

すると、背後から小猫が箒を持ちながら話しかけてくる。

 

「それじゃあ先輩。お願いします」

 

「そうね。汚したのは東崎だけですものね」

 

「あはは、頑張ってね」

 

そして、気付くとオカルト研究部に残ったのは東崎だけどなって居た。

 

「……おのれディケイドォォォォォォオオオオオオオッ!!!」

 

そして意味もない八つ当たりの声が旧校舎内に虚しく響き渡っていった。

 

 

 

 

 




旧校舎のとある一室。
暗い部屋でキーボードをカタカタと打っている1人の女のk━━いや、男のk……とにかく中性的な人物がパソコンの画面と向き合っていた。

「……ふぅ、契約完了です。やっぱり1人は落ち着きますぅ」

この子の名前はギャスパー。旧校舎の一室に引きこもっている吸血鬼である。

「んんッ!ふぅー………あれ?」


〜〜〜♪


ギャスパーが背伸びをしていると、ふと彼女(?)の耳に綺麗な音色が届く。

「綺麗な音色だなぁ……」

最近になって本校舎、旧校舎から綺麗な音色が聞こえてくるのだ。
引き篭もりのギャスパーにとって最近の楽しみになりつつある。

「どんな人が演奏してるんだろう……」

ギャスパーは窓の外を覗き、外は自分にとって眩しすぎる世界である。だが、そんな彼女(?)は外に出てみたいと言う気持ちが強くなっていた。

(今日の夜、ちょっとだけ…外出てみようかな?)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(部長ごめんなさい。だけど僕少しだけ勇気を出してみます)

ギャスパーは魔術による封印を解除し扉を開ける。
扉には簡易的な魔術が施されており普通の人間は入れないようになっている。
そして部屋から出たギャスパーの目の前には真っ暗で長く続いた廊下があった。

(い、以外と大丈夫なのかな?)

ギャスパーは周囲を見渡した後、歩き始める。
深夜の学校。人の気配は一切しない。
何故か「おのれディケイドォォォォォォ」と言う声が聞こえていたがおそらく気のせいだろう。
対人恐怖症であるギャスパーにとってとても良い環境となっており、ギャスパーは安心して一息つく。

━━………ィィィィン

「⁉︎」

ギャスパーの耳に謎の音が入って来た。何か刃のような鋭いものが空を切るような音だ。

━━……キィィィィン

「な、なんなの…⁉︎」

ギャスパーが戸惑い、一歩、二歩下がるとドン!と何かにぶつかる。

「あたっ⁉︎うぅ、一体なんなんで…す……か………」

ギャスパーが後を振り向くとホッケーマスクを被りチェーンソーを構えた人物が立っていた。

「」

「………」






━━ギィィィィィィィィィィィィィィン!!
(チェーンソーの刃が回転する音)


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!???!!?!!!」

ギャスパーは走った。己の持つ神器を忘れる程、ギャスパーは真っ直ぐ自身のいるべき場所へ逃げていった。
その速さはまるで時を止めたかのような速さだった。





「速いなぁ、なんだったんだろう…さっきの子」

「ねぇ東崎。マスクを被ってチェーンソーを片手に何やってるのかしら?」

「あ、部長。言ったじゃないですか旧校舎の一部をくださいって」

ホッケーマスクを被り、チェーンソーを片手に持った東崎はそう答えた。

「………物理的な意味で!?」

後日、ギャスパーの引き篭もりが一層悪くなったと言う。




〜オリ設定

七十二柱の純血の悪魔は戦争によってほとんどが滅んでしまったが、実際には戦争に乗じてファンガイアが大半の純血の悪魔がライフエナジーを喰らった事が原因となりヤバイ状況となっている。

ぶっちゃけ、ライザーの東崎(ファンガイア)に対する態度は当たり前かもしれない。




ギャスパーの引き篭もり悪化

最初の頃は扉には魔術による封印がされているが、普通の人間では入る事ができないだけの簡単な魔術となっている為、ギャスパーでも簡単に解除できるようになっている。
その後、トラウマ(ジェイソンもどき)によって引き篭もりが悪化。リハビリの為に魔術による封印はやめ、ギャスパーの引き篭もり問題を解決すべく、旧校舎内のみで歩けるように改善した。

涙目のギャー君かw……ゲフンゲフン。




不定期更新の小説ですが、楽しんでいただければ何よりです。
よろしければ感想、評価をよろしくお願いします。
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