糸使いちゃんの逆行物語   作:96ごま

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明けましておめでとうございます!

気が付けば一万UAを突破して、お気に入り登録者様も200名以上になっていて本当に驚きました…!
感謝してもし切れない程有難いです……!
今年もこの糸使いちゃんシリーズを宜しくお願い致します!!

さて、新年最初の投稿となりますが、今回は第三者視点⇒ラバック視点⇒第三者視点となります。

うん、ややこしいね()

そして戦闘シーン難しいです(白目)
まぁ戦闘シーンといってもかなり短いですけどね!((

あ、あと最後にオリキャラが登場します←これ結構重要


悪魔を斬る

「ほらほらっ!防いでばっかりじゃ僕に勝てないよ、お姉さん!」

 

「ぐう…ッ!」

 

ニャウから煽り言葉を受けても、容赦のない攻撃の嵐を防ぐのに精一杯なラバックは皮肉を返す事も出来ない。完全に防戦一方の状況だ。

 

「なんだ、あんま大した事ねぇじゃねぇか。こりゃニャウに殺されちまうな」

 

「エスデス様に気に入られているとはいえ、所詮はただの下士官。瞬殺されずにまだ生きているだけマシだろう」

 

期待外れ、と言いたげなダイダラとリヴァの会話は、ラバックとニャウには届いていない。

 

「ふふっ、どうかな。死んだのならその程度だったというだけの話だが、あいつが何もせずに死ぬかどうかを決めるのはまだ早いぞ」

 

意味深に微笑むのは三匹の主、エスデス。ラバックが勝つとまでは断言しないが、彼女が簡単に死ぬとは思っていないらしい。

 

 

 

 

 

~ラバックside~

 

くそっ、なんでこうなるんだよ!つか、こいつさっきから急所狙い過ぎだろ!マジで俺を殺す気か!?

 

帝具である縦笛を短剣のように素早く突き付けてくるニャウは、俺を本気で殺す気でいるのを隠そうともしていなかった。

 

しかしそれ故に急所以外のガードは疎かになってしまい、俺へのダメージだけが蓄積されていく。このまま防ぎ続けても、延長戦になれば確実に負けてしまう。

 

……なら、短期決戦に持ち込むしかない!

 

「でりゃあッ!!」

 

「うわっ!?」

 

ニャウが再び笛を突いてくるタイミングを見計らって、足払いで砂を撒き上げる。

 

「ほおー、そうきたか!」

 

「なるほど、目眩ましで一気に決着を着けるつもりか」

 

離れた場所から聞こえるのは感心の声。

 

砂を掛けられれば誰だって反射的に目を瞑ってしまう。その一瞬の隙に、俺は屈んで相手の懐へと入り込む。

 

「くっ…!(こいつ、目が本気だ……!)」

 

相手が殺す気でくるなら、こっちもそれ相応の殺意で向かう。それが殺し屋。けれど今はその信条よりも、復讐心の方が勝っていた。

 

そして俺はそのまま真っ直ぐ剣を突き立てようとする。

 

しかし。

 

刃が肉に届きそうだったその刹那。復帰したニャウは、半歩下がりながら身体を反り返し、俺の剣を避けた。そして、

 

「残念でし、たっ!」

 

「がはッ!?」

 

空を突いた剣が蹴り上げられた直後、その勢いのまま後ろに蹴り飛ばされてしまった。

 

「げほっ、ごほっ……あー、くそっ…!降参だ降参!」

 

仰向けの状態でそう告げる。内蔵が破裂したんじゃないかって疑うくらいの激痛で立ち上がれそうにない。あの小さな身体で、一体どうすればあんな強烈な蹴り技が出来るんだか……。

 

「えー、もう終わり?じゃあ、戦利品としてお姉さんの顔、剥いじゃっていいかなぁ?」

 

「っ!!?」

 

いきなり満面の笑顔でそんな事を言われれば、誰だって戦慄する。小さな子供にしか見えない(後から聞いた話だが、実は俺より年上らしい)悪魔に怯える俺の姿は至極当然の反応だ。

 

「ニャウ、そこまでだ」

 

「ッ!!」

 

冷気のような冷たい殺気が、辺り一面の空気を凍らせる。その発生源は言わずもがな。

 

「も、申し訳ありません、エスデス様!」

 

顔面蒼白でその場に跪くニャウ。その様はまるで手酷く飼い慣らされたペットだ。

 

「わかれば良い。が、次に私のラバックの顔を狙うというのならば……」

 

「い、いえ!滅相もございません!彼女にはあのような冗談はもうしませんので、どうかお許しを!」

 

遂には頭を地面に付けるニャウに、エスデスは尖った冷気を収める。

 

「全く、仕方のないヤツだな……。今回はソフト拷問コースAで済ませてやろう」

 

「ひいいぃっ!?」

 

ソフトなのに直属の部下でもビビるくらいにヤバいのかよ。それ以上のランクは死ぬレベルなの?っていうかランクやコースを分けるって事は拷問の種類はそんなに多いの?どんだけ拷問を追究してんだよ、やっぱこえぇよこの人。

 

と、脳内の俺はマシンガンの如く連射するツッコミのトリガーを引いていた。

 

だが彼女の氷のような殺気が消えたおかげで、キレられた本人だけではなく、俺や他の三獣士二人もホッとしている。

 

「それよりもラバック、ニャウと戦ってみてどうだった?」

 

「……どうだったも何も、負けるのは最初からわかってましたよ俺は」

 

漸く動けるようになった俺は上半身を起こし、頭を掻く。

 

「そう自分の限界を決め付けるな。お前には多少なりとも将来性があるのだから」

 

何を根拠に言っているのかはわからないが、あのエスデスが世辞を言うわけがない。だからまぁ、自分で言うのもなんだが、その激励の言葉に偽りはないのはわかる。

 

(それ)が扱いにくいというのなら、別の武器も試してみるといい」

 

んなこと言われても無理なもんは無理だ。俺の実力を余す事なく発揮出来るのは、そこら中にある鋭い刃などではなく、たった一つの相棒であるクローステールだけなのだから。

 

「はぁ……シャワーでも浴びよ」

 

「なら私と一緒にまた大浴場にでも行くか?出会った時以来だな」

 

独り言として呟いただけなのに、エスデスが嬉しそうに食い付く。

 

「一緒に来る気満々なとこ悪いけど、許可した覚えはないですよ!?」

 

「なに、私とお前の仲だ。そんなに恥じる必要はなかろう?」

 

「ある意味危険な予感がするので丁重にお断りさせて頂きますっ!!」

 

バッ!と自分の身体を抱き絞めて、警戒度MAXの体勢をとる。

 

日に日に熱い視線を送る回数を増してくるこの女とまた一緒に浴室に入ったら、自分の何かが失われてしまう気がする。それほど怖いのだ、こいつのエモノを見る目は。

 

「(エスデス様が少女と戯れる姿…か)……意外と悪くないな」

 

「ん?何がだ?なんか面白れぇ事でも思い付いたのか、リヴァ?」

 

「……いや、何でもない。ただの独り言だ」

 

「?」

 

嫌がって喚く俺がエスデスに抱き付かれていたこの時。最年長のおっさんことリヴァが変な性癖に目覚めようとしていたとは、彼の隣に居るダイダラも、主にまだ怯えているニャウも。この場に居る誰もが気付けなかった。

 

「漸く見付けましたよ、エスデス将軍」

 

突如として、その声は現れた。そして咀嚼音が混ざったその声の主は、なるべく目に映したくない人物だった。

 

「大臣か。貴様がここに来てまで私を探すとはな。で、なんの用だ?今は忙しいから後にして頂きたいのだが」

 

「少女と戯れる事の何が忙しいのですか。仕事ですよ仕事。それも貴女の大好きな……」

 

「殲滅か」

 

「ご明察」

 

「リヴァ、ニャウ、ダイダラ。今すぐ皆を呼べ」

 

エスデスはオネスト大臣と短いやり取りを交わすと、三獣士達に自分の軍隊を召集するよう命じた。

 

「ラバック、風呂の件は一旦保留だ。先伸ばしにしてしまってすまないな……」

 

「いえいえ全然、全ッ然気にしてませんからお気になさらず!!」

 

本気で申し訳無さそうな顔すんなと思いながらも、笑顔で首を横に振って誤魔化す。

 

そのまま三獣士を連れた彼女を見送ると、自然と大臣と二人きりの状態になってしまった。

 

下っ端に等しい下士官と大臣が並ぶって……なんだこの異様な光景は。今の俺汗臭いから余計に気まずいんだけど。

 

微妙な空気に押し潰されそうで居心地が悪い俺は、早く帰りたい気持ちでいっぱいだった。

 

「えっと……で、では俺…私もここで失礼させて頂きま……」

 

「ああ、少しお待ちを」

 

「へっ!!?」

 

呼び止められてすっげぇ焦る俺。たっぷたぷの腹を揺らしながら近付いてくるオネスト大臣。どこまでもシュールな光景である。

 

「貴女、今夜は私の相手をしなさい」

 

……今なんて言ったこの脂肪の塊。え、今夜?相手?うーん、幻聴かな?

 

「ナジェンダ将軍だけでなく、エスデス将軍にも気に入られているみたいですからねぇ……。私も少し気になるので、味見させて頂けませんか?ま、貴女に拒否権はありませんが」

 

俺の現実逃避は虚しくも終わり、意識が現実へと呼び戻される。

 

……いや待て、落ち着くんだ俺。一周回って「色仕掛けでこいつを殺せばいいんじゃね?」とかそんな軽い事を考えちゃいけない。それはダメだ。色々と終わる。

 

こいつの暗殺が簡単にいくわけがないのは嫌な程わかっているが、例え壊滅的な確率で成功したとしても、羅刹四鬼やブドー、近衛兵がいる限り生きて帰れるわけがない。……まぁ奇跡的に生き残ったとしても、そん時は俺の精神が死んでるが。

 

だがここから逃げ出す策を練ろうにも、訓練場の出入り口はこの肉の塊が阻んでいて邪魔だ。

 

どうする…?どうすれば俺に安息の地が訪れるんだ……!?

 

頭をフル回転させてこの状況の打開策を考えていると、大臣の後ろから新たな人影が現れた。

 

「こんなとこで何やってンだよ親父。カミナリ爺があんたを呼んでたぜ」

 

オネスト大臣の息子、シュラ。どうやら彼はカミナリ爺ことブドー大将軍に頼まれて大臣を探しに来たらしい。

 

「おや、そうでしたか。それは残念。せっかく味見しようとしていたとこでしたのに……」

 

チラリとこちらを見ながらそう言われて、背筋がゾワリとした。

 

外見が外見だからか、エスデスの蛇睨みのような熱い視線と違ってとにかく気持ち悪い。ただただひたすら気持ち悪い。生理的に受け入れられず、最早吐き気がするレベルに。

 

そしてシュラのおかげで諦めてくれた大臣は、やっとこの場を去って行った。

 

「はぁ、助かった……ありがとな」

 

安堵の表情を浮かべて、救世主となったシュラに礼を言う。しかし彼は、

 

「親父の手から助けてやったんだから、今から俺に付き合ってもらっても構わねぇよな?」

 

「えっ」

 

「エスデスの姉ちゃんは暫く帰ってこねぇみたいだからな。それまで俺の部屋に居てもらうぜ。親父には内緒でな」

 

帝具シャンバラを片手に持ちながら、ニヤリと笑う。

 

まさかの第三ラウンド。今日一日で三者三様に。しかも連続で身体を狙われるとか不運過ぎるにも程があるだろ、俺って。

 

 

 

__結果だけを言うと、俺はシュラから逃げられず。結局彼が満足するまで遊ばれてしまっていたのだった。

 

 

 

 

 

~NOside~

 

ラバックがシュラに連れて行かれたのと同時刻。

 

帝都には、ある一人の青年が訪れていた。

 

「ここが帝都かぁ……。予想以上に広過ぎて、すぐに迷っちゃいそうだ」

 

一つに纏めた緑の髪を靡かせ、垂れた目で帝都の街並みを眺めるその男は、とある目的でここへやって来た。それは……。

 

「さぁて、愛しの我が妹……ラバックはどこに居るのかなー?」

 

帝国兵士として奮闘しているであろう彼の妹、ラバックを探し出す事であった。

 




僕は思ったんだ……ラバックに兄が三人もいるのなら、その内の一人を使えば良いと……!!

でもオリキャラが苦手な読者様にはほんと申し訳無い…!

それと、ラバックの軍隊階級は兵卒というより下士官かなって勝手に思ってます。はい、もちろん捏造ですとも((

……え?リヴァさんの様子がおかしい?
さぁ、なんの事でしょうかね(目逸らし)
そんな事よりダイダラの空気っぷりが…()
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