とある淘汰の転生憑鬼   作:syuu

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危ねぇ、全部消えるところだった(焦)
バックアップってやっぱり大事なんだなぁ


13本編 幼少期11 「・・・行ってきます」

灰神は今、炭竈と鯛薪と共にあすなろ園の皆が保護されている場所へ向かっている。

最後のお別れを言うためだ。

学園都市初の超能力者(レベル5)として公式に認定され、個人の研究機関として皆の安全の保証の代わりに伊豆舞総合研究所に優先的契約を結び、能力を詳しく解析、測定を行うためにあすなろ園を出ることとなったのだ。

「後、北西15m先にあなたが研究機関のお預かりになったことを伝えなければならない一団がいるb「灰神くん!?」

「園長先生・・・」

外へ出て、鯛薪に透視能力(クレアボイアンス)で探して貰い、皆の所へ向かっていると警備員(アンチスキル)と一緒に子供達に毛布を掛けている最中の園長先生が灰神を見つけて走り寄って来た。

 

「良かった、良かった。目が見えるようになってから灰神くんだけいなかったから、皆心配したのよ」

「っ、・・・・・・・」

園長先生は灰神を逃がさないように少し強めに抱き締め、頭を撫でる。灰神は人の暖かい温もりに身を寄せようとするも、直ぐに突き放す。

園長先生やあすなろ園の皆は灰神が原因で自分たちがテロに巻き込まれたことなど知るはずもなく、一番の末っ子が一人居なくなったことのように本気で心配したのだろう。涙の後が頬に残っていた。

「!?・・・急にどうしたの。皆と一緒に早く帰りましょう?」

黙ったまま行き成り突き放した灰神に驚きながらも気遣うように優しく問い掛ける。

「あの「私が直接言います」・・・わかったよ」

炭竈が事情を話そうとするのを遮り。真っ直ぐ、園長先生の方を向く。

 

「園長先生、私・・・俺はあすなろ園の皆のおかげで普通の子供みたいな生活ができて・・・。1ヶ月もなかったけど・・・・。それでもすっごく幸せだった」

「・・・え"俺"?

急にどうしたの?」

園長先生は一人称を変え、いつもとは違う口調で喋りだした灰神に戸惑う。

「今回のテロの原因は超能力者(レベル5)である俺を人質に利用しようとしたテロリストが引き起こしたものなんだ」

「何を言っているの?灰神くんはまだ、能力開発(カリキュラム)を受けていないじゃない!?」

灰神が園長先生の目の前で(ベクター)を伸ばし、肩に掛けていた毛布を浮き上がらせる。

「黙っていてごめんなさい。でも、大丈夫。

俺、あすなろ園(いえ)に必ず帰って来るから・・・。だからそれまで・・・

待っててくれますか?」

「・・・驚いたわ。全く、子供はみんないつの間にか親離れをするって言うけど、早過ぎるでしょう・・・・。

そういう決め台詞は大きくなって彼女ができてから言いなさい。いつでも帰りを待っているから・・・。安心して行ってらっしゃい」

「・・・行ってきます」

 

 

 

 

 

 

そうして、そのまま灰神は鯛薪に連れられ、着の身着のまま直接伊豆舞総合研究所へ向かうこととなった。

あすなろ園にある私物や着替えは炭竈が空間移動(テレポート)で先に届けるようだ。

第一〇学区にある、かなり大きな大学程の敷地を持つ研究所に着いた時に、セミロングの白衣姿の40代の女性が迎えていた。

 

「初めまして、この伊豆舞総合研究所の局長、伊豆舞(いずまい)(しずく)

理事長・・・と言っても代理の人だけど話は聞いているわ。

この研究所は、学園都市の秩序と最先端技術を守るための実行部隊を管理する所の中でも能力者を軸とする部隊(チーム)に編成される能力者の育成と測定を専門に扱っている所で・・・つまり、あなたみたいに最初から優秀と認められた人材が沢山集められるのよ。差し詰め、学園都市の表と裏の中間地点と言ったところかしら?

ついこの間のテロの時に、あなたに此処を紹介した2人もこの研究所の出身でね・・・良く手伝いに来てくれるわ。まあ、あのテロリスト達を態と泳がせて最後にはあれほどまでの規模になるまで放っていた理事会の半数が(物理的に)解雇処分されちゃったけどね。・・・さて、早速で悪いけど、あなたの能力をこれから詳しく系統立てて測るための検査を受けて貰っても構わないかしら?」

「大丈夫です。問題ありません」

今思い起こせば、あのテロは灰神を超能力者(レベル5)であることを自覚させ特定の研究施設へと導かせ、監視を容易にする為の物であったのだと分かる。

まあ、遅かれ速かれこういう機関のお預かり所になる覚悟は有ったが、こんなにも早くしかも超能力者(レベル5)として扱われるとは予想外であった。

「こっちよ」

灰神の能力を徹底的に検証するための広い保健室のような部屋へ案内された。

部屋が仕切りにより幾つか分かれており。その部屋には、それぞれ担当者と思われる数名の研究職員とESPカードや電光装置、巨大な分度器に細長い鉄板の付いた少し変わった測定機器や他にも色々な機器が置かれていた。

「取り敢えず今日一杯 、全部の検査を一通り受けて貰って。一週間以内には能力の系統がわかる筈だから、それ専用の性能(スペック)の限界測定器機を揃えて・・・場合によっては場所を変えて行うからその積もりでいてね」

「はい」

取り敢えず、灰神がどの系統の能力に属するのか決めてから正確に測定を行うようだ。

「それじゃ、あなた達この子の測定のデータを後でまとめて届けて置いてね」

「『はい』」

 

 

「右へ45°・・・・誤差3mmです。

次はESPカードを使った透視能力(クレアボイアンス)系統の検査へ移ります

隣りの測定場所へ移動して下さい」

「はい」

「それでは、私が持っているカードの模様を当ててください。コレは?」

「・・・()

灰神には、 能力者が無自覚に発する微弱なフィールド=AIM拡散力場 が存在していないため普通の機械検査では、能力を判定するのは不可能である。

そのため、こうしたアナログもしくはマクロ的な測定を最初に行わなければならないのだ。

 

 

「この5つのボタンの内、次に光るだろうと思う場所のボタンを押してください。それでは、始めます」

・・・・先ず、思い出して貰いたいのだが灰神は安神院さんの特典チートに因り"念能力"と"見聞色の覇気"を習得しているため、このような閉め切られた室内では、ESPカードを見ている測定担当者の思考やオーラの動きを何の障害も無く、集中して感知できる。

 

つまり。

 

 

 

 

 

 

「伊豆舞博士、検体の測定結果の報告書です」

「ありがとう・・・・・流石、あの統括理事長(アレイスター)が認めるだけの人材ではあるわね」

灰神の測定結果を見て、伊豆舞は部屋に居る研究員に何かを確認するように呟く。

「我々も驚きました。何度も測定記録を見直して、念の為通常の三倍程時間を掛けて調べましたので間違いは、ありません」

「長年色々な能力者の検査をしているけど。こんなデタラメな測定結果は初めてよ」

机に置かれた灰神の測定結果はALL "A"

念動力(サイコキネシス)透視能力(クレアボイアンス)予知能力(プレコグニッション)読心能力(サイコメトリー)精神感応(テレパシー)、その他諸々の判定全てだ。

評価の"A"それ自体は、なんら問題は無い。能力者の各能力はそれぞれ"自分だけの現実(パーソナルリアリティ)"による歪んだ現実の観測によって決まり、発電系能力者なら電気を発生させたり、磁場や電波を感知するといったPKとESPの両方を使いこなす能力者もいるのだから。  ※どちらかに偏ることもある

 

問題はその下の特記事項。

 

 

"ESP測定テストに於いて全ての的中率

 

 

 

 

 

  『10割(100%)』"

 

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