とある淘汰の転生憑鬼   作:syuu

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14本編 幼少期12 別に良いんですけどね

「的中率10割(100%)か・・・当然と言えば当然の結果だよな。少し・・・ズルッこいけど」

 

研究所に割り当てられた部屋に一人、勉強机に置かれた1枚の紙を覗き込みながら角の生えた男の子が気だるそうに呟く。

あの測定から一週間、灰神は自分の結果を見る度、少し後ろめたい気持ちになっていた。

「まっ、実力であることには変わりないし、どの程度の精密性なのかどうか知りたかったし。

丁度良かったから別に良いか♪」

 

・・・本当に少しであったのだろう。 直ぐに、声の調子が明るいものとなる。

彼は、基本生真面目だが自分を有意義に出来るのであるのなら基本なんでも使う側の人間なのだった。

すると、ドアの向こう側から灰神を呼ぶ声がした。

「灰神くん。能力測定(システムスキャン)運動場(グラウンド)へ移動するからサッサと起きて着替えを済ませて来てちょーだい」

「はーい。 ・・・・・・・・・・・今、終わりました」

本日は、本格的に能力測定(システムスキャン)を行うため、灰神は体操服に着替えており、仕上げにお気に入りのニット帽を被り自分の部屋を出る。

「おはようさん、こいつときたら。いつまで、着替えに時間を掛けるんだっつうの!女子かおまえは!!」

「・・・少し、遅れただけです」

苛烈な挨拶をかましてきたのは、灰神の世話係兼研究所のアルバイト一人・・・恐らく近い将来『道具』の意味を持つコードネームの暗部組織の中間管理者になるであろうと思われる人物である。

特徴的な喋り方であったため、基本他人に興味の無い灰神でも直ぐに気付いたのだ。

 

「アンタのためにあたし達があんなバカ重い測定器具を運んで来てやってんだからサッサと測定を終わらせる姿勢ぐらい見せてくれたっていいじゃないのさー!!」

初めて会ったときは口五月蠅いだけバカ女かと思っていたら、バイトの後輩であろう人に「こいつときたら」と文句と愚痴を垂らしているところ見掛けて原作キャラの一人に出会ったことを認識し若干感動したのは秘密だ。

アルバイトからどうやって暗部組織の仲介役にまで堕ち (出世?) たのか不明だがこんな研究所に勤めているこの時点で既に暗部と何らかの関係があったのであろうが話が長そうなので灰神は聞くつもりは一切無い。

ちなみに、この研究所は時給制ではなく日給制のため終了時間は実験による被験体の行動や成果次第で早くも遅くもなるのである。

「ところで、何を運んで来たんですか?」

「あー、そこスルーしちゃう?無視しちゃう?」

「・・・・・何を運んで来たんですか?」

「無視か!?」

運動場(グラウンド)へ続く廊下をだべりながら並んで歩き、軽くコントをする。そうこうしている内に運動場(グラウンド)の入り口の強化硝子の自動ドアの前に着いて。

そこから見えた物は

 

 

 

 

 

錆び付いた貨物列車が5両、整然と運動場(グラウンド)の壁際に横並びに並べられている姿が目に入った。

右端の車両の横には、添え物のような(おもり)も置かれている。(一番小さいのでも1m四方の大きさ)

 

「・・・何ですかアレ?」

「いや、唯のスクラップ寸前の電気機関車(EL)(Electric Locomotive)・・・・およそ100tのが5両と各重量が500kg、1t、5t、10t、50tの(おもり)だけど」

「・・・・超能力者(レベル5)の測定予算ってこんなものなんですか?明らかにこれ、使い回しにされたものですよね?」

「知らないわよ!?

そーゆーのは、あたしじゃなくてもっと上の連中に聞きなっつうの!!

つうか、一応錘の方は学園都市製の特注の合金よ!!

ほら、アレよ、お偉いさんも急な測定で準備が整わなかったとかそんな感じじゃないかな?」

「一週間たっぷり、あったと思うんですけど。・・・まあ、無駄にお金使うぐらいならこういう再利用(リサイクル)して使って、限りある資産を大切にする気持ちは嫌いじゃありませんから別に良いんですけどね」

「アレ?問題無いんだったら、愚痴言う必要なんかなかったよね?ていうかアンタ本当に4歳児?

あたしよりケチなんじゃない!?」

そんなに、お金を使って遊ぶことを好まない質の所為か灰神は無駄使いや非効率的なものを嫌うのだ

なので粗末な測定機具を見ても自分に被害が無かったり、結果に差異がなければどうでもいいと考えているため。取り敢えず、突っ込みをしただけなのだった。

 

ようは、ただの倹約家(ケチ)なのだ。

〔そこー、待っている連中(科学者)をいつまでも待たせない!〕

「あ、はーい。 今行きます」

測定通達用のアナウンスマイクで催促され、

灰神は運動場(グラウンド)へ出て行き。所定の位置であるハンマー投げの観測地のような場所に付く。

〔それでは、 能力測定(システムスキャン)を開始します〕

灰神(レベル5)の能力を垣間見ようと研究施設内の殆どの職員が観客席から身を乗り出すように観察を始める。

 

 

 

〔それじゃあ灰神くん、あなたの能力は念動力(サイコキネシス)系統であり、射程距離が100km を超えていることは理事長から聞いているから。取り敢えずこちらで、それ超能力者(レベル5)に相応しい重量を準備したから、持ち上げられる分だけ持ち上げてみて頂戴〕

 

 

「・・・わかりましたー」

灰神は、肩慣らしに電気機関車(EL)に脇に置かれている添え物のような(おもり)(ベクター)を伸ばし3m程持ち上げて、取り敢えず500m先の地点(ポイント)に置く。

 

置く際に"ドゴッ"と地面にめり込んだ様な音がしたが灰神は気にしない。

〔ただいまの記録

使用距離505m

誤差10cm

干渉質量500kg

効果時間4秒

精密性能"A"

干渉個数1

演算所要時間0.5秒以下

 

総合評価  level4〕

「level4・・・か(つーか、(ベクター)出すのに演算なんか使わないんだけど・・・絶対に、言わない方がいいよな)」

測定結果のアナウンスが流れる。

 

灰神は、余りの張り合いのなさに肩透かしを喰らった気分になる。

〔準備運動はいいから、限界まで持ち上げてみてくれるかな?〕

「あ、すいません」

急いで(ベクター)を25本出し、全てにオーラを流し込みながら、運動場(グラウンド)内にある(おもり)電気機関車(EL)を全て空中に漂わせるように持ち上げる。

 

"ざわざわ"

と、観客席から見ている研究所の職員達から感動と驚きがざわめく。10分程、持ち上げ空中に漂わせ続けていると。

 

〔結構です、最初に置いた地点(ポイント)付近に降ろしてください〕

と言われ。灰神は、"ただ置くのもつまらない"と思い電気機関車(EL)を最初に錘を置いた地点(ポイント)に、積み木のように積み上げて降ろした。

〔ただいまの記録

使用距離505m

干渉質量566.5t

効果時間705秒

精密性能"A"

干渉個数10

同時操作数10

演算所要時間0,5秒以下

 

総合評価  level5〕

「はぁ・・・(これだけ力があっても生き残れるか分からない(チートども)が居る『とある』の世界ってブッ飛び過ぎてるよな)」

灰神は、頭を掻きながら憂鬱そうに溜め息を漏らす。

"纏"と"流"と"凝"を使いそれぞれの重量に合わせて、オーラを効率良く(ベクター)に振り分け。いつもより余計に神経を擦り減らした所為か超能力者(レベル5)判定を貰っても、思考は悪い方(マイナス)ばかりに傾いていた。

「ご苦労様、灰神くんすごいわね。本当に超能力者級(レベル5クラス)の能力を使えるなんて、あれなら軍隊どころか国が相手でも勝てそうね」

「伊豆舞さん・・・」

「今は伊豆舞先生と呼びなさい。ところで一つ聞いても良いかしら?」

観測場所から下りて来た伊豆舞局長に呼び方を注意され、不意に測定に何か不備が有ったのか真剣な眼差しを向ける。

「はい、先生?」

思わず、その空気を感じ取り灰神も緊張する。

 

「最後の測定の時に、見えたあの"透明な腕"は何なのかしら?」

 

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