とりあえずキバって行こうか   作:ゴランド

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 うーん、どうしてもモチベーションが上がらない。小説とかアニメとか見返してはいるが、執筆速度が徐々に下がっていく始末。


と言うわけで現在、活動報告の方でアンケートを取っています(急な話題転換)興味のある方は気軽に参加して下さい。



27話 自分らしくない事を

「あー、知らない!知らない!あんな所なんか居られるか!」

 

 

 そう叫びながら自宅の庭で耳を塞ぎながら座り込む東崎。

 

 

「おい、莉紅!なんか前までは友達の為に頑張る〜とか意気込んでたじゃねぇか!」

 

「えー、何のことー⁉︎全く覚えが無いんですけどォ!」

 

 

 元々、自分には関係の無い事だ。自分が居ても居なくても世界は回る。

 そうだ、自分のやっている事は正しい。自分は間違っていない。そう自分に言い聞かせる。

それに、仮にも自分が助けに行ったとして、

 

 

「……あぁ、クソ。逃げ出した自分がどうやって顔を出せって言うんだよチクショウ!」

 

 

 彼等に失望されるだけだ。理由は何であれ自分は友人を見捨てた事となっている。

こんな自分が助けに行く資格なんて無いだろう。

 

 

──ブゥゥゥゥンッ!!ブゥゥゥゥンッ!!

 

 

「あぁっ!!うるさいな!何でこのバイクは堕天使の位置なんか察しているんだよ!」

 

 

 隣で鎖に繋がれたらマシンキバーがエンジンを吹かしている。に舌打ちする東崎。これでは、本当に自分が助けに行く流れになってしまうではないかと思い悩む。

 

 

「…あぁクソ、キバット!そもそもコレは僕に関係の無い事だろ?だったら放っておいても良くないか?」

 

「お前な、木場の奴の復讐を手伝ってやるって言っただろ」

 

「……ハァ、こんな時こそ悪魔達なんて放っておこうぜって言って欲しいのに」

 

 

 キバットの言葉にガクリと項垂れる。

 ここまでして、東崎が急に事件と関わろうとしないのは、ファンガイアと人間の混ざり合った不安定な価値観によるものだ。

 

 東崎はファンガイアと人間のハーフだが、精神的はどちら寄りなのか?

 

答えはどちらもだ。

 

例えば、目の前で死にかけている人が居たとして、見捨てると言えば簡単に見捨てる事が出来るし、助けようと思えば助ける事も出来る。

 キバの鎧を身に纏えば精神はファンガイア寄りに傾き、相手を殺す事も躊躇わないだろう。

 

しかし東崎はキバの鎧を自分の知る『ヒーローが身に付けていたモノ』として認識している為、東崎がキバの鎧を『ヒーローが身に付けていたモノ』と認識しているまでは、ファンガイアの精神に染まり切る事は無いのだ。

 

 

つまり、東崎莉紅とはファンガイア、人間どちら片方の味方をし続ける事が出来ない半端な愚者なのだ。

 

 

「……なぁ莉紅。これでも俺はお前に友人が出来た事を嬉しく思ってるんだぜ?」

 

「…いきなりどうしたの?」

 

 

 そんな東崎にキバットは急に話を始めた。

 

 

「いやさ、お前はファンガイアと人間のハーフで、ファンガイアの命を軽く見る所や、人間の脆い部分とかを継いでいる面倒な奴だよ」

 

「え?何、喧嘩売ってんの?」

 

 

 東崎は不快に思いながらもキバットの言葉に耳を傾ける。

 

 

「まぁ、聞けよ。だけどさ、キバの鎧を纏うお前が今まで一線を越える(誰かを殺す)事が無かったのはお前の友人達が居たからじゃねえのか?」

 

「……どういう事?」

 

 

 キバットは理解していた。東崎莉紅はファンガイアにも人間にもなれない者だと。だからこそ、悪魔達と接触すれば何が起こるか分からない。

最悪、三大勢力の戦争の時のようにまた新たなキバとして東崎が君臨してしまうかもしれないからだ。

 

……だが、今まで見てきて確信した事がある。

 

 

「別に……けど、お前がコカビエルと戦わなければ誰が代わりに戦うと思う?」

 

「……万じy」

 

「イッセー達だ。今のコカビエルはキバと言う名の《破壊の象徴》に囚われている。そんな状態のコカビエルにリアス・グレモリー達が勝てる確率は0に近い。確実に殺されるだろう」

 

 

 東崎莉紅は友人の為にキバとして戦う事が出来る。ただ、彼は素直になれない捻くれ者なのだ。

 

 

「現時点でコカビエルと渡り合えるのはお前だけだ!それともなんだ?イッセー達が戦っている間、お前はガクガクと震えてばかりか?テメェは戦えるだろ!いつまでも捻くれてんじゃねぇぞ!お前の───」

 

 

だからこそ、本心を出させる為にキバットは

 

 

「───女々しい名前は伊達じゃないってか!」

 

 

起爆剤を投与する事にした。

 

 

「───やってやるよチクショォ!!後で覚えておけよ!」

 

 

爆発するように東崎はその場から立ち上がり、バイクを繋いでいた鎖を解き、ヘルメットを着用した後バイクに跨る。

 

 

「待ってろコカビエル!ヤられる前にヤってやるよチクショォ!」

 

「お、おう。が、頑張れよ?」

 

 

 起爆剤の効果が予想以上だったのかキバットは引き気味に応援をする。

東崎はそのままバイクのエンジンを吹かし、アクセルを全開にして走り出す。

 

 

───ガシャンッ!!!

 

「ぶッ!」

 

「「……え?」」

 

 

 が、バイクを走らせた直後、謎の声が聞こえると共に車体に衝撃が伝わる。東崎は恐る恐る、目を凝らしながら前方を確認すると見覚えのある青髪緑メッシュの娘が倒れていた。

 

 

「………」

 

 

 何だろうかこのデジャヴは……?

東崎は合掌を行った後、イッセー達の元へ急ぐ為にバイクに跨る───

 

 

「まぁ、待て。丁度良かった。お前コカビエルが何処に居るか知らないか?」

 

 

──前に肩を掴まれる。ぶっちゃけ生きていた。

教会の戦士は轢かれた程度で死ぬような脆さは持ち合わせておらず、しっかり訓練されているのだ。

 

 

「知ってるけど……ゼノヴィアさん、今まで何処に行っていたの?」

 

「潜伏していそうな場所を片っ端から調べていてな、243個目を調べようとした所にお前に轢かれた」

 

「あー成る程ね、さては脳筋だなオメー」

 

「貴様ァ!お前も教官やイリナと同じように脳筋と呼ぶかァ!」

 

 

 どうやら東崎の感想は周りと同じらしく、目の前の脳筋娘ゼノヴィアはふぅーふぅーと怒りを落ち着かせるように深呼吸を行う。

 

 

「まぁ、いい。コカビエルの元へ行くのなら私も乗せていけ……ほう、コレがバイクと言う物か……」

 

「ねぇ、何で勝手に乗ってるの?ちょっと!勝手に後ろに乗らないでくれる⁉︎せめて聖剣を仕舞って!聖なるオーラが微妙に熱いから!」

 

 

 無理矢理乗ってくるゼノヴィアを押し退けようとする東崎だが、それに夢中でコチラにやって来るもう1人の存在に気付けなかった。

 

 

「丁度良かったよ東崎君。僕も乗せて行ってもらうよ」

 

「木場君……お前もか」

 

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

 俺達は現在、駒王学園でコカビエルが差し向けて来たケルベロスと戦っている。

 

 被害を最小限に抑える為に、会長達は学園に結界を張ってくれているので動けない。

木場は合流出来てないし、東崎の奴は逃げ出しやがったし!

とにかく今は俺たち部長の眷属だけでやるしか無い。

 

 部長が言うにはこの戦いはあくまでも魔王様が来る間の時間稼ぎに過ぎない。

……けど、イリナをやったコカビエルには一泡ふかしてやんねぇと気がすまねぇ!

 

 

「グォォォオオオオッ!!」

 

「滅びなさい!」

 

 

 けど、俺の神器の本領を発揮するには時間がかかる為、今は部長達の戦いを見守る事しか出来ない。

クソ!こんなのじゃ負ける気しかしねぇ………⁉︎

 

 

「アーシア!」

 

「えっ……きゃあっ⁉︎」

 

 

 俺はアーシアを抱きかかえながら、その場から飛び退く。その理由として、ケルベロスがもう一体居たからだ!もう一体いんのかよ!双子か⁉︎

 

 

「イ、イッセーさん……!」

 

「安心しろアーシア。俺が囮になって!」

 

「い、いえイッセーさん!ケルベロスがもう2体……!」

 

「…は?」

 

 

 よく目を凝らしてみると、奥の闇の中からケルベロスが2体現れたのだ。はぁ⁉︎なんて嬉しくねぇ追加だよ!

 

 

「アーシア、お前は隙を見てここから離れてくれ」

 

「イッセーさんは?」

 

「俺はあの2体…いや、3体をなんとかする!……おら!俺はこっちだついて来い!」

 

 

 そう言いながら俺は挑発をしつつ、校庭を走り回る。現状俺に出来る事と言えば囮になってケルベロス達の隙を与える事くらいだ。

 

 

「ガァァァァアアアアアアアアッ!!」

 

「危ねぇッ!」

 

 

 問題なのは俺の神器ブースデッド・ギアの倍加の途中に攻撃する。もしくは、攻撃されてもリセットされてしまう。

 俺はその場で跳躍、ケルベロスの頭の上を踏み台にする、脚の下をくぐり抜けるといったように攻撃をかわし続ける。

 

……こんなんじゃダメだ…!

東崎ならさっさとケルベロスを倒せるに違いない。俺とアイツの間に出来ている差がこうも実感できるのはとても辛い事だ……!

 

 

「グォォォオオオオッ!!」

 

「ッ!しまっ────」

 

 

 思考で頭がいっぱいになっており、ケルベロスの爪が迫って来ている事に気が付かなかった俺は咄嗟に両腕をクロスさせ防御の体勢を取る。

 

 

 

 

 

 

「アアアアアアアアアアァァァッ!!?」

 

 

 

 いつまで経っても痛みが襲って来ない事に疑問を覚えた俺が目を開くと、そこには見覚えのある2つの紋章に挟まれ悲鳴を上げているケルベロスの姿があった。

 

 

「コレは……!」

 

──ガッシャァァァァァァアアアンッ!!

 

<結界がぁぁぁぁああ⁉︎

 

<会長が倒れたぞー⁉︎

 

 

 次から次へと何なんだ⁉︎

 校門側から何かが割れるような音と、聞き覚えのある人達の声が響いて来る事に驚愕していると、謎の影が通り過ぎる。

 

 

──グシャッ

 

 

 俺達が気が付いた頃には、紋章に挟まれていたケルベロスの上半身が吹き飛ばされ血の雨が降っていた。

………グロッ⁉︎って言うか、俺の目の前に変なのがもの凄いスピードで駆け抜けて行ったんだけど!

 そんな事を喋っている間にケルベロスを吹き飛ばした影はそのまま、コカビエルの方へ───え?

 

 

「……!来たか!キ──ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!??」

 

 

………え?

ええええええええええええええぇぇぇぇぇええッ⁉︎そのままコカビエルごと校舎に突っ込んで……って、駒王学園がぁぁぁぁッ⁉︎

 

 

「───ふぅ、鎧を纏っていなかったら即死だった」

 

 

 その声と共に、ケルベロスの頭上から何かが落ちて来る。上空からの不意打ちによりケルベロスのの体勢が崩れる。

 

 

「東崎!お前…「『魔剣創造(ソード・バース)』ッ!!』」…!」

 

 

 俺の声を遮るかのように、声が響く。すると、体勢が崩れたケルベロスの下から巨大な剣が幾つも創造されケルベロスは串刺しにされる。……この技は間違えねぇ!

 

 

「東崎!木場!来てくれたのか!」

 

「やぁ、おまたせイッセー君。迷惑をかけちゃったようだね」

 

 

 キバの鎧を纏った東崎と、いつもと変わらないような笑みを浮かべた木場がそこに立っていた。

 

 

「お前ら………来るのが遅ぇんだよ!ったく、こんな奴ら俺1人で充分だったっての」

 

「それにしては苦戦しているように見えたけどね」

 

「うっせ!……でも、サンキューな」

 

 

 有難い援軍が来てくれた。いつも憎たらしく思うイケメンの木場だが、今回はとても心強いと思う。

 

……けどな、

 

 

「東崎危ねぇだろ!!俺ごと轢くつもりかよ!」

 

「いやいやいやいや、違うから。バイク自身と彼女の所為だから」

 

 

 そう言いながら指をさした方向には……ッ⁉︎

ケルベロスがアーシアに狙いを定めている!クソ、目を離した隙にいつの間に……!

 

 

「アーシ……!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああッ!!」

 

 

 刹那、叫びと共にアーシアを狙っていたケルベロスの首がストンと落ちる。更に、銀色の一閃がケルベロスの身体を真っ二つに切り裂いた!

 

 

「怪我は無いか?」

 

「ゼ、ゼノヴィアさん……!」

 

 

 なんと、アーシアを助けたのはあのゼノヴィアだった。すげぇ、人間なのに悪魔以上のパワーでケルベロスを真っ二つにするのかよ……。

 

 

「無事のようだな」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「礼を言われる程、私は大した事をした覚えは無いさ。アーシア、下がっていろ此処は私達が引き受ける」

 

 

 アーシアにそう言い施すと手に持った剣を改めて握り直し、構える。………なんだろう。ゼノヴィアって俺達よりもカッコいいって言うか何というか。おっぱいのついたイケメンと言うか……。

 

だが、今の俺達にとって、頼もしい援軍とも言える。

 

「ありがとな東崎。俺達はお前が逃げ出したんじゃないかと思っていたけど……やっぱりお前は」

 

「違う!」

 

 

 東崎は否定する……東崎?お前、何を言って……。

 

 

 

「勘違いしないでよね!別に助けに来た訳じゃない!ただ僕は2人に無理矢理、此処へ連れて行くように言われただけなんだからねッ!」

 

「……………」

 

 

 いや、何だそのテンプレなツンデレ発言ーーー⁉︎

 

 

「そう言う事にしておいてあげるよ東崎君。君達には色々と迷惑をかけちゃったからね……すまない皆」

 

「……」

 

「木場……」

 

 

 木場は俺達に頭を下げて謝る。

 

 

「……はぁ、それじゃ今後そうならない用に僕達に相談してよね」

 

「え?」

 

 

 東崎の言葉に木場は驚いたような声を出す。

 

 

「だからさ1人で全部抱え込んで問題に起こすんだったら、皆に相談してスッキリした方がいいでしょ」

 

 

 そう言いながら東崎はトンと拳を木場の胸に当てる。

 

 

「ほら一応、僕等は友達……?的な奴だからさ」

 

「……東崎…君」

 

 

 東崎の言葉を目を見開く木場。しばらくすると木場はフッと微笑んだ表情を見せる。

 

 

「ありがとう……君は、君達は最高の友達だ」

 

「全く……こう言うのはイッセー君のやる事なのに何でやらないかなぁ」

 

「俺の所為かよ!」

 

「だって、こう言うのは僕がやる事じゃないし………!」

 

 

 すると、校舎の壁を突き破りこちらへ何かが飛んで来る。東崎は俺達の前に出るとジャンプしながら身体を捻り、ソレを跨るように受け止め着地する。

 ソレの正体は東崎達が乗って来た赤いバイクだった。すると、そのバイクはロデオマシンの如く暴れ始める。

ど、どうなってんだアレ?1人でに暴れてんのか?

 

 

「うぉぉっと……!ほ、ほらほら落ち着いて。そりゃ堕天使幹部相手にバイク一騎ってのはなぁ……」

 

 

 そう東崎が呟くと同時に校舎の壁をぶち壊しながらコカビエルがこちらに向かって来る。

 

 

「ハハハハハ!待ち侘びたぞキバァ!!!」

 

「ヒェッ……イッセー君。任せても良い?」

 

「俺に押し付けんなよ!」

 

 

 いや、確かに気持ちは分かるぞ東崎。俺だって、クレイジーサイコホモ野郎とは戦いたくねぇよ?でも押し付けんなよ!ハッキリ言うと今の俺はお前より弱いからな⁉︎

 

 

「えー……ハァ……分かったよ。それじゃあこっちはコカビエルと戦って来るよ……やだなぁ……」

 

 

 愚痴を言いつつもハンドルのグリップを握りながらコカビエルに向き合う東崎。そこに部長達が駆け寄って来る。

 

 

「東崎!相手は堕天使の幹部、1人で戦うのは流石の貴方でも危険よ!」

 

「分かっています。けど…そうもいかないみたいです」

 

 

 瞬間、一筋の眩い光が立ち昇り校庭全体が輝きに包まれた。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 光の発生源に目をやるとそこには一本の剣が存在した。その剣は悪魔達だけではなく、ファンガイアである東崎にも悪寒を与えるオーラを放っていた。

 

 

「遂に…遂に完成したぞ!これが7本の内4本の聖剣を統合したエクスカリバー!」

 

 

 バルパーの呟きと共にエクスカリバーの下に描かれた陣の光が一段と強く輝き、校庭全体に光が走る。その光景にキバットは声を上げる。

 

 

「やべぇな。エクスカリバーが一本に統合された所為で光で下の術式も完成しちまった……後20分もしないうちにこの町は崩壊するぞ!」

 

 

 リアス達は出されたタイムリミットに焦りを露わらにする。キバットの言葉が本当ならば自分達の愛するこの町が、無関係の人々が犠牲となる。

 

 

「アレってどう見てもヤバイ奴ですよね。俺の知っているエクスカリバーと大きくかけ離れてますよ」

 

「残り20分……魔王様が来るまでに間に合わないわね」

 

 

 一刻一刻と迫る崩壊までのカウントダウンを前に東崎は前に出る。

 

 

「リアス先輩、今のコカビエルは僕にしか眼中に無い状態です。ここは僕1人で戦った方が最適だと思います」

 

「……本当に1人で戦うつもりなの?」

 

 

 リアスの言葉に東崎は無言で頷くが、イッセーは東崎の肩を掴む。

 

 

「待てよ!俺達にだってやれる事はあるだろ?1人で戦おうとしたんじゃ───」

 

「ハッキリ言って今のイッセー君達じゃ足手纏いなんですよ」

 

 

 東崎の言葉にイッセーは驚愕する。今、自分の目の前に居るのは人間としての東崎莉紅ではなく、ファンガイアとしての東崎莉紅だ。

今の彼はただ、コカビエルと言う名の障害を取り除く為に闘う化物(モンスター)として、圧倒的な王の力で蹂躙するキバ(兵器)として戦う─────

 

 

──ガンッ!!

 

 

 突如として東崎は自身の頭をバイクに打ち付ける。

 

 

「どうした⁉︎」

 

「……いや、間違えた」

 

 

 仮面越しに額を抑えながら話す東崎の姿は先程のものと比べて一瞬だけ、焦っている様子が見られた。

 しかし、そこに居るのはイッセー達が知る何時もの東崎莉紅。多少の違和感を覚えはしたが東崎の話に耳を傾ける事にした。

 

 

「キバットの話から察するに現状、アイツとマトモに渡り合えるのは僕しかいないんです……僕にやらせてください。いや、僕がやらなくちゃいけないんです」

 

「……先輩」

 

(──危なかった。思考が乗っ取られかけた)

 

 

 小猫が心配する中、東崎は内心で凄まじい焦燥感に駆られていた。イッセー達に向けたあの言葉は紛れもなく東崎莉紅自身の言葉。

 

──だがそれはあくまでファンガイアとしてのだ。

 

一瞬だけ、人間としての自分を見失った東崎が最初に抱いた感情は恐怖だった。自分が自分で無くなった事実に東崎は畏れてしまったのだ。

キバの鎧に施されているファンガイアの王として証の力により、思考、精神はファンガイアとして傾き、いつしか東崎莉紅と言う名の人格は別の物に変貌を遂げてしまう。

 

 このキバの鎧は東崎莉紅が知るモノとは"似て非なる物"だ。

 

異世界転生してチート特典で無双?巫山戯るな。

このチート特典(神から与えられた反則の力)の代償はそれ相応のモノとなる。

この力を使い続ければ、東崎莉紅と言う名の自分の存在は自分自身でも気が付かない内に別の者になっているのだろう。

 

 

──【力を手に入れるってのは、それ相応の覚悟が必要なんだよ】

 

 

(……誰の言葉だっけか?)

 

 

 ふと東崎の頭の中にそんな言葉が過ったが、どうしても誰が発した言葉なのか思い出す事が出来ない。

 

東崎はそんな事を思い浮かべ───

 

 

──ブォオンッ!!

 

 

「ッ!」

 

 

 エンジンを吹かし、前輪を軸にコマを回すかの如く車体を回転。コカビエルが投擲して来た光の槍を後輪で弾いた。

 

 

「それに───今のコイツ(マシンキバー)は機嫌が悪いですし」

 

 

 東崎は考えるのをやめた。今、やるべき事は目の前の敵を倒す事だ。この町の為、罪の無い人々の為、友達の為に───自分らしく無い事を行う。

 

 

「キバット、陣の解除方法は?」

 

「コカビエルを倒す。以上」

 

「成る程、だいたい分かった」

 

 

 キバットと言葉を交わした東崎はこちらに対してニタリと笑うコカビエルと視線が絡む。

 

 

「来いッ!キバァァァァァァァアアアアアッッッ!!殺し合いの始まりだぁぁぁぁぁぁああああッ!!!」

 

 

 その叫びと共に東崎、ことキバは真紅の鉄馬をコカビエルに向けて走らせた。

 




オリジナル設定紹介


【キバの鎧】

この世界(ハイスクールD×D)におけるキバの鎧であり、東崎莉紅の知る仮面ライダーとしての変身ツールと似て非なる物。
ファンガイアが戦争の際に赤龍帝の鱗、甲殻等の素材を使用し制作した"3つ目"の鎧型兵器。

 ファンガイアの王を象徴する証であり、身に纏った者をファンガイアの王として相応しいモノへ変貌させる精神を汚染させる力が宿っている。
ヘルズゲートに装着された倍加の宝玉(コア)によってウェイクアップ時の力を何倍にも増加させる。

 他にもキバの鎧には夜を象徴する月の光によって力が増大され、ウェイクアップ時に展開する結界内に擬似的な月を作り出す事によって本物と比べて抑えめだが、力を更にブーストさせる事が可能となる。

 しかし結界を張らず、満月時にウェイクアップなんかをした時には地形がやべー事になる。


実は赤龍帝以外にも黄金龍君の力が封じられていると言うが……?










〜〜『おまけ』〜〜

学園に来る前の出来事。


青髪緑メッシュ「ほう、コレがバイクと言う物か……どれ少しだけ」

トウジャキ「何触ってんの?ちょ、ちょっと⁉︎勝手に動かそうとすんな!」

木場♂「ははは、良いじゃないか。後ろ少し座らせてもらうよ?」

トウジャキ「コラ勝手に座んな!騎士の力で速いんだから普通に走って……ねぇ、なんかお尻に硬い物が当たってるんだけど?」

木場♂「ハハハ、それは僕の魔剣だよ。気にしない気にしない」

トウジャキ「え、いや……この感触ってどう考えてm───」

青髪緑メッシュ「えい」

アクセル全開


この後無茶苦茶、爆走独走激走暴走した。



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