という訳で今回はそのコラボ小説となりますので、本編とは違う話になりますのでご注意ください。ユキノス様の方でも、コラボ小説が上がっておりますので是非そちらもご覧ください。
「紅魔館に拾われた少年はゆっくりと暮らしたい」は此方から
https://syosetu.org/novel/134555/
それではコラボ小説、お楽しみいただければ幸いです。
「………んん〜ん……」
朝早くに目を覚ました。なんだか久々によく眠れた気がする。
だけど、ここ最近は幽香さんの家で平和な日々を過ごしている。
「さて…と…」
固まった身体を引き伸ばし、ベットから降りる。少々眠いが、いつまでも寝ていられない。
洗面台で身だしなみを整え、リビングへと向かう。
ガチャ…
「おはようございます…」
声をかけながら入ったものの、リビングには幽香さんの姿はない。今日も花畑に出かけているのだろう。
私はその間に朝食を作ることにする。
前回同じような状況になった時に作った朝食が好評だったので、ここの住まわせてもらっている間は私が朝食を作ることになった。
今日は何がいいかなっと…
台所や収納スペースを見た所、パンと野菜が余ってそうだったのでトーストと野菜スープでも作ろうかな。
「よぉしやるぞぉ!」
腕をまくり、自分を鼓舞して料理に取り掛かった。
朝ごはんが完成した頃に幽香さんも花畑から戻ってきたので、完成したものをそのまま盛り付けて差し出す。
「はい、幽香さん トーストと野菜スープです」
「ありがとう」
私も自分の分をよそい、幽香さんの前に座って朝ごはんをいただく。
「いただきます」
「いただきます」
食事中の会話は特になく、2人とも静かに手を進める。こんな静かな朝もいいのだが、もう少し幽香さんと話したいという気持ちが無い訳でも無い。けど…こういう時って何を話したらいいんだろう…?
「………」サクッ
「…さっきっからどうしたのよ、こっち見て」
「あっ、へっ?」
私の顔はそんな欲望を隠しきれておらず、相手の顔を凝視していたようだ。完全に上の空だった…いや、その事を考えてぼーっとしていたのだけれど。
そんな呆けた私を見て、幽香さんはやれやれと言った様子を見せ、スープを飲んでいる。
「……美味しいわね、これ」
「!、口にあってよかったです」
「こんなに美味しくしてくれれば、私の野菜も喜んでくれるでしょう」
「"私の"?」
「あれ、言ってなかったかしら?私は野菜とかも趣味で育ててるのよ。余ったら里に出しに行ったりもしてるけれど」
「そうだったんですね…」
幽香さん、凄いなぁ…花の世話だけじゃなくて畑仕事もしてたんだ…今度手伝おうかな。
「ごちそうさま」
「あ、私お皿洗ます」
「そう?じゃあお願いするわ」
そう言って、幽香さんは台所に食器を戻すと自分の部屋へと入って行った。私も食朝ごはんを食べ終わり、自分の食器を持って台所へと向かう。
今日は皿洗い終わったら後何しようかな…?
「花畑って…ここら辺だったよな?久々に来るなぁ…」
結局、何をするも思いつかず、パチュリーさんにもらった魔術書をリビングの椅子に座り再び読み返している。読書のお供に幽香さんが作っている
ーと、本人が言っていたー茶葉で紅茶を入れた。紅魔館で出された紅茶とはまた違った風味が鼻をくすぐる。
「ん……あっち…」
……ちょっと飲むのに急ぎすぎた。
「のわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「!?」
突如として、外から叫び声が聞こえた。
まさか不用意に花畑に入ってしまったのだろうか?
「助けに行かなきゃ」
私は読みかけの本を閉じ、私は花畑へと駆け出す。
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「どうなってるんだこれ…」
外に出て、小走りで駆け抜けていると、花畑の入り口で地面から生えた植物によって足を持ち上げられ、宙ぶらりんになっている…女の子…だろうか?赤い髪がわさわさとなびいている子を発見した。
「大丈夫ですかー?」
「誰だ?」
心配して声をかけたのだが、近づく私を見るなり、睨みつけられてしまった。
「ち、違います!別に貴女を襲おうとかじゃ無いですから!」
「そうなのか?」
否定してみたものの、疑心を抱かれたまま変わる事はなかった。
「い、今助けますから!」
やはり何とでも言える言葉で相手の信用を勝ち取るのは難しいので此方も信じてもらえるように誠意を見せる。
植物によじ登り絡みついていた足を解放してあげた。
「ふぅー、ありがとう、悪かったな」
「いえいえ怪我もなさそうなので良かったです。幽香さんに何か御用ですか?」
「そうだそうだ、咲夜に買い物を頼まれてな、野菜を買いに来たんだ」
早速朝聞いた通りに幽香さんの野菜を買いに来る人が現れた。
「咲夜さんにですか?」
「なんか忙しいみたいでな」
「わかりました、案内しますね」
「おぅ、頼む」
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「あれに引っかかってたのって霊夜だったのね。はいこれ、頼まれたジャガイモと人参、それに玉葱ね」
「悪かったな、えっと…お代はこれでいいのか?」
「それで構わないわ」
幽香さんの元へ案内し、私は買い物の様子を隣で眺めていた。
「よし…頼まれたものも買えたしそろそろ…ん?」
帰ろうと立ち上がった様だったが、何かを見つけて動きが止まる。
「魔道書?」
「これですか?パチュリーさんに頂いたものです」
「へぇ…パチェが本を…」
そんな質問の後、何かを考えるそぶりを見せたかと思うと
「紅魔館に、来た事あるんだよな?名前を聞いてもいいか?」
「あ、申し遅れました。藍里です。
紅魔館については、少し前に泊まったりしました」
「…………そうか」
どうしたんだろう?こんなこと聞くなんて。
「いや…俺は紅魔館にお世話になっているんだが君が来ているなんて全く知らなかったからさ」
「うーん…割と最近なんですけどね…」
確かに私も彼女(?)が紅魔館に住んでいるなんて少しも聞かなかったし、会うことも無かった。確かにおかしい。
「…まぁいいか、また紅魔館に遊びに来てくれ。多分みんな喜ぶだろうし。名前聞いたんだし、俺も教えなきゃな。俺の名前は霊夜、
「わかりました、そうさせていただきます霊夜さん」
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野菜の入った袋を両手で抱え、長い赤髪を揺らしながら花畑を抜ける姿を、私と幽香さんは見送っていた。
「私、狼の妖怪初めて見ました」
「あら、あれがよく狼ってわかったわね」
「耳と尻尾がそれっぽかったので、サラサラの髪撫でて見たかった…」
本人の前でそんな失礼な事は言えないので、いなくなった時にふらっと口に出てしまう。
「あー、一応勘違いするのが多いから言っておくけどアレ"男"だから」
「……………え!?」
それって…さっきの霊夜さん…の事?
「やっぱりね…」
「ずっと背の小さい女の子かと…」
「背の事に関しては言うと不機嫌になるわよ」
そうか…男の子だったのか…全然気がつかなかった…
彼にちょっとした興味が湧いたので、紅魔館に再び遊びに行く事と、
次あったら頭を撫でさせて貰おうという決心を心のうちでする藍里であった。
「……クシュン!…なんかやな予感がするな…」
「紅魔館に拾われた少年はゆっくりと暮らしたい」も素敵な作品となっておりますので、是非皆様、ご覧ください。