閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
書庫でのラッキースケベ事件があった日から翌日の朝
佐介は霧夜から急遽呼ばれ、飛鳥達よりも先に学院に来ていた
そして頼まれていた仕事を終えて忍部屋に戻る途中だった
「さて、霧夜先生からの頼みごとも無事に終わりましたし、飛鳥ちゃんたちが来たら軽くお茶にでもしましょうかね~」
このあとの予定について考えながら廊下を歩いていた時だった
「っ?」ピクッ
咄嗟に佐介が微弱ながらなにかの気を察知した
「(…なんでしょうかこれは?忍……にしては何も感じませんし、そもそも敵が来たならば警報がなるはず)」
得体の知れないこの気配の正体は何なのかと思案を巡らせる
「(どうやら気配は屋上からするようですね)」
天井、もといその先にある屋上に目を向ける
「……ともかく、これは言ってみなければなりませんね」
気配の正体を探るべく、佐介は単身、屋上に向かった
屋上にたどり着くとともにドアを開け外に出てみた
「ここに気配の正体があるはず……」
佐介が辺りをキョロキョロ探していると
「っ?」
目の前に光を放つ何かが落ちていたのに気づく
どうやら先ほどからの気配はこの光の何かが放っているものであった
「…こ、これはなんでしょうか?」
慎重に警戒しつつ、光輝くそれを抱き抱えた
その時だった
キュピーン シュイィィィン
「ううぅぅぅ~!!!あぅううう~!」
「っ!?」
光輝くそれが突然、スライドしたと思いきや中からまるでたまのように可愛いい赤ちゃんが顔を覗かせた
「…どうして赤ちゃんがこんなところに?」
「…あう?」
「っ?」
「うぅー!」キャッキャ
物珍しそうに赤ん坊は佐介を見るとぱあっと可愛らしい笑みを浮かべる
その愛らしさに佐介もうっとりとしてしまいそうだった
「ふふっ、可愛らしいですね」プニプニ
「あうう~」
ほっぺをぷにぷにすると赤ん坊はくすぐったそうな顔をしていた
赤ん坊のしぐさの一つ一つが佐介の心を癒してくれているかのようだった
「あっぷあ~♪」キャッキャ
「…しかし困りましたね」
あのあと、悩み悩んだ末にとりあえず赤ん坊をあそこに放置することなど出来る訳もなく、そのまま忍部屋に連れてきてしまった
「いい案が思いつかなかったとは言え勢い余って連れてきてしまいましたが、この子のこと、どうしたものか?」
渡したおもちゃで遊んでいる赤ん坊を眺めながら佐介はどうすべきかを考えていた
「これ絶対見つかったらかつ姉やチェルシーちゃんや風魔ちゃんがからかってくるでしょうから何とかして良い方法を考えなくては…う~ん」
しかし悩めば悩むほどいい案が思い浮かばなかった
「あうう~♪」
「どうしました?」
赤ん坊が遊びをやめてはいはいしながら佐介の元に寄ってくる
それを見て佐介が優しく抱き抱えると赤ん坊はとても嬉しそうだった
「あうあ~う♪」
「僕といるのがそんなに楽しいですか?」
喜ぶ赤ん坊の顔を見て佐介は悪い気はしなかった
「…なんだかこうしてると僕、この子のパパになったみたいですね」
この状況下で佐介は男でありながら母性本能のようなものを刺激された気がした
「パァパ?」
「おや、聞こえてましたか。言えちょっとこうしてると君のパパみたいかなって思ったんですよ」
「パァパ?…パァパ♪」
「あっ、いえ、これはあくまで言葉の綾で本気にしては……困りましたね~」アセアセ
思わぬことで赤ん坊を刺激してしまったのか赤ん坊はその呼び方を連呼するようになってしまい、佐介は困り果ててしまった
それからしばらく…
「すぴ~…すぴ~…」Zzz~
遊び疲れたようで佐介の腕に抱かれたままそのまま眠ってしまっていた
「寝顔も天使みたいですね」
その時だった
ワーワーガヤガヤww
「っ!?」ビクッ
向こうから話し声が聞こえ、それがこちらに向かってどんどんと大きくなっていく
「(ま、まずい!もうこんな時間でしたか!?みんながここに来てこの状況を見てしまったら大変です!?どどどどど、どうしましょう!?)」アタフタ
今、この状況を見られてはたまらんと打開策を必死に考えていた
「(よ、よし…こうなったら)」キュピーン
そして一つの作戦を思いつきそれを実行することにした
「それでねこの前出来たお店がね」ペラペラ
「へ~、そうなんですか…ってあら佐介さん?」
「あっ、みなさん。思ったより早く来たんですね」
他愛ないおしゃべりをしながら部屋に入ってきた飛鳥たちは既に部屋で茶を飲んでいる佐介に目をやる
「佐介先輩こそ、今日は霧夜先生から頼まれごとがあるといって先に学院に来てたと先輩方から聞いてましたが?」
「思いのほか早く終わったので茶でも飲みながら待ってようと思いましてね」
「そうなんですか」
土方の質問に冷静に答える
「(………ハァ~~~!!??あ、危なかった~~~~!!)」アセアセ
だが、心の方は穏やかではなかった
周囲が談義で盛り上がる中で佐介だけは内心、怯えていた
「(今現状はなんとか乗り切りましたがいつまでも長くは凌げませんね)」
そんなことを思いながら佐介は目線を後ろの戸棚に向ける
何を隠そう、この戸棚の中に赤ん坊を隠しているのである
「(ともかく隙を見てこの状況をどうにかしなくては!)」
「うっぇぇ~ん!佐介兄さま~!」バッ!
「きゃっ!?あ、菖蒲ちゃん?」
すると突然、菖蒲が佐介に抱きついてきた
「佐介兄さま~、聞いてくださいよ。かつ姉さまったら私がさっきからアプローチしてるのに全然答えてくれないんですよ~」
「いや、アタイはただ率先してそういうことをされるのはちょっと勘弁してほしいだけで」アセアセ
嫌がる子にセクハラすることが好きなのであってそれとは真逆な態度で来られるのは好ましい事ではないのである
「菖蒲はとっても寂しいです…ですから佐介兄さま、代わりに菖蒲にセクハラしてください!」
「ちょ、ちょちょちょ、待ってください菖蒲ちゃん!ぼ、僕だってセクハラなんてできませんよ」アセアセ
「かつ姉さまだけでなく佐介兄さままで…うえぇぇ~ん!菖蒲は不幸です~!」エンエン
シクシクとした顔をする菖蒲を見て佐介も困り果ててしまった
「ぐすんぐすん……っ?」
だが、菖蒲はふとあるものに気づいて泣くことを忘れてそれをまじまじと見た
「どうしたんだ?急に泣き止んで?」
「いえ、あの…佐介兄さま。兄さまの後ろにあるのって」
「えっ?後ろ?……っ」アセアセ
菖蒲の指摘を受け、後ろを見た瞬間、佐介は冷汗が溢れ出た
そこにあったのはさっきまで赤ん坊が遊んでいたガラガラだったのである
「(し、しまった~!咄嗟のことだったからうっかりしまうのを忘れてしまってました!?)」
まさかのミスを犯してしまっていた
「これって赤ちゃんのガラガラだよね?なんでこんなものがこんなとこに?」
「さぁ?」
気づいた時には既に飛鳥たちがガラガラを手にし、話し合っていた
「もしかしてさ、これって佐介のなんじゃないの~?」
「っ!?」ビクッ
チェルシーが悪い笑みを浮かべながらそう切り出した
「そうなのですか先輩?」
「え、えぇとですね。実はそれ道端に落ちてまして誰も気にも止めなかったから仕方なく僕がここに持ってきたんですよ」
「でもこれどう見ても新品ですよね?」
「うぐっ!?」ギクッ
必死のいい訳も虚しくそれはレイナに論破されてしまった
「おいおい佐介、お前こんな趣味があったのか~?ちょっと意外だなw」
「佐介パイセンもお茶目っすね~w」
「仕方ないんじゃな~い?人の趣味はそれぞれだしさw」
「うぅぅ…」
別のこととはいえからかわれてしまったことがやはり恥ずかしいのであった
「だ、大丈夫だよ佐介くん。私たちは全然気にしてないから」
「そうですわ佐介さん」
「元気を出してください先輩」
「み、みなさん」
必死に慰めてくれる彼女たちの心意気に感謝の気持ちを抱く佐介だった
だが、それもつかの間のこと
『うぅ~…』Zzz
「っ!?」
『っ!』
突然それまで静かに寝ていた赤ん坊がうんうんと唸り声をだした
「…今、赤ちゃんのような声がしたよね?」
「あぁ…戸棚の方からだったな」
「気になるにゃ、開けてみてみるにゃ」
「えっ?ちょ、まっ!?」
止めようとしたが時既に遅し、柳生が戸棚に手をかける
もうダメだと思い、佐介は目をギュッと瞑った
そして柳生が戸棚にを開けるとそこには
「…っ?」
何もなかった
「あっあれ?」
「何もないな」
「おっかしいな〜?確かにさっきここから声が聞こえたんだけどな〜?」
戸棚を取り囲みながらキョトンとしている彼女達をよそに佐介は思っていた
「(ど、どういうこと?僕は確かにあそこにあの子を入れたはずなのに)」
どういうことか分からず、困惑するも同時に安心もした。飛鳥たちにバレてしまうとヒヤヒヤしていたのに赤ん坊がいなかったことでバレずに済んだのだから
「(よし、一先ずは大丈夫、後はみなさんよりも先にあの子を見つけ…ない、と?)」
だが、後ろを振り向いた瞬間、佐介は再び慌てふためく
「ふぁっふぁっ♪」
なぜなら視線の先にはいないと思っていた赤ん坊がどういうわけか宙に浮いているのである
どうして宙に浮いているのかは今の佐介にはどうでもいいことだった
「あれ?今度は後ろから赤ちゃんの声がするよ?」
「っ!?」
声に気づいた飛鳥たちが振り向こうとしたと同時に佐介は目にも止まらぬ速さで赤ん坊を机の下に隠し、自分もすぐさま机に座り茶を飲む
「ねぇ佐介くん?今、そっちで赤ちゃんの声がしたよね?」
「な、なんのことかな?僕にはさっぱりだよ」
必死に隠し通そうとするも先ほどとは違い怪しさMAXだった
「佐介、なんか知ってんじゃないのか?」
「ふぇっ!?」
「確かにさっきのガラガラといい、今の声といい…何か隠してらっしゃるんじゃないんですか?」
「と、ととととととんでもない!ぼぼぼぼ、僕隠し事なんてしてません!」
必死に違うと言い放つも
「じゃあ佐介くん、なんでそんなにソワソワしてるの?」
「っ!?」
それは雲雀の一言であっさり崩れ落ちる
「佐介先輩、どうなんですか?」
「なんか隠してるんなら言った方が楽っすよ〜?」
次々と追及の攻撃が佐介を襲う
そしてついにトドメの一撃が…
「あうう〜♪」
「っ!?」
後ろから服を摘まれ、振り向くとまたもやいつのまにか背後に赤ん坊が
「あー!やっぱり赤ちゃんだ!」
「佐介くん、これはどういうことなの?」
「い、いやあのその……」
もはや、逃げ場はどこにもなく、佐介はただ苦笑いするしかなかったのであった