それは突然始まった。
初めはテストでよい点を取って女子からちやほやされてたのが気に食わない。キモ男のくせに生意気だ。ちょっと困らせてやろう。そんな理由だった
上履きを隠した。困っている姿が面白くて、癖になった。いいストレス発散になった。今度は教科書を隠した、体操服をごみ箱に捨てた、筆箱を捨てた。弁当をひっくり返した。それはだんだんとエスカレートしていった。
中学生になって学力や身体能力、コミュニケーション能力など様々ことが比較され優劣をつけられる中学生。また思春期による心と体の不一致、第二次性徴による性への高まり、それによるストレス。ストレスは人を変える。弱者を踏みにじることで得られる優越感。見てみぬふりをする我関せずな態度をとる教師、
それらの要因がいじめをさらに加速させていった・・・・・
葵蒼は1人暮らしだ。自宅から大学に通えないわけではないが家にいるのが嫌で1人暮らしをしている。彼はいつものようにネットサーフィンをしていた。彼の趣味はゴミの掃除以外にネットサーフィンやスマホのアプリで時間つぶしなど自宅から一歩も出ないこともある筋金入りのボッチで引きこもりである。
葵はソーシャルネットワークサービス通称SNSのuwitterで炎上しているいじめの情報を集めていた。
それにしてもこいつら世界とつながってる感覚あんのかな?わざわざUwitterで犯罪自慢するとか世界に「僕犯罪しました」って言ってるようなものなのにな。まあ学生っていうとまだネットや個人情報の怖さが分かってない年頃だったかな?昔のことだからもう忘れた。まあ今も学生なんだけどな!モラトリアム万歳!
お、あったあったこの動画見てみるかな?
カチッカチッ
~便所にいるゴミ虫を追っ払って見たwww(動画付き)~
便所で飯を食ってる鈴木というやつに最初はトイレットペーパーや掃除用具を上から投げ入れて最終的にはバケツ一杯の水を上から入れていつ出てくるのか楽しんでる動画だった。
uwitterは案の定炎上していた。
@こいつらやばすぎwww
@これはちょっと許せないですね
@通報しました
@俺がガキの頃はもっとひどかったぞ
@ショタprpr
@きめぇ
@特定する
@こいつら頭悪そう
@こういうゴミがいるから今の日本はクソガキばっかなんだよ
・・・見てて胸糞悪くなるな。
とりあえずターゲットはこの2人だな。いじめを1人でするやつなんてほとんどいないな。まあとりあえずリーダー格と周りの取り巻きをゴミ掃除するか。本当は周りの面白がってるやつも教師も掃除してやりたいがあまり掃除しすぎると目立つからな。多くても5人までを基準に考えよう。
こういう時は5w1hで考えていこう。
ごみ掃除するときのコツは2つある。
1つは監視カメラやスマホ、指紋や頭髪などの証拠を現場に残さないようにすること。俺の欠陥能力で監視カメラには映らずに済むけど指紋や髪を絶対に落とさないようにしないといけない。だからごみ掃除をするときは手袋をして帽子をかぶっている。
2つ目は絶対に死体を見つけられないようにすること。死体があると殺人事件として警察が本格的に動き出して捕まる可能性が出てくる。というか間違いなく捕まるだろう。この超監視社会警察にマークされると逃げ切るのは至難の業だ。一応欠陥能力があるけどそれでも指名手配されたら意味がなくなる。もしかしたら俺の欠陥にすら気がつく警察も出てくるかもしれない。もちろん大学にも行けなくなる。もし逃げられたとしても教師にはなれない。だから絶対に捕まるわけには行かない。
逆に行方不明だと行方不明届けが出されて一応警察も捜査するがこれは近くを探索するのと行方不明者の情報を警察サーバーに登録するだけだから殺人に比べて捕まるリスクが格段に下がるといえるだろう。年間の行方不明届けは8万件以上出されており5000件近くは見つかってない。行方不明届けが出されてない場合も合わせると見つかっていない行方不明者は1万を超えるだろう。俺と似たようなことを考えて実行している奴がいたとすると年間1万を超える完全犯罪を達成していることになる。だから死体を処理するのは必須といえる。俺はつかまりたくないしな。
よし今夜1人目のキン肉マン古谷を掃除するか。公園から誘い出して人気のない所で絞め殺す。死体はスーツケースにつめて回収。
2人目の小柄な男てっちゃんも同じように誘い出して殺す。指紋と血痕、髪の毛に気を付けること。死体のスマートフォンの電源は切って、バッテリーを抜くこと。もし現場を見られたらちょっと可哀想だけど処理する。
1日目スタート
夕方のブランコや滑り台、隣にはグラウンドもある大きめな公園の奥にある薄暗い繁み。そこにキン肉マンこと古谷を呼び出していた。
「おい、こんなところに本当にてっちゃんがいるのか?」
歩かされて若干イライラしながら古谷が訪ねてきた。
「はい。LINEやメールではなく直接会って話したいと言っていました。」
そんなわけないだろ。そもそも知らない人についていくってところが中学生だわ。多少腕に自信があるからそれが過信になっているんだろうな。いくらけんかが強くても相手がナイフや拳銃を持ってたら意味ないのにな。拳銃の弾をよけられるのなんてアニメとハリウッド映画の中だけだぜ。
「この奥で待っていると言っていました。」
「おお、ようやくついたか。やっぱり酒とタバコやりすぎたかの?一升はなかなか体に堪えるのぉ~ガハハハ」
「ずいぶんやんちゃですね。」
「だろ?オレはケンカでは誰にも負けたことないからのぉ。いつかボクサーになって世界をとるのが夢やねん。」
「その夢叶うといいですね。」
「おう。サンキューな。あんたのそれすごい大荷物だな。」
「ええ。実は私旅行が趣味なんですよ。」
などと話しながら歩いているうちに公園の茂みの奥深く大声で叫んでも誰にも聞こえなさそうな掃除するにはちょうど良い場所にたどり着いた。
「あ~蚊がうっとしいのぉ~それでてっちゃんはどこにおるんや?」
「あそこです。」
葵の指さしたほうを古谷が見た。その瞬間古谷の後ろに回り込み思いっきり股間に向かって蹴りをかました。
んがぁっ
とうめき声が漏れたかと思うと古谷が股間を押さえてうずくまっていた。
それと同時にポケットに入れていた縄を取り出して首に巻き付け両側から思いっきり力の限り引っ張った。
「がぁぁ・・・てめぇ・・・ころs・・」
「・・・んなと・・ろで・・んでたまるかぁ・・」
首を絞めてしばらくはうめき声で何かを呟いてたが1分ほどで完全に動かなくなった。
「9分58、59、10分。よし」
そうして首の縄を緩め脈の確認をした。脈拍なし、瞳孔は・・・わかんないけど人間の生存限界の約10分首を絞め続けたから間違いなく死んでる。
よし死体をスーツケースに入れて帰るか。その前に位置情報から特定されたら厄介だしこいつのスマホの電源を切ってバッテリーを抜いておくか。
ごみ掃除1つ目終了!
スーツケースに死体を入れて普通に運ぶ。あまり警戒しすぎるとかえって怪しまれる。
2つ目のゴミも予定通り明日掃除する。下手に長引かせて警戒されたら厄介だしな
電車で帰るときにふと考えた。
弱者をいじめるのは良くないことなんだろ。でも人間は比べる生き物だ。自分より弱いものをいじめて自分より下がいると安心する、だから人と人とがかかわり続ける限りいじめはなくならない。いじめをなくしたいなら人と関わらないようにするか自分以外の人間を皆殺しにするしかない。だからいじめも差別も戦争もなくならない。人間は比べて優劣をつけたがる。たぶんこんなことをしても世界は何も変わらないんだろ。俺のやってることは間違っていて意味がないのかもしれない・・・でも何もしないのは性に合わない・・・
いや違うな。何もない昔の俺なら見てみぬふりをしたかもしれない。でもこんな犯罪をするにはうってつけの欠陥を得られた。本当は瞬間移動とか超パワーとか心を読む能力とか時間を止める能力とかが欲しかったけど一応欠陥ではあるけど能力は得られた。
これで行動できる。今までは見てみぬふりしかできなかったのに行動できる。主人公みたいになれる。非日常を味わえる。それが楽しいんだ。もちろん助けたいという気持ちも本物だと思うし、後悔はない。でも一番は自分の自己満足のため、言わばオナニーだよ。自己満足上等!俺はほかの誰でもない自分自身のために悪を掃除してやる!
その日の夜
てっちゃんは古谷に電話をかけていた。
おかけになった電話現在つか・・ガチャ
「古谷のやつ、また女でも連れ込んでんのか?まあいいまた明日ゴミから金巻き上げてゲーセンにでも行こうかな。そろそろあのゴミにしゃぶでも売りつけようかな?何かあってもあのゴミの妄言だと思わるか?
古谷の奴あれほどuwitterに乗せるなと言ったのに住所特定されあがって。俺までとばっちりじゃねぇか。あいつが一人でやったことにするか。これ以上ことが大きくなるならあいつ切り捨てよ」
次の日
家から出てきて少ししたところでずる賢そうな小柄な男てっちゃんに声をかけた。
「あの、哲也さんですか?私は古谷の知り合いの田中といいます。古谷の携帯は壊れているので伝言です。」
「本当に古谷の知り合いか?あいつからはお前みたいな知り合いいるなんて聞いてないけど」
てっちゃんが不審そうに尋ねてきた。
「まあ古谷とは知り合いというか腐れ縁みたいなものなので・・・それより聞いてた通り疑り深くて捻くれてますね、てっちゃんさん。」
「あいつそんなこと言ってたのか?」
「はい。頭はいいけど性格が捻くれていると・・・」
「あいつ・・・そうか・・・」
「てっちゃんが近くの公園で待ってると言っていたので話は公園でしましょう」
「わかった。俺も田中さんに興味がわいてきたしね」
公園についた
「ついたぞ。古谷はどこにいる?」
「あの茂みの奥にいます。」
「なんであんなところに?」
てっちゃんが再び疑いの目を向けてきた。こんなとき咄嗟に言うことを思いつけばカッコいいんだろうけどそんなに頭の回転が速くないので事前に考えていたことをいうだけだ。
「詳しくは知りませんがゴミから金をもらったから分配したいと。できるだけ人目のつかない場所で話したいといっていました。」
「あああのことか。どのくらいあったか見た?」
「詳しくはわかりませんが一万円札がいっぱいありました。」
「そうか。それ全部古谷にあげると言っておいてじゃあ俺はここで」
「え?ちょ、ちょっと待ってくださいよ。」
「なに?」
「えっと・・・せめて直接会ってからにしてくれませんか?」
「はあ?嫌だよ。会ったら証拠が・・」
「ん?」
「何でもない。とにかく帰る。じゃあね」
仕方ない。葵は周囲を見渡して近くに誰もいないことを確認して哲也に声をかけた。
「てっちゃんさんこれ古谷さんからの渡し物です」
「だからいらないって」
「そういわず見てください」
そういって財布をワザと哲也の前に落とした。
「んだよこれ」
そういって財布を拾おうと哲也が屈んだとき後頭部にスタンガンを押し当てた。ネットで手に入れた即座に気絶するほどの改造スタンガンを後頭部に押し付けたのだ。哲也は糸が切れたように倒れこんだ。
倒れた哲也をすぐに立たせて担いだまま茂みの奥に行った。そのあと首を10分絞めてスーツケースの中に詰めた。こういう時マンガやゲームなら何か一波乱起こるものだが完全犯罪を達成するにはその一波乱をいかに起こさせないかにかかっている。見ている分には一波乱あったほうが面白いし売れると思うが、実際に当事者になると一波乱なんて起こらないに越したことはないのだ。
とりあえず今回のごみは2つあったので2日に分けて掃除をした。
俺にできることなんてこれぐらいしかない。社会のゴミを掃除するそれだけ。被害者のフォローもなにもしない。もしかしたら今回の被害者鈴木もまた別のいじめにあうかもしれない。いじめのトラウマで不登校になるかもしれない。いじめられるのが嫌でいじめる側に回るかもしれない。また縁があれば助けるしいじめてたら掃除するかもしれない。結局のところ自分の力でどうにかするしかない。俺が常に助けられるわけじゃない。たまたまネットで目に入ったからこの掃除計画を立てただけ出しな。もしかしたら今回いじめられてた鈴木は自分の力で何とかしたのかもしれない。他のだれかが穏便に解決したのかもしれない。逆に計画を立てるのが遅すぎて心がもう折れていてもっと早くに助けが必要だったかもしれない。でも俺はこの件にこれ以上は何もしない。結局のところ自分の人生は自分でどうにかするしかないのだ。そこで折れるならそこまでの奴だったということだ。
勘違いしないでほしいが俺は弱者が好きで保護したいとかそんなことは全くない。ただ努力する奴が好きなのだ。そして理不尽な目にあって努力してたやつが壊れるのが嫌いなのだ。
アニメで例えるなら優等生キャラのちょっと抜けているところが好きなのである。
同級生を上手に殺す方法編は終了です
次回から新しい章始めます