とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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キャラ崩壊注意!

基本的に番外編は色々とおかしい所があります。そこら辺は頭を空っぽにして楽しんでくれると幸いです。



20話 ex.使い魔って?←あぁ!

 

「……うん、と言うわけで……そうそう、次狼さんお願いね」

 

 

ピッと言う音と共に電話を切る東崎。

彼は今、オカルト研究部として使われている旧校舎の一室にあるソファに座り寛いでいる所だ。

 

ライザー・フェニックスとのレーディンゲームが終わったが10日間も学校を休んでいたので、それを補う為の勉強会を先程まで行っており丁度終わった所だ。

 

 

「あらあら、皆お疲れ様」

 

 

そこに、副部長である姫島が粗茶を全員に行き渡るように出してくる。

 

 

「あ、朱乃さん。ありがとうございます!」

 

「フフフ、勉強頑張っていますね」

 

「はい!少し大変ですけど、皆さんとご一緒に勉強が出来て嬉しいです!」

 

 

イッセーが姫島に礼を言った後、眩しい笑顔を浮かべたアーシアが答える。

 

 

「ハハハ…そう言えば東崎君、さっき誰かと電話していたみたいだけど…?」

 

「ん、うちの……居候的な……ペット?」

 

「え?」

 

「ま、まぁ、とにかく気にしなくて良いよそんな大した事じゃないからさ」

 

 

東崎はこれ以上言うと色々と誤解されると思ったのか、話を有耶無耶にしつつ話題をすり替える事にした。

 

 

「ところで、木場君の方は勉強はどうなの?」

 

「うん、特に問題はないかな。小猫ちゃんの方はどうかな?」

 

「はい、私も特には……お菓子を用意しますね」

 

 

小猫がソファから立ち上がり、お菓子を用意しようとするが、東崎の目の前にコトリと羊羹が乗った皿が差し出される。

 

 

「お、ありがとうございます……って、どちら様?」

 

『(ニコッ)』

 

 

そこにはリアスとは違った赤髪長髪の頭と背に羽を生やした白いシャツに黒のベストを着用した女性が居た。

 

その女性は笑顔で東崎にお辞儀をした後、そのままイッセー達の目の前にも羊羹が乗った皿を置いていく。

 

 

「………誰?」

 

「さ、さぁ…私にも分かりません」

 

「……いいおっぱいだ」

 

「彼女は私の使い魔よ」

 

 

東崎達が疑問に思っていると部屋に入って来た部長のリアスが答える。

イッセーはリアスの言葉に大層驚く。

 

 

「えっ、えぇ⁉︎使い魔⁉︎あんなに可愛い娘が⁉︎」

 

「その通りよ、彼女は私の使い魔の1体でね。基本的に彼女は身の回りの世話をしてくれるのよ」

 

「とても助かっていますわフフフ」

 

 

リアスと姫島の反応に東崎は深く関心する。

 

 

「へぇ、ウチの居候的なサムシング(アームズモンスター達)に見習わせたいな……あ、粗茶のお代わりって貰えますか?」

 

「先輩、それなら私g━━

 

 

私がやりますと言う直前にリアスの使い魔が素早く新しい粗茶を用意する。

 

 

「おっ、ありがとうございます。流石リアスさんの使い魔だなぁ」

 

『♪♪』

 

「……」

 

 

リアスの使い魔は頭の羽をピコピコと動かし喜びの感情を表現する。

それをジッと見る小猫。

 

すると、リアスの使い魔は小猫の方を向いたかと思うと

 

 

『……フッ(見下すような目)』

 

「ッ⁉︎」

 

 

ニヤリと小猫に不敵の笑みを浮かべた。そして小猫は目の前の使い魔の意図を直感した。

 

 

『《ねぇねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇ、今どんな気持ち?好意を持っている人を目の前にして無能を曝し出すのってどんな気持ち?》』

 

 

「…………ッ!!!」

 

 

「こ、小猫ちゃんの顔か凄い形相になっている……⁉︎」

 

 

小猫はまるでプライドを貶された獅子の如く、使い魔を睨み付ける。

そんな彼女の迫力に押されながらもリアスは咳払いをした後、イッセー達に話しかける。

 

 

「と、とにかくイッセーとアーシアはまだ持っていなかったわよね」

 

 

すると、リアスの手元にポンと手品のような音を出しながら赤いコウモリが出現する。

 

 

「これが私の使い魔の1体よ。東崎、そっちの使い魔なら見た事があるんじゃないのかしら?」

 

「そっち……?」

 

 

東崎が怪訝に思っていると、隣に居た使い魔もポンと音を出しながらコウモリの姿へと変化する。

すると、その姿を見た東崎の記憶が刺激される。

 

 

「あ!あの時の次狼さん達に食べられかけたコウモリ⁉︎」

 

 

そう、彼は一度この使い魔と会った事がある。

その時は「こら!コウモリは病気を移すんですよ!狂犬病になっても知りませんよ!」と言った感じに逃がし、無事でいるといいなぁ。と思っていたが、まさかこんな所で再開するとは思ってもみなかったのだろう。

 

そして、その使い魔が種族の垣根を越え東崎に好意を向けられている事も彼は知らない。

 

 

「フフフ、私はこの子ですわ」

 

「……シロです」

 

 

すると姫島の足元には小鬼が、小猫は白い子猫を抱いていた。

何故か小猫の機嫌が悪そうに見えるのは気の所為だろう。

 

 

「僕のは━━━━

 

「あ、お前のはいいや」

 

「つれないなぁ」

 

 

即刻否定するイッセーの反応に苦笑する木場だが彼の肩に1匹の小鳥が止まっていた。

 

おそらく木場の使い魔なのだろう。東崎は物珍しそうにジッと小鳥を見つめる。

 

 

「どうしたんだい東崎君。もしかして君も使い魔が欲し━━━」

 

 

 

 

「ニス」

 

 

 

 

「「「!!??」」」

 

「あらあら、フフフ」

 

 

 

その場にいた殆ど者が東崎の発言に対して耳を疑う。

コイツ、今なんて言った?まさかこんな可愛い使い魔をニスの材料にするわけないだろうな?とイッセー達は考える。

 

そんな中、姫島だけは余裕そうに笑っているのは気にしない方向で。

 

 

「ねぇ、キバット……使い魔ってさぁ……良い色を出しs━━━━」

 

「とにかく!使い魔をゲットしに出発よ!異論は認めないわッ!!」

 

 

東崎の発言を遮るようにリアスが叫ぶと魔法陣が輝きを放つ。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

魔法陣の光が止むとそこには見知らぬ森だった。

だがその森はイッセー達がよく知っているような緑が生い茂る自然豊かな場所では無く、日の光が背の高い巨木に遮られた不気味な雰囲気をした森だった。

 

 

「此処は……」

 

「まさしくなんでも出てきそうな森って感じだね……ん?」

 

『───』ギュッ

 

「ッ⁉︎」

 

 

イッセーと東崎が喋っていると、いつの間にかついて来たリアスの使い魔が東崎の腕にしがみついていた。

 

その光景を目の当たりにした小猫はギリッと奥歯を噛み締めながら睨みつける。

それに対して使い魔は勝ち誇ったような表情を小猫に見せつける。

 

 

もし、現在のお互いの心情を簡単に表現するなら……

 

 

━━『勝ったと思うなよ……』

 

 

━━『もう勝負ついてるから』

 

 

こんな感じだろう。

 

 

「ゲットだぜィ!!!」

 

「「「⁉︎」」」

 

そんなやり取りをしている突然の大声にイッセー達は驚いてしまう。

すると木の陰から帽子を深く被り、ラフな格好をした男性が現れる。

 

……と言うよりは虫取り少年の格好をしたおっさんと言う、どう見ても不審者だった。

 

 

おそらく彼が先程の声の主なのだろう。

だが、東崎は別の意味で驚いている様子だった。

 

 

「俺の名前はマダラタウンのザドゥージ!使い魔マスターを目指して修行中の悪魔だ!」

 

「彼は使い魔のプロフェッショナルの悪魔さ。使い魔の事なら彼が1番なんだよ」

 

「アウ……え?せ、セーフ……?い、いや……セウト!」

 

「お、おいどうしたんだよ莉紅⁉︎」

 

 

色々と危ない事を悟ったのか東崎は混乱している様子だった。

キバットは彼を落ち着かせようとする。

 

そんな東崎達を尻目にザドゥージは話を続ける。

 

 

「さて、どんな使い魔がご所望かな?強いの?速いの?それとも毒持ち?俺のオススメは龍王の一角天魔の業龍(ティアマット)!伝説のドラゴンだぜ!龍王唯一のメスでもある!」

 

「へぇ、良いじゃない。ドラゴンなんて……イッセー」

 

「無理無理無理無理!!部長!無理っすよ!どうのつるぎを装備した状態でデスタ◯ーア倒すくらい無理っすよ!」

 

 

断固として拒否するイッセーの態度にリアスは頬を膨らませる。

 

 

「情けないわよイッセー、そんなのじゃあ王を目指すなんて夢のまた夢よ?」

 

「で、ですけど部長………東崎の奴が……」

 

 

リアスの言葉に対してイッセーは後ろへと指を指す。

そこには虚ろな目でブツブツと何かを呟いている東崎が居た。

 

 

「伝説のドラゴン……龍王……鱗……翼……ニス……ニス…上質なニス……いや、伝説の……ニス……フフフ」

 

「こんな感じなんで、合わすのがとても怖いんですけど…」

 

「そうね、やめておきましょう。東崎と龍王を合わせたらどうなるか分からないわ、と言うより合わてはいけないわね」

 

 

冷汗を掻きながらリアスは先程の発言を取り消す。

その後、リアス達はザドゥージと共に使い魔の森の中を歩いて行く。

 

すると彼等の眼前に透き通る様に綺麗な泉が広がっていた。キラキラと輝き、まるで女神がいてもおかしくない程の神聖な光景だ。

 

 

「この泉には精霊が集まるんだ。特にこの泉に住み着く水の精霊『ウンディーネ』はあまり人前には姿を現さないんだぜ」

 

「ウンディーネ……」

 

「東崎君?多分ウンディーネは君が求めている材料なんて落とさないよ?」

 

 

ゴゴゴと目を光らせる東崎の肩をガッシリと掴む木場。

いつでも拘束できるように剣を既に創っているのは言うまでもない。

すると、イッセーが鼻の下を伸ばしながらリアスに問う。

 

 

「部長!使い魔なんですから俺の好き勝手にしていいんですよね⁉︎」

 

「えぇ、好き勝手にしなさい。あなたの使い魔なのだから」

 

「ですが部長の使い魔が主人よりも東崎君に懐いているのは……」

 

 

木場が今も尚、東崎の腕にしがみ付いている使い魔を指で指す。

するとリアスはハイライトが失った目で呟く。

 

 

「アラ?ナニヲイッテルカワカラナイワネ……」

 

「あ、いえ……なんでもありません」

 

 

これ以上詮索するのはヤバイと思ったのか木場は口を塞ぐ。

 

そんなやり取りをしていると目の前に広がる泉が輝き始める。その様子を興奮した様子のザドゥージが口を開く。

 

 

「おぉっ!泉が輝きだした、ウンディーネが姿を現わすぞ!」

 

 

そして泉から現れたのはキラキラと輝く水色の髪、透明な羽衣を身に纏った…………筋骨隆々な存在だった。

 

その上腕と脚は丸太の如くの筋肉量、鉄板を何枚も重ねたような胸板、歴戦の格闘士(グラップラー)の如く顔中に無数の傷を負っていた。

 

 

そう━━━その精霊は、筋肉(マッスル)だった

 

 

 

「な、なんじゃありゃぁぁぁぁああああああああああッッ!!??」

 

 

イッセーの叫びが森の中を木霊する。

それもその筈、目の前にいるのは精霊と言うにはあまりにも体格がおかしかった。

 

いつからこの世界は『オーガ』=『水の精霊(ウンディーネ)』と定義されるようになったのだろうか?

 

そんな目の前の出来事にイッセーはつい叫んでしまう。

 

 

「あぁ………成る程ね………あれがウンディーネか………」

 

「東崎ィィィイイイイイ!何納得してんだよ!考えるのをやめるな!どう見てもアレは━━━━━

 

 

「アレはウンディーネだぜぃ」

 

 

残酷な言葉がイッセーに告げられる。

イッセーはその場で膝をつきガクリと項垂れる。

 

 

「う、嘘だ……ウンディーネってのはもっとこう…回復とか水とか……癒しの力に優れた美しい女性だろうがぁぁぁぁッ!どう見ても水を浴びに来た修行中の格闘家だろ!どう考えても人間の肉体を破壊する為に鍛え込んだ腕回しじゃねぇか!」

 

「ウンディーネも縄張り争いが絶えないからなぁ…精霊の世界は実力主義なんだよ。しかし、アレは強そうなウンディーネだ。アレはなかなかレア度が高いぜ?打撃力に秀でた水の精霊も悪くない」

 

「悪いわ!癒し系じゃねぇよ!殺し系だよ!打撃力の高い癒し系精霊なんていらねぇよ!」

 

「だが、アレは女性型だぞ?」

 

「知りたくない事実でしたぁぁぁああああああッ!!」

 

 

ザドゥージの言葉にイッセーが悔しがっていると姫島が何かに気付く。

 

 

「あ、もう1体現れましたわ」

 

「今度こそ━━━━━」

 

 

 

やせいの ウンディーネ(物理特化)が あらわれた!

 

 

「うぅ、うおおおおおおぉぉぉぉぉん」

 

「イッセー君……」

 

「東崎ぃ……頼むからその可愛い使い魔で俺を慰めてくれぇ……」

 

『─────』

 

「あ、なんか本人が嫌がってるっぽい」

 

「殺せよチクショウッ!!!」

 

 

イッセーは地拳から血が滲み出る程の勢いで地面を殴る。東崎はそんな哀れな親友を見守るしかなかった。

 

 

「どうしよう……塔城さん……」

 

「そうですね、まず先輩の腕にしがみ付いている邪魔な使い魔を始末しましょう……!」

 

「え?どうしたの塔城さん⁉︎」

 

 

リアスの使い魔に敵意を向ける小猫に東崎は驚く。

そんな中、ザドゥージは「見ろ!」と指を向けた先には水の精霊(物理特化)が2人、睨み合い両者の間の空間が闘気によって歪んでいた。

 

そして━━━━

 

 

2人の水の精霊(物理特化)の壮絶な殴り合いが始まる。

 

 

「え?何アレ?何やってんの?キバット状況説明お願い」

 

「あ?どう見たって……縄張り争いだろ?」

 

「所詮、腕力と言う事です……」

 

 

イッセーの言葉にキバット、小猫が返す。そして本日2回目の項垂れ。

 

 

「もうやだ……お家帰りたい……」

 

 

徐々に幼児退行をしていくイッセーの肩に東崎は手を乗せると優しく語りかける。

 

 

「大丈夫、イッセー君。確かに目の前で起きている事は君にとってショッキングだ。だけど大丈夫、まだ使い魔探しは始まったばかりだよ。ほら見て、目の前にいるウンディーネだって慣れれば━━━」

 

 

そう東崎が視線を戻すと、そこには3体目のウンディーネ(物理特化)が存在していた。

 

しかも、その水の精霊は漆黒の体長2m程の馬に跨りマントを羽織り猛牛のように前へ突き出た鋭い角が付いた兜を被っていた。

 

 

「」

 

「」

 

 

東崎とイッセーはソレを見て固まった。

だが、ザドゥージはその水の精霊?を見て驚愕の表情を見せた。

 

 

「な、なんてこった……!アイツは使い魔の森の主とも言える水の精霊!まさかこの目で拝める日が来るとは……!」

 

「どこがたぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!いい加減にしろよ!どう見ても精霊じゃねぇよ!どう見ても世紀末の覇者って感じだろうがァ!!!」

 

 

イッセーの叫びも虚しく、2体の水の精霊は互いを見るとコクリと頷く。

先程まで激闘を繰り広げていた精霊達は目の前の困難な壁を越える為、精霊はその力を目の前の存在に知らしめる。

 

が────

 

 

 

━━ゴオッ!!!

 

 

 

 

水の精霊(覇者)はウンディーネ達に()()()()()()()()()。そして2体はイッセー達の眼前を凄い勢いで通り過ぎた。

 

イッセー達は今、何が起こったのか理解出来なかった。

だが、その場にいた小さな存在は何が起こったのか見ていた。

 

 

「あ、あれは……仙術⁉︎い、いや……正確には気を手から放出して吹き飛ばした……⁉︎」

 

「え?そ、それだけ……?」

 

「はい。それだけの事をあの精霊はノーモーションかつ短時間で強力なウンディーネ2体を吹き飛ばしました。ただ純粋(シンプル)な気の放出であそこまで……!」

 

「塔城さん?おーい戻って来てーーー」

 

 

何かのスイッチが入ってしまったのか小猫は先程までの事を解説し始める。

そして気がつくと、圧倒的な力を見せつけた精霊は巨大な馬の足跡を残し姿を消していた。

 

 

「……先程の精霊、凄まじい強さだったわね」

 

「部長、さっきのを使い魔にするんですか?」

 

「それだけは勘弁して」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「コワクナイヨー、コワクナイヨー。だから良い素材落とせー」

 

 

気を取り直し、俺達は森の奥へと足を運んでいた。

そんな中、東崎が斧を担いで棒読み気味に何か喋っているのは気にしない事にしよう。

 

 

……いや、気にするわ!なんで片手に斧持ってんだよ!どう見てもコイツ、なんか見つけたら素材を剥ぎ取る気だぞ⁉︎

 

コイツのバイオリン製作に対する執念ってなんなんだよ!

怖えよ!!

 

 

「おぉっ!見ろ!」

 

ザドゥージさんが声を荒げる。今度はなんだ⁉︎また精霊なのか⁉︎

俺がそんな風に怯えていると、木の上に蒼い輝きを放つ鱗を持つ小さな竜が佇んでいた。

 

 

「アレは……蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)の幼体だね」

 

「ドラゴン族の中でも上位クラスの筆頭だ。ゲットするなら今がチャンスだ」

 

 

アレがドラゴンか!リアルに見た!小さいけどカッコいいな!

可愛い使い魔もいいけど、レアなドラゴンでも十分だ!

 

よし、スプライト・ドラゴン!君に決めた!

 

 

……と決意を胸に秘めると同時に、東崎が斧を片手にスプライト・ドラゴンへと突っ込んで行く。

 

 

「って、待て待て待てーーーーーッ!!??」

 

 

何やってんだアイツ!

あんな可愛い生き物を生き物も思わない行動に俺は驚愕する。

 

すると、木場は己の神器で剣を創造する。

そしてグサリと東崎に剣を突き立てた────⁉︎

 

 

って、おおぉぉぉぉぉいッ!!?お前も何やってんの⁉︎

再び俺が驚愕していると刺された東崎はその場で倒れ込んでしまう。

 

 

「大丈夫さ、これは斬った相手を殺さず眠らせる『いざないの剣』。東崎君が暴走した時に使おうと思ったんだけど、意外と出番が早くてびっくりしたよ」

 

 

あー、うん、成る程ね。分かった、うん分かった。

つっこまないぞ。

俺は絶対につっこまないからな!!!

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

それから俺はそのままスプライト・ドラゴンを捕まえようとしたが、部長達がとある生き物に襲われた。

 

そう、服を溶かすスライムと女性の分泌液を養分とする触手だ!!!

コイツ等は俺が使い魔にするしか無い。

 

いや、コイツ等以外にありえるだろうか?

早速部長達の姿を堪能しながらスライムと触手を捕まえようとするが、そこにスプライト・ドラゴンがスライム達を蒼い雷で焼き払ってしまったのだ!

 

 

スラ太郎ォォォォォォ!!触手丸ゥゥゥゥ!!

 

何故だ!何故コイツ等を⁉︎ふざけるなぁぁぁああああッ!!!

 

 

「落ち着きなさいイッセー」

 

「うぅ、ですけど……」

 

「スライム達はしょうがなかったけれども、貴方の使い魔はこれからよ?」

 

 

た、確かに……。もしかしたらスラ太郎達よりもいい使い魔に巡り会える可能性もある。

ちなみにアーシアはスプライト・ドラゴンに懐かれ『ラッセー』と名付け自身の使い魔とした。

 

そう思った俺はその場に立ち上がる。

そうだ!俺だけの使い魔!次は可愛い女の子がいいなッ!!

 

 

「急に元気になったね……」

 

「はい、そうですね」

 

「………zzzZZ」

 

「……てか東崎の奴、まだ寝てんのかよ」

 

 

木場の創った……いざないの剣って言ったか、効力が強すぎたんじゃないのか?

それにしても小猫ちゃんにおぶって貰いながらよく寝てられるな。

 

 

 

『──━━━ッ!!!!!!』

 

 

俺が呑気にそう思っていると、森の奥から低く重みのある声が響いて来た。

なんだこの声⁉︎よく分からねぇけど、体中がビリビリ来やがる⁉︎

 

 

俺達はその声の正体を突き止める為、森の奥深くへと足を運んでいった。

そしてそこに居たのは、いや存在していたのは一言で表せばドラゴン。

 

 

紫色の鱗を持った巨大なドラゴンだった。

だが、そのドラゴンの身体はまるで城のような鎧を纏い亀のようにも見える。

使い魔マスターを目指すザドゥージは声を荒げる。

 

 

「こっ、これは⁉︎レア中のレアどころのものじゃないぜ!!」

 

「ど、どういう事?」

 

「コイツの名前は剛猛の翼龍(グレート・ワイバーン)純粋なパワーは五大龍王を遥かに凌ぐと言われている!」

 

「えっ……えぇぇぇぇぇぇえええええ!!??デス◯ムーアどころかダーグド◯アムが来たぁぁぁああああッ!!??」

 

 

え、マジで?じゃあコイツ、ティアマットって奴よりも強いって事か!?

嘘だろ⁉︎こ、こんなの絶対無理!!!使い魔になんてできねぇよ!

 

 

「いや……だけど本来のグレート・ワイバーンはあんな外殻なんて備わってなかった筈だけど?」

 

「そりゃそうだ。アレはファンガイアがグレート・ワイバーンを改造して造った生きる館城『キャッスル・ドラン』だ」

 

 

ふ、ファンガイアが⁉︎マジで⁉︎東崎の同族がドラゴンを改造って、そんな事できんのかよ⁉︎

 

すると、俺の神器に宿る赤龍帝ドライグが俺に語りかけて来た。

 

 

『あぁ、その通りだ。ファンガイアの技術は恐ろしいものだぞ?二天龍である俺達の一部も奴等によって改造されてしまったからな』

 

「か、改造されたってどう言う━━━━」

 

 

 

 

 

「おい、お前等。こんな場所で何をしている?」

 

 

すると、俺達の前にそれぞれ青い狼、緑の半魚人、紫のツギハギだらけの大男と言ったモンスター達が現れる。

な、なんだコイツ等⁉︎

 

 

「なっ⁉︎ウルフェンにマーマン、そしてフランケン⁉︎どれも絶滅した筈の種族じゃない!」

 

「どうしてこんな場所に……⁉︎」

 

 

部長達が驚く。

そんなに驚くと言う事はそれほど珍しいって事なのか?すると目の前の3体は戦闘態勢を取る。

 

 

「キャッスル・ドランを見てタダで返すワケにはいかん」

 

「ちょっと大人しくしてもらうよ?」

 

「お前達を捕まえる」

 

「私達とやる気なのかしら……?」

 

 

その3体に対して部長は強気だ。

……ま、マジか、この流れから察するに俺も戦わないといけないよな!

俺はそのままブーステッド・ギアを構えいつでも戦えるようにする。

 

 

「───ん?なに?なんか新しい素材見つかった?」

 

 

あ!東崎の奴、このタイミングで目を覚ましやがった⁉︎

て言うか今の今まで寝てたのかよ!

あのグレート・ワイバーンの咆哮でよく寝ていられるな⁉︎

 

 

「………ッ⁉︎莉紅!」

 

「あれ?次狼さん。何やってんの?」

 

 

え?………………。

 

まさかの知り合い!!??お前、あいつ等と知り合いなのか⁉︎

恥ずかしそうにしながらも東崎は小猫ちゃんから降りる。

 

まぁ、女の子に背負って貰うなんて、そりゃ恥ずかしいよな。

 

 

「……あ、あーー。成る程ねキャッスル・ドランの住処って使い魔の森だったのか。どおりで見た事あると思ったよ」

 

「どう言う事?もしかしてあのキャッスル・ドランは貴方の使い魔なの⁉︎」

 

「え?……あ、はい」

 

「それじゃあ、目の前の3体も?」

 

「あ、あれは……穀潰し的なナニカ」

 

「「「⁉︎」」」

 

 

酷え!!?さすがに酷くないか⁉︎

あいつ等、凄いショック受けてんぞ!!

 

 

「い、いや莉紅!俺達は誇り高き種族の生き残り……」

 

「だって次狼さん、仕送りのお金をメイド喫茶で使う癖に働かないニートだしラモン君は美味しいもの食べさせないとすぐに暴れだすし、力さんは飯を沢山食べる癖に外に出かけているだけで……居候の癖してよく大層な事言えるよね」

 

 

すると次狼と呼ばれたウルフェンは黙り込む。

それにつられるようにマーマン、フランケンも気まずそうにしている。

 

 

「………東崎。私、貴方が製作したバイオリンを高値で買い取るわね」

 

「すみません……本当にすみません……」

 

 

部長が東崎を慰めるように声を掛ける。やべぇ、俺も可哀想に見えてきた。

 

 

「まぁ、いいや。キャッスル・ドランの世話はちゃんとしているみたいだし」

 

「あ、あぁ。勿論だ」

 

「でも、キャッスル・ドランが改造される前は凶暴性の高いグレート・ワイバーンだった筈……大丈夫なんですか?」

 

 

小猫ちゃんが東崎に尋ねる。

あ、確かに。こんなところでコイツを飼っていて大丈夫なのか?暴れ出したらとんでもない事になると思うけどな。

 

 

「大丈夫。改造された後、すっごい大人しくなってるから。それに定期的に身体の掃除しておかないとストレスが溜まるから次狼さんに頼んでいるんだよ」

 

「まぁ、使えないこいつ等にはピッタリな仕事だな」

 

「なぁキバット。お前は俺達に辛辣過ぎないか?……まぁいい。ところで掃除している時、こんなモノを見つけたんだが」

 

 

するとウルフェンは何かを取り出した。

緑色のブヨブヨとしたモノとウネウネとしているモノだった。

俺はそれを見て目を大きく見開く。

 

 

「そ、それは………!」

 

 

スライムに触手じゃないか!!!いやっほう!!天はまだ俺を見捨ててなかった!

是非、スラ次郎と触手丸2号を俺の使い魔に!!!

 

 

「イッセー!まだ諦めてなかったの?」

 

「諦めきれませんよ部長!スラ次郎!触手丸2号!ゲットだぜ!」

 

 

俺はそのまま2体に手を伸ばし━━━━━

 

 

「お、次狼さん良いの持ってんじゃん」

 

 

が、俺の手は虚しく空を切った。

って、東崎?スライムと触手を持って何を━━━

 

 

━━グシャリ

 

 

刹那、東崎はスライムを潰した。

 

 

「あ、ああああああああああああああああああッ!!??」

 

「よし、次に……」

 

 

すると、次なる標的を触手丸に変えた東崎は触手を手に持つと絞るように捻り始める。

 

や、やめろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!

 

俺はそのまま東崎に向かって駆け出す。

 

 

━━ミチミチブチブチブチィッ!ブチュルルッ‼︎

 

 

「うわぁぁぁぁぁああああああああああああああああッ!!!」

 

 

俺の目の前に雑巾絞りの如く体液を滝のように垂れ流す触手丸の姿があった。

やめてくれぇ!!!触手丸をそれ以上虐めないでくれぇッ!!!

 

 

「ふぅ…スライムと触手の素材ゲットだぜ……っと」

 

「うわぁ…コレは酷いね」

 

「悪魔以上の悪魔の所業……まぁ別にスライムと触手ですから構いませんが」

 

「あらあらフフフ、さすが東崎君」

 

 

……ふざけるな。

ふざけんじゃねぇぞ、東崎……ッ!!ぜってぇ許さねぇッ!

 

 

「東崎ィィッ!今ここで強靭!無敵!最強!のドラゴンの力でテメェをブッ飛ばすッ!!」

 

「イッセー……」

 

「イッセーさん……」

 

「イッセー君……」

 

 

なんか周りが可哀想なものを見るような目なのは気の所為だろう。

俺は東崎と対峙し、ブーステッド・ギアを構える。

 

 

「今の俺は負ける気がしねぇッ!例えドラゴン相手でも俺はテメェに勝つッ!」

 

「分かったよ。やっちゃえキャッスル・ドラン!」

 

「え?」

 

 

すると静かに佇んでいたキャッスル・ドランは前足を振り上げそのまま俺に向かって振り下ろして来る。

 

 

「って!それはさすがにズルッ──!!??」

 

━━ズシン!!

 

 

「ほぉ……キャッスル・ドランを従えるとは…流石はキバといったところだぜぃ」

 

「いやぁ、それほどでも無いですよ」

 

『♪♪♪』

 

「え?『東崎さん素敵です。憧れちゃいます』?いや、それ程じゃあ……」

 

「東崎先輩ッ!!その悪魔は危険です!」

 

 

俺の目の前には部長の使い魔、小猫ちゃんが東崎とイチャイチャしている光景が広がっていた。

 

俺はキャッスル・ドランに踏まれながら拳を握り歯を噛みしめる。

ふざけるなッふざけるなッ!馬鹿野郎ッ!!!

 

だけどそれ以上に使い魔が……

 

 

「くそぉ……スラ次郎……触手丸2号ォォォォォォオオオオオオッ!!!」

 

 

俺の悲痛な叫びは虚しく使い魔の森に響き渡っていった。

 

 

 




キャラ紹介

【リアスの使い魔】

東崎の家を監視していたら次狼に捕まって喰われそうになった使い魔。
東崎に助けられた後、惚れてしまったチョロい使い魔。

おい気を付けろ、お前の惚れている男は天然鬼畜の妖怪ニス寄越せだぞ?

戦闘力は皆無だが、基本的に身の回りの世話を担当する。


小猫とは東崎を取り合うライバル的存在。
多分出番は番外編だけ。本編には出ないと思う。

イメージは東方projectの小悪魔。名前は特に無い(公式)



【水の精霊(世紀末の覇者)】

水の精霊ウンディーネの中でも凄い力を持つ精霊。
巨大な漆黒の馬《ケルピー》に跨っている。

イメージは北斗の拳からラオウ。

何故か仙術まで習得しており、使い魔にしたら凄い戦力になると思う。
ウンディーネ2体に対して出した技は多分、剛掌波的なナニカ。


ただしメスだ。



東崎がキャッスル・ドランを放し飼いしていた理由としてはキャッスル・ドラン内部には時代を渡り歩ける禁断の扉が存在し「あれ?キャッスル・ドランの力って過去を改変できるんじゃね?」と気付き、使い魔の森の奥深くに誰にも見つからないように隠している。


本当に過去を改変できるのでヤバイ。

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