糸使いちゃんの逆行物語   作:96ごま

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お待たせしました、第21話です!

今回は遂にあのゲス野郎の視点!前回の前書きは伏線だったのだよ!!

しかし三人旅なのにリネットさん空気()
彼はシュラバをいちゃつかせる為の犠牲になったのだ……((


雨宿りを斬る

緑髪の男の、勝ちを確信した顔。それが、俺が最初に思い出した過去の記憶。

 

一瞬だった。相手はもう心身共にボロボロだったというのに。あとは情報を吐かせれば俺の勝ちだったのに、完全に油断していた。

 

自分の油断が敗因なのはわかってる。だがあいつを…俺を殺したあの糸使いの男を、俺は絶対に許さねぇ。あいつを見付けたら今度はウェイブの野郎も一緒にまたとっ捕まえてやる。

 

ただでは殺さない。たっぷり甚振ってじわじわと苦しませてやる。そして最後はどんな殺し方が良いか。脳内でシュミレーションしながら、あいつらが苦しむ姿を目にするのが楽しみで仕方なかった。

 

……筈だったのに。

 

「なんで、あんな奴に惚れちまったんだろうなぁ……」

 

そう、気が付けば俺は、何故か性転換というおまけ付きで自分と同じくこの世界を逆行していたあの男……ラバックに惚れていた。

 

確かに顔はわりと好みだと思った。実を言うと男だとわかってガッカリしたくらいには俺好みだ。だがまさか初恋相手があんな…自分を殺した元男だなんて……。

 

信じ難いし認めたくはないが、一周目ン時の腹いせで犯したあの夜。あの時見たあいつの乱れた姿が頭から離れられなかった。しかも別の女を抱いてる最中にも思い出してしまうくらいにかなり重症だ。

 

女遊びはよくやってるが、恋なんてした事がなかったから、最初はわけがわからず内心ずっと困惑していた。

 

が、もう一度抱いて確信した。俺は不覚にもこいつに惚れちまったんだと。

 

ンなわけねぇだろ、俺はホモじゃねぇ、と否定していた自分に、脳内に居るもう一人の自分が言った。

 

『俺が惚れたのはあくまで今の女のラバックだ。あいつが自分を殺した男だった事なんて忘れて、自分のやりたいように。欲望のままに動いちまえよ』

 

と、悪魔の囁きのように。認めてしまえと訴えたのだ。

 

これは決して誰かに相談出来る話ではない。というかまともな相談相手なんて身近に居ないような……いや、そこは考えないようにしよう。それだとなんか俺が可哀想な奴だと勘違いされちまう。

 

っと、危ねぇ。危うく話が逸れるとこだったな。

 

とにかく、誰にも相談出来ねぇ恋をしてしまった俺は自己解決するしかなく。そんなバカみてぇな話で『ねちねち悩むなんて俺らしくねぇ、好き勝手にやって欲しいモノを手に入れるのが俺だ』『他人の意見なんて知ったこっちゃねぇ。俺は今まで通り自分の欲望に従うんだ』と、開き直るようにしてこの想いを認めて受け入れ、前世での因縁だのなんだの、そんなのは関係ねぇと吹っ切れた。

 

その結果がこの現状。革命軍の全線基地が目的地の、片想い相手とその兄貴との三人旅。

 

道中、目立つ俺を留守番させる緑色兄妹が交代制で立ち寄ってきた村や街には既に俺の手配書があったらしいので、もう後戻りは出来ない。

 

革命だのなんだのには一切興味ねぇが、一周目と同じ事しても退屈だからな。こいつらに付いて行って反乱軍に入り、周りを掻き乱して遊ぶ方が有意義だし、あの親父も俺が敵として現れれば流石に驚くだろう。

 

世界各地を回れないおかげでマーキングのポイントの数が前回より圧倒的に少なくなる上、エンシン達を集められねぇっていうデメリットがあるが、せっかくの二度目の人生なんだ。わかりきった道を早足で進むより、知らねぇ道を歩いて遊びたい。

 

……だが正直、ラバックの兄リネットが俺にとってかなりの邪魔者だ。おかげでラバックとのスキンシップ(ラバックからしたらセクハラ)が全く出来ない。

 

でも今はそのリネットが作る飯に免じて我慢している。それは何故かというと、どうやらあいつら兄妹も俺と同じように裕福な家庭で育ったらしく、そこで良い飯を食っていたからなのか、あいつの飯は意外と悪くないからだ。まぁ俺が宮殿で食っていた料理と比べるとそんなにではないが。

 

ただ一つ不満を言うと、俺は野菜とかよりも肉をもっと食いたい。ちょうどそれを訴えてみたところ、

 

「確かに、肉料理は最近あんまり作ってないね……」

 

「だろ?だから明日にでも作ってくれよ」

 

「……わかった。じゃあ明日からはシュラさんとラバが食材を獲りに行ってね」

 

「そうそう、そうしてくれりゃ文句はな……は?」

 

「えっ」

 

調理担当のリネットが言った言葉に、思わずラバックと一緒に唖然とする。

 

なんでそうなるんだ!?という俺ら二人の心の声でも聞こえていたのか、リネットはこう続けた。

 

「だって調味料とか野菜はまだあるけど、お肉は無いんだもん。近くに街も無いから買えないし、戦える君ら二人が食材になる危険種を狩ってくれないと無理だよ」

 

「いや、だからってなんで俺も行かなきゃなんねぇんだよ!?そんなの言い出しっぺのシュラだけで良いだろ!?」

 

「ラバは彼が裏切る事を危惧してるんでしょ?なら見張りが必要じゃないか。かと言って僕は戦えないから足引っ張るどころかシュラさんを逃がしちゃうと思うし」

 

「ぐっ…!!た、確かに……!」

 

リネットに珍しくまともな事を言われて狼狽えるラバック。

 

悪巧みなんかしてないのに否定して貰えないのは多少傷付くが、前科や自分の立場的に仕方ないと思い、そこには触れないでおいた。

 

そんな会話があって食糧調達を二人で担う事になり、翌日は簡易テントの設営を留守番のリネットに任せ、俺とラバックは危険種を狩るべく周辺を探索した。

 

 

 

 

 

「__……なぁダンナ。こういう時ってさ、どうしたら良いと思う?」

 

「……多分、止むまでここで待つしかねぇと思うぞ」

 

今夜野営する予定の場所から少し離れた森の奥。そこに潜む小さな窪みの洞窟で、俺とラバックは溜め息を吐く。

 

俺達が何故こんな場所に居るのかって?そりゃ簡単だ。食えそうな危険種を探そうと二人で近くの森を彷徨いていたところ、不運にも雨が降り出し、近くで雨宿りが出来そうだったここに急いで逃げてきたのだ。

 

いや、雨だけだったら濡れるのを我慢すれば良いから別に構わない。問題なのは、アドラメレクの怒りのように雷がゴロゴロと鳴っている事だ。

 

そんな状況下で下手に外へ出るのは危険だと判断した俺達は、この雷雨が止むまでここで待機する事にした。まだテントで待っているであろうリネットもバカではないので、俺らを探そうとという無茶はしない筈だ。

 

そこで突然、隣から「っくしゅん!」と可愛らしいくしゃみが聞こえた。

 

音の発生源を見ると、そこには少し寒そうに身動ぎながら鼻の下を指で擦るラバックの姿が。

 

「大丈夫か?」

 

「ん、大丈夫……。ちょっと寒いだけ」

 

と言ってる側からまたくしゃみをするラバック。

 

雨に濡れたせいで身体が冷えてしまったようだが、全く大丈夫そうには見えない。強がってるなのがバレバレだ。

 

俺なんかに心配されたくないとか、きっとそういった些細な理由なんだろうが、ここで風邪を引かれたら元も子もない。そう思った俺は無言でそいつの肩を抱き寄せる。

 

「っ!!?く、くっついてくるなこの変態!!」

 

「こうした方がまだマシだろ?あんま無理すんな」

 

「!!」

 

俺の気遣いに驚いたのか、ラバックの緑の瞳が大きく見開く。だがすぐに俯いて、

 

「…………ありがと」

 

間を空けてからボソリと呟いたその声は、なんとか聞き取れたがとても小さい。

 

礼を言われた事に今度は俺が驚いたが、こっそり顔を覗いてみれば、毛先から水滴が落ちていく髪の隙間から、ほんのりと頬が赤く染まっているのが見えた。

 

「……くっそ、可愛いなおい」

 

「は?何が?急にどうした?」

 

何でもない、と適当に誤魔化せば、身長差でこちらを見上げてくるラバックが訝しげに顔を顰める。

 

本人に言えば寒いからだと否定しそうだが、頬が赤くなっていたのは照れたからだと思う。というか絶対にそうに違いない。

 

急にデレるとかなんだその可愛過ぎる不意討ちは。反則だろ。つか元は男の癖にくしゃみも可愛いな畜生。なんでそんなに可愛いんだよお前は。それともこいつの仕草がなんでも可愛く思っちまう俺が可笑しいのか?いや、こいつに惚れてる時点で俺が可笑しいのは当然か。

 

天井を仰いで内心で一人悶えていると、またもやくしゃみの音が狭い洞窟の中で反響する。

 

再び見下ろしてラバックの様子を窺うと、少しでも暖を取ろうと俺の身体にぴったりとくっついてきた。

 

一瞬ドキリとするが、よく見るとそいつの濡れた服がうっすらと透けており、色気のないスポーツブラの形が浮かんでいたのが見えてがっかりする。正直そこはもうちょっと女らしい下着を身に付けていて欲しかった……。

 

しかし肌に張り付いた服は形の良い胸を主張していて、思わずその膨らみを直に揉みしだきたくなるような衝動に駆られる。

 

そこで俺はふとこう思った。最高に美味そうな肉はここにあるじゃないか、と。

 

危険種の肉なんか目じゃない。そんなものよりも目の前に居るこいつをそのまま食べてしまいたい。しかも今は邪魔なリネットの野郎は居ない。狭い空間で二人きりというチャンス。襲うに持ってこいのベストタイミングだ。ヤろう。ヤるしかない。

 

そうと決まれば後は実行のみ。俺はラバックの濡れた服を鎖骨辺りまで一気に捲り上げる。

 

「なっ!!?き、急になにしやがんだてめぇ!?」

 

抵抗されるのは想定内。だが相手は細身の少女。両手を押さえるのは片手で事足りる。

 

「濡れた服着たままだと余計に冷えるからな。風邪引かねぇように全部脱がしてやろうと思ったんだよ」

 

「はぁ!!?バカ言ってンじゃねぇよ!素っ裸でいる方が風邪引くに決まってんだろうが!!ほんとはまた犯したいだけだろこの性欲魔人!!」

 

「まぁ本音を言うとそうなんだけどよ」

 

「ちったぁ否定しろやゴルァッ!!!」

 

腕を封じられてもジタバタと暴れるラバック。そんな彼女の肩口に顎を乗せた俺はこう囁く。

 

「でもよ、男女が裸同士で抱き合えば、むしろ暑くなるだろ?」

 

「~っ!!?」

 

しっとりと濡れたスポーツブラの中に空いた片手を入れ、柔らかい胸をふにゃりと揉む。それだけでラバックの身体は面白いくらいに大きく跳ねていた。

 

「やっ、やだ!やめっ……あっ!」

 

制止の声を聞かずに下着も捲ると、プルンと二つの色白い果実が顔を見せる。

 

「さぁて、どんな風に調理して食ってやろうかね」

 

産まれたばかりの小鹿のように小刻みに震えるご馳走を前に、自分の唇をペロリと舐める。

 

そして俺は、外で降り続ける雷雨が止むまで、その柔肉の味を全身でたっぷりと味わって堪能した。

 

 

 

 

 

「__……悪ぃ、今回は流石にヤり過ぎた」

 

雷雨が止んだのと同時に、気を失うまで俺に犯されたラバックが目覚めて早々、強烈なビンタを俺に食らわせた。行為中に出来た背中の爪痕だけに限らず、頬に紅葉みたいな手形も付けられた俺は流石に反省して謝った。のだが、

 

「死んで詫びろ」

 

彼女の第一声はそれ。ただ、長時間喘いでいたせいで、その声はガラガラに枯れてしまっている。

 

その後結局食糧調達は諦め、俺がラバックをおぶってリネットの待つテントに戻って行き、俺らを心配していたあいつには「雨のせいでラバックが風邪を引いた」と嘘を言って誤魔化した。

 

だが一度は反省しても性欲には逆らえない俺は懲りず、その夜リネットにバレないようこっそりと寝袋に包まれて眠るラバックを夜這いして襲……えず。

 

俺の行動を先読みしていたラバックがテント前に仕掛けた吊るし上げ式の括り罠に掛かっては、翌朝になると逆さまに吊るされた状態のまま罵声を浴びせられるのだった。

 




このシュラさん、ラバックちゃんの可愛さに毒されて頭が可笑しくなってる…!!((

でも彼が世界各地を回らずに帝国を裏切ると、ワイルドハントメンバーとその帝具が帝都に集まらない……っていうより、ドロテアさんが帝都に来ない結果、シコウテイザーの修理と改造は行われないから、帝国は前世の時と比べるとかなり弱体化するという事実……。
実はこの時点で革命軍にめっちゃ貢献してるシュラさんマジ有能(白目)
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