閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
久方ぶりに投稿できました
ではどうぞ
⦅月閃女学館 忍部屋⦆
「…ふぅ~、今日もお茶がおいしいな~♪」
今日もまた何もない穏やかな平和な時間を噛みしめながら縁台の上に腰掛けながらお茶を啜っていた
「し、紫苑ち~ん!?」
「ぶふぉっ!?」
そんな時、突然四季の声が聞こえたと同時に彼女が盛大にぶつかってきた
「げほっげほっ!…い、いきなり何をするんだよ?」ムセムセ
ぶつかった衝撃で紫苑は飲んでいたお茶を盛大に吹き出し、噎せる。若干池の方にミニ虹ができていた
「そんなこと言ってる場合じゃないんだって!雪泉ちんが、雪泉ちんが~!!」
「えっ?雪泉がどうしたの?」
「雪泉ちんが壊れちゃったんだ!」ガビーン
「……はっ?」
四季の言っていることがわかない紫苑は困惑する
「ちょ、ちょっと四季ったら何をいってるの唐突に?雪泉が壊れただなんて?」
「ホントもホント、ホントなんだってば~」アセアセ
俄かには信じられないが
「ここにいた。四季ちゃん急に駆け出したと思ったら紫苑のとこに言ってたのね」
「っ!?」
「あぁ雪泉、ちょうどよかった。四季が雪泉が変になったって聞いたんだけどどういうこ、と、なの?」アセアセ
声からして雪泉だと分かり四季の後からやってきたのだと察し
さっきの四季の言っていたことの真意を聞こうと振り返った瞬間、紫苑は固まった
紫苑たちの前に立っているのは紛れもなく雪泉、しかし紫苑が固まるほどまでの衝撃を受けたのは彼女の格好だった
普段の彼女からは想像も付かないようなフリフリがついたどこぞのアイドルが着るようなドレス姿を自分たちの前にさも堂々と晒しているのだから
「ゆ、雪泉?ど、どうしたのその格好?」
「うふふ、どう"プリ"?似合ってる"プリ"~?」
「ぷ、プリ!?」
更なる激震が紫苑を襲う、格好だけにとどまらず口調もいつもと違うし、挙句の果てには語尾に「プリ」をつけている始末
もはや頭の中がこんがらがりそうな勢いで状況にまったくと言っていいほどついていけなかった
「ね、ねぇ、これでわかったっしょ?雪泉ちんが壊れちゃったってこと」
「えっ…えぇっと~」
四季に問われるも紫苑からしてもどう言葉に表せばいいのか反応に困り果ててしまう
「もう四季ちゃん、ひどいプリ。私壊れてなんてないプリよ?」プンスカ
「そ、そう…だね、ご、ごめん雪泉ちん」アハハ
「わかってくれたならうれしいプリ♪」
謝罪の言葉を述べるとそれを聞いた雪泉が機嫌を直したようであり、とりあえずは一安心といったところだった
「ふぅ~…なんとか機嫌直してくれたようでよかった」ボソリ
「ところで紫苑♪」
「ふぇっ!?」ビビクン
ほっと胸をなでおろしかけた瞬間、再び雪泉が紫苑に話しかけてきた
しかも若干顔が近いのでアタフタものだった
「な、何かな?」
「どうプリ?今の私の姿」
「ど、どうって?」
「私、可愛いプリ?」
そう問われてもここまでのインパクトにやられてしまった紫苑の思考ではどう反応していいのかわかったもんではない
「う、うんか、かわいい、と思うよ」
ともかく彼女の心を傷つけることはあまりよろしくはないので紫苑は雪泉の格好を可愛いとほめる
「そうプリ!うふふっ、紫苑にそう言ってもらえるなんて嬉しいプリ~♪」
紫苑に可愛いと言ってもらえてとてもうれしそうにしている
やはり普段の彼女を知ってるがゆえに違和感をバリバリに感じてしまっていた
「にしてもどうしたんだい雪泉、急にそんな格好して?」
「えっ?」
「(紫苑ちん、ついにそこに触れたか!)」アセアセ
これ以上何も聞かずしてこの状況を黙ってみるのはさすがにきついと考えた紫苑が意を決して雪泉に尋ねる
「よくぞ聞いてくれたプリ。紫苑、私は気づいたのです」
「気づいた…ってなにに?」
「正義とは何か…だプリ♪」
「は…?はぁ?」
雪泉がこのような格好をしているのは正義によるものだというが正直まったくと言っていいほど紫苑には理解できない
正義がなにかの答えがどうしてこのような形になっているのかと
「四季ちゃんに正義とは何かを尋ねられ、私は正義について一生懸命に考えたプリ、でも考えても考えても明確曖昧なものばかりで明確な答えは見いだせなかったプリ」
「う、うん。それで?」
「それでも私はめげずにその答えを探し続けたプリ、そしてとうとう私はその答えにたどり着いたんだプリ!」
胸高らかに雪泉がいい放つ、そして雪泉が自身が見出した答えを告げる
「ずばり、正義とはすなわち「可愛い」ということだプリ!」
「「………はい?」」ポカーン
雪泉の口から放たれた答えに紫苑と四季は鳩が豆鉄砲を食ったような顔を浮かべる
「これが私が見出した「正義」だプリ」
「…えっ?あぁ、いやいや、ちょ、どういうことなの?どうして可愛いが正義に繋がるの!?」
一瞬ぽか~んとなってしまっていた紫苑だったがすぐさま我に返るや雪泉にその心を問う
「紫苑、よく考えてみてほしいプリ。考えてみれば簡単なことプリ、この世は可愛いければ全てが許される。可愛ければ人々をいやすことができる。そして可愛ければ人々は幸せになり世界に平和をもたらすことができるんだプリ!」
「「っ!!?」」
目をきらびやかにさせながら雪泉は心の底から自らの意向を示す
そのあまりの説得力に思わず言葉を失ってしまう
「す、すごい、すごい説得力だ!」
「一瞬、思わずそうかもって思っちゃったよ」アセアセ
何という圧倒的なものを今の雪泉からは感じられる
これほどまで強い信念、彼女が自身で見出した正義の形
それらを考えるとなかなかどうして紫苑と四季も考えるところがあると思わずにはいられなかった
「なるほど…雪泉、君の思い描く正義への思い。僕、感服したよ」
「うんうん、あたしも、最初はびっくりしたけどすごいじゃん、さすがだね雪泉ちん!」
「ありがとうございます2人とも」
紫苑と四季が自分の正義をここまで評価してくれたことに雪泉は心がほっとなる
「うんうん、そっか。それが雪泉が導き出した正義か。なら今後も頑張っていってね、僕も全力で応援するから」
見出した正義を貫こうとする雪泉を応援していくことを紫苑は告げる
「ですが私だけではまだまだ不安も多くて」
「雪泉、大丈夫。雪泉ならできるよ」
いざ切り出してはみてもやはりどこか不安もある様子だった
それを見かねた紫苑が励ましの言葉を送る
「本当にそうでしょうか?」
「うん。もし心配なら僕も力を貸すよ」
「紫苑…」
励ましの言葉を聞いて雪泉もぱぁと明るい顔を浮かべる
「(よかった。これなら大丈夫だろう)」
雪泉を信じて精一杯の手助けをしてあげようと紫苑は思った
ガシッ
「ん?」
だが、その矢先、手に妙な違和感を感じ、恐る恐る見るといつの間にか雪泉が自分の手をがっちりと掴んでいた
「あ、あの雪泉?なにしてるのかな?」
「紫苑、お願いがあるプリ」
「な、なに?」
「私と一緒に
一瞬、雪泉が何を言ってるのだろうと小首をかしげる
「えっと、一緒にって?」
「はい、ですから私とともに
「…ま、まっさか?」アセアセ
ずばり、雪泉が言っていることの意味、それは紫苑が雪泉のような格好で世界に
「……」アセアセ
「さぁ行きましょう紫苑、ともに世界に
「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あっ、逃がしませんよ紫苑!待ちなさいだプリ!」
身の危険を感じ、即手を振りほどき逃げ出す紫苑を雪泉が追跡し、逃走劇の幕が上がった
「あ~りゃりゃ、たいへんだこりゃ」
「お待ちください紫苑!ともに
「絶対に、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」