東方蒼夢録   作:音無雨芸

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少女の名は藍里
1話 少女の名は蕾華


「..........」

 

あぁ…そうか、またこの夢か

 

私は時々、どこかに咲く青い薔薇になる夢を見る。場所はどこだか分からないが、見える範囲、一面のひまわり畑である。

 

毎回思うけど…本当に綺麗だよなぁ…

 

勿論花な訳で、動くのは勿論、見渡したりもできないが。

 

「…あら?珍しいわね青い薔薇なんて」

 

ふと声をかけられた。赤いチェックのスカートのようなものが見える。

 

そして次の瞬間、その女性と思われる手が青い薔薇もろとも私を包み込んで……

 

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「……ょ……」

 

「……ぃょ…!」

 

翠洋(すいよう)!!」

 

ガタッ、

私は慌てて思わず立ち上がってしまった。

どうやら授業中に眠ってしまっていたらしい。

 

「全く…お前が寝るなんて珍しいな、でもいかんもんはいかんぞ。」

 

そう、国語担当の先生に怒られてしまった。

 

周りからはちらほらとクスクスと笑う声が聞こえる。

 

私は、小さく「はい…」とだけ返事して椅子に座りなおし、周りから気づかれない程度に教科書に顔を埋めた。ちょっとだけ、先生が恨めしく思えた。

 

 

授業が終わり、隣の生徒に

 

「珍しよねー 蕾華(らいか)ちゃんが授業中に眠るだなんて。昨日は夜更かしでもしてたの?」

 

「…別に…」

 

「そ、そう…」

 

…………

 

この話を続けると、いずれ夢の話を聞かれると思ったから、私はそっけない反応をした。

 

あまり私は、自分の感情や感性に他人が干渉するのを快くは思っておらず、そのおかげで人と関わることがあまり無い。

 

放っておいて欲しいのだ。

 

「…帰ろ…」

授業が終わり、帰路に着いた。

明日は土曜、周りの学生は浮かれているが、何故か気分は沈んだまま。

 

通っている高校からは、電車に乗って20分程度で家に着く。そんないつものこの時間を過ごすことさえ億劫だったが私はさっさと教室を出た。

 

 

「ただいま……」

 

返事のないまま、言葉は部屋の奥に吸い込まれて行った。

 

「誰もいない…か…」

 

私は部屋に荷物を置き、制服のままベットに飛び込む。

 

「またあの夢…見れないかな…」

 

そんな淡い期待を胸に、少女は意識を闇に落として行った。

 

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「…………」

 

どうやら私の要望は、受け入れられたようだ。

 

私もとい青い薔薇は、とある部屋にあった。

どうやらあの花畑から移されたらしい。

 

少し残念だったが、ここはここで、ひまわり以外の花が綺麗に咲いている。

しかし、どれもこれも花瓶に入っている。

何か意味はあるのだろうか?

 

すると突然部屋の扉が開かれ、あの女性が入ってきた。

 

「〜♪」

 

何やら上機嫌そうに鼻歌を歌いながらジョウロから花に水をやっている。

当然、私にも平等に

 

とても不思議な感じだった。

水が身体中に染み渡るこの感じ。今までに味わったことのない体験だった。

きっと人では味わえないであろうこの感触。

私は優越感に浸っていた。

 

しかし水やりは終わってしまい、女性は部屋を後にする。

 

もう少し、感じていたかったなぁ…

 

勿論そんな言葉が出るはずもなく、心の中へと溶けて行った。

 

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「…うぅ…うーん…」

 

どうやら夢の時間は終わってしまったらしい。私は人の姿へと戻っていた。

でも、あの体験は色濃く脳裏に焼き付いて離れない。私は少し興奮気味だった。

 

足をばたつかせてると、下から

「うるさいわよー、ご飯できたから降りてらっしゃい。」

 

「…はぁい…」

 

私は渋々ベットから降りて、振り乱した黒い髪をヘアゴムで結び、部屋着に着替えてリビングへと降りて行った。

 

私は母と2人で晩御飯を食べていた、食べている途中で、あの体験を思い出し、ぼーっとしていた。

 

「どうしたの?」

 

「なんでもない、ごちそうさまでした」

 

そう言い残し、足早にリビングを立ち去った。母親が呼び止めていたような気もしたが、私の耳には入ってこなかった。

 

私は流れるようにベットの上へと舞い戻っていた。どうせ他にすることも無し、私は今日を終わらせようと、明かりを消し、闇の中へと潜り込んだ。

 

 

 

 

しかし、学校でうたた寝したのと、昼寝をし過ぎたのかが祟ったのか全然眠ることができなかったのだ。

 

私はなぜか必死になっていた、自分でもなんで眠るだけなのにこんなにも必死になっているのか不思議だった。しまいには眠る方法がわからなくなるくらいに。

 

…しかしそれが叶うことはなかった。

 

「仕方ないか…」

 

私はゆっくりと目を開ける。

 

しかしそこには、ただただ暗闇が広がるばかり。なんの変哲も無いただの部屋だ。

 

私はベットから体を起こそうと手をつこうとした…

 

「あっ……」

 

私は次の瞬間には、落下していた。

私の手はベットにつき損ねたようだ。

 

私は衝撃に身構えたが、それがいつまでもこないような感じがした、まるでもっと高いところから落ちるかのように。

 

そしてその時が訪れた。

 

思いの外衝撃が強く、受けきれなくて衝撃が頭に伝わり、私は意識を失った。

 

最後に聞こえた花瓶が割れる音はなんだったのだろうか…?




初めての小説投稿で、至らないところもあると思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
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