Fate / your name   作:JALBAS

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いよいよキャスター戦ですが、前半は糸守の話です。
キャスター戦は夜通しで行われるため、入れ替わりが発生せず、三葉の出番が無いので。
話の都合上“セイバールート”と“凛ルート”のごちゃ混ぜです。
できるだけ辻褄が合うように繋げましたが、不自然なところがあってもご容赦願います。




《 第十一話 》

 

その日は、放課後に、クロエさんの住むお城に招待された。

遠目から見ても大きいが、目の前で見ると更に大きさが際立つ。

「ドウぞ、オハイリくだサイ!」

『うわ~っ!』

入るなり、サヤちんとテッシーが声を上げる。

正面の扉から屋敷の中に入ると、それだけでも私達の家の坪数よりも広いホールが広がり、奥に、大きくて立派な階段がある。ホールの天井は2階以上の高さがあり、豪華なシャンデリアが吊り下がっている。階段の上には更に奥へ続く大きな入口があるが、踊り場から周囲に通路が伸びていて、ホールを一周する2階のようになっている。

サヤちんとテッシーは、あまりの豪華さに驚いているが、私は、別な意味で驚いていた。

この城は、先日私が攫われて監禁された、イリヤの城と瓜二つなのだ。

まあ、共にアインツベルン家であり、クロエさんもイリヤと無関係では無いみたいだから、同じ設計なのかもしれないが……

広い廊下を歩いて、屋敷の中を案内される。とにかく、サヤちんとテッシーは圧倒されっぱなしだ。

「ねえ、三葉?」

「ん?何?」

リアクションの少ない私に、サヤちんが聞いて来る。

「三葉、あんまり驚いてへんけど、一度来た事あるん?」

「え?……い……いや、そんな事あらへんよ。私だって……驚いて、どう反応してええか分からんだけやて。」

と言うのは嘘で、一度来た事がある。ここじゃ無くて、冬木でだけど……

クロエさんの部屋にも案内されるが、ここもイリヤの部屋と同じ造りだ。私が縛り付けられていた椅子まで、同じ物を使っている。何か、その内バーサーカーの唸り声が聞こえて来そうで、少し怖い。

 

屋敷内を案内された後は、食堂で夕食を御馳走になる。

10数人が会して食事ができるような広いテーブルに、4人だけで座って頂く。今迄食べた事の無い、糸守にずっといたら一生食べる事もできないような、豪華なフルコースを御馳走になった。

食事の時も、クロエさんは陽気に喋りまくっている。

「イツモはひとりデスので、コノヨウにオオゼイでイタダクと、オショクジがいっそうオイシクなりマスね!」

確かに、こんなだだっ広い食堂で、ひとりきりで食べてたら寂しいだろう。でも、それなら、お手伝いさん達とも一緒に食べればいいのに。西欧の貴族社会というのは、そうはいかないのだろうか?

「うめえっ!俺、こんなうめえもん食ったの、初めてや。」

「ほんと……おいしいっ!」

サヤちんとテッシーは、感動しっぱなしだ。私の方は、どうにも先日のバーサーカー戦が頭にあるので、落ち着かない。食欲も、湧いてこない。

「オー、ミツハさん。あまりオハシがススマナイようデスね?おクチにアイませんデシたか?」

「え?……い……いいえ、とってもおいしいです……ちょっと……昨日の夜、食べ過ぎたんで……」

まさか、イリヤの話を出す訳にはいかない。衛宮くんが、激昂させたくらいだから……

 

“ゼヒ、とまってイッテくだサイ!”と言われたが、とても眠れる気がしなかったので、断った。私が帰ると言うので、サヤちんとテッシーも帰る事になった。ふたりには申し訳無いが、私は、一刻も早くこの城を出たかった。名残惜しそうなクロエさんに別れを告げて、私達は城を後にした。

 

 

三葉達が帰った後、食堂でひとりハーブティーを飲んでいるクロエの所に、メイドが荷物を持って入って来る。

「クロエスフィール様、本国より、例の物が届きました。」

「オー、ツイにキマシタか?」

メイドは、荷物をテーブルの上に置き、お辞儀をして食堂を出て行く。

クロエは、荷の包装を剥がし、中から箱を取り出す。そして、ゆっくりと箱を開ける。

中には、赤錆びた、“熊手”の先端部が納められていた。

「コレで、アトは、イッシュウカンまえヲまつだけデスね?」

 

 

 

 

冬木では、ここ数日、新都のガス漏れ事故や、原因不明の昏睡事件が多発していた。強敵のバーサーカーが居なくなった事により、キャスターがやりたい放題になって来たようだ。一刻も早く、キャスターのマスターを突き止めなくてはならない。

今日は休日で学校は休みだったため、俺と遠坂とセイバーは、居間でこの件について話し合っていた。

「やっぱり、一成が怪しいわ。」

「一成が?」

「柳洞寺に蔓延るキャスターと、柳洞寺から通っている一成、これで、因果関係が無い訳は無いでしょう。」

「だけど、一成がキャスターと手を組んで、あんな非道をするなんて考えられない。」

「アーチャーが言っていたけど、既に、キャスターの操り人形にされている可能性だってあるわ。」

その時、玄関の呼び鈴が鳴った。玄関に行くと、来ていたのは噂をしていた一成だった。

遠坂は、廊下の影に隠れて、俺達の会話を聞いている。

「どうしたんだ、一成?」

「うむ、先程生徒会の用事で葛木先生に呼ばれてな。ついでだから休日の衛宮の顔を見て行こうと思い立った次第だ。」

「そうか、葛木先生も学校に居るんだな?」

「ああ、今朝も早く出かけられた。衛宮も知っての通り、生徒会はいつも用事よ。」

「ちょ……ちょっと待った、葛木先生が朝早く出かけたって、何で知ってるんだ?」

「同じ屋根の下で暮らしていれば、当然であろう。」

「それ、どういう事だ?」

「はて?……言って無かったかな?これは失敬、葛木先生は3年程前から、柳洞寺に住んでおられるのだ。」

 

何だって?葛木先生が、柳洞寺に?

 

「生徒会長!」

そこで、隠れて聞いていた遠坂が出て来てしまう。

「げっ!遠坂……な……何で衛宮の家にお前が?」

驚き、後ずさりする一成。しかし、遠坂はお構い無しに質問を浴びせる。

「そんな事はどうでもいいわ!最近、柳洞寺で何か無かったかしら?」

「ええい!盗み聞きするような奴に、何も話す事など無いわ!」

「待て、一成!俺からも頼む、教えてくれ。」

「な……何なのだ?お前達……ううむ……何か、あるかと言えば……葛木先生は、近々祝言を挙げる。2週間程前、許婚だという女性を連れてきてな、どこか布に落ちぬところがあるものの、めでたい話だ。特別に、住まう事を許可した。今は、離れの部屋で共に暮らしている。」

 

一成が行った後、再び居間で話し合う。

「決まりね、葛木先生がマスターで、その婚約者がキャスターだわ。」

「決め付けるのは危険じゃないのか?」

「でも、確かめてみる価値はあるでしょ?」

「確かめるって、どうやって?」

「葛木先生は今、学校に居るのよね?手を回して、帰りが遅くなるように仕向けるから、待ち伏せして襲撃しましょう。決行は夜。」

「だけど、もし間違いだったら?」

「それで、葛木先生がマスターかどうかはっきりするでしょ。軽くガンドを撃ってみて、間違いだったら、風邪で2~3日寝込むでしょうけど……私も、可能な限り手加減する。躊躇ってる余裕は無いのよ、士郎。」

これ以上、犠牲者を増やす訳にもいかない。俺は、遠坂の提案を承諾した。

 

夜になり、俺達は、市街地から少し離れた、潰れたガソリンスタンドに来ていた。

「ここから柳洞寺まで一本道だから、葛木は必ずここを通るわ。ここで罠を仕掛けて、迎え撃つ。おあつらえ向きの場所でしょ?簡易的ではあるけど結界を張ったから、外から見られるのはアウトだけど、防音だけは完璧よ。」

そこに、葛木が近付いて来るのが見えた。俺と遠坂は急いで建物の中に、セイバーは木の陰に隠れた。葛木がスタンドの手前に差し掛かったところで、遠坂が仕掛ける。

遠坂はガンドを放つが、何者かがそれをガードした。葛木が持っていた傘は壊れたが、葛木は無事だ。

「忠告した筈ですよ、総一郎様。このような事があるから、あなたは柳洞寺に留まるべきだと。」

葛木の前に、キャスターが姿を現す。

「そうでも無い、実際に獲物が釣れた。」

「そうね……もっとも、あまり大きな獲物では無いようですけど……さあ、そこから出て来なさい、馬鹿な魔術師さん。」

遠坂は、相手に聞こえないように小声で言う。

「士郎、準備はいい?合図をしたら行くわよ。」

「すまん、それは後にしてくれ、遠坂。」

俺は、強化した木刀を持って、キャスターの前に出て行く。

「え……ちょ……ちょっと、士郎!」

「あら、以外ね。少しは物分りが良くなったのかしら?坊や。」

「遠坂に衛宮か?」

葛木が言う。

「間桐だけでは無く、お前達までマスターとはな……魔術師とはいえ、因果な人生だ。」

俺は、葛木に問う。

「葛木、あんた、キャスターに操られてるのか?」

「その質問の出所は何だ、衛宮?疑問には、理由がある筈だ。言ってみるがいい。」

「あんたは、魔術師じゃない。まともな人間だろう?なら、キャスターがやっている事を、あんたは知らないんじゃないかって思ったんだ。」

「キャスターがやっている事だと?」

「そいつは柳洞寺に巣を張って、町中の人間から魔力を集めてる。ここ最近のガス漏れ事故や昏睡事件は、全部そいつの仕業だ。このまま放っておけば、いずれ死んじまう人間も出るだろう。」

「成程、確かに初耳だ……だが、それは悪い事なのか?衛宮?」

「何だって?!」

葛木の回答に、俺は愕然とする。

「キャスターも、随分半端な事をしているな。一息に命を奪った方が、効率がいいだろうに。」

「あんたは、無関係な人間が巻き込まれてもいいって言うのか?」

「構わんな、他人が何人死のうと、私には関係無いことだ。」

「葛木……あんたいったい……」

「私は魔術師では無いし、聖杯戦争とやらにも興味は無い、誰と誰が殺し合おうと構わん……私は、そこいらに居る朽ち果てた殺人鬼だよ。」

「そうか、では、ここで死しても構わぬのだな?キャスターのマスターよ!」

セイバーが飛び出し、葛木に向かって突進して行く。

「お待ちなさい!セイバー!」

キャスターが、セイバーに向かって光弾を放つが、ここで遠坂が飛び出して、キャスターの光弾を無効化する。そして、セイバーは一気に葛木に切り掛かる。

しかし、葛木は肘と膝で、セイバーの剣を受け止めてしまった。

「何?」

「侮ったな?セイバー!」

そして、素早くセイバーの背後に回り込み、拳でセイバーを攻撃する。

左肩に一撃を受けたが、体勢を立て直すセイバー。そこに、葛木の正拳が矢の如く飛んで来る。何発かは交わすが、何発かは喰らってしまう。

「拳が、魔力で強化されているのか?」

「良く交す。動体視力というより、勘の鋭さ故か?」

再び左肩に強烈な一撃を喰らい、大きく後ずさりするセイバー。左腕は麻痺して、剣が持て無くなっている。そこに、葛木が突進して来る。交わしたかに見えたが、首を掴まれ、そのまま吊り上げられてしまう。

「ぐわあああああああっ!」

首を絞められ、苦しむセイバー。苦し紛れに剣で攻撃するが、難無く交わされ、更にはガソリンスタンドの奥まで弾き飛ばされてしまう。

「セイバー?!」

「そんな……馬鹿な?」

「マスターの役割を、後方支援と決め付けるのはいいがな、例外は常に存在する。私のように、前に出るしか能の無いマスターも居るという事だ。」

「マスター、セイバーには、私が手を下します。あなたは、残ったマスターを。」

「よかろう、行け。」

キャスターは、蝶になって俺達の前から消える

「上等、セイバーは面食らってやられたけど、要は近付かれる前に倒せばいいんでしょ?」

遠坂は葛木に向かってガンドを放つが、素早い動きで全て交わされ、あっという間に間合いを詰められてしまう。そして、腹部に一撃。遠坂は、大きく吹き飛ばされ、後方の手摺に叩きつけられてしまう。

「遠坂あああああっ!」

俺は、強化木刀で葛木に飛び掛かるが、いとも簡単にそれは砕かれ、葛木の正拳を何発も喰らってしまう。倒れそうになるが、項垂れる遠坂が視界に入って、何とか踏み止まる。

 

殺される、こいつを止められなければ、皆死ぬ!俺だけじゃ無い、遠坂も、セイバーも……武器、強い武器が欲しい!そうだ、あいつが持っていたような!

 

アーチャーの言葉が、頭に浮かぶ。

“勝てる物を幻想しろ!お前にできる事などそれしか無いのだから”

「トレース・オン!」

俺の両手に、アーチャーが持っていた白と黒の剣が投影される。

「はあああっ!」

俺はその剣で、葛木の正拳を弾く。

「?!……うそ?」

それを見た、遠坂が驚く。

「マスター!」

そこに、キャスターの叫び声が響く。復活したセイバーが、葛木に切り掛かる。だが、間一髪、キャスターが葛木を抱えて飛び避ける。

「せ……セイバー……うっ!」

俺は、そこで力尽きて跪く。それと同時に、トレースした剣は砕けて消滅してしまう。

セイバーは、更に切り掛かろうとするが、

「お待ちなさい!野蛮な殺し合いはもうやめて、私達と手を組まない?」

キャスターが、停戦を申し入れて来る。

「世迷言をっ!」

「ど……どういう事かしら?」

ようやく起き上がった、遠坂も会話に加わる。

「あなた達の目的も、聖杯を手に入れる事でしょう?なら、戦う必要は無いわ。殺し合わずとも、聖杯は召還できるのよ。」

「何だって?」

「私はもう聖杯の仕組みを把握しているの。協力するなら、あなた達にも聖杯の恩恵を分けてあげてもいいわ。」

「どうやって聖杯を手に入れるって言うの?」

「この土地は、聖杯を卸すに足る霊脈を揃えている。あとは聖杯召還の核となる物と、召還した聖杯を維持する大量の魔力さえあれば、聖杯の力は手に入るのよ。」

その話を聞いた遠坂が、見透かしたような顔で問い詰める。

「結構な話ね?それで、あなたの言う大量の魔力って、いったい何人の人の魂を燃やせばいいのかしら?」

 

何?人の魂で、聖杯を維持するつもりなのか?

 

「そうねえ……聖杯を呼ぶだけなら、この町の人間全て使えば足りるでしょうけど、十分に動かし続けるには不足ね。でも、安心なさい。幸い現世には、うんざりする程の人間が溢れている。火にくべる薪はいくらでもあるわ。」

 

火にくべる薪だと?人の命を、何だと思ってるんだ?

 

「もうひとつ、聖杯召還の核になる物って……要するに、魔術師の事よね?聖杯に触れられるのはサーヴァントだけだけど、呼べるのは魔術師であるマスターだけ。でも、あなたのマスターは魔術師じゃない。だから、代用品が必要って事でしょ?」

「どういう事だ?魔術師が必要って?」

「生贄よ……あの女は魔術師を、聖杯の生贄にしようとしてるの。」

「生贄とは野蛮な言い方ね?魔力を発火させる装置として使うのよ。聖杯を卸した瞬間、火力に耐え切れず、燃え尽きてしまうでしょうけど。尊い犠牲と思いなさい。どう?どうせ殺されるなら、どちらかが犠牲になって、もうひとりの望みを叶えようと思わない?」

「士郎、凛、耳を貸してはいけない!」

「当たり前だ!」

セイバーの言葉に、当然とばかりに俺は怒鳴る。

「残念ねえ……でも、あなた達以外にもひとり、相応しい魔術師は居るわ。」

そこまで言って、キャスター達は姿を消してしまう。

「相応しい魔術師って?」

俺の脳裏に、イリヤの姿が浮かぶ。

「まさか?あいつはイリヤを狙ってるんだ!セイバー、頼む!」

「はい!」

セイバーに先行させ、俺達も急いで家に向かう。

その途中で、遠坂が聞いて来る。

「士郎、さっきのは何?あなた、強化しかできないんじゃ無かったの?」

「いや、そうだけど……始めにできた魔術が“投影”で……」

「それ、頭に来るくらい聞いてない!」

 

セイバーは、一足早く衛宮家に到着する。

居間に飛び込んだセイバーは、倒れている桜を見つけて抱き起こす。

「桜……桜!」

「ん……んん……セイバーさん?」

桜は、目を覚ます。

「桜、」

安堵するセイバー……しかし、

「しっかり……うっ!」

倒れ込むようにセイバーに寄り掛かった桜が、セイバーの胸を刺した。

歪な形をした、虹色に光る剣で。

「さ……さくら……」

「ふっ……うふふふふふ」

短剣なので、傷は浅かった。セイバーは、即座に立ち上がって桜から離れる。桜も、笑いながら立ち上がる。しかし、その目は生気を失っており、声は、桜の声では無かった。

「抜かったわね、セイバー。これが、あらゆる魔術契約を無効化する我が宝具、“ルールブレイカー”よ。」

「る……ルール……ブレイカー?」

「この娘の魔力では、あなたの契約解除までは無理だったけど、切り札を封じる事はできた。私の勝ちよ、あなたはもう聖剣を使えないわ!」

「な……何?うっ!」

電撃のようなものがセイバーの体を貫き、セイバーは再び蹲ってしまう。

「セイバー、ど……どうしたっ!」

そこに、士郎と凛が駈け付ける。

「さ……桜が、キャスターに……」

「うふふふふふふふふ……」

桜の体は宙に浮いていて、士郎達の横をすり抜け、庭に出て行ってしまう。

「桜っ!」

それを追いかけ庭に出る士郎と凛、しかし、振り向いた桜は、セイバーを刺した短剣を自分の首筋に当てていた。それを見た、士郎達の足が止まる。

「この娘は、聖杯を呼ぶ生贄に貰っていくわ。潜在的に、魔術回路を持っていますからね。」

桜が喋っているが、声はキャスターの声である。

「取り返したければ、私の神殿にいらっしゃい……ふっ、あははははは……」

そのまま、桜の体は天に昇って行ってしまう。

「さくら……さくらああああああっ!」

「し……士郎……」

そこに、よろけながらセイバーが出てくる。

「セイバー、大丈夫か?」

跪くセイバーに、士郎が駆け寄る。

「傷は、大した事ありません……ですが、聖剣を……封じられてしまいました。」

「聖剣を?」

「あれは、キャスターの宝具です。魔術契約を、無効化する効果があると……」

「あの剣に、そんな力が?」

すると、そこまで黙って空を見詰めていた凛が、口を開く。

「柳洞寺に急ぐわよ。」

「何だって?しかし、セイバーがこんな状態で……」

「あいつは、直ぐにでも聖杯を呼ぼうとする筈よ。急がないと、桜が危ないわ。」

「行きましょう。私なら大丈夫です。」

セイバーが、意を決して立ち上がる。

「セイバー……分かった、行こう!桜を助けるんだ!」

俺達は、その足で柳洞寺に向かった。

 






キャスター戦は、殆ど原作通りです。(ごちゃ混ぜにはなってますが)
士郎の覚醒もあり、話が繋がらなくなるので、三葉との入れ替わりもありません。
但し、ラストは少し変えてあります。

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