閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
鼻血騒動から少ししてようやく事態が落ち着きを取り戻した
飛鳥たちも全員着替え終え、佐介もなんとか立て直し、騒動は落ち着きを見せていた
「あうぅ~♪」
「さっきはびっくりしたけど、やっぱり無邪気で可愛いね~♪」
「笑った顔、まるで天使みたいっすね」プニプニ
「うみゅ~」ウゥゥ~
抱き抱えられた赤ん坊の笑顔はまさに天使のように屈託のないものだった
「なぁなぁ、次はアタイに抱かせてくれよ」
「ずるいですわ葛城さん!わたくしも抱いてみたいです!」
「わ、私も是非に!」
「ひばりも~♪」
彼女の愛らしさも、頬をつつかれくすぐったそうにする仕草も、飛鳥たちの母性本能をくすぐるものがあった
赤ん坊と戯れる姿を見て一時はどうなるのかと思っていた佐介も肩の荷が下りた気がした
「ほらほら高い高~い♪」
「うっう~♪……あぅぅ」
「っ?どうしたの?」
葛城が抱っこする役に回り、赤ん坊を高い高いをしていると急に笑顔が止まってしまった
それを見た佐介たちがキョトンとしていると
「ふっふっ、ふぇぇぇぇぇぇえ~~!!!」
「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」」
突然泣き出してしまった
「えええええっ?えっ?ちょっ、どうしたんだよ急に!?も、物足りなかったのかな?ほら高い高~い!」アタフタ
「ふええぇぇぇぇぇん!」
「えええっ!?」アタフタ
必死に泣き止まそうとしたが効果は皆無であり、全然泣き止まない
「あわわわ!?い、斑鳩パス!」
「えぇっ!?…きゅ、急に投げ出されても!?」
たまらず葛城は斑鳩にバトンタッチした
しかし斑鳩も葛城同様どうすべきかは分からずじまいだった
「ほ、ほらほらいい子ですね~、お願いしますから泣き止んでくださ「ふぇぇぇえん!」ダメみたいです~!?」
そうしてなんとか泣き止まそうと彼女たちはたらい回しのように次々と役を交代させるがどれもこれもまったくダメだった
「あうう~!ふぇぇぇぇぇん!!」
「うぅ~、困ったな~。どうして泣き止んでくれないんだろ?」
「一体何が原因なのでしょう?」
赤ん坊がどうして泣き止まないのか生憎彼女たちには検討もつかなかった
「…っ、もしや?」
「どうしたの佐介くん?」
そんな中、ふと佐介が何かに気づいたようである
「わかりましたよみなさん、赤ちゃんが泣き止まない理由」
「本当ですか佐介兄様?」
「いったいなにが原因なのさ?」
理由がわかったと語る佐介にレイナとチェルシーが尋ねる
「単純なことです。たぶんお腹が空いてるんだと思います」
「「「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」」」
「考えてみれば見つけてから今に至るまでこの子はなにも食べてない、だからお腹が空いてもおかしくはありませんよ」
確かに先ほどから泣き止まないことを考えるにそれが正解なのかもしれないと納得する
「じゃあ早速ごはんをあげよう!」
「そうだな!」
「赤ちゃんのごはんといえば」
「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」」
その時、赤ちゃんのご飯について考えていた彼女たちが一気に固まる
…そう、彼女たちは赤ちゃんのごはんというキーワードを考えた瞬間。ある1つの答えにたどり着く
「(あ、赤ちゃんのご飯って言ったら)」アセアセ
「(や、やっぱり)」アセアセ
「(あれ…だよね?)」
彼女たちが思い描いたもの、それは……
たぷ~ん♪ちゅちゅ~♪
そう、母乳を与えることである
「「「「「「「「「「(……無理だぁぁぁぁぁぁ!?!?)」」」」」」」」」」
冷静に考えても無理な話であることは明らか
今の今まで母乳をあげるなど、まして子供を育てた経験すらない
「ど、どうしたらいいのでしょう?」
「どうしようっていわれても?」
考えが追いつかず困惑する彼女たち
「よし……ここはあいだを取って斑鳩に~♪」
「はぁ!?ちょ、なんでそうなるんですか!?」
「じゃあ土方に~♪」
「私もですか!?」
葛城が悪びれた顔をしながら赤ん坊を差し出し、2人に役を押し付けようとする
当然、そんなのを「はいそうですか」っと引き受けるわけもなく2人は異を唱える
「ほ~ら赤ちゃん。あたしのおっぱい飲むっすか~?」
「だぁ♪」
「「「「「「「「ってちょっと待ってーー!!!???」」」」」」」」
「ふぇっ?」
赤ちゃんのごはんをどうすればいいのかいい案が浮かばないまま思い悩んでいると
いつの間にか赤ちゃんを抱えていた風魔が羞恥心など一切ないというほど潔く自分のおっぱいを吸わせようと服をめくりあげようとしていた
当然そんなことをさせてなるものかと大慌てで風魔を止めることに成功したのだった
「ふぇぇぇえ~~~ん!!」
「で、でも本当にどうしよう?」
「このままじゃずっと泣いたままだしな~?」
「だ~か~ら~。ここはあたしが一肌脱ぐっすよ!」
「「「「「「「「絶対ダメ!」」」」」」」
未だにどうすべきかと思い悩む飛鳥たち
そんな時だった
「みなさん、遅くなりました」
「佐介くん?」
声のする方を見るといつの間にか背後に霧夜を引き連れた佐介とレイナ、菖蒲が立っていた
佐介の手には哺乳瓶と粉ミルク、レイナの手にはタオル。そして菖蒲の手にはお湯を沸かすポットがそれぞれ握られていた
「佐介、レイナ。いつの間にかいなくなってたと思ったら霧夜先生と一緒だったのか?」
「はい。赤ちゃんがお腹すいたことに気づいてからレイナとともに物資を調達のために購買部にいったり哺乳瓶は分け合って保健室の先生から貸していただいたりしてまして」
「それでそうこうしてるうちに私たちに気づいた霧夜先生が声をかけてきたのでこれまでの経緯を話したんです」
皆の疑問に対してそう答える佐介たちの経緯に飛鳥たちは納得する
「うえぇぇぇぇ~~~ん!!」
「っていっけない、納得してる場合じゃなかったんだった!?」
赤ちゃんの泣き声にその場所に居た全員がはっと我に帰る
「とりあえずまずはこの子にごはんをあげなくてはですね…レイナ、菖蒲ちゃん手伝ってください」
「「はい佐介兄様!」」
早く赤ちゃんにごはんをあげたいという思いから佐介はレイナ、菖蒲とともに早速作業に取り掛かった
持ってきた哺乳瓶に粉ミルクを入れ湧き上がったポットからお湯を注ぎ、それ以降の作業もテキパキと終え、ようやくごはんが完成した
「さぁ、お待たせしました。たんとお上がりくださいね」
「あううぅ♪…あむっ♪」チュ~チュ~
佐介に抱き抱えられながら赤ちゃんは用意してくれた哺乳瓶に入ったミルクをちゅーちゅーと美味しそうに飲み始めた
「「「「「「「「はぁ~…かわいい♪」」」」」」」」」
その愛らしい姿に飛鳥たちは再びうっとりとするのだった
「でも良かった。喜んでくれたようで…やっぱり赤ちゃんにはミルクが一番ですね」
「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」
「…っ?みなさんどうしました?」
変なことは言ってないはずなのに行動を共にしていた2人と今だ近くで寝ている清明以外の全員が頬を赤らめていた
「…僕なんか変なこと言いました?」
「い、いや別に!な、なんでもないさ。なっ、斑鳩?」
「えっ?…えっ、ええ…そう、ですわね」
「う、うんそうそう!だから佐介くんは気にしないでね!」
キョトンとした顔を浮かべる佐介に向けて飛鳥たちは必死にそう言い聞かせるのだった
冷静に考えれば佐介と同じようなことを考えるはずなのに自分たちは何を考えていたのだと内心恥ずかしさでいっぱいだった