二ヶ月振りの更新ですね。毎度遅れてほんと申し訳ないです、納得出来る内容がなかなか思い付かなくてちょっとスランプ状態になってました(白目)
とまぁここ最近恒例化してるような気もしなくはない作者の言い訳はさておき。今回はまた視点が切り替わります。
ラバ「言い訳が恒例化してるって自分で言っちゃうのな」
言い訳ばっかりだって自覚してるだけマシやろ((
ラバ「急に開き直んな、反省しろ」
はい、すみませんでした(土下座)
__夢を、見ていた。
真っ白で何もない、けれど壁と天井が見えない広い空間。そこに俺は、一人ぽつんと佇んでいた。
一瞬、ここは死後の世界なのかと思ったが、何度か夢で見た事がある場所だと気付き、ああまたかとこれから起きる光景を覚悟して瞼を閉じる。
そしてもう一度目を開けると、遠く離れた場所に、ナイトレイドのみんなが居た。
早くみんなのところに行かなきゃという焦りが頭によぎって無意識に走ると、みんなは反対側に向かって歩き出す。けれど走る俺の足は段々沈むように重くなっていき、気付けば歩く事すら出来なくなっていた。
ダメだ、その先に行ってはいけない。戻ってきて……逝かないでくれ…!
いくら叫ぼうとしても、この夢の中では声は出ない。誰も足を止めてくれない。
やがてみんなは一人ずつ霧のように消えていき、残るは最後の一人だけ。
するとその最後の一人……直前まで一緒に居たのに、俺が止めなかったせいで逝ってしまったチェルシーが、こっちに振り向いた。
お願いだ、やめてくれ。また同じ事を繰り返すのは嫌だ。逝かないで……。
必死に懇願しても、その願いは叶わない。『ばいばい』と、声はなかったが唇の動きがそう呟き、彼女もみんなを追うように消えていく。
伸ばした手は届く筈もなく、独りぼっちになった俺はその場で蹲る。すると俺の悲しみに呼応するように、真っ白だった空間が真っ暗な闇に変わっていった。
しかし背後からの人の気配にふと気付いた俺は、振り返った瞬間にまた絶望する。
顔に十文字の傷跡が残った褐色肌の男。もう見慣れている筈なのに暗くて表情が見えないそいつは、黒いペンチを持っていた。
カチン、カチン、とペンチを鳴らしながら近付いてくるそいつに恐怖を覚えた俺は急いで逃げようとする。早く逃げなきゃまた捕まってしまう。
だが逃げようとした先には、刀を持った男が待ち構えていた。別方向に動こうとしても、地面から這い上がってきた屍達が俺の足を掴んで離さない。
殺される。そう直感した俺は、これが天罰なのかと悟る。同じ世界に再び産み落とされても、こうして未だに夢に出てきて俺を苦しめるのは、俺が今まで殺してきた奴らの怨念が生んだ呪いなんだ。
ならばもう受け入れるしかない。夢の中で何度も殺されて苦しんでも、俺の罪が消えるわけではないけど。でも抵抗する術は一つもないんだ。
逃げるのを諦めて脱力する俺に、刃が振り落とされた__。
「__っは!はぁ……はぁ……」
やっぱりあれは夢だった。全身から吹き出る汗と酸素を求める肺、そして鈍器で殴られた後のような頭の痛みと共に身体中が軋むように痛むのが、今が現実である証拠だ。
でも俺はまだ生きてる。助かったんだという安心感で、思わず涙ぐむ。するとその時、
「やっと起きたか、寝ぼすけ」
「!!」
声がした方へ向くと、そこには安堵の表情を浮かべるシュラの姿があった。
一瞬ビクリとしてしまったが、ここは夢の中とは違う。今はもう前世の彼とは違って敵ではないのだと思い出し、ホッとする。
「かなり魘されてたみたいだが、大丈夫か?」
「うん……昔の夢見てただけだから、大丈夫」
これ以上心配掛けまいと平然を装い目を擦るが、余程酷かったのだろう。心配そうな表情をするシュラは、何も言わずに手に取ったタオルで俺の顔の汗を拭う。
「ありがと。……そういえば、そっちの怪我は…?」
「ん?ああ、こんぐらいの傷はお前が心配する程じゃねぇよ。タツミと一緒にちゃんと手当てされてるし」
「タツミ?もしかして、ザンクの討伐は……」
「そ。俺らが警備隊の姉ちゃんと戦かってる間に、お前の言う予定調和な結果に終わったってよ」
「そっか……それなら良かった」
セリューとの戦いに夢中でザンクの存在をすっかり忘れてたけど、あちらでは何も問題がなかったみたいだし、シュラもタツミも無事で安心した。
「ただ、ヘカなんとかっていう帝具はまだ回収出来てない」
「えっ。まさかあの時使ったのって…?」
「どこに飛ぶか俺にもわかんねぇシャンバラの奥の手。とりあえずナジェンダの姉ちゃんに報告したら、スペ……なんだっけ?」
「五視万能スペクテッド」
「そうそれ。そのスペなんとかっつう帝具を届けるついでに、少人数の俺らじゃ探せねぇから本部の奴らにも協力を仰いでくるってよ」
こいつの興味のないものに対する記憶力の乏しさは置いといて。ヘカトンケイルをその場で破壊出来なかったのはかなりの痛手だ。下手するとまた帝国側に取り戻されてしまう。
「はぁ、また予定が狂っちまったな……。今回は運が良かったけど、あれがまた敵として現れたらもう勝てる自信ねぇぞ」
「対策してたお前でもこのザマなだもんな。あの時は流石の俺も焦ったぜ」
「それはこっちだって同じだ。愚直特攻にも程があるっつうの」
「それはその……悪かった」
ムッとしてお互い様だと訴えると、反論出来ないシュラは視線を泳がせ、珍しく素直に反省した。
「それより、怪我の調子はどうだ?まだ起き上がるのはキツいだろうけど、何かやって欲しい事があったら言えよ」
「え?ああ、うん……。そういや、兄さんは居ないの?あのシスコンの事だから、ずっとここで俺の看病してくれてんのかと思ってたけど……」
「リネットの奴は大怪我したお前を見た途端にパニックになって、五月蝉かったからレオーネが黙らせて部屋に連れて行った」
「あ、そう……心配して損したわ」
またトラブルが起きたのかと思ったら、全く関係なくて乾いた笑いしか出ない。
あと黙らせたってのは多分物理でだろう。兄さんが殴られる姿が容易に想像出来る。全く、医者の癖に何やってんだか……。
~シュラside~
「そうだ、つい長話しちまったけど、お前が目ぇ覚めたってアカメ達に伝えねぇと……」
「あ、待って!」
椅子から立ち上がろうとしたその時、ラバックはまだ動くだけでキツいだろうにも関わらず無理して上体を起こし、俺の服を掴んで呼び止めた。
「その……あの時は、助けてくれてありがとう」
「!!……おう」
恥ずかしそうに伏せ目がちに礼を言われ、その可愛さに少し照れ臭くなってつい顔を背けてしまう。本当は自分も改めて礼を言わなきゃいけないのに、上手く言えずに相槌を打つだけになってしまったのも情けなく思う。
でもそいつはまだ俺に用があるらしく、手を離さない。どうしたのかと思い様子を伺うと、その手は僅かに震えていた。
「……怖かった。また、死んじゃうのかと思った」
やはり、あの時見た涙は俺の気のせいではなかったらしい。人一倍臆病なこいつは、一度経験した死を思い出して涙をポロポロと流し、怯えていた。
ラバックが俺に弱音を吐いたのは、ナジェンダが離反時に大怪我した時以来だろうか。でも今は当時よりも精神的にかなり参っているようで、普段頼りたがらない俺に縋って泣き始めた。
死ぬ瞬間の恐怖を知ってるのは、同じく二度目の人生を歩んでいる俺だけ。俺だけが、こいつの抱えている苦しみを理解出来る。だが慰め方を知らない俺は、どうしたらラバックが泣き止んでくれるのかがわからない。……それでも、
「……大丈夫、もうあんな目には合わせねぇから。次からは俺がちゃんと護ってやる。お前だけは、絶対に死なせない」
そう言って優しく抱き寄せると、ラバックは驚いた顔をする。しかし、
「っ!……護るとか、簡単に言いやがって……っ、そんな、ヒーローみたいな台詞…お前には、似合わねぇよ…!」
泣きじゃくりながらもそう嫌味を言って、潤んだ緑の瞳から零れる涙の量はむしろ増えていく。
その後もラバックは声を殺すようにして静かに涙を流し続け、彼女の気が済むまで俺も暫くそのままでいた。
__数分後。ラバックは泣き疲れたのか、また眠ってしまった。しかし先程と違ってその寝顔は穏やかであり、今は例の悪夢に魘される心配はなさそうだ。
「ヒーロー、か……」
再会して間もない頃に言われた、『たまには人助けもやってみれば?』というラバックの言葉が脳裏に浮かぶ。
昔からやんちゃばかりしていた俺が今更良い子ぶってももう遅い。でももし、ラバックの好きな漫画に出てくるような正義のヒーローになれたなら。他の誰も知らない物語で一度失った自分の仲間達を必死に護ろうとするこいつの苦しみも、少しは楽にさせてやれるかもしれない。
今までは護りたいなんて感情はなく、ただこいつを惚れさせたい、俺のものにしたいだけだった。だが昨夜の一戦で死に掛けたこいつを見て、人間の脆さを改めて知った。壊す側ではなく、護る側として。
『死にたくない』と泣きながら呟いたラバックの悲痛な声が、耳から離れない。何度も聞いては無視してきた言葉なのに、いつもと全く違う感情があったのを覚えてる。ラバックを死なせたくない。助けなければ。そんな知らない感情ばかりが溢れ、気付けば身体が勝手に動いていた。
好きな奴の為とはいえ、ガラでもない事をしたのは自覚してる。この俺が人助けなんて、昔の俺が聞いたら笑うに違いない。いや、離反してる時点で既に笑われてるか。
でも親父とか革命とか、そんなのはもうどうでもいい。怖がりで泣き虫なのに強がりなラバックを護れるなら、命でもなんでも捧げてやる。その為にも、俺はこいつのやりたい事を全力で協力しよう。
「お前が望むなら、ヒーローでもナイトでも、なんにでもなってやるよ、お姫様」
自分には全く似合わないキザな台詞を、目の前に居る眠り姫に向かって呟く。
元男の姫なんて聞いた事がない。けどたったの一人の……俺が護ってやりたいお姫様なんだ。
「……なんて、らしくねぇよな。お前に会ってから俺も随分と頭が可笑しくなっちまったな」
そう言いつつも、その声色は自分でも驚く程明るい。無意識に笑みまで浮かべてしまうくらい、ラバックの事が好きなんだなと改めて自覚した。
「……ぷふっ、聞いたかアカメ、タツミ。お姫様だって」
「うむ。これでやっとシュラも仕事にやる気を出してくれたみたいで安心した」
「いや、そうだけど多分そういう話じゃないと思うぞアカメ…?つか姐さん、これって盗み聞きってやつじゃあ…?」
部屋の外から、何かひそひそ話す声が聞こえた。
瞬時にそれを察知した俺は血の気が引くのを感じながら恐る恐る振り向く。そして引き吊った顔でその先に居た三人と目が合うと、羞恥と怒りで顔を赤くし、
「お前ら、いつからそこに…!」
「い!?バレた!?」
「『お前が望むなら、ヒーローでもナイトでも、なんにでもなってやるよ、お姫様』ってところからかな」
焦るタツミとは対象的に、俺の真似のつもりなのかイケボで律儀に教えるレオーネにカチンときた。
「……今すぐ忘れろ」
「やだね。だって面白かったんだもん」
「じゃあてめぇらはここでぶっ殺す!!!」
怒りの声と同時に走り出すと、レオーネ達は咄嗟に逃げ始める。だがタツミだけが若干出遅れていたので、まずはそいつから狙って行く。
「まずはてめぇから殺してやるタツミ!!待ちやがれェ!!」
「ちょっ!!?なんで俺が真っ先に追われるんだよおぉぉ!!?」
「ラバックに気に入られてるてめぇは最初から気に食わなかったんだよ!覚悟しろォ!!」
「理由が理不尽過ぎる!?」
ひいいいぃーっ!!と悲鳴を上げるタツミを追い続ける俺は、レオーネとアカメを見失うも後から見付けてタツミ共々拳骨を食らわせた。
だがラバックにもあの独り言を聞かれていたのを知るのは、まだ先の事である。
待たせたなシュラバ難民の諸君!久々の糖分(微量)だよ!((
リネ「読者が全員シュラバ難民だと思ったら大間違いだよ」(シュラバアンチ)
シュラ「は?お前アンチかよ。じゃあ殺す」(シュラバ信者)
ラバ「どっちも黙れ」(半ギレ)
ってかシュラさんのキャラ崩壊が大分酷くなってきたね。誰だお前←
シュラ「あ?俺は俺だ。見りゃわかるだろ」
リネ「俺俺詐欺かな?」
ラバ「まぁあながち間違ってはないよな」
シュラ「おい」