糸使いちゃんの逆行物語   作:96ごま

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もう二月になっちゃうけどあけおめです(?)
今年の目標?んなもん考えてねぇですよ(←去年外伝の方で語彙力と文才力を上げたいと言った結果何も成長してない奴)

今回は久々のラバ視点ですが最後辺りでまた変わります。2019年も更新は遅いし作者は五月蝉いと思いますが、今年も何卒宜しくお願い致します~!


自覚を斬る

「あの~、サヨさん?なんで俺はこんな格好をしなきゃいけないんでしょうか?」

 

サヨちゃんとイエヤスをナイトレイドに迎えてから早数日。アジトで一緒に住む事になった二人が漸くここに慣れてきた頃、サヨちゃんに呼び出された俺は何故か着せ替え人形にされていた。しかもご丁寧に髪型やメイクも衣装に合うものに変えて遊ばれている状態だ。

 

目の前の姿見に映るスリットの深い緑のチャイナドレスに二つのお団子頭をした自分の姿に、意外と似合ってんじゃん、なんて満更でもない事を思う反面、羞恥と太股の違和感に我慢ならず早くいつもの服に着替えたくて仕方なかった。

 

「うんうん、やっぱりこれも良いわね!ラバったら元が可愛いから何着ても似合うわ~!って事で次はこっちをお願いね!」

 

「褒めればなんでも着ると思わないでくれないかな!?あとメイド服は若干トラウマだからやめて頂けると助かるんですが!?」

 

「そうなの?じゃあこのナース服を……」

 

「じゃあって言いながら脱がそうとしないで!?そんな丈の短いスカートも絶対無理だからね!?見えちゃったらどうすんの!?」

 

「大丈夫大丈夫!今ここには私とラバしか居ないから!」

 

「そういう問題じゃねぇよ!!」

 

一人でギャーギャー騒ぐ俺の話を聞いてるのか聞いてないのか、サヨちゃんはナース服片手に俺の着てる(正確には着せられた)チャイナ服を脱がそうと部屋の壁際まで追い込む。このチャイナ服も充分過ぎる程恥ずかしいが、ナースはそれ以上に嫌だ。

 

「てかさっきからずっと思ってたんだけどそのコスプレ衣装どっから持ってきたの!?」

 

「貴女が今着てるチャイナ服はシェーレから借りてきたものよ」

 

「ああ、それなら納得……って、メイドとナースは!?その流れならさっきのロリータ服はマインちゃんだろうけどその二着が意味わかんねぇよ!?」

 

「これは私がラバに着せたくてこないだわざわざ買ってきたの。だからほら、着て?」

 

「えっ、俺の為に…?じゃなくて!そんな可愛くお願いされてもイヤなもんはイヤだ!!そういうのはマインちゃんやアカメちゃんの方が似合うからそっちに頼んでくれ!!」

 

上目遣いで自分の為と言われて一瞬キュンとするもすぐさま我に返って抵抗する。それでもサヨちゃんは、

 

「それはそうかもしれないけど……。貴女、普段も男の子っぽい格好してるじゃない。しかもこんなダサいTシャツばっか。だからたまにはこうして女の子らしい可愛い服を……」

 

「だったらせめてコスプレじゃなくて普通の服にしてよ!いきなりこれは流石にハードル高過ぎだろ!?てか今ダサいって言った!?これ可愛いじゃん!!」

 

女らしさの欠片もない俺を可愛く変身させたいというサヨちゃんの期待……ではなく願望を込めたキラキラした目にぐっと堪えて抗議し、ついでに現在彼女の足元に放置されている自分のTシャツを指差しその良さをアピールする。

 

首切られてるのに笑ってる熊とか面白くない?よくよく見ると可愛い笑顔だよ?それがダサいだなんていくら大切な友人でも失礼しちゃうね。それにあのシリーズ取り扱ってる店は俺の知ってる限り一件しかないけどつまり超レアなんだぜ?そんなの集めたくなっちゃうだろ!

 

なんて誰にも理解されない趣味を熱弁している間に、ジリジリと距離を詰めてきたサヨちゃんが俺の脇のジッパーに手を掛ける。だがその瞬間、救世主が現れた。

 

「ラバ、サヨ!ボスからの召集が掛かっ、た…ぞ?」

 

急いでノックも無しに扉を開けた救世主もといアカメちゃんが、俺達二人の状況を見て硬直する。そしてそんな彼女が漸く口にした言葉は、

 

「……ラバ、これはどういう状況だ?お前はシュラと付き合ってるんじゃ…?浮気は良くないぞ」

 

「はあああぁ!!?んなわけないでしょ!?笑えねぇ冗談はやめてくれよアカメちゃん!!」

 

「あら?違うの?」

 

「なんでサヨちゃんまで驚くの!?俺があんなゴミクズストーカーと付き合うわけないじゃん!?なにこれデジャヴ感じる!?またアレとの関係を勘違いされるとか人生最大の恥だよ畜生ッ!!!」

 

いつぞやの騒動を彷彿とさせるかのようなとんでもない誤解に目眩がする。セリューの件以降、あいつの事は仲間として認めてやらなくもないとは思い始めているが……。

 

いや、そんな事よりなんでアカメちゃんはあんな事言い出したの?失礼な話だけど君ってコイバナに興味あったっけ?あの花より団子なアカメちゃんの口からあんな言葉が出るとは信じ難い。そんな疑問を目で訴えれば、視線に気付いたアカメちゃんはこう答えた。

 

「ラバが大怪我してから、シュラに対する態度が以前より優しくなってるだろう?こないだもまた弁当を作ってやったりとか」

 

「いや、それはただ借りがあったからで……」

 

「だからきっと吊り橋効果とやらでお前達は両想いになったに違いないとレオーネが言ってたから、私はてっきり遂に交際を始めたのかと……」

 

「…………は?」

 

違うのか?と首を傾げるアカメちゃんの言葉を聞いて間抜けな声が出る。吊り橋効果?なんだそれは?と思考を巡らせるがその答えは本で得た浅い知識の中で見付けた。

 

しかしそんなものは都市伝説にしか過ぎない、と思ったのはほんの一瞬で。よくよく考えてみると実際ここ最近何故かシュラの顔をまともに直視出来ない。更にはあいつに助けて貰った時やその後抱き締められた時の記憶、そして半分寝ていた際に偶然聞いてしまった彼の独り言を思い出してみれば、不覚にも顔に熱が集まってしまっていた。

 

「はっ?えっ?いや、んなバカな話あるわけ……お、俺が好きなのはナジェンダさんで……あんなストーカーに助けられたからって、そんな……えっ?」

 

おいおい、嘘だろ?なんでシュラの事考えるだけでナジェンダさんを想っていた頃みたいに心臓バクバクいってんの俺?これが吊り橋効果?よりにもよってあいつに?男だし前世で俺をあんな目に合わせた相手だぞ、冗談にしちゃあキツ過ぎないか?誰か嘘だって言ってくれよ!?

 

「……サヨ、結局レオーネの言ってた事は正しいのか?」

 

「うーん…多分大体は合ってるけど、これは両想いというより両片想いかしらね。でもあの様子からしてほぼ正解だと思うわ」

 

「そんなのが正解であって堪るかァァァーーッ!!!」

 

言われるまで気付けなかった認められない衝撃の事実に絶望し思わず叫ぶ。するとそれを聞いて駆け付けて来たのか、

 

「おいどうしたラバ!?なんかあったのか!?」

 

「~~~ッ!!?」

 

噂をすればなんとやら。慌てて部屋に入ってきたのはシュラ本人で、喉から心臓が飛び出るんじゃないかってぐらい驚いて声にならない悲鳴を上げる。

 

しかもただでさえアカメちゃんのせいで変に意識しちゃってる俺はそいつの顔を見ただけでもパニック状態なのに、彼女と同じく俺を凝視するシュラの反応で自分の格好を思い出してしまい、

 

「み、見んなバカアァァァーーーッッッ!!!」

 

と真っ赤な顔でまた叫んで、気付けばシュラの顔面を拳でぶん殴っていた。

 

 

 

 

 

~ナジェンダside~

 

「__ナジェンダさん好きです大好きです愛してます」

 

アカメに呼びに行かせたラバとサヨが漸く会議室に来たと思ったら、一直線に飛び付いてきたラバが私の胸に顔を埋めながら壊れたように私への愛の言葉を述べていく。可愛い妹分に大好きと言われるのは嬉しいが正直怖い。

 

「……アカメ、そっちで一体何があった?」

 

「ああ、実はさっき……」

 

「待ってアカメ。ここで話したらめんどくさい人が暴れてややこしくなっちゃうわ」

 

説明しようとしたアカメをやけに真剣な表情で制止するサヨが、首を傾げるリネットを一瞥しながら考える仕草をする。もしやまたシュラがラバにちょっかいを出して何かやらかしたのか?

 

「……ボス、ちょっと良いですか?」

 

「ん?なんだ?」

 

「実はかくかくしかじかで……」

 

「……マジか」

 

「マジです」

 

ラバに抱き付かれたまま動けない私に寄って耳打ちするサヨから聞いた話はとんでもない内容だった。なるほど、これは確かにリネットに聞かれたらヤバい。ラバが錯乱状態なのも納得いく。

 

まさかあのラバが遂に春を迎えるとは……。相手がシュラなのは癪だが、今夜は赤飯だな。そう一人で頷きつつラバの頭を撫でてやれば、彼女は気持ち良さそうにうっとりしながら頬擦りをしてきた。お前は猫か。

 

でもさっきのヤバそうな雰囲気はなくなったのでそこは安心した。かと思えばラバはハッとして、

 

「す、すみませんナジェンダさん!俺今なんか失礼な事を…!?」

 

正気に戻った様子で慌てて離れ、羞恥で赤らんだ顔を何度も下に向けて私に謝る。これはこれでまだパニック状態ではあるが、先程のと比べれば断然マシだ。

 

そんな彼女に大丈夫だと告げて再び頭を撫でると、ラバは何故か更に頬を赤く染め、

 

「ほんと、ナジェンダさんが男だったら良かったのに……」

 

なんて小声で言って悩ましそうな溜め息まで吐かれ、私は物凄く複雑な気持ちになった。

 

えっ、私ってそんなに女らしくないのか?普段からイケメンだの男前だのとよく言われるが、それは流石に傷付くぞ…?

 

目の前で幸せそうにぽわぽわしてるラバとは対象的にどんよりと沈む私の心中は、会議の存在を思い出してどうにか誤魔化す事にした。時には現実逃避も必要だ。さぁ、仕事に集中するんだ私。さっきのは全部忘れろ、いいな?

 




ラバのくそダサTシャツコレクション確認しながら原作読み返すの楽しい。あの子元坊っちゃんなのにちょいちょいダサいTシャツ着てるのがまた可愛くてそこも性癖に刺さるんだよね((
因みに例の熊のTシャツは五巻でチェルシーにギャフンと言わせろってマインちゃんに命令された時のやつ。あんま話題に上がらないけどバンダナラバも良いぞ~!

あと自覚した恋を認められないヒロインとかめっちゃ好きです。喧嘩ップルやツンデレが好物だから余計だね!でもこれに限ってはナジェンダさん一筋だったラバがそんなあっさりと受け入れるとは思えないからって理由が一番大きい。過去の初恋を再確認して今の気持ちを否定しそうだと思った結果が最後のとこのナジェ←ラバ。

吊り橋理論もこんな風にこじつけでラブコメ展開に出来るから超便利!ご都合主義でなにが悪い((

ラバ「今年も五月蝉いかもとか言ったそばから早速五月蝉ぇなこいつ。いい加減黙れよ」

独り言大好きマンだからそれは無理((
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