閃乱カグラ 忍の生き様外伝 忍少女とのドキドキな日常生活♪ 作:ダーク・リベリオン
無事にごはんを上げたことで赤ちゃんに落ち着きが戻った
「…」ポンポン
「けぽっ♪」
佐介が優しく背中を叩くと赤ちゃんは可愛らしくゲップをし、再びきゃっきゃと佐介に甘え始めた
「パァパ♪」
「あっ、もう、くすぐったいですよ」
「本当、佐介くんって赤ちゃんあやすの上手よね」
「師匠と旅をしてた頃。軍資金として立ち寄った旅先で数日だけベビーシッターをしたりしてたからそのくせだね。師匠だとどうも向いてないから」
「確かに、あいつならこういった作業は不向きだろうな」
大導寺をよく知る2人はベビーシッターをする彼女の姿を想像し、思わず苦笑いをする
そのあと、佐介は霧夜と赤ちゃんをどうするかを話しを聞くべく再び飛鳥たちに彼女を渡し、話しを始めた
ちらっと視線を逸らしみんなからあやされ嬉しそうに笑う顔を浮かべる赤ちゃんの姿に佐介はほっこりと笑みを浮かべ、直後霧夜と面と向かう
「それで霧夜先生、あの子はどうなるんでしょうか?」
「あぁ、あの子についてはいろいろ謎が多いが、まずはちゃんとした施設に届けるべきだろうと思う。子供の育児など我々には荷が重かろう」
「そう…ですよね」
「残念だが致し方ないだろう」
霧夜の言うことも最も、いくら経験があるとは言え所詮は並みの素人より技術があるだけ、そんな自分たちより育児経験が豊富な人たちのいるところに預ける方がいいかも知れない
この子の正体はそれまでに突き止めればいいのだから
「心苦しいとは思うが、これが最善の策だろう」
「…わかりました。そうしましょう」
なんとも切ない気分に苛まれそうになる
「ねぇみんな見てみて!」
「「っ?」」
そんな中、飛鳥達のいる方から声が聞こえ、振り向いて見てみる
するとそこに映った光景は
「あうぅ~♪」ハイハイ
ゆっくりと、かつしっかしとしたハイハイで自分のもとに向かってくる赤ちゃんの姿があった
「パァパ~♪」
「っ…」アセアセ
「佐介…せめて別れの言葉くらい言ってやれ、あの子はお前を父親のように思ってるようだからな」
「…はい」
少し切なそうな顔を浮かべ、無理やり作った笑みを浮かべながら自分のもとへとやってきた赤ちゃんを抱きかかえる
「パァパ~♪」
小さな手をばたつかせ頬を撫でながら無邪気な笑みを送る
出会って間もないはずなのに自分のことを父と呼ぶ彼女への名残惜しさがこの瞬間を永劫の時のように思わせてしまいそうだった
「…佐介」
「っ!」
しかし霧夜の一声にはっと我に帰る
辛い気持ちをぐっと抑え、佐介は赤ちゃんに優しく囁く
「ごめんね。本当はもっと一緒にいてあげたいんだけど、もう君とばいばいしなきゃいけないみたいなんだ」
「ばぁい?」
「…そう、さよならって意味だよ。でも大丈夫、これからは施設の人たちが責任を持って君のこと面倒見てくれるはずだから、心配しないでね」
精一杯平常心を装うも、やはりその顔には名残惜しいという気持ちが伝わって来るようだった
「……ばぁい、やー」
「えっ?」
「ばぁい、やー!」
そんな佐介の顔を見た赤ちゃんが何かを察したのかだだをこね始める
「で、でも」
「やーー!!!」
キュピーン!
「「「「「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」」」
赤ちゃんが大きく叫んだその瞬間、首にかけられていたペンダントが眩い光りを放った
突然の事態に佐介たちは驚愕した
「んーー!!!」
ボォォォォォォォォォン!!!
さらに赤ちゃんが何かを念じたと同時に凄じい煙があたりを包みこむ
「けほっ!けほっ!…い、いったいなんなの!?」
「何が起こったというのでしょう?けほ、けほっ!?」
充満する煙によって蒸せながらも必死に状況を確認しようとする
しかし、ここで彼女たちは気づいた
自分たちの前方に怪しげな影があることに
やがて煙が晴れ、視界が戻った瞬間、全員が更なる仰天に遭遇した
【にゃろろ~ん!】
「「「「「「「「「「「「「「な、なにこれ!?」」」」」」」」」」」」」」
突如として佐介達の前に巨大な謎の生物が出現した
蛇のようにも見えるがとにかく謎が多いものだということは一目瞭然だった
頭部が地面についており、触手のような尻尾が上という珍しい生物だった
【にゃろ~ん!】ベシン!
謎の生物が出現した早々に攻撃してきた
触手のような尻尾を叩きつけ、その猛威を振るう
「やろぉ!好き勝手はさせねぇぞ!忍転身!」
「かつ姉さま、菖蒲もいきます!」
「葛城さん、菖蒲さん!迂闊すぎます!…土方さん!」
「はい、斑鳩先輩!!」
これ以上はさせないと言わんばかりに葛城と菖蒲が飛びかかり、それを援護するという形で斑鳩と土方もあとに続く
【にゃろ?】
「「「「やぁぁぁぁ!!!」」」」
4人が一斉に仕掛けたその刹那
【にゃろろ~ん!】パカァァ!
突然、尻尾を葛城たちに向けた瞬間、先端がパカっと4つにわかれた
「「「「っ!?」」」」
【にゃろっ!】パクッ!
「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」
「た、食べられちゃった!?」
気づいた時には手遅れ、葛城たちは一瞬で飲み込まれてしまった
呆気に取られていると直ぐ様謎の生物に変化が、身体をうねうねさせ始め、何事かと目を凝らしていると
【にゃろ】ポンポンポンポン!
地面についている頭部がもたれ上がると同時に謎の生物の口から4つの影が
その正体は葛城たちだった
「かつ姉、みんな、大丈夫だっt……っ!?」
「っ!?」
彼女たちのもとに駆けつけ、生きてることに安心するも、一瞬にしてそれは吹き飛んだ
「いてて、…み、みんな大丈夫…か?」
「は、はい…なん、とか?」
「なんとも…ありませんわ?」
「お、同じ…く?」
床に打ち付けられた身体をさする葛城たち、その際、自分たちの状況を把握した
彼女たちの状況…それはいつの間にか着ていた衣服は消え、生まれた時のままの姿を晒していたからだ
「「き、きゃぁぁぁぁ!?」」
「ななななななな、なんで服が溶けてんだよ!?」
「わ、わかりません!?」
これには4人も思わずびっくり仰天だった
「くっ、この状況から察するにやつは飲み込んだ相手に人体によるダメージを与えない代わりに飲み込んだ相手の衣服を溶かす能力があるってことか!」
「えぇ!?何それ怖いよ!」
「みんな、絶対にやつに捕まるな!捕まったら葛城たちの二の舞にされてしまう!」
「「「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」」
柳生の分析によりあれが相当やばいものだということを理解した飛鳥たちは経過を強める
【にゃろろ~ん!】
「あ、危ない!みんな逃げて!」
しかしそんな中、でも謎の生物の猛威は続く
【にゃろろろ~ん!】
「いやぁぁぁ!!」
「にゃあぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁ!?」
「み、みんな!?」
【う~ん…っ!】ポンポンポンポン!
1人、また1人と隙きをつかれた仲間たちが飲み込まれ、生まれた時の姿で排出されていった
「み、みんなが次々と」
「これ以上好きにはさせん!生徒たちは俺が【にゃろっと】うわっ!?」パクッ!
「霧夜先生!?」
助けに行こうとするも出オチと言わんばかりに飲み込まれ、彼女たちと同様生まれた姿をさらしてしまう
「「「「「「「「「「きゃぁぁぁぁ!?」」」」」」」」」」
「い、いや、こ、これは不可抗力だろ!?」
必死に大事なとこを隠す霧夜だった
「こ、このままじゃ!?」
あの生物によってみんなが醜態をさらされてしまう
なんとかせねばと必死だった
そして佐介はあの生物が赤ちゃんが首から下げたペンダントからでたことを思い出した
「お、お願い赤ちゃん。あの生物をおとなしくさせて!」
「ぶぅ~!あうあう!」ブンブン
「ど、どうして!?」
必死にお願いするも赤ちゃんは頑なにそれを拒否する
「パァパ、バァイ、やー!!」ギュゥゥ
この時、佐介は赤ちゃんが自分と離れたくないのであり、飛鳥たちを自分と佐介を引き離そうとしてるのだと思っているのだと感づいた
とすればこの状況を止める手立ては一つだけだった
「あ、赤ちゃん。ごめんなさい。僕が悪かったよ…もう、バイバイはしない。一緒にいるから…ね?」
「あうぅ?」
嘘偽りない言葉で赤ちゃんに言い聞かせる
「…あうぅぅ♪」
すると赤ちゃんはよかったと言うかのように佐介に抱きついた
その瞬間、ペンダントが再び光り出し、同時に生物が光の粒子になって消え去り、騒動は幕を閉じた
生物の消滅後、みんなは早々に着替え、後片付けを行っていた
そんな中、佐介は再び霧夜と対談していた
「霧夜先生。…やはりこの子は僕が面倒を見たほうがいいかもしれませんね」
「あぁ…あの奇妙な力がなんなのかも気がかりだ。これは下手に他所に置くより我々で様子を見るほかあるまい…幸いなことにその子はお前と離さなければ無害なものだしな」
先のことで霧夜も考えを改め、赤ちゃんは佐介たちが面倒を見るという流れに落ち着いた
「ねェ佐介くん」
「なに飛鳥ちゃん?」
「この子うちで面倒を見るなら名前くらいつけたほうがいいかも」
確かにずっと赤ちゃんと呼ぶのもどうかと佐介も感じていた
「そうだね…う~ん、何がいいだろう?」
「あぅ~♪」
赤ちゃんに似合う名前がないかと佐介は考える
「…そうだ!ねぇ佐介くん。私、いい名前思いついたよ!」
「本当?」
「うん。…この子の名前、ナナでどうかな?」
「ナナ…サナ…うん、いいかも」
飛鳥の提案に佐介も賛成の意を示す
「いい?今日から君はナナちゃんですよ」
「あう♪」
赤ちゃんもナナという名前に満足しているようだった
そうして佐介がナナをあやしている時だった
「佐介!」
「っ?」
シュンシュンシュンシュンシュンシュン!
突然、声がしたと思った瞬間、瞬時に6つの影が佐介たちの前に現れた
「あ、あなたは…こ、光牙くん!?」
「それに焔ちゃんに雪泉ちゃん、雅緋ちゃんに他のみんなも!?」
佐介たちのもとに現れたのは彼らにとって戦友でありライバルと呼べる相応たる面々だった