閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
それはとある日のことだった
「愛花ちゃん、重くはありませんか?」
「大丈夫ですよ詠お姉ちゃん、これでも鍛えてますから」フンフン
「うふっ、そうですか」
詠とともに愛花が今晩の晩ご飯の買いだしに出ていた
大きな袋を抱えながら帰り路を歩いている時のことだった
「…あっ」
「どうしました愛花ちゃん?」
愛花の視線を釘付けにしたもの、それは…
「なぁなぁ、今日の体育楽しかったな~」
「俺今日ドッジボールで3人にボールぶつけてやったぜ♪」
「はしゃぎすぎよ、もう」
ランドセルを背負い帽子を被った下校中の小学生達だった
その様子を見て再び愛花に視線を向けて見ると愛花それを羨ましそうな目で見つめていた
この時、詠は愛花の秘めた想いに気づいてしまうのだった
その夜、愛花が寝静まったことを確認するや、急遽光牙たちをリビングに招集する
「して詠、聞かせてもらおうか、いったいなんのようで俺たちを集めたんだ?」
光牙たちはまだ招集を受けただけで詠から詳しい事情を聴いていなかったのでなにごとかと思っていた
「実は…愛花ちゃんを学校に通わせてあげたいんです」
「学校に?」
「詳しく聞こう?」
「買い物を終えて帰る途中、学校帰りの小学生たちと遭遇しまして、その子達を見ていた愛花ちゃんがとても羨ましそうな顔をしてました。…きっと学校に通ってみたいんだと思うんです。貧民街では学校にすら行けず、学校に行ける子達を羨ましがる子達が多かったですから」
詠の説明を聞いたほかの面々はその意見に考えさせられる
愛花は紅蓮竜隊の仲間とはいえまだ一桁の年齢、本来なら学校に行っている年頃だ
しかもこの中で彼女と同年代は一人としていない
大人ばかりのこの環境では今の愛花に必要でありそうなものが不足しているのではないかという考えが生まれ出す
「私は詠ちゃんの意見に賛同するわ」
「春花?」
「愛花ちゃんには修行以外にも学ぶことが必要だものね」
「…春花さん」
最初に賛同したのは春花だった。彼女には知誠を与えるべきだと意見し、それに焔もうんうんと頷いていた
「で、でも学校に行けばいじめに遭うかも知れないよ?あたしは愛花に辛い思いをしてほしくないよ」
反論として未来が意見する。もしかしたら自分のようにいじめに遭うかもしれないことを危惧してのことだった
「……光牙くんはどう思う?」
意見がしっかりとした纏まりをみせない中で春花が光牙に話しを切り出す
「やはりここは本人に直接聞くのが一番だろう。詠や春花達の意見は最もだが未来の言い分も一理ある。だからこそ早期解決の一番の手は本人の意見を聞いてみることだと思う」
光牙のその提案に一同も承諾し、明日、愛花から意思を聞くことになった
時は流れ翌日の朝
「えっ?私が学校に?」
「あくまでお前次第だ。お前が学校に行きたいと言うのなら俺たちが力を貸すぞ」
「で、でも」
「愛花ちゃん、あなたはいつも一生懸命に頑張ってらっしゃいます。そのことに関してわたくし達は大変感謝してるんです。だから迷惑だなどとは考えず、自分の思うままに打ち明けてください」
愛花は深く考えている様子だった。どうしたいかを自分なりにしっかりと考える
しばらくして決心がついたように俯いていた顔を上げ光牙たちに視線を向ける
「ししょう、みなさん。わたし、学校に行ってみたいです!」
心の命じるまま、愛花は光牙たちに思いを告げる。貧民街にいた頃から憧れていた学校に行ってみたいという願望を包み隠す伝えた
「…決まりだな」
「…うん、愛花がそう言うなら」
彼女の思いを受け取った光牙は軽く呟くと同時に未来のほうを見る。未来のほうも愛花が自ら選んだのなら応援すると言ってくれた
「さぁ、そうと決まればいろいろ準備が必要ね。忙しくなるわね」
「そうですわね!」
学校に行くと決まったからにはすべきことが山ほどあった
編入の手続き。学校に行くにあたり必要な物資、学校に通うための費用などの用意に大忙しだった
焔や未来、日影などが愛花とともにランドセルや物資の調達に動き、学費などは詠が担当し、光牙と春花は手続き
などのために学校に趣いたり資料作成に余念がなかった
だが、それらの過程を経てついにその日は来た
「うわ~、いい、いいよ愛花!」
「確かに、すごくいいな!」
「とっても似合ってますよ」
賞賛の声を送る焔たちの視線の先には
「本当ですか?うれしいです!」
赤いランドセルを背中に背負い、編入先の学校の制服に身を包んだ愛花の姿があった
その尊さに焔も未来も思わず涙目、詠も絶賛の声を送る
「お~、馬子にも衣装ってやつやな?」
「こらこら日影ちゃん、それ言うタイミングが違うわよ?」
「そうか?…そらすまんかった」
本人には悪意はないが場違いな言葉を送っているので春花から突っ込みをもらうのだった
「ししょう、どうでしょうか?」
「あぁ、とっても似合ってるぞ」
「…はい、ありがとうございます♪えへへ~、ししょう~♪」
「こらこら…まったく」
愛花が自分の晴れ姿を一番見てもらいたかった光牙に披露し、彼から賞賛の言葉を送られ、思わず抱きついてきた
そんなあまえんぼさんの彼女の頭を軽く撫でながら光牙はふと自分に娘がいたらこんな気持ちなのだろうかと思うところがあったのだった
ところ変わって場所は愛花が通うこととなる小学校前に映る
話し合いの結果、保護者役として焔と未来が名乗りをあげたが、2人では保護者役としては役不足だと人蹴りされてしまった
ゆえに適任者として光牙と春花が保護者役に収まった
学校に到着すると既に校門の前では生徒たちが門を通って学校に入っていく姿が目に入る
「…」ゴックン
「緊張してるのかしら愛花ちゃん?」
「え、えへへ…ま、まぁ」
春花の問いに愛花は素直に自分の気持ちを伝えた
無理もない、今まで学校に通うことすらできなかった少女が学校に通うのだ
不安にならないわけがなかった
「臆するな愛花」
「ししょう?」
「お前は紅蓮竜隊の一員で俺の愛弟子だ。お前ならどんなことでもしっかりやっていけるはずだ。俺はお前を信じてるぞ」
「はい!愛花、気合入れていきます!」ヒエ~~!
光牙に期待を裏切らないためにも全力を尽くすと心に誓う。そのせいか愛花の背後に何者かの影が浮かんでいるような気がした
場所は変わり、ここは3-2の教室、これから愛花が過ごす学年である
「「「「「「「「「「おはようございます!」」」」」」」」」」
「はい、おはようございます。今日は皆さんに新しいお友達を紹介します。では自己紹介を」
「は、はい、えっと、みなさんこんにちは。愛花と申します、これからよろしくお願いします!」
先生に諭されるように愛花は精一杯元気な声で自己紹介をした
愛花を見たクラスの子達が盛大に彼女を出迎える。愛花はとてもホッとした様子だった
そんな愛花の様子を窓の外の大きな木から覗き込む者たちが…光牙と春花だった
「どうにか無事打ち解けられそうね」
「あぁ、…頑張れよ愛花」
クラスメイトに囲まれる愛花の姿を光牙たちは微笑ましそうに眺めるのだった