糸使いちゃんの逆行物語   作:96ごま

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前回の続き。やっとこの話かよってぐらい進行が遅い()
これでもう三十三話目とかマジかよ(自分で吃驚)

それと本編進めるのに夢中になってるせいで最近シュラさんの出番が少ないね、ごめんよシュラさん……。

シュラ「って事はまた俺の出番無しなのかよ。もっとラバとイチャつかせろやこの無能」

だっていくら考えてもどうやって君らをあれに絡ませれば良いのかわかんないんだもん……。現状が落ち着き次第イチャつかせたい(願望)


会議を斬る

暫くして落ち着いた頃。結局廊下で伸びてるシュラは放置し、ナジェンダさんが三つの悪いニュースを告げると、周りのみんながどよめいた。

 

一つは地方の暗殺チームと連絡が取れなくなり、全滅した可能性がある事。二つ目はエスデス将軍が北を制圧し帝都へ戻ってきたという知らせ。そして最後の一つは、ナイトレイドを名乗る偽物が良識派の文官達を次々に殺している事。

 

シェーレさんが何の問題もなく生き残りマインちゃんも無傷でいる事以外、ここまでは全て前世の記憶通り。しかし、

 

「今回はこの中で最も護衛に向いてるラバックにも向かわせたい……が。お前はまだ傷が完治していない。それとわかっているとは思うが、万が一お前がエスデスに見付かったら余計厄介になるから暫く帝都には行くな」

 

「りょーかい。俺もあの女とはもうなるべく会いたくないですしね。素直に留守番して治療に専念します」

 

そう、今の俺はヘカトンケイルから受けた傷が思ってたより長引いてしまって、まだ本調子で戦えそうにないのだ。その為無理をして仲間の足を引っ張るわけにもいかないので、悔しいがここはナジェンダさんに従って留守番する事にした。

 

当然、店もまた休んで、帝都での諜報活動は兄さん達に任せるしかない。エスデスに出逢ってしまった時点でこうなるのはわかっていたけど、復帰したばかりなのに非情に残念だ。

 

「もしかしてラバが変装してまで生きてるのを隠してた昔の知り合いって、その人の事?」

 

「うん、あとその周辺の奴らとかね。なんか肝が据わってるとかなんとかで気に入られちゃったらしくて、兵士時代は毎日のようにナジェンダさんのとこから引き抜こうとされたりで散々苦労したよ……」

 

「へぇ~、帝国最強の将軍にスカウトまでされた事あんのかよ?やっぱラバって意外とすげぇんだな」

 

質問してきたサヨちゃんに苦労話の一部を語ると、その横でタツミとイエヤスが感心していた。

 

俺は純粋に凄いと誉められたのがくすぐったくもありつつ上機嫌になり、つい天狗になってドヤ顔をする。

 

「まぁこれでも俺は生まれ付き天才で昔からナジェンダさんの補佐として付き従ってる有能だからね。優秀な人材を探してる美女に求められるのは仕方ねぇさ!」

 

「悪ぃ、前言撤回。お前のそういうとこほんとすげぇムカつくわ」

 

「お前って顔は意外と可愛いけどすぐ調子に乗ってウザい態度取るよな。そこが勿体ない」

 

「調子に乗り易いのはあんた達も一緒でしょうが」

 

蟀谷に青筋を作るタツミとイエヤスが俺の長くなった鼻を真っ二つに折るように本音をぶつけてきて、人の事を言えない二人にサヨちゃんが突っ込む。

 

でもこうして俺の天才っぷりに嫉妬されるのはちょっぴり良い気分だったりするので、タツミやイエヤスにどれだけ罵倒されようと痛くも痒くもない。いくら喚いたところで所詮は負け犬の遠吠えだ。つっても、あの超級危険種みたいな女王様にまた追っ掛けられんのはごめんだけどな。

 

「話を戻すぞ。狙われてるであろう文官の候補は二人に絞られている。今回の任務のメンバーは、まずはアカメとシェーレにマイン。もう一人の護衛対象はブラートとリネット、そしてタツミに任せる」

 

俺達の無駄話が終わったと判断し咳払いして話を戻すナジェンダさんが、前世では既に脱落していたシェーレさんや負傷して参加出来なかったマインちゃん、ここに居なかった兄さんを含めた六人を護衛任務に選抜する。残りは留守番だ。……が、反対派が一人居た。

 

「はい、一つご意見良いですか?僕はアカメちゃん達と一緒のメンバーが良いです。男しか居ない空間なんて地獄過ぎて仕事に集中出来ません」

 

手を挙げて真剣にそう主張するのは、男しか居ない環境を拒むリネット兄さん。同じく女好きの俺にはその気持ちはよくわかるが、そんな馬鹿馬鹿しい意見が通じるわけがなく、

 

「そうは言われてもな……。お前達のチームが行く任務先は巨大豪華客船の竜船。貴族や富裕層が集まる場所だから、礼儀や作法を学んでるお前が行った方が自然に溶け込めるだろう。ブラートもインクルシオの奥の手があるし、少なくともお前ら二人は外せない」

 

「うええっ!!?よりにもよってそこ固定なんですか!?じゃあせめてタツミくんをマインちゃんとチェンジして下さ……」

 

「悪いけど私はシェーレとコンビ組んでるから。そのお誘いはお断りよ」

 

「マイン…!」

 

「あーあ、フラれちゃったね、兄さん」

 

「あ゛あ゛ぁーーーッ!!!」

 

言い終わる前にマインちゃんに断られ絶望し、五月蝉い叫び声と共に崩れるようにして膝を折る兄さん。更に彼女の隣ではシェーレさんが感激していた為フラれた感が一層増しており、俺はざまぁみろと内心嘲笑う。

 

だが俺と一緒なのがそこまで嫌なのかと密かにタツミがショックを受けてるのには気付いていない様子。サヨちゃんばっかじゃなくてそっちの後輩達にも優しくしてやれよ。

 

「マインにフラれたからってそんな落ち込むなよリネット。例え華が無くても、俺がその寂しさを埋めてやるぜ」

 

「い、いえ全然!全然大丈夫なのでご遠慮させて頂きますッ!!」

 

肩をポンと叩くブラートさんと目が合わないよう兄さんは青褪めた顔を全力で逸らし断る。

 

任務期間中に自身の貞操が失われないか恐れている彼の為にも、ブラートさんの頬がほんのり染まってるように見えるのは気のせいだという事にしよう。そう、俺はなんも見ちゃいない。ブラートさんが兄さんに熱い視線を送ってるなんてきっと気のせいだ。

 

まぁそれはさておき。俺の本音を言うと本当は三獣士と戦う事になる竜船組のところには顔バレしてないマインちゃんか姐さんを加えて欲しかったんだが、理由もなくそんな提案をしたところで無駄だ。

 

かと言って急に前世の話なんかしても安易に信じて貰えないだろう。仮に信じて貰えたとしても、それを話したらシュラが敵だった過去も喋る事になって、当時の記憶を持つあいつをみんなに黙ったまま仲間に加えてしまった俺の信用問題にも関わるから迂闊に言い出せないのが現状である。

 

結局、普段頼りない兄さんが活躍してくれるのを祈るしかない。一度裏切られた神様にまた祈るなんて皮肉ではあるが、これは自分の兄を信じて祈っているのだと自分に言い聞かせる。

 

あれでも天才である俺の兄。妹の俺が有能過ぎるだけで、基本的な護身術はもちろん、ナイフなどといった武器の扱い方もベテランの俺達が叩き込んでやったので彼自身は全く戦えないわけでもない。あと戦闘向きではないが帝具も所持してるし、余程の強敵でない限りはそこそこ役に立ってはいる。

 

といっても周りが強過ぎるおかげで兄さんは任務に居ても居なくてもあまり変わらない空気に等しいが、そこは本人の名誉の為黙っておこう。

 

それに、前世でのブラートさんの死因は毒。なのでナイトレイド設立時に薬師として毒の知識も備えていた兄さんの協力の元、ナジェンダさんやみんなの許可を得て暗殺に使う微量の毒物を毎日食事に混入して身体に無理矢理耐性を付ける特訓もしている。

 

ただし、相手の使う毒が兄さんですら知らない未知のものだった場合は無意味だが。あれはあくまで保険に過ぎない。だから最終的には兄さん頼り。三人が無事に生きて帰ってくるには、あの中で唯一のイレギュラーな存在である彼に頑張って貰うしかないのだ。

 




お察しの通りそのうちオリ帝具を出すつもりですが、次回は女子同士でキャッキャッウフフさせる予定(予定はry)
(更新が早くなるとは言って)ないです。
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