とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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VS綺麗な焼鳥

何故だろう。
このライザー、多分DIO様と英雄王に乗っ取られている気がする……。




18話 Time of Victory

………勝てなかった。悔しい……。

あと、少しでライザーを倒せたと思ったのに………。

 

俺、兵藤一誠は後悔の念に押し潰されるかのような感覚に陥っている。

 

 

「ありがとう……皆……不甲斐無い私の為に……」

 

 

部長の声だ……違います部長………部長は不甲斐なくなんか……ありません………。

 

お願いします。まだ、俺は戦う事が出来ます……。

 

だから、泣かないで下さい………。

 

 

━━ガチャン

 

 

 

甲高い扉が開く音と共に霞む視界に親友である姿が映り込む。

 

……はは、やっぱり女王を倒して来たのか……。

流石だよ、お前は。

 

 

『………なんだ?悔しくないのか?』

 

 

あれ?なんだろう幻聴かな?何処からか声が……。

 

 

『どうした?お前はこのままで良いのか?あの不死鳥に勝てないままで良いのか?』

 

 

誰だ?……もしかして天国から来た可愛いおっぱいのデカイ天使様……?

 

 

『誰が天使だ!……俺はお前の側に常に居た。もっとだ、もっと力を求めろ……』

 

 

力……?

 

 

『そうだ。戦え……!あの不死鳥に勝ってみせろ。そして貴様が求めるものを手にしてみせろ……!!』

 

 

俺が求めるもの………それは………!

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「さて……莉紅、まだ行けるよな」

 

「うん……リアス先輩、後は僕達がやります」

 

「……何故だ」

 

「?」

 

 

ライザーは東崎に向け語りかける。その表情は初めて会った頃の下等生物を見下すような顔では無く、ただ純粋に何かの答えを求めるような表情を見せていた。

 

 

「お前は何故、そこまでしてリアス達に肩入れする?何故ファンガイアであるお前が悪魔の為に戦おうとする?理解出来ない……何故だ?何故なんだキバ……」

 

「……なんだ、そう言う事か………」

 

 

東崎はマスク越しに何か落胆するような、安堵したような表情をする。

しばらく間を置いてから東崎は答える。

 

 

「友達……だからですよ」

 

「何?」

 

 

頰をポリポリと搔くような仕草を見せながらも東崎は答え続ける。

 

 

「なんか、くさい台詞なんですけど……ただ純粋に僕はイッセー君、リアス先輩、塔城さん、木場君、姫島先輩、アーシアさん……皆の助けになりたかったから……ただそれだけです」

 

「なんだ、その理由は……?」

 

 

くだらない。

ライザーはそう思った。だが、それと同時に彼から強い信念を感じた。

 

 

「くだらない……かもしれないと思います。だけど、僕はイッセー君と出会ってから、誰かの為に戦う事を誇りに思ってます。だから……」

 

 

東崎は構える。

 

 

「貴方をここで倒す……ファンガイアでも、人間としてでも無く……キバとしてでも無く……僕は僕としてライザーさん、貴方を倒す‼︎」

 

「……そうか。そう言う事か……赤龍帝のあの力……少しは理解出来た気がするな」

 

 

対するライザーの背中から激しい炎が噴出する。

その炎は先程とは比べ物にならない熱量だ。ライザーは高らかに声を発する。

 

 

━━ゴウッ!!!

 

「だがッ‼︎最後の最後に勝つのはこのライザー・フェニックスだ!上級悪魔として‼︎キバ!貴様に負ける訳にはいかんのだ!!」

 

 

「お兄様!」

 

 

すると、遅れてレイヴェルが炎の翼をはためかせやって来る。

するとライザーは彼女の姿を見ずに手で制す。

 

 

「レイヴェル手を出すな。ここからはこの俺、1人で戦う。お前はそこで見ていろ」

 

「お兄様⁉︎」

 

 

レイヴェルは自分の知っているいつものライザーと比べて熱血化している姿に困惑を隠せなかった。

 

そしてジリジリと互いを睨み、一触即発の空気が流れる。

 

 

━━そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━待ってくれよ……」

 

「!」

 

 

その空気はイッセーによって壊される。

なんとイッセーは立ち上がっていた。ボロボロになりながら、血を吐きながらも、産まれたての子鹿のような足取りになりながらも彼は立ち上がり、東崎の肩を掴んだのだ。

 

 

「イッセー⁉︎何をやってるの!」

 

「すみません部長……だけど……コイツにだけいい格好はさせたく無いです」

 

 

今にも倒れそうになるイッセーを東崎は支え、声をかける。

 

 

「イッセー君、大丈夫。ここからは僕が……」

 

「なぁ、頼むよダチ公。俺、悔しいんだよ。あんだけ部長を守るって言ったのに……泣かせちまったんだよ」

 

 

イッセーは東崎の手を払いのけるように前へと出る。

 

 

「俺は……ハーレム王になるって言ったのにさ……情けねぇよ。そう思うと俺自身への怒りが込み上げてくんだよ……だから……頼むよ」

 

 

イッセーは虚ろな目で東崎を見つめる。

 

 

 

「今は俺を信じてくれ……」

 

「………」

 

 

東崎はグッと拳を握り締めるとそのまま━━

 

 

 

「えっ?」

 

 

━━ドゴッ!!!

 

 

 

イッセーの顔面を殴りつけた。

 

 

「………ごめん」

 

 

東崎がそう呟くと共にイッセーはバタリと言う音と共に倒れる。

親友を殴った彼はリアスの方へ向く。

 

 

「ごめんなさい……勝手な真似をしてしまって」

 

「いえ、東崎……ありがとう」

 

 

リアスは東崎を許す。

 

 

「イッセーをこれ以上、苦しませない為にわざと……ごめんなさい。私が不甲斐無いばかりに……」

 

「………」

 

 

東崎は何も言わず、イッセーの側で地に膝を付ける。

その様子にライザーは口を開く。

 

 

「さっさと赤龍帝を隅の方に置いてやれ。目を覚ます頃には俺達の決着はついているだろうよ」

 

 

ライザーは東崎にそう告げる。

それはライザーなりの赤龍帝であるイッセーへの敬意だった。

 

だが、彼は少し、ほんの少しだが……彼との決着を付けたいと心の奥底で思った。

 

 

 

「……何勘違いしてるんだ?いつ、僕が戦うと言った……?」

 

「………何?」

 

 

そんなやり取りがされた直後、ガバッとイッセーが起き上がった。

 

 

「ッでぇぇぇぇぇぇぇええええええッ!!?東崎テメー!結構、本気で殴りやがったな⁉︎」

 

「い、イッセー⁉︎」

 

「イッセーさんが……起き上がりました!」

 

 

元気な姿を見せるイッセーにリアスとアーシアは驚愕と共に歓喜の声を上げる。

 

 

「テメー!いきなり何すんだコラァ!!!」

 

「いや、手加減したし……」

 

「嘘つくなッ!!絶対悪意のある拳でしたー!まじでふざけんなよ!!」

 

「えぇ……」

 

 

先程の思い雰囲気が嘘のようにイッセーと東崎のやり取りがされる。

そんなやり取りにレイヴェルはポカンと口が開いたまま唖然としていた。

 

だが、ライザーはとある事に気付く。

 

イッセーの身体にあった筈の傷が無くなっている。

しかも、ライザーと戦う前と比べて疲労が回復している。まるで、最初と戦う以前の、フェニックスの涙を使ったような。

 

 

「ッ⁉︎まさか!フェニックスの涙か⁉︎」

 

「……え?あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッ⁉︎有りませんわ⁉︎まさかあの時に掠め取ったと言いますの⁉︎」

 

「うん。使わなそうだから…勿体無いなぁと思って……」

 

「だからって殴った瞬間にソレを飲ませたって事かよ‼︎つーか俺を殴った意味は⁉︎」

 

「キバットがやれって……」

 

「このクソ蝙蝠ィィィイイイイイイッ!!!」

 

 

レイヴェルとイッセーはナチュラルに犯罪めいた行為をした東崎に詰め寄る。

さらにイッセーの怒りの矛先はキバットへ向く。

しかも東崎自身、悪気が無いのが恐ろしい。

 

 

「それじゃあ……後は頼むよ」

 

「……あぁ!」

 

 

イッセーは東崎とすれ違いざまにバトンタッチをし終えるとライザーと対峙する。

それに対するライザーは腕を組みながら冷静に告げる。

 

 

「何故、キバと共に戦わない?キバ、お前も分かっている筈だ。今の赤龍帝では俺に勝つ事は不可能に近いとな……」

 

「確かにそうかもしれない。だけど、イッセー君を甘く見ないでください。イッセー君は……誰かの為に馬鹿になれる人…いや、悪魔だから」

 

 

東崎がそう言うとイッセーは目を瞑り、自身の左手に語りかける。

 

 

「なぁ、俺の中に居るドラゴンさんよ……、聞こえてるんだろ?聞こえてるならもっと寄越せ、部長をこれ以上泣かせない為にも……力を貸してくれッ!!」

 

 

するとイッセーの頭の中に炎に包まれた赤い龍のイメージが浮かび上がる。

その赤い龍はまるでこちらに語りかけてるかのように喋る。

 

 

『力を求めるか……代償はそれなりのモノになるぞ?』

 

「構わねぇよ……ただ俺は……アイツを、部長を泣かせたあの野郎をブン殴るだけだッ!!」

 

『ハハハハハッ!!!女の為に戦うか!今代のキバも変わっているがお前も変わっているな!いいだろう━━━━くれてやる」

 

 

瞬間、イッセーの左手の籠手《ブーステッド・ギア》から尋常の無い眩い光が溢れ出す。

 

 

 

「うぉぉぉぉおおおおおおおおッ!!見ていて下さい!部長!これが俺の……!」

 

 

━━変身ッ!!!

 

【Welsh Dragon Over Booster!!!!】

 

 

イッセーの身体が赤い龍を模した鎧に包まれる。

だが、変わったのは容姿だけでは無い。イッセーから発せられる力が先程とは比べ物にならない位に強さを増している。

彼がそこに居るだけで周囲の者がピリピリとその強さが伝わってくる程だ。

 

 

「馬鹿なッ⁉︎禁手(バランス・ブレイク)だとッ⁉︎コイツの成長力は化け物か⁉︎」

 

 

ライザーの顔から驚愕が露わとなる。

すると、イッセーに神器から聞こえる声が語りかけて来る。

 

 

『相棒、この状態を維持できるのは10秒が限界だ』

 

「上等ッ!!10秒間だけ相手をしてやる……‼︎」

 

「ほざけッ!!!フェニックスの力を舐めるなァッ!!!」

 

(テン)

 

 

2つの影がぶつかり合う。

炎が舞い、赤き光が交差する。

 

 

 

━━ドォンッ!!!

 

 

 

━━ドォンッ!!!

 

 

 

━━ドォンッ!!!

 

 

 

━━ドォンッ!!!

 

 

 

 

凄まじい轟音が鳴り響く。不死鳥と赤い龍は空を駆けながら激闘を繰り広げる。

 

 

「ぐっ……!馬鹿なッ!フェニックスの再生能力が追いつかないッ⁉︎いや、この力が抜けるような感覚は………聖なる力ッ!?」

 

「ご名答だッ!!十字架を使って、ジワジワダメージを蓄積させた!」

 

「だとしても貴様も無事では……待てよ、まさかお前…!自身の腕を⁉︎」

 

(ナイン)

 

 

驚愕の表情を見せるライザーに対してイッセーは更なる攻撃を加える。

 

 

「その通りだ!!俺の左手は正真正銘のドラゴンになってる!これで聖なる力は効かない!」

 

「2度と元に戻らないのにかッ!!」

 

━━ドゴォッ!!!

 

(エイト)

 

 

それぞれの拳が相手の顔を捉える。だが、2人は一歩も譲らない。

 

 

「腕一本で部長を守れるなら……ッ!本望だ!!」

 

「イカレてる……だからこその迷いのない一撃か。キバと同等、いやそれ以上の純粋さ……怖いな。初めて俺は貴様に畏怖した。だがッ!!!」

 

 

━━ボゴウッッ!!!!!!

 

 

「ぐぉおおッ!!!」

 

(セブン)

 

 

ライザーの炎を纏った拳がイッセーを吹き飛ばす。

その際に、顔を覆っていた外装が割れる。

 

 

「最後に勝つのはこのライザー・フェニックスだ!!そしてリアスを貰い受けるッ!!!」

 

「ンな事……させるかよぉぉぉぉおおおおおッ!!!」

 

【BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOST】

 

(シックス)

 

 

音声と共に輝きを増し、イッセーは更なる力を見せる。

そして一瞬でライザーの背後へ回るとそのまま拳のラッシュをお見舞いする。

 

 

━━ガガガガガガガガガガッ!!!

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁあああああ⁉︎ば、馬鹿なッ⁉︎更に力を上昇させただと⁉︎」

 

(ファイブ)

 

「まだまだぁぁぁぁああああああッ!!!」

 

 

━━ドガァァァァアアアアンッ!!!

 

そのままイッセーはライザーと共に校庭に激突し、砂塵が舞い上がる。

 

その中からイッセーは飛び出すとゴソゴソと中に透明な液体の入った瓶を取り出す。

 

 

「ぐっ……この俺が手も足も出ない……だとッ!」

 

「まだまだいくぞオラァッ!!!」

 

 

 

(フォー)

 

 

イッセーは自身の左手に収められた十字架に聖水を振りかける。

 

 

「アーシアが言っていたッ!悪魔は十字架や聖水が苦手だって!」

 

 

イッセーは左手にある聖水で濡れた十字架を握り締める。

 

 

「木場が言っていた!視野を広げて周囲を見ろと!」

 

 

イッセーはライザーに向かって駆け出す。ライザーの手から放たれる炎を躱しながら腕を大きく振りかぶる。

 

 

「朱乃さんが言っていた!魔力は体全体から漂うオーラから流れるように集める!」

 

【Transfer】

 

イッセーは聖水によって濡れた十字架の聖なる効力を高める。

 

 

「小猫ちゃんが言っていた!打撃は身体の中心線を狙って的確かつ抉り込むように打つ!」

 

(スリー)

 

イッセーは身体を捻りながら腰に重心を乗せ腕に力を込める。

ライザーは叫びながらも手から炎を撃ち出す。

 

 

「ぐっ!おのれおのれおのれおのれぇッ!!!」

 

 

━━ドゥン!

 

 

━━ドゥン!

 

 

━━ドゥン!

 

 

━━ドゥン!

 

 

(ツー)

 

 

炎に包まれながらもイッセーは止まらない。

それどころか逆に勢いを増しながら突き進む。

 

 

「ぐっ……!赤龍帝………ッ!!!!!」

 

「そして……!お前を殴る理由は部長を泣かせた事だッ!!!」

 

 

(ワン)

 

 

「今の俺はッ!!!負ける気がしねぇぇぇぇえええええええッ!!!」

 

 

━━ドッ!!!!!!

 

 

「が……はっ…………」

 

 

イッセーの拳がライザー・フェニックスの鳩尾を捉える。

そのままライザーは膝から崩れ落ち、ドサリと倒れ込む。

 

 

【Time Out】

 

「……っハァ……ハァ……そして、てめーの敗因は…たった1つだぜ……たったひとつの単純(シンプル)な答えだ………」

 

 

 

 

「てめーは俺のダチを馬鹿にした……!」

 

 

瞬間、イッセーの全身を覆っていた赤い鎧である赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)は音も無く消え去って行く。

 

 

『まさか、ここまでやるとはな……今代はやはり面白そうだ。それじゃあ今後ともよろしく頼むぞ相棒』

 

「あぁ、よろしく……な……」

 

 

━━ドサリ

 

 

イッセーはそのまま前へと倒れ込む。そこにリアス達が駆け付ける。

 

 

「イッセー!しっかりして!イッセー!」

 

「イッセーさん!今すぐ回復を!」

 

 

リアスとアーシアはイッセーの側で声を上げる。必死に声をかけるがイッセーは何の反応も示さない。

 

東崎は変身を解除した後、イッセーの顔を覗き込むと安堵したような表情を見せ、口を開く。

 

 

「リアス先輩、アーシアさん今はそっとしておきましょう。こんなに気持ち良さそうな顔で寝ていますから……」

 

 

イッセーはまるで母親の夢でも見ているかのような顔で眠っていた。

親友である東崎はそんな彼を起こす事は出来なかった。

 

そして彼等を祝福するようにアナウンスが鳴り響く。

 

 

『ライザー・フェニックス様の脱落を確認。よってこのゲーム、リアス・グレモリー様の勝利です』

 

 

 




とあるシーン1

「おい莉紅。フェニックスの涙は飲ませると効果がいいみたいだぜ?」

「OK!(イッセーの口の中へシューッ!)」ズドン!!
↑イッセーの顔面へパンチ

「ごぶっ⁉︎」
※一応、口の中に涙を突っ込ませてます。



とあるシーン2

「……zzZZ」

「リアス先輩、アーシアさん今はそっとしておきましょう。こんなに気持ち良さそうな顔で寝ていますから……(どうせ夢の中で乳に囲まれてんだろぅなぁ……)」

「…うへへ……おっぱいが一杯………」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



某所、そこに1人の銀髪の男が居た。


「ふふふ……ようやく目覚めたのか。いよいよだ……」

『ほう、随分と楽しみにしているな』

「当たり前さ。お前も歴代二天龍達も争って来た。ならば俺と相反する赤龍帝は俺と同等に戦える奴なんだろう」

『今はまだ目覚めたばかりだ。力は弱いが爆発力は凄まじい所だな』

「早く会ってみたいな……そう言えば、赤龍帝の側にはキバも居るんだっけか……奴とも是非戦ってみたい……」







「それを俺が許すと思っているのか?」


すると銀髪の男の元に軍服の上にマントを羽織った男性が現れる。
銀髪の男はフッと笑うと再び口を開く。


「なぁに、あくまで手合わせさ……それに此方側へ引き込んだ後は幾らでも戦えるからな」

「許さん。例え貴様であろうとも同族に手を出すつもりなら……」

『▽☆仝━━△○=£◆……』

男は縦笛のような物を懐から取り出す。
それと同時に彼の側に宙に白い無機物のような生物が浮かんでいる。


一触即発の雰囲気を壊すように声が響き渡る。


「ねぇねぇー……そんな事でいちいち争うのやめてくんない?」


すると、着物を着崩し猫耳を生やした女性が一触即発の雰囲気を壊す。
更にその後ろから棒を担いだ活発そうな男性が現れる。


「止めるだけ無駄だぜ?どうせすぐにでも喧嘩を始めるさ……で?お前さんは参加しないのかい?」

「…勝手にやってろ。オレは知らん」


全身が重厚な鎧に包まれた剣士は興味が無さそうに呟く。
銀髪の男と軍服の男の睨み合いは続く。

そして……


━━スッ


「いつもお前がやる手段だ。わざと挑発し俺と戦う魂胆なんだろう……さっさと堕天使達の元へ行け。俺達の存在は既にバレている」

「そうか……それは残念だ」


軍服の男は縦笛のような物を仕舞うと銀髪の男に背を向ける。
すると鎧の剣士がチッと舌打ちをする。


「旧魔王の奴等か……気に入らねぇ」

「最近、好き勝手にしてるわよねぇ〜〜。ま、私達には関係無いけど」

「好き勝手なら俺達も負けちゃいないがな」


周りの人物達の言葉を無視するかのように軍服の男は手を上に向けながら呟く。


『待っていろ……今すぐに(キング)がお前を迎えに行く……』

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