とある淘汰の転生憑鬼   作:syuu

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6本編 幼少期4 「絶対邪魔はさせない」

あの後、幾つかの学力検査を受け。しばらくすると日を追うごとに俺の元へ訪れる人数が増え続けていき、気付いたらこの施設内に40人以上の人員が集まっていた。

そして、あの部屋にある大きな鏡はマジックミラーで、俺を監視、観察するための物であり、ドアの機械音も俺が逃げ出さないように別室からロックを解除する音であることが分かった。

本格的に実験動物扱いされていることを改めて理解し、腹立たしくなったがなんとか押さえ込む。

 

ベクターの射程が自由に変換可能であることと、念能力を応用した疑似的な"円"により、建物の構造を八割方把握し、自分は地下6階に居ることがわかった。

研究員達が利用するエレベーターの位置も確認済みである。

コレなら、今すぐ全員抹殺し脱出するぐらいなら雑作無い。

しかし、学園都市の対能力者用の武器が設置されている可能性を考慮して、念能力開発に時間を掛け、"纏""絶""練""凝"(目標、練を30分維持)を習得するまでの間、少し頭の回転が早い一般的幼児を演じ続けた。

 

 

 

 

 

そして機会を待ち続けること一年。

脱走計画開始(さつりくがはじまる)!!

 

 

 

Pi-

「柳くん、ご飯よ~」

部屋に入って来たのは三年間、あの地獄のような解剖的検査をしやがったあの木原等比であった。

幸か不幸か、この世界に転生してから一番恨んでいる人間に一番最初に復讐することができる。

素直には喜べないが4年振りに神に感謝した。

不可視の(ベクター)を伸ばしてノブを掴み、ドアのロックが掛からないように完全に閉めずに隙間を開けて置く。

「どうしたの~?」

等比はドアにロックが掛かっていない事に気付かずに、食事を持ってどんどん近付く、そして

「等比さん」

「何?」

「私さ、初めて等比さんと偶接さんに出会った日の頃からずっと、覚えているんです」

「へ~

凄いわね~。私も覚えているわよ、研究所に届いた箱の中身が資料サンプルじゃなくて赤ちゃんが入っていてね~。驚いちゃってつい落としちゃったわ~」

子供の戯れ言かと勘違いし、当時のことを語り始めた。しかしそれは、柳の次の言葉により驚愕へと変わった。

「その後、検査でいっぱい痛いことして虐めて、嫌だって泣いたら注射をして、動けないようにして

また私の身体を傷だらけにしていましたよね」

「え!?なん、で」

生後二ヶ月の記憶があることに驚いている隙に、(ベクター)を何本も出し、等比の身体の中へと透過させ・・・。

「毎日毎日、あまりの痛みに気絶したこともありましたよね?

それでもアンタは手を止めずに嘲笑いながら検査をし続けた。だから・・・アンタにも同じことをする!!」

全ての血管と神経を身体の端から順々に引き千切っていった。

「ヒギャイィイィィィイ、ぁ」

 

出来ればあの地獄の苦しみを味合わせてから殺したかったが、騒がれたら色々厄介な事になるので、早々、頭の血管も引き千切り、静かになって貰った。

 

前々世と合わせても初めての殺人であったが、特に何のジレンマも迷いもなく行動に移った自分に驚きはなかった。

元々、(神の殺人未遂による)事件体質であったことが原因で、孤独な幼少時代を過ごし、家族以外の赤の他人の事に興味など無いのだから。

 

家の方針で特別『他人を思いやる人間として生きる』という両親の教育理念が原因でバスや電車で高齢や妊婦に座席を譲る程の良識があるだけなのだ。

子供向けの童話やアニメの『正義』や『友情』や『努力』など吐き気しかしない。

差し詰め、『生きてようが死んでようが自分に関係なければどっちでもいい』という心境が凝り固まっている状態であり。逆に言えば、自分に関係のある事であれば動く

『害があれば排除するかそもそも関わらない』

『有益であるか保護対象であればできる限りの事をして手助けをする』

という事なのだ。

 

 

今回の場合、このまま二觭人(ディクロニウス)のことを詳しく調べられるのは得策とはいえないためこの施設を潰すのだ・・・私怨や八つ当たりも若干あるが、前々世では夢物語であった人類の殲滅を果たせるのだ。

 

「絶対邪魔はさせない」

 

"死体をしばらく放っておけば勝手に研究員達が集まってくるさ"と黒い思考を働かせながら、ベクターを伸ばした。

 

 

 

Side 木原偶接

 

あの灰神柳とかいう子供(ガキ)が角沢の間では、何か特別な存在である事がこの一年間で嫌というほどわかった。

 

最初は、同じ角が生えた子供を特別優遇しているだけだと思ったが、この施設の設備とあの監視体制は『木原』の立場である俺から見ても異常なほどであった。

 

対高位能力者用の設備に試作装備まである始末だ。

飽きれたとしか言いようが無い。

 

しかし、さらに俺を驚かせる内容があったのだ。

 

 

 

「ああ?あのガキに能力開発のカリキュラムを受けさせるだぁ?」

 

地上と地下の通信回線中継地点である地下三階のフロアで、木原偶接は『外』から召集を受けてやって来た大森という奴の予想外過ぎる話を聞いている。

 

「いや、本当なんですって、角沢さん・・・蛍二さんが言うにはもう既に小学校高学年ほどの知能だそうですよ」

 

学園都市内のあらゆる研究グループのメンバーがこの施設に集中し解析や解明専門の『木原』や『角沢』が何人も来ているため混乱を避けるために名前で呼ぶようにしているのだ。

 

「身内贔屓にも程があるだろが」

 

 

通常どんなに早くともカリキュラムを受けるのは5歳以降の学生生徒であり推定4歳の子にはあまりにも早すぎることなのだ。

 

「僕も最初はそう思ったんですけど、あの年で完全に保存の法則や分数を理解しているんですよ   ほら」

 

渡された用紙には、10~12歳の子供向けの問題が易しくされていたが、全て間違いなく解かれていた。

 

「字・・・読めたんだなアイツ」

 

「僕も一回だけ木原さん達と一緒に勉強を教えてたんですけど二時間後には漢字も読めていて驚きましたよ。教える側にいたっては楽なんですけどね」

 

「突発性の『木原』・・・。いや『角沢』か何かか?」

 

すると、誰かがこちらへ廊下を慌しく走ってくる足音が幾つも向かって来て蹴破るような勢いで何人ものこの施設の職員が入って来た。

 

そして、一人の研究員が顔を真っ青にして叫んだ。

 

 

「今すぐ、地下4階以降の階を封鎖しろ!!

あいつに全員殺されるぞ!!」

 

end

 




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