閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
新年回 2019年 みんなでお参りplus
年が移り変わる前の深夜の真夜中の道を着物を着た佐介と飛鳥たちは初詣のために近くの神社に向かっていた
「うわ~、綺麗な夜空~…お星さまがキラキラしてる~♪」
「あぁ、そうだな…しかしオレからすればひばりや…その、佐介のほうが輝いてるがな」ボソッ
「っ?柳生ちゃん、何か仰いました?」
「い、いや何でもない!?」
顔を覗かせて尋ねる佐介に対し、柳生は顔を赤らめながらごまかす
「うっ、う~」モジモジ
「あっ、ナナ、寒い?…よし、こうして、こうすれば」
「う~♪」
寒そうにしているナナを温めるように毛布をかけてあげた
「おーい、浮かれるのもいいけどよ?モタモタしてると追いってっちゃうぜ~?」
「早くしないとボクたち先に行っちゃうからね~?」
「もう、チェルシーもかつ姉さんもそんな意地悪いっちゃダメだよ?」
「うんうん、レイナちゃんの言うとおりだよ2人とも~?」
先を歩く葛城とチェルシーが立ち止まっている佐介たちを急かすように申す
それに対し、飛鳥とレイナが2人に意義を唱えるのだった
数分後、佐介たち御一行は神社にたどり着いた
既に境内には同じように年の移り変わりを祝おうという多勢の参拝客で賑わっていた
「今回も沢山集まってますわね」
「みんな考えることは一緒ってことなんだろうさ」
思わず目移りしてしまうほどの賑わいにみな思うものがあった
「それほどみなさんもこの時、そして訪れる時を心待ちにしてるということでしょう」
「言うじゃねぇかよ~おれおれ~♪」
「えへっ、もうかつ姉ったらくすぐったいですよ~」
「まったく可愛い反応しやがって♪」
参拝客たちの心を見透かしたような物言いをする佐介に葛城が突っかかり、2人は楽しそうにじゃれついていた
「あら?そこにいらっしゃるのは飛鳥さんたちではありませんか」
「あっ!雪泉ちゃん!」
すると突然声をかけられ、振り向いた先には自分たち同様着物に身を包んだ雪泉たち月閃女学館の面々がいた
「やっぱみんな考えてることは一緒だよね~」
「当然ですよ。年に一度しかない特別な日なんですから」
「行かぬ理由が…ない」
この日、年明けを見たいという思いは誰しも思うものなのだと改めて痛感させられた
「…そう言えば紫苑さんは?」
「確かに…雪泉ちゃんたちはいるのに紫苑ちゃんだけいないよね?」
なぜかいるはずの紫苑の姿がないことに違和感を感じ辺りをきょろきょろ見わたす
「紫苑ちんならそこにいるよ」
四季が指さすほうを見るとそこには建物の片隅に隠れている紫苑の姿が
「ほら紫苑、いい加減そんなとこにいないで出てきてください」
「い、嫌だ!こんな格好、人前に晒したくない!僕はこの場から動かないからね!」
「わがままいってないで出てきなさい!」
「や、やめ!嫌だ~!!」
すかさず雪泉、夜桜、叢が紫苑を引っ張り出そうとするが駄々を捏ねる子供のごとく抵抗し出す
「いい加減、おとなしくでてきなさぁぁぁい!!」
「ふぅぅぅん!」
「そぉぉぉい!」
「うわっ!しまっ!!??」
3人が力いっぱい引っ張ったがためにしがみついていた紫苑の両手が離れ、ついに姿を佐介達の前に表す
「「「うわぁ~…///」」」
「これはなかなか」
「でしょ~♪あたしたち全員の意見を取り入れたんだ~」
「はわ、はわわわわわわわわ///!?」
佐介達の目に映ったのは水色の女物の着物に身を包んだ紫苑がいた
皆の視線が自分に釘付けにされてしまってることに激しい羞恥心に晒され、紫苑の顔はまるでトマトのように真っ赤に染まっていた
「うぅ~…辛い」
「げ、元気を出してください紫苑さん。こんな日に悲しい顔は似合いませんよ?」
「そうですよ。元気出してください」
脱力感とともに悲しみの涙を流す紫苑に佐介とレイナが励ましの言葉をかける
「これが元気出せる状況なわけないじゃないですか!!女物の着物なんですよ、女物の!ありえないでしょ!」
「あっ、えっと~…まっ、まぁ…」
「えっと~…アハハ」
しかし悔しさが収まらない様子の紫苑が鬱憤を佐介とレイナにぶつけ出してきた。どうしたらいいのか分からず佐介とレイナも困惑してしまう
「…ねぇレイナさん、教えてください。どうしてその格好で平気なんですか?」
「えっ?」
「男だっていうのに女物の着物着せられて恥ずかしいと思わないんですか?」
自分と同じ立場のはずなのにさも当然のごとくそれを着こなしているレイナが紫苑には理解できなかった
「う~ん…ちっちゃい頃からチェルシーとお揃いでしたからあまり意識したことはないんですけど、強いて言うなら……可愛いから、ですかね?」
「……っ」
受け入れないものと受け入れるものとでは此れ程の差なのかとレイナを前に紫苑は言葉をなくす
「むっ?そこにいるのはもしや…佐介と紫苑か?」
「「えっ?」」
その時、デジャヴというかのように声が聞こえ、振り向くとそこには蒼馬たち蛇女子学園の面々がいた
「あら、雅緋さん」
「雅緋ちゃんたちも来んだ」
「ああ、まぁな」
顔を合わせるや直ぐに皆、いつものように打ち解け合い、会話に花を咲かせていた
「相馬くんは着物着てないんですね?」
「あぁ、ちょっとゴタゴタがあってな、切る余裕はなかった」
「ゴタゴタといいますと?」
「なに、いつものことだ。ソウのやつが眠いから行きたくないとほざいたもんで鈴音から半ば強引に締め出されてしまってな。で、例のごとくソウが「わりぃアオ、俺眠いからあとヨロ~」って言い残して俺に意識も所有権もまるなげしたというわけだ…まったく困った奴だよ」
理由を聞いて佐介と紫苑は思わず苦笑いしていた
「ちょっといいかしら?」
「はい?…って、両備ちゃんに両奈ちゃん?…って両奈ちゃん!その格好なんですか!?」アワワ
「むふふ~ん、いいでしょいいでしょ♪これらなぜ~ったいみんな両奈ちゃんを変な目で見てくれるはずだよ~♪」
「少しは場所をわきまえるべきでは?」
その最中、声をかけられた佐介が振り返るとそこにはみんなと同じように着物姿に身を包んだ両備と両奈がいた
しかし両奈に至っては胸元がはだけるギリギリのとこまでに調整された着物をまとっていた
両奈の姿に佐介は顔を赤らめ、鼻を押さえ、紫苑に至っては呆れかえっていた
「すまんな2人とも、俺も行く前に注意したんだが」
「でもでも~蒼馬くんだって喜んでくれてるでしょ~♪着物って胸の調整が簡単だから楽だよね~♪」
「えぇ…そうよね、楽でいいわよね~」イラッ
蒼馬に抱きつきながら胸のワードをだす両奈に対して嫉妬の目を向ける両備だった
「…でも、両備ちゃんの着物姿、とっても似合ってると思いますよ」
「えっ?…そ、そう///?」テレッ
「はい、いつもの両備ちゃんも素敵ですが、今日の両備ちゃんもとっても素敵だと思いますよ」
「……ば、バカ///」
彼からもらいたかった言葉と笑みを貰い、両備は頬を赤らめる
「たしかに2人ともとても似合ってらっしゃいますね」
「あんたが言うと嫌味にしか聞こえないんだけど?」ギロッ
「そ、そんな風に言ったつもりではないんですが」アセアセ
女である自分よりも綺麗に見える紫苑からそんなことを言われ嫌味にしか聞こえない両備が睨みを効かせるのだった
一方その頃、境内のとある場所にて、参拝客を饗す屋台やらがずらりと並ぶそのスペースの一攫で仕事をする者たちが、そう、焔紅蓮竜隊の面々である
「んっしょっと!…詠、そっちは持ったか?」
「はい、ばっちりですわ」
大きな荷物を運搬する仕事を焔と詠がこなし
「ほいほいほ~い、…ほら、たこ焼き上がったで~」
たこ焼きの屋台の手伝いを日影が行い
「いらっしゃいませ~、おみくじや破魔矢などはこちらにて販売しておりま~す!」
「来年の幸福のためにぜひぜひ買ってね~?お姉さんからの、お・ね・が・い♪」
巫女服に扮した未来と春花が転売コーナーで販売を行っていた
そして彼女らのリーダーである光牙はというと
「こちらの確認は終了した。次はこっちのほうだ。モタモタするな、もうすぐ年が明ける。忙しくなるのはここからだ。気合を引き締めていけ」
「「「「「はい!」」」」」
持ち前の指導力を駆使して他のバイトたちに的確な指示を出していた
光牙の指示のおかげでことはスムーズに行われていった
「…ふぅ」
しかし、ぶっ通し指示などをこなしていたため光牙にも少々疲れが見える
「あ、あの、よかったらこれ使ってください!」
その時、2人のバイトの子がやってきて片方がコーヒーを差し出してきた
「あぁ、ありがと」
「チーフお疲れ様です。本当、チーフの指示は的確ですね」
「私たち感銘をうけちゃいました!」
2人は光牙の威風堂々たる姿に目を光らせる
「たいしたことはない。俺はただできるだけのことをしてるにすぎんのだからな」
「いえいえ、とんでもない、そんな謙遜しないで」
「私たち、そんなチーフのこと尊敬してますから」
「そうか」
純粋な賞賛の声が光牙には少々こそばゆかった
「では私たち持ち場に戻ります。チーフも無理なさらないでくださいね!」
「私たちも頑張りますから~!」
そう言い残し2人は持ち場に戻っていった
「…ふっ、眩しいな」
彼女たちの明るさが眩しく感じながら光牙は差し入れられたコーヒーを一口
「……光くん?」
「っ!?」ブッ!
だが、その刹那、光牙は背後から感じられるどす黒いオーラを感じ取り、含んでいたコーヒーを吹き出しながら振り返るとそこには髪が逆立ち不気味なオーラを放ちこちらを睨みつける紫とその紫とともに行動していた忌夢がいた
「光くん…私という人がいながら…あんなどこの馬の骨ともわからない、子としたしそうだった、よね…?」
まるで幽霊にでもなったかのように浮遊しながら近づき、そのお怒りの顔を見せつける
「ま、まて紫!お、おおお、俺は何も悪いことは」
「こっちが…先約」
「ちょっとまて!どこから出したその婚姻届!?」
「ボクも初めてみたんだけど!?」
いきなり出してきた婚姻届の存在に光牙も忌夢も驚く
「光くん…ここに名前を…」
「や、あのだな紫、そういうのはまだ早い!?」
「名前を書きたくないなら…いいよ…」
「そ、そうか…」
わかってくれたかと胸をなでおろす
「代わりに、既成事実を…作るから」
「ぶほっ!?」
「む、紫!?」
一難去ってまたむちゃぶりを紫が言い出す
「き、既成事実だと!?」
「私が…子を孕めば…光くんは私から離れられない…さぁ、私とs●xして一緒に愛を育もう」
「ちょ、ちょっとまて!落ち着け紫!?」
「ふふふふふふ~」
不敵な笑みを浮かべながら紫が近づく、このままでは危うと危ぶまれた時
「いい加減にしろ紫!」
「お、お姉ちゃん?…放して!」
「そういうわけにはいかない!」
抜け出そうとする紫を必死に食い止める
「こ、光牙!紫はボクが何とかするから!早く離れて!」
「す、すまない!」
「あっ…こ、光く~~~ん!……っち、あと、一歩のとこで」
「む、紫」
忌夢の起点によってなんとか光牙は逃げることが出来たのだった
場面は戻り、何はともあれ大所帯になった佐介たち一行はお参りをするべくごったがえする人の波の中を進んでいった
パンパン!
「「「「「「……」」」」」」ナムナム
人の波を進んでいった佐介たちはようやくたどり着いたやしろで手を合わせて終わりが近づく今年への感謝と来る来年の悲願を願い、お参りするのだった
お参りを済ませた一行は自由時間ということでバラバラに散開することになった
その中で佐介と飛鳥は紫苑と雪泉、蒼馬と雅緋とともに行動を共にしていた
「……う~ん、甘い。この甘酒」
「ふふっ、確かにそうですね♪」
「これが甘酒か…なるほど、確かにいいな」
「そうか蒼馬は甘酒飲むの初めてだったな」
売店の甘酒を飲みながらその甘美な味に浸っていた
「あう?う~」
「っ?…ダメだよナナ。ナナにはまだ早いよ」
「ぶぅ~!」
「むくれないで…ほら、ミルクですよ」
甘酒を飲ませられない代わりにミルクを飲ませてあげた
「見てみて佐介くん。可愛いお守りが沢山あるよ」
「うん、そうだね♪」
一方佐介と飛鳥はお守り売店コーナーで多種多様のお守りを眺めていた
「そうだ。ねぇ飛鳥ちゃん、せっかくだからお揃いの買わない?一緒のお守りにしようよ」
「えっ!?…さ、さささ、佐介くんとおおおお、お揃いの!?」
「…ダメ、だった?」
「ううん!ダメじゃない!むしろ嬉しいよ!」
急にお揃いを買おうかと言われてアタフタするも愛しい人にそう言って貰えて飛鳥はとても嬉しかった
「あ~い♪」
2人の様子にナナも嬉しそうに笑っていた
そこから佐介たちは屋台で食べ物を買ったり、楽しい談話で盛り上がり、おみくじを引いた
おみくじを引き、書かれている内容に皆、嬉し弾む中、紫苑と雅緋だけが浮かない顔をしていたのはまた別の話…
あらかた堪能した佐介たちが次の場所を探しているときだった
「…あれ?」
「どうかしましたか?佐介くん?」
「いきなり立ち止まられたら驚くだろう?」
「あっ、すみません…でも、あそこにいるのって?」
急に立ち止まった佐介に訳を問うと佐介が向かい側の方に視線を向ける。するとそこには随分と知った顔がいた
佐介たちはすかさずそこに向かう
「あの~」
「はーい!いらっしゃいま…せ」ゲゲッ
「こ、こんばんわ焔ちゃん」
「ああああああ、飛鳥!それに雪泉に雅緋!?さらに佐介たちも!?」
声をかけてみたら案の定、そこにいたのは巫女服に扮して仕事をしている焔だった
変なとこ見られたというかのように小っ恥ずかしそうな顔を浮かべていた
「焔。今、詠から連絡が来て愛花がこっちにきたみたい…ってお前たち?」
「光牙くん、こんばんわ」
「あぁ…お前たちも来てたんだな?……どおりでさっき紫が来たわけだ」アセアセ
「えっ?あの、光牙くん?」
そこへ男性用の従業員服に身を包んだ光牙がやってきた
光牙に至っては先ほどの紫の件で顔色が悪いようだったが佐介たちにはさっぱりだった
「お二人がここにいるってことは他のみんなも?」
「あぁ、ここの主人からバイトとして雇われててな。抜忍である俺らは生活費を稼がなきゃならないからな」
「うぅ…光牙、私は情けない、姉として弟が困っているのに何もしてやれないなんて」
「そう卑下するな姉さん、俺たちは俺たちのすべきことがあるように姉さんには姉さんのすべきことがある。だから自分を責める必要はないぞ」
光牙の苦労を思うと雅緋は自分が情けなく感じ始め、それに対し光牙は優しく慰めた
「ちょ、もうすぐじゃない?」
「「「「「「「っ?」」」」」」」」
「マジ?」
「マジマジ」
すると人混みの中の2人の女性が目にとまり、2人とも視線を持っているスマフォに向けていた
「どうしたんでしょう?」
「……なるほど、そう言うことか」
「「っ?」」
「これが答えさ」
何を盛り上がっているのだろうと話し合っている中、いつの間にかスマフォを握っていた蒼馬が彼女たちが盛り上がっている理由を察し、直ぐ様佐介たちにスマフォの画面を見せる
そこには時刻が23時59分を回っていることを示していた
「ということは」
「もうすぐ今年が終わるってことですね」
「あっと言う間だったな」
「いろいろあったのにな」
夜空を見上げながら4人はこれまでのことを思い返し、ものお思いにふける
「け…くん……佐介くん!」
「あう~」
「っ?」
すると唐突に声をかけてきた飛鳥によって我に返る
「早く早く、もうそろそろカウントダウンだよ!」
「えっ?もうそんな時間?」
「うん、ほら!」
飛鳥の言葉を証明するように周囲の人たちが一斉にカウントダウンを開始し出す
あっと言う間にカウントが迫り来る
「みんな、いくよせ~の!」
「「「5!」」」
流れに乗るように飛鳥と雪泉、焔、雅緋がカウントを叫ぶ
「…4」
次に蒼馬が
「ふふっ…3」
続いて紫苑が
「2…」
光牙がカウントを呟き
「……1!!」
佐介がシメのカウントを勢いよく叫んだ刹那
プシュ~~~~……ボォォォン!
空に花火が打ち上がるとともに新しい年がやってきた
新たな年を迎えたことで参拝客たちは感極まるかのように騒いでいた
「新しい年…か」
「佐介くん」
「っ?」
「明けましておめでとう♪」
声をかけてきた飛鳥から放たれた元気一杯の新年最初の挨拶、新たな今年を迎え入れる最高の挨拶
「…ふふっ、明けましておめでとうございます。飛鳥ちゃん」
「うん♪」
「あうあ~う♪」
「ナナも、明けましておめでとう♪」
互いに笑顔で笑い合い、新たな年の訪れに感謝を込めるのだった
ヨ~…ポン!
「みなさん、明けましておめでとうございます」
「あぅぅ~♪」
「2018年はどのようにお過ごしになられましたか?僕はナナや飛鳥ちゃんたちと充実した日々を送れたと思っています。新たな年を迎えた2019年、どんなことが待っているかはわかりませんが全力で日々を送る所存です」
「うっうぅ~♪」
「…ではみなさん、本編今後もこの作品を続けていく所存なのでご声援のほうよろしくお願いします。ではよいお年を」
「あっぷぁ~♪」