糸使いちゃんの逆行物語   作:96ごま

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令和初更新~!

そして令和早々読者様にとても大事なお知らせ。
既に存じてる方もいると思いますが、実は先日、糸使いちゃんとはまた別のラバ小説の連載を始めました。なのでなるべく一ヶ月から二ヶ月に一度の更新を目安にしていたこの作品も以後不定期更新とさせて頂きます。

シュラバ&リネ「「「は?」」」(全ギレ)

掛け持ちの理由や新作のざっくりした設定などの詳細は活動報告に書いてますので、気になる方はそちらをご覧になって頂ければわかるかと。

いつも更新を楽しみにして下さっている読者様達には非情に申し訳ありませんがご容赦を…!何もしないけど頑張って新作抱えながら糸使いちゃんも続きを書けるように努力するから許して…!


獣を斬る(後編)

リネットが海に落ちてから数分。ブラートとリヴァの激しい攻防が続く中、唯一帝具を持たぬタツミもニャウとの戦いに苦戦を強いられていた。

 

そしてリヴァがブラートに再び大技を繰り出そうとしたその時。

 

「__ッ!!?」

 

海から打ち上げられた大量の水が、途中で動きを止めた。そんな奇怪な現象に、水を操る本人も理解が出来ず困惑する。

 

「なんでなんで!?リヴァの水が止まるなんて有り得ないじゃん!一体何が起きてんの!?」

 

「……!!まさか、まだ生きて…!?」

 

リヴァの嫌な予感はすぐに的中した。目の前にある船の手摺に、見覚えのある指輪を填めた手が伸ばされた事によって。

 

「ふふっ……こんな広い海に落とすなんて、よくもやってくれたね。危うく本気で遭難するとこだったじゃないか、このクソジジィ…!これだから過激派の百合厨は嫌いなんだよ…!」

 

まるでゾンビのように、ずるりと身体を引き摺って船に上がってきたのは、先程リヴァの攻撃で海に吹き飛ばされたびしょ濡れのリネットだった。しかもその顔と震えた口調は珍しく苛立ちを露にしていて、普段温厚な彼も流石にご立腹の様子だと窺える。……全く無関係な百合厨への怒りに関してはただの八つ当たりだと思うが。

 

「リネット!!良かった、生きてたんだな!」

 

「うん、ギリギリ急所外したおかげでなんとか生きてるよ。でも全身が超痛い中で全力で泳いだり帝具使ったせいで、体力はもうほとんどないけどね……。しかも服も髪もびしょびしょでほんと最悪だよ」

 

力なく笑うリネットは痛む身体に鞭を打って立ち上がろうとするが、上手く脚が動かず再び床に膝を付ける。息も肩でしている状態だ、無理もない。

 

リヴァの水が止まったのは、敵味方全員が死んだと思い込んでいたゾンビことリネットの仕業。海に落ちた事で海水に触れたという判定になったらしく、結果その水を扱ったリヴァの攻撃は時間を巻き戻されようとしていた。

 

「ふっ、だが貴様が出来るのは刻を少しずつ戻す事のみ。私のアクアマリンが発動し続けている限り、完全に止める事は出来ない!」

 

「そうですね……。でも勘違いしないでくれません?僕の目的は、貴方の時間を完全に止める事じゃない。少しでも、貴方の動きが遅くなればそれで充分なんですよ」

 

「!!」

 

リネットの意味深な発言を聞いたリヴァは、彼の真の目的に気付く。……が、時既に遅し。

 

「後は頼みましたよ、ブラートさん」

 

「ああ、任せろリネット。ここでお前の仇を取ってやるぜ…!!」

 

リヴァが防御の姿勢に切り替える前に、ブラートは彼に副武装のノインテーターを突き立てた。

 

しかし、斬られたリヴァもただでは死なない。

 

不利な戦況にも関わらずニヤリと笑みを浮かべた彼に、ブラートはこれまでにない程の危機感を感じた。

 

「血刀殺ッ…!!」

 

「ッ!!?」

 

リヴァの傷口から吹き出た血潮が、ブラートを襲う。

 

そう、これも水の一種なのだ。それを瞬時に把握したブラートは、いくつかの弾数を喰らいながらも自慢の槍捌きで急所を防ぐ。

 

けれど奥の手である血刀殺の威力は水と比べものにならず、多少当たっただけでインクルシオが強制的に解除されてしまった。恐らく、先程までの攻防でも大きなダメージを蓄積していたせいでもあるのだろう。

 

「ふっ…我が奥の手でも、インクルシオを剥がすのが精一杯だったか。……だが!」

 

よろめくリヴァの悪足掻きはまだ終わらない。なにせ彼は、自身の扱う水に仕掛けられていたタイムリングの効果が切れている事に気付いていたのだから。

 

「なっ…ッ!!?水はリネットが止めていた筈じゃ…!?」

 

時間の流れに逆らっていた筈の海水が、再び動き出す。ブラートは油断して気付かなかった。リネットの意識が、いつの間にかなくなっていた事に。

 

そしてリヴァの操る海水は細い槍となってブラートに向かい、咄嗟に防ごうと振り回した彼の剣の真下を器用に潜り、その腹部から背中までを貫く。

 

「がッ…!!」

 

「兄貴ッ!!!」

 

ニャウとの戦いで負傷したタツミがフラつきながらも立ち上がり、ブラートの元へと急いで駆ける。

 

槍と化した水はすぐに溶け、ブラートの血と共に床に溜まり混ざっていく。結果傷を塞ぐものがなくなり、出血量は更に増していった。

 

「これで漸く、一矢報えたな……」

 

致命傷を受けながらもずっと立っていたリヴァも遂によろめき、手摺に寄り掛かる。

 

「申し訳ございません、エスデス様……私は、ここまでのようです。……後は任せたぞ、ニャウ」

 

その言葉を最後に、三獣士のリーダー、リヴァはその身を海に投げ捨てた。最期まで主に命を捧げた彼の姿は、タツミもその記憶に焼き付け、一生忘れる事はないであろう。

 

だが戦いはまだ終わっていない。彼は何故再び水を動かせたのか。それはタイムリングが機能していなかったからだ。ならば何故、タイムリングの機能が突然停止したのか。その理由は、リネットに迫る影にあった。

 

「あっははっ!!これで今度こそダイダラの仇を討てる!簡単に死んで残念だと思ってたけど、おかげでまだまだ楽しめるね、お兄さん!」

 

タイムリングの針を何度も動かした上でリヴァからのダメージを喰らったリネットの精神力や体力はもう限界だった。しかし意識を手放した原因はそれだけではない。奥の手で自身を強化させたニャウが、簡単に殺さぬよう手加減したが今度こそ彼に一撃を与えたからである。

 

「まずはリヴァの仇からだ!お兄さんはその後にゆっくり、あの憎たらしい女に似た顔の皮を剥がしてあげるよ…!」

 

歪んだ笑顔のニャウはターゲットをリネットからタツミとブラートの二人に変える。

 

だがブラートは生身で受けた傷で動けない。今戦えるのは帝具を持たぬタツミのみだ。

 

「……タツミ、お前にこれを授ける」

 

「…?これって、兄貴の…?」

 

血を吐くブラートがタツミに渡したのは、帝具インクルシオを呼び出す鍵の剣。彼はタツミに自分の帝具を譲渡し、知らずに前世と同じ行動を繰り返したのだ。

 

 

 

……その後の数分も満たない時間は、一周目の出来事とほとんど同じ。違うのは、ナイトレイドの三人が無事に生還した事だけである。

 

 

 

 

 

__タツミがインクルシオを受け継いだ日の夕方。アジトに帰還した彼らは他の仲間と共に医務室に居た。

 

「__……ごめん、ブラートさん。僕なりに最善を尽くしたけど、やっぱりダメだ」

 

死者零の任務達成に喜びを分かち合っていたのも束の間。医務室では重傷を負ったブラートの治療を、リネットが自分も傷だらけでありながらも試みていたのだが……。

 

「脊髄の神経の損傷が、想像してたよりも遥かに激しい。……これじゃあもう、貴方は一生立つ事すら出来ない」

 

仕事どころか私生活にも支障がある程の深い傷は、医者を名乗るリネットにも治せなかった。

 

そもそもブラートがあの傷で生き残れたのは、意識を取り戻してすぐに帝具を使って寿命を数年縮ませてでも彼の時間を少しずつ慎重に進め、ライオネルのリジェネレーターのように人間の本来持つ再生力を無理矢理引き出して止血したリネットのおかげだ。けれど脚に繋がる神経の損傷は、そんな荒治療すら通用しない。どんな手を使っても、ブラートがその脚で立つ事はもう叶わないのだ。

 

「ごめん、兄貴。俺のせいで……俺があいつを足止め出来なかったせいで、兄貴の脚が…!」

 

「泣くなタツミ。確かに脚が動かねぇのは不便だが、あれで死んでなかっただけマシなんだ。だからそんな落ち込むんじゃねぇよ」

 

「でも、でもよぉ…!」

 

ニャウを一早く倒せなかった事に責任を感じていたタツミは悔しさに涙を滲ませる。そしてその隣に居るリネットも、自分があの時気絶せずにリヴァの拘束を維持していればと後悔していた。

 

そんな彼らを見兼ねたラバックは、

 

「……ブラートさんの言う通りだぜ、タツミ。俺達は裏の世界で生きる暗殺者。いつどこで誰が死んでも可笑しくねぇんだ。今は、こうしてお互い生きて顔を合わせられる事を喜ぼうぜ。……一番最悪な未来は、免れたんだからさ」

 

まだ誰も、一人も欠けていないこの奇跡に感謝しつつも、彼女は相変わらずな理不尽さに密かに腹を立たせていた。しかしそれは当然の報いなのだと思えば仕方のない事。寿命が縮んでも今生きてるだけマシだと割り切るしかない。

 

「なぁリネット。これって義足とかも無理なのか?ボスの義手みたいにさ。両足は確かにキツいかもだけど、義足なら……」

 

「……残念だけど、それは無理だよレオーネ。問題は脚じゃなくて、そこに繋がってる神経なんだ。脊髄の神経は現在の技術で治せた記録がない。しかも自然に治るものでもないから、タイムリングの荒業をやっても効果がない」

 

医療の知識が豊富なリネットでも治す方法を知らない。レオーネの提案も意味を成さず万事休す。それなのに、

 

「脚がもう動かねぇなら仕方ねぇよ。でもだからって俺は絶望しない。立てねぇってだけで、仲間に支えて貰えりゃ生きていけないわけじゃねぇんだ。それに、俺が戦えなくても、お前達っていう希望があるからな」

 

ブラートは落ち込んだ様子を一切見せず、むしろ自分の事のように悲しむ仲間達を励ます。

 

しかし、ナイトレイドで一番強い彼の期待に自分は答えられるのだろうか、と不安に思う者も居た。それは尊敬する彼から帝具を託されたタツミだ。そんなタツミに、ブラートはこう続けた。

 

「タツミ。そんなに自分を信じられねぇなら、お前を信じる俺を信じろ」

 

「!!」

 

「お前が迷ったら俺が必ずまた殴りに来る。だから安心しろ、離れていてもお前の傍には俺の魂がある。お前を信じろ!俺が信じるお前を信じろ!!俺の目に狂いはなかったって、お前自身が強くなって証明するんだ!俺から受け継いだ熱い魂で漢を見せろ、タツミ!」

 

期待に応えようとプレッシャーを感じるのではなく、俺を信じて強くなれと鼓舞するブラートの熱い言葉は、タツミに大きな自信を与えた。

 

「兄貴……俺、兄貴を信じてもっと努力するよ!強くなって、兄貴のインクルシオを使いこなしてみせる!俺は兄貴が信じてくれた自慢の弟子だって、胸を張って言えるように…!」

 

「ああ、よく言った!それでこそ俺の一番弟子だ!!」

 

グッと互いの拳を突き当て合う彼らの師弟関係は、師のブラートが戦線から抜けても今後も揺らぐ事はないだろう。周りの全員が皆そう実感した。

 




リネ「死んだと思ったかバカめっ!!!」(煽り全開)

シュラバ「はぁ~~~、うっぜぇ」(クソデカ溜め息)

勘の鋭い方は前回の投稿日的にこの展開に気付いていたかもしれませんね。ちょうど次の回はリネットさんが死んだと思わせて~のやつじゃん!と思ってウキウキしながら急遽エイプリルフールに更新を合わせました。でもあの内容を温めていたのは本当です。じゃなきゃあんな早く投稿出来ないからね()


さぁここでブラートさんご退場。ラバックちゃんの目的はナイトレイドの死亡キャラの救済ですが、やっぱブラートさんが居ると革命軍sideが強過ぎるんじゃないかという事で。てか流石に前編に内容詰め込み過ぎた。前回無計画に投稿したせいっすねはい(反省)

そしてブラートの兄貴といえばあの声優さん。あの声優さんといえばあの兄貴、という事であの兄貴の台詞をちょっとお借りしてブラートさん風(?)に言って頂きました。
もうかなり古いけどこのネタわかる人いたら超嬉しいっす。あれの制作スタッフ達が作ったアニメ会社の新作映画上映記念で今某初見バイバイな制服バトルアニメの再放送もやってるからみんな視て((

ラバ「新元号一発目の後書きも相変わらずくそ長ぇな。アカ斬ると無関係な版権の話すんのもいい加減やめろや」

でもやめないのが俺流((
こちらの更新頻度が激減しても多分まだまだこうして長々と茶番や裏話とか全く関係ねぇ話とか色々呟いて鬱陶しいと思いますが、平成から令和に変わった今後も宜しくお願い致します~!
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