とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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アマゾンズ完結編の主題歌を聴いて平成ライダーらしい曲だなと思った。
今更ながらアマゾンズって仮面ライダーなんだよなぁ。

内容がアレだったから仮面ライダーって事忘れていた……。



19話 戦いの末に

「……つ、疲れた……」

 

 

レーディンゲームでの勝利を飾り、部室に戻ったリアス達は押し寄せる疲労感を感じていた。

先程までぐっすりと眠っていた筈のイッセーまでも疲労に悩まされている程だ。

 

 

「ハハハ……イッセー君お疲れ様」

 

「イケメンに言われても……って、もう良いか。サンキューな木場」

 

 

イッセーは木場に返答すると、木場自身予想外の返事だったのかやや驚いた後、すぐにいつもの笑顔となる。

 

その隣で東崎がソファに座っていると小猫が目の前に饅頭とお茶を出して来た。

 

 

「……あれ?これって塔城さんのだよね…」

 

「私なりの先輩へのお礼です………嫌ですか?」

 

「ううん、嬉しいよ。それじゃあ有り難く頂きます」

 

 

饅頭を頬張る東崎の横で小猫は微笑む。

それを見ながら姫島は頰に手を当てながらフフフと笑う。

 

 

「あらあら、まぁまぁ小猫ちゃんったら……フフフ」

 

「っ!そ、その……そういうのでは……」

 

 

姫島の言葉にモジモジとしながら顔を赤らめる小猫。

だが、その態度から小猫が東崎に対してどんな感情を抱いているのかは既に明白だった。

 

それを見ていたキバットはお茶を飲んでいる東崎に面白半分で告げる。

 

 

「なぁなぁ莉紅、莉紅」

 

「どうしたのキバット?」(お茶ズズズッ

 

「とりあえず、お前ロリコン確定な」

 

「………え?」

 

 

すると、突如として全員の居る部屋に魔法陣が出現し、そこから2人の人物が現れる。

 

 

「皆様、レーディンゲームお疲れ様でした」

 

 

1人は銀髪のメイドであるグレイフィア。彼女は労いの言葉を送りながらお辞儀をする。

 

そしてもう1人はリアスと同じ紅の髪をなびかせる男性であり姫島達はすぐさま膝をつく。

イッセー達は姫島達の行動に疑問を持ち、その姿を確認したリアスは困惑を隠せずにいた。

 

 

「お兄様⁉︎」

 

「お兄様って……もしかして⁉︎」

 

「この人が、魔王サーゼクス・ルシファー様⁉︎」

 

 

「ブーーーーーーッ!!??」

 

 

イッセー達が困惑している中、東崎はお茶を吹き出してしまった。

 

それもその筈、目の前にいる男性はリアスの実兄であり、現四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファーなのだから。

 

 

「お、お兄様どうして……⁉︎」

 

「妹の勝利を祝いに来た以外に何があると思う?リアス、レーディンゲーム初勝利おめでとう」

 

「い、いえ…そんな」

 

 

にこやかな微笑みを浮かべるサーゼクスに対しリアスは珍しく動揺している姿を晒している。

 

 

「私の父も、フェニックス卿も反省していたよ。当然この縁談は破談が確定した。これも全て君達のおかげだ。兄として礼を言わせてもらいたい。本当に、ありがとう」

 

 

そして、魔王であるサーゼクスはリアス達に頭を下げる。その行為に対してリアス達が対応に困るのは必然だった。

 

 

「あ、頭を上げてください、お兄様!魔王であらせられるあなたがこんなことで頭を下げられたら!」

 

「ハハハ、私は魔王としてではなく、ひとりの兄として今私はここにいる。兄が妹の幸せを喜んで何か問題でもあるのかな?あ、それとも昔みたいに『リーアたん』とでも呼んd━━」

 

「お、に、い、さ、ま?」

 

「━━━と、とにかく皆、良くやってくれた。心から感謝するよ」

 

 

一瞬、リアスの顔が般若のような顔になった気がするが、おそらく気の所為だろう。

サーゼクスは改めてイッセー達に感謝の言葉を送る。

 

 

 

(え、リーアたん…?)(部長がリーアたん…?)

(…リーアたん)(リーアたんか…)(あらあらリーアたん…ふふふ)

 

 

だが、彼等の頭の中は既に『リーアたん』と言う言葉で一杯だったのは言うまでも無かった。

 

そして、サーゼクスはとある人物に視線を向ける。

 

 

「………」

 

「………」

 

「……これは不味いね」

 

「あぁ、お前の言う通りだな木場」

 

 

魔王サーゼクスとファンガイア東崎莉紅、互いの視線がぶつかる。

その場の全員はただならぬ雰囲気に圧倒されてしまう。

木場の言葉にイッセーが肯定する。

それもその筈、東崎にとってサーゼクスは同族の仇だ。

 

これから何が起きても不思議では無い。

 

 

「………」

 

「………フフ」

 

 

━━スッ

 

 

「「「「「「‼︎」」」」」」

 

 

サーゼクスは東崎に手を伸ばし、肩に手を置いた。

 

 

「ファンガイアの王の証を持つキバ……いや東崎莉紅君。今回は元々と言えば私達、悪魔が引き起こした事だ。それを関係の無い君を巻き込む形になって()()()()()()……」

 

「お兄様が……」

 

「ま、魔王様が東崎さんに……!」

 

 

サーゼクスの行動にその場にいた殆どの者達が驚愕を露わとなり、イッセー、アーシアの順に声が上がる。

 

それに対する東崎は笑みを浮かべた後、手を差し出して来る。

 

 

「大丈夫ですよ、これは僕が決めた事ですから。後悔なんてしてません。だから顔を上げてくれませんか?魔王様が僕なんかに頭を下げちゃ駄目ですよ」

 

「ふ……そうか。いや、君だからこそか……ありがとう」

 

 

応じるようにサーゼクスは東崎が差し出して来た手を握る。その光景にオカルト研究部の面々はホッと肩をなで下ろした。

 

すると、隣にいるグレイフィアは口を開く。

 

 

「サーゼクス様、そろそろ…」

 

「おっと、もう時間か……済まない。これから私は行かなくてはならない所がある。それじゃあリアス、そして皆…レーディンゲーム実に見事なものだった。いずれ近いうちに会おう」

 

 

サーゼクスはそう言い残すとグレイフィアと共に魔法陣の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

リアス達と別れ、東崎とキバットは自宅への帰路に就いていた。

 

 

「……魔王様……がっつりと見た事あったね」

 

「あぁ」

 

 

東崎の言葉にキバットが応える。

 

 

「リアス先輩のお兄さんだったんだね」

 

「そうだな……」

 

 

キバットの言葉を聞いた東崎はその場で膝から崩れ落ちる。

そして両手を地に着け叫ぶ。

 

 

 

「忘れてたぁぁぁぁああああああああああああああああああああああッ!!!!!バイオリンの製作すっかり忘れてたぁぁぁぁぁぁああああああああああッ!!!!!!」

 

 

「いや、そっちィ!!?もっと驚く所あるだろ!知人が魔王だった事!」

 

 

東崎の言葉にツッコミを入れるキバット。

 

 

「いや別にそれはいいよ!ただ、バイオリン職人?としてのプライドが許さないんだよ!バイオリンの為のニスの材料集めはしていたねど、目的と手段が入れ替わってる事に気付かなかったちくしょーーーーーーッ!!!」

 

「あぁ……そう言う事か……忘れてた、莉紅ってこう言う奴だったよなぁ」

 

 

キバットが哀愁漂うオーラを出しながら遠目に夜空を眺める。

何でコイツがキバの鎧を継いで閉まったのだろうかとキバットは時々思う。

 

そんなやり取りをしている内に彼等は自宅へと到着する。

家の中は家臣であるアームズモンスター達が何やら激闘を繰り広げている事以外は比較的平和だった。

 

 

そして、東崎がいつも通り風呂に入る準備をしていると家の中に見覚えのある魔法陣が出現する。

 

 

そして━━━

 

 

「やぁ、東崎君。来たよ」

 

「げぇッ!魔王⁉︎」

 

 

東崎のすぐ目の前に魔王が現れた。

それも、馴れ馴れしい感じの友人が「あ、おはよー」って位のテンションでだ。

 

しかも、側にいるメイドのグレイフィアも額を抑え困惑している様子だ。

そんな彼女を尻目に魔王サーゼクスは話し続ける。

 

 

「ハハハ、なぁに今回のレーディンゲームでリアス達が世話になったんだ。ちゃんとお礼をしなければ駄目だろう?」

 

「……と、言うわけでコチラに好きな金額を書いてください」

 

 

と、グレイフィアは小切手を無理矢理。押し付けるように渡してくる。だが、東崎も負けじと小切手を受け取るのを拒否する。

 

 

「いいですって……!なんか悪魔と契約してる感じで後が怖いんですよ」

 

「いいえ、最低でも今までのサーゼクス様から依頼されたバイオリンの修繕、製作費の正式な金額を受け取って欲しいだけですので、そもそも私達は悪魔です」

 

「あ、そうなんですか……いやいやいやいや!僕、バイオリンに関してはあまりお金は取らないって言うか……!ウチは『安くて質も高い』って言うのがモットーですから!」

 

 

そんな光景をハハハと笑いながら眺めるサーゼクス。

そして、その後ろから3体の影が現れる。

 

 

「……何しに来た?ルシファー」

 

「…久しぶりに会うねウルフェン族の生き残り。ガルル」

 

「ふん、いつも俺達が居ない時を狙ってここに来ていた事は知っている……何しに来た?返答次第では………」

 

 

そう言うと、ガルルを中心にアームズモンスター達はそれぞれ、本来の姿を露わにする。

そこにグレイフィアがサーゼクスを守るように前へ出るが、サーゼクスはそれを手で制す。

 

 

「身構えなくても大丈夫だよ。東崎君には手を出したりしないさ」

 

「………その言葉に嘘偽りら無いな?」

 

「勿論さ、それに……東崎 緋彩(とうざき ひいろ)の実の息子に手をかける事なんて私には出来ない……君もそうだろう?」

 

「………チッ」

 

 

サーゼクスの言葉を聞いたガルルは舌打ちをするとその場でドカッと座り込む。

その様子をバッシャーとドッガは不思議に思う。

 

 

「ねぇねぇ?どう言う事?実の息子ってなんの事?」

 

「次狼、説明を……」

 

「うるさい、今はそんな気分では無い」

 

 

不機嫌となったガルルはバッシャー達の言葉を無視してプイッと明後日の方向へ向く。

それはまるで飼い主の言う事を聞かない犬、そのものだろう。

 

サーゼクスは懐かしい友人を見ているような表情を見せながら口を開く。

 

 

「それで、今日来たのは他でも無い。久しぶりに東崎君のバイオリンの演奏を聴きたいと思ったんだよ」

 

「え?」

 

 

東崎はサーゼクスの意外な言葉に呆気に取られる。

彼はてっきり、バイオリンに関して「いつになったら完成するのかな(ニッコリ)」と圧のかかった笑顔を向けて来ると想像していたからだ。

 

なんだかんだでそういった上司オーラが吹き出ている人が苦手な彼はサーゼクスに返事をする。

 

 

「えっと……、サーゼクスさんは魔王…なんですよね?だったら凄い腕前のバイオリニストでも雇えば良いんじゃないですか?」

 

「君だからだよ。確かに君以上の腕前の持ち主は探せばいくらでもいるだろう……だけど、君のバイオリンの……いや音楽に対する熱意に勝る者はそうはいないだろう」

 

 

サーゼクスの言葉に東崎は考え込んだ後、部屋を出て行く。

そしてしばらくすると東崎は()()()()()()()と弓を持ってくる。

 

 

「それは……?」

 

「これは、サーゼクスさんに頼まれて制作している息子さんへのバイオリンでまだホワイトバイオリン(塗装前)なんですが……もし宜しければ試奏を聴いていってくれませんか?」

 

 

グレイフィアの言葉に応えるように東崎はバイオリンを構える。

それを見たサーゼクスは何も言わずコクリと頷いた。

 

 

「それじゃあ………こんな見窄らしい部屋ですみませんが、聴いてください」

 

 

 

 

月が輝く夜の下、ホワイトバイオリンから奏でられる高く鋭いエチュードが響き渡る。

 

その腕前はプロのバイオリニストと比べれば粗い部分もあり未熟だろう。

だがサーゼクス、グレイフィア、アームズモンスター達は癒されるような感覚を覚える。

 

━━不思議と心が安らぐ音楽だ。

 

 

彼の演奏はまだまだ続く。

 

 




序盤でバイオリンの値段について指摘されたので、ここで補足と言う名の後付け設定を紹介。

東崎はバイオリンを製作する際、値段はあまり気にせずに安価で質が高い事をモットーにしています。

質の高いバイオリンは作る。だけど値段は安い。
それに加えてアームズモンスター達の食事代もあるのでお金がヤバイ。


あと、ついでにサーゼクスの金銭感覚は一般の者に比べてズレているので今までの分の金額をグレイフィアが払う事に。


この作品のサーゼクスはソフトな感じになっていまs……なんか原作を見るとあんまり変わらない気がする。



これでフェニックス編は最後になります。
次回は番外編を挟んでからエクスカリバー編に入ります。
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