まったく何で勉強なんてしなきゃいけないのか。
言いたいことはわかる。
将来きっと必要になるだろうし、算数なんかは今からでも役に立つ。
けど……僕はまだ小学3年生だーー!!
これが中学3年生になるとやらなきゃいけないだろうが、まだまだ遠い。
あと、6年ある。
しかも、うちは私立でエレベーターだ。
別に勉強する必要もないだろう。
だけど、うちのバカ親は意味の分からんことに「暇なら勉強しなさい!!」とか言って僕を勉強部屋に閉じ込めやがった。
マジで意味が分からん。
何で暇だと勉強しなきゃいけないんだ?
別に良いだろ、リビングのソファーの上でゴロゴロしてても。
まあ百歩譲って暇なときは勉強しなきゃいけないとしよう。
だけど、それでもだ。
どう見ても僕、暇じゃなかっただろ!?
テレビ画面に向かってコントローラーをカチャカチャやってただろ!?
あとちょっとでクリアだったんだよ!?
それをメモリーごと壊しやがって!!
それで「暇なら勉強しなさい!!」だと!?
キレるぞコラァァーーー!!
まあ、そんなこんなで勉強机に向かってるんだが、中々はかどらない。
ん?結局勉強してるんだ、だって?
「ほら?僕って真面目だからさ」
そういいながら前髪を掻き上げる。
ヤベェ。キモい。
独り言でナルシとか。
ないわー。
うん、みんなどうでも良いって顔だね。
俺もどうでも良いや。
そんなことより勉強がはかどらないのが鬼畜。
部屋のドアノブが外から金属のチェーンで縛られてる。
外してもらうにはこのプリントたち(合計18枚)を片付けなくちゃいけない。
それまでは、例え腹が減ろうがトイレに行きたがろうがゲームができなくて禁断症状がでようが外してはもらえない。
さあ、どうしようか?
やっぱこんなときはノリノリな音楽?
いや、その程度じゃだめだろう。
こういう時は――盗聴だろ。
頭にヘッドフォンを付け、スイッチを入れる。
どこに仕掛けた奴にしようかな~。
ん~、動物病院あたりで良いか。
よし!そうしよう!
さあさあ、出番だよ。
僕の可愛い盗聴器ちゃん達。
君たちの圧倒的な性能をみせてお上げ。
この盗聴器たちは全部、僕の趣味を知った月村忍さんが作ってくれた物なんだ。
月村忍さんと知り合ったのは吸血鬼になってちょっとしたころ。
僕が生きてても良いのかな?みたいな悩みを持って放浪の旅、恰好悪く言うと家出した時。
誘拐されるのを偶々見て助けたのがきっかけだった。
僕は誘拐犯達が話してるのを聞いて、彼女が夜の一族という吸血鬼の一族の一人だと知った。
彼女は僕が助けるときに使った強靭な肉体と尋常じゃない回復力を見て吸血鬼だと気づいた。
それから、僕は彼女の家に数日泊まった。
もちろん、家には連絡したよ?
そこですずかちゃんやノエルさん達と知り合った。
確か……幼稚園年長の冬だったかな。
今でも、月村家にはよく行き忍さん達とお茶会をする。
すずかちゃんとは、小学校でもよく喋る。
そんな忍さん印の盗聴器、半径200m以内の音は全て拾ってくれる。
もらった時は驚いたものだった。
驚いて思わずすずかちゃんに抱きついちゃった。
顔を赤く染めてて可愛かったのを覚えてる。
!?
突然聞こえてきた名前に体が跳ねる。
さっきからバトルしてる音が聞こえてて特撮ヒーローものの撮影でもしてるのだろうか。でも、動物病院の近くでそんなもの撮影するか?
にしても声が知り合いに似てるような気がするなぁ。
と、呑気なことを考えてたら聞こえてきた。
俺に血を分けてくれる女の子。
茶髪の歩くと可愛らしくピョコピョコと跳ねるツインテールがトレードマークの女の子。
名前は――高町なのは。
意味深に終わったけど特に何も起きないよ?
次回もよろしくお願いします。