らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜 作:ガイアード
ワイバーンとの激戦を制し、もう1つの場所へとアイテムを回収しに向かい、無事にアイテムを手に入れ、更には回復も済ませる事が出来た俺達。
この階での探索もいよいよ大詰めの気配を見せていたが、俺達は最後まで気をぬかないように心がけつつ、残りの場所に向けて移動を開始したのだった。
この先の事が気になったのか、こなたは俺に
「ねえ、慶一君。この後はどうするの?」
と声をかけてきたのを受けて、俺はそれに頷きつつ
「そうだな。後はこれから行く地下寺院の中枢へと赴いてその場所の探索と最後の山場、風の王デジンとの戦闘とアイテムの奪取という事になるかな。なんにしてもこれがこの階最後の探索になるだろうから気を引き締めて行こう。」
と、そうこなたに答えると、こなたも頷いて
「おっけー。やるべき事は理解したよ。とりあえずはアイテムとこの階のボスの撃破でひとまず終われそうだね。」
そう答えるのを受けて、俺は頷きで返しつつ
「とりあえずはな。あ、それと、ボス戦前にこなたに頼みたい事があるから、その時には声かけるからよろしくな。感じ的にはボス戦前になるだろうから一応覚えておいてくれ。」
そう言うと、こなたは頷きつつサムズアップしながら
「はいよー。じゃあ、その時は言ってね。」
と、返事をするこなたに俺も頷くのだった。
そんな中、ちらりとパーティの後方へ目をやると、なんだかみゆきが浮かない表情をしているのが見て取れたので、俺はそんなみゆきの事が気になり声をかけてみた。
「みゆき、なんだか浮かない顔だな?どうかしたのか?」
俺の言葉にみゆきはその表情のまま俺に顔を向けて
「・・・上手くは言えないのですが、さっきの鍵を入手した泉から移動を始めた頃から何だか妙な胸騒ぎがしていまして・・・この感覚が私の取り越し苦労ならいいのですけど・・・」
と言うみゆきの言葉に俺もちょっと首を傾げつつ
「んー?そうなのか?お前も結構心配性な所あるよな。それが悪いとは言わないが、あまり気にしすぎててもよくないと思うぞ?」
そう、みゆきに言うと、みゆきも苦笑しつつ
「そ、そうですね。とりあえずは今私達がすべき事に目を向けたいと思います。ご心配をおかけしました。」
そう答えるみゆきに俺は首を左右に振って
「いいさ。こんな場所だし、悪い事を考えたり、そんな予感を感じる事は誰にだって起こりうることだしな。むしろ、正常でいられるほうが難しいとも言える状況だ。むしろ、その気持を持っている方が無茶をせずに済むだろうからな。適度に緊張しておく事に越した事はない。まあ、何事にも程々にでいいと思うよ。」
そう言う俺の言葉にみゆきはにっこりと笑顔を見せつつ
「そうですね。程々に・・・心にとどめておきます。」
そう俺に答えるのを受けて、俺も頷きで返したのだった。
そうこうしているうちに、俺達は複雑に入り組んだ通路の丁度分岐店に当たる場所まで戻って来た。
そして、今度はその部分を北に方向を変えて移動して行く。
その通路をしばらく進むと、通路の終わりに扉が現れた。
俺達はその扉を開き中に入って行く。
そして、中にはいかにも寺院の中枢を思わせる広い場所へと風景を変えた。
その場所の中央には大きな扉が1つあり、そして扉の左右には大きな空間が広がり、周りに見える装飾などは礼拝堂のようなそんな場所を思わせた。
「へえ?中々広い場所に出たじゃない?ここが目的地なの?」
「おー。真ん中にはいかにも、って感じの扉があるなー。」
「ここって寺院、って事みたいだけど、この階全体がそうなんだとしたら、これほど大きい場所ってない気がするねえ・・・」
「何だか不思議な感じ~・・・雰囲気とかがこれまで通って来た所とは少し違う気がするね~。」
「ここが寺院だとして、これほどに広い場所を管理する方はいらっしゃるのでしょうか?」
と、それぞれにこの場所の感想を口にしていたのを聞いて、俺はその言葉に頷きつつ
「御坂さん。ここがこの階の最終目的地さ。こなた、まあ、確かにそうだよな。ここまででかいと寺院とは呼べないかもだし。それと、みゆき。一応管理者はいるよ。まあ、そいつともすぐに会う事になるさ。だが、その前に左の壁沿いを進むぞ。まずはそっちにあるワープゾーンからいける場所へ行くのが先だからな。」
そう説明すると、皆も俺の言葉に頷いてくれ、俺が動き出すと同時に後について来てくれた。
俺は、そんな皆を引き連れつつ、ワープゾーンの入り口の扉の場所までやってくると、皆に指示を出した。
「皆。ここがワープゾーンのある場所だ。俺の後について飛んでくれ。先に飛んだ俺はワープゾーンの出口で待っている。皆が揃い次第出発するからそのつもりでな。」
そう言うと、皆も緊張の面持ちで頷いてくれたのを見て、俺は扉を開け、中に飛び込む。
そして、浮遊感を感じた瞬間、俺はさっきの場所とは別の場所へと飛ばされて来た事を理解した。
そして、出口から少し離れて待っていると、次々と皆が現れた。
「うわっ!って、ここどこ?あ!慶一さん。」
「なんだなんだ?何が起こったんだってヴァ!ってあれ?慶一に御坂じゃん。って事は無事ついたんか?」
「いーやっほうー!お?皆ももう到着してるね。お待たせー。」
「はわわっ!あうっ!い、痛いよ~・・・転んじゃったよ~・・・」
「んっ!どうやら無事にたどり着けたみたいですね。皆さん、お待たせしました。」
と、到着するなり口々に言う皆に俺も
「皆、無事に着いたみたいだな。とりあえず全員合流できたみたいだし、先に進むぞ。」
そう言うと、皆も頷いて俺の後について歩き出した。
そして、少し奥に行くと、1つだけ扉の見える場所に着く。
俺はそれを確認すると、皆に指示を出した。
「よし、着いたぞ。皆、この中に入ってある機械を探す。そして、ここに来る前に4階で取って来たバッテリーをその機械を動かすのに使う。そして、アイテムの入手だ。そう言う訳だから行くぞ?」
そう言って俺は扉を開き、中に入る。
皆も俺について部屋へと進入したのだった。
そして、皆に部屋の中を調べてくれと指示を出し、俺もまた、部屋の中を探して行った。
すると、御坂さんが何かを見つけたらしく、俺に
「慶一さん。ここにボタンがいくつかついている機械を見つけたけど、これの事?」
そう言って、見つけた物を指差しながら聞いて来たのを受けて、俺もそちらへと行って御坂さんの示した物を確かめる。
そして、俺は頷きながら
「うん。これだ。ありがとう、御坂さん。皆、探し物が見つかった。集まってくれ。」
そう声をかけると、他の皆もこちらへと集まって来たのを見て、俺は説明を始めた。
「これが俺達が探している機械、多次元霊化機って奴だ。これをバッテリーをつなげて動くようにして、ボタンを操作する事でアイテムが入手できる。それじゃ早速やるぞ?」
俺の説明に感心する皆を見つつ、俺は手に入れていたバッテリーを機械にセットして早速操作を始めた。
俺の作業を見守りながらこなたは
「ねえ、慶一君。これって操作を誤ったらドッカーンとかそう言うのはないよね?一応聞いておくけど。」
その言葉に俺は機械を操作しながら頷きつつ
「大丈夫だ。操作を間違えたらやり直しにはなるが、爆発するような事はない。っと、よし、これで、っと・・・」
そう言って最後のボタンを押し終える俺。
「そっか。なら心配ないね。」
そんな俺にこなたは安心したような表情でそう応えるのを見て、俺は苦笑しつつ
「時にはそんなのもあったりするから油断は出来ないけどな。とはいえ、操作は済んだ。機械は正常に静まったはずだ。近くにアイテムが落ちているはずだから探してくれ。」
と、皆に言うと、皆も俺の言葉に周囲を探し始めた。
そして、みさおが機械の側で何かを発見したらしく、俺に見つけた物を持ってきて見せてくれた。
「慶一、こんなのがあったけど、これでいいんか?」
そう言って見せてくれたアイテムは”懐中時計”だった。
俺はそれを手にとって確認すると1つ頷いて
「ああ、間違いない。これがそうだ。皆、アイテムが見つかった。ここを出るぞ?」
と声をかけると、皆もその声に気付いて俺の側に来た。
「とりあえずここでのミッションは終了って事よね?」
「じゃあ、次行ってみようゼ!」
「後もう少しで終わりだし、頑張りますかー。」
「もう大分時間も経っちゃってるよね?早く済ませて地上にもどらなきゃ。」
「そうですね。その為にも進みましょう。」
と、皆も口々にそう言っているのを聞いて、俺も頷いて
「そうだな。よし、残りは後1箇所。最後まで気を抜かず行くぞ?それじゃ部屋を出たらまたワープゾーンに乗ってさっきの場所へと戻るから俺についてきてくれ。」
そう俺が言うと、皆も俺の言葉に頷いて、俺が動き出すと同時に後について来てくれた。
俺は皆がついてきてくれている事を気配で感じつつ、この場所から出るためのワープゾーンへと歩みを進める。
そして、ワープゾーンにたどり着くと俺はそこへと飛び込んだ。
最初の時のように俺は出口で皆を待ち、全員が揃った所でこのエリアの中央にある大きな扉を目指した。
そこが目指すべきこの階での最後の場所でもあった。
そして、そこに向かう途中、俺はこなたに
「こなた。”宝石のシャク”は持っているな?扉の前についたらさっきお前に言ったように、お前にやってもらう事がある。だから、準備はしておいてくれ。」
俺の言葉にこなたは頷きつつ
「うん。わかったよ。でも、どうして私なの?」
そう尋ねてくるこなたに俺は苦笑しつつ
「はは。実はあの扉の所にはこの寺院の管理人とも呼べるべき人物がいる。そいつをロード・ハイマンティというんだが、高位のビショップであるとはいえ、中々に手癖の悪い奴でな、時折隙を見ては俺達の持つアイテム盗もうとしてくるのさ。だから、こなたに奴と話をしてもらい、奴がアイテムを盗もうとしてきたらそれを阻止してもらう必要がある。俺達ではそれは難しいが、こなたなら盗賊の素早さでそれが出来るだろうと見越しての事さ。奴もアイテムを盗めないとわかればバツの悪そうな態度になって退散してくれる事だろう。そうして奴を追い払う事が最大の目的って訳だ。」
俺の言葉にこなたは呆れたような表情で
「ふーん?聖職者にあるまじき行為をするって訳だね。聖職者が聞いてあきれるねえ・・・」
その言葉に俺も苦笑しながら
「まあ、そうだな。ともかくそういう訳だから、よろしく頼む。」
そう言うと、こなたも頷きながら
「了解だよ。それじゃ、さっさとやってしまいますかー。」
そう言うこなたに俺も頷きで返しつつ、俺達は大きな扉の前まで歩みを進めた。
そして、こなたに合図を送ると、こなたも頷いて扉まで歩いて行く。
すると、そんなこなたの行く手を遮るかのようにして聖職者の姿をした小太りの男がこなたの前に現れたのだった。
こなたと聖職者の姿をした男<ロード・ハイマンティ>が色々とやりとりを始めるのを俺達はこなたの後ろからじっと見つめていた。
こなたside
慶一君に言われた通り、この場所の管理者である聖職者の姿をした男が扉の前に現れたのを受けて、私はその男と適当なやりとりを始める。
一応この男も聖職者と言う肩書きがあるだけの事はあり、私とのやりとりの中で提示して来たお金を払えば回復をしてやる、という言葉に適当に応じたのだけど、その回復力は今のつかさなんかよりもはるかに凄いものだった。
何しろ、かけてもらった呪文で私にあったダメージが一気に完全回復したのだから、その凄さの片鱗も伺えた。
そんな中で私も、男の行動に注意しつつやりとりを進めて行くうちに、ついに男が動くのを感じた。
男は隙を見て私の懐からアイテムを盗もうと手を伸ばして来たのだが、それに気付いた私はすかさずその男の手をひっぱたいて
「リアルでひぎいはノーサンキュッ!!」
と言いながら男を睨みつけると、男は盗みに失敗した事に対しての悔しさと共に聖職者としての行為としてはいささか逸脱した行為をした事に対する罪悪感もあって、なんともバツの悪そうな顔をして私の前から立ち去った。
それを見ていた慶一君が私に
「ご苦労さん、こなた。これで目的は達成だ。」
そう言ってくれるのを聞いて私は慶一君にサムズアップしながら
「まーかせて。この程度の事ならお安い御用だよ。」
と、ウインクをしつつ応えた私だった。
慶一side
こなたに託した任務は見事に成功し、ロード・ハイマンティはひとまずこの場所から退散していった。
俺は作戦の成功を改めて確認すると、こなたにねぎらいの言葉をかけた。
こなたもおどけながらもそんな俺の言葉にウインクしながら応えてくれたのを見て、次は俺の番だな、という事を改めて思うのだった。
そして、いよいよ目の前の扉の封印を解除し、この階での最後の戦いの為に、俺はもう一度こなたに声をかけた。
「こなた。お前が持っている宝石のシャクをその扉にかざすんだ。そのアイテムの魔力で扉の封印が解ける筈。そして、封印をといたらいよいよこの階での最後の決戦だ。頼むぞ。」
そうこなたに言うと、こなたは俺に頷きを返しながら
「うーい。それじゃあっと。ほい!」
そう言ってこなたは持っていた宝石のシャクを扉にかざす。
すると、アイテムからあふれ出た魔力が扉に作用し、何かが外れる音が扉の内部から聞こえた。
その音を聞いたこなたは俺に
「何かが外れる音が聞こえたよ?これでいいの?」
そう聞いて来たので、俺はそれに頷くと
「ああ。それで扉の封印は解けた。皆、戦闘の準備だ。作戦を伝えるぞ。内部に飛び込んだらみゆきは今使える最大の威力の魔法で取り巻きを潰してくれ。俺達前衛はデジンを押さえ込む。こなたとつかさはみゆきが仕留め損ねた取り巻きにとどめをさしてくれ。その後は俺達の持てる力の全てをぶつけてデジンを倒す。いいな?」
そう言うと皆も手を上げて「「「「「おー!」」」」」と気合を入れるのを見て、俺はそんな皆に頷くと、扉に手をかけた。
その時、そこにみゆきが声をかけて来た。
「慶一さん、あの・・・」
口篭もるみゆきに俺は首を傾げつつ
「ん?どうした?みゆき。何か質問か?」
そう尋ねると、みゆきは下を向いて少し戸惑っているようだったが、おもむろに顔をあげると
「・・・さっき私は慶一さんに妙な胸騒ぎがする、と言いましたよね?」
その言葉に頷きで返す俺に、みゆきは更に言葉を続けた。
「気のせいだろう、さっきはそう思っていましたが、ここに来てその胸騒ぎがまた起こっています。慶一さん・・・くれぐれも用心してください。戦いの前にこのような事を言う事は指揮にもかかわる事はわかっているのですが・・・どうしても不安が拭えませんでしたから・・・」
そう忠告してくれるみゆきの頭に手をポンと乗せて俺は頷きつつ
「わかった。お前の忠告は心に刻んでおく。とりあえずはいつまでもこうしていても仕方ないからな。行くぞ?みゆき。」
そう言葉をかけると、みゆきの表情はまだ弱冠の不安があるようだったが、それでも気持を切り替えてくれたようで、俺に力強く頷いて
「ありがとうございます。慶一さん、私も頑張ります。ここも勝って、全員で地上へ帰りましょう。それじゃ慶一さん、号令をお願いします。」
その言葉に俺も頷きで返しつつ、再度扉に手をかけて
「よし!皆、行くぞ!?この階の最終決戦だ!!俺に続けー!!」
そう叫ぶと同時に俺は扉へと飛び込んだ。
そのすぐ後ろから皆も気合の声と共に中へと飛び込んでくる。
そして、飛び込むと同時に相手からの先制の魔法が飛んで来た。
それが俺達とデジンとの開戦の合図となったのだった。
「マハリト!」「メリト!」「メリト!」
ボウゥゥン!キュキュキュキュキュンッ!ズドドド・・・!!
と、無数の魔法が俺達に襲い掛かる。
「「「「「「うおあああっ!!」」」」」」
と言う叫び声を上げる俺達は、少しばかり手痛いダメージを受けてしまった。
「んのおっ!!」「でいっ!」「だあああっ!!」
とダメージを受けた体のままではあったが、俺達前衛3人はデジンを抑えにかかる。
その時にちらりと敵パーティの構成を見たが、そこにはデジンと取り巻きにトーガ・ラマが4匹いた。
俺達は取り巻きには目もくれずにデジンの元へと殺到した。
そして、剣を振り上げて3人同時に切り込む。
「おおっ!!」「やあっ!!」「せいっ!!」
ブオッ!ビュン!ギュンッ!
と剣を振ってダメージを与えようとするが
ガシインッ!!
と言う音と共に俺達の攻撃が止められる。
俺達はその事に驚愕しつつも、取り巻きをみゆき達が仕留めるまでの間、デジンの動きを押さえ込んだ。
「ふふふ。中々やるな、人間よ。最初の攻撃に耐えた事といい、中々の実力を持っているようだな。」
と、俺達の攻撃を受け止めながらデジンは不敵な笑みを浮かべつつ、俺達を徐々に押し返しつつそう言う。
俺はそんなデジンに負けじと不敵に笑いながら
「そりゃそうだ。ここに来るまでに俺達も散々鍛えてきたからな。ただの人間と侮ってもらっちゃあ・・・困るってもんだ!!」
そう言いながら、俺達もその押し返しに対抗して力を込めて押さえ込みに行く。
その後ろでトーガ・ラマが更に魔法攻撃をかけようと口を開きかけたのだが、そこに
「させないよ!モンティノ!!」
ブウウウンッ!!パアアアッ・・・
とつかさの魔法封じの呪文がぶつけられ、運良くトーガ・ラマ全員の呪文の封じ込めに成功した。
更にそこにみゆきの追撃が入る。
「これで消えなさい!マダルト!!」
ヒュゴォォォォッ!カキーン!!パリンッ!!
と氷系の呪文を叩き込まれたトーガ・ラマの3匹が凍り付いて砕け、残った1匹も瀕死のダメージを負ったようだった。
その隙を逃さすこなたが追撃をかける。
「はい、もらいっと!!」
ビシュビシュッ!ドス!ドス!
と、こなたの放つクロスボウの矢が瀕死の生き残りにヒットし、それがとどめとなり
ズンッ・・・
と言う重苦しい音を立ててトーガ・ラマが倒れた。
俺はその様子をデジンの攻撃を受け止めながらも確認し、2人に目配せをする
「くらえっ」「せやっ!!」「はあっ!!」
ビュッ!ブンッ!ヒュオッ!
その俺の合図に2人ももう一度剣を振り上げてデジンに斬りつけようと動く。
「甘いな」
フォンッ!ドカ!ドカ!ドカッ!!
だが、それよりも早いデジンの攻撃が俺達を打った。
「ぐあっ!?」「あうっ!!」「つっ!!」
と、その攻撃に俺達は堪らず後ろに下がる。
「受けよ、我が力を!」
フゥゥゥゥッ!!ヒュボォォォッ!!
そう言って、デジンは俺達に風のブレスを浴びせ掛けた。
ズババババババッ!!
ブレスはまさにカマイタチのように俺達の体中を切り裂いた。
「うあああっ!」「きゃああっ!!」「うぐうううっ!!」「あうっ!!」「はわわわっ!!」「く・・・うっ!!」
そのダメージに俺達は思わず苦悶の声を上げる。
そんな俺達に、更にデジンは突っ込んできて攻撃を仕掛けた。
「ははは!どうした!?その程度なのか?人間共よ!!」
ドカッ!ガスッ!ドンッ!ズガッ!
「「「「「「うああああっ!!」」」」」」
まさに、風の王の名に恥じないそのスピードから繰り出される攻撃に俺達は翻弄されていた。
そして、デジンは一度俺達から距離を取り
「ふん。ここまで来れるほどの実力があるようだと少しは警戒もしていたが、この程度とはな。拍子抜けしたぞ?」
と、腕組みをしつつ余裕の表情で俺達にそう言葉をぶつけるデジン。
「・・・へっ!俺達がこの程度だと?見くびるな!!」
「ちょっとだけ動きが速い程度のあんたなんかに遅れなんてとりはしないわよ!」
「散々やってくれやがって!このお返しはきっちりさせてもらうかんな!!」
「あんまり私たちをなめない方がいいよー?風の王さん。」
「ま、負けないもん。皆で帰るんだから!勝って皆で帰るんだから!!」
「あなたのその余裕もそれまでですよ。ポンチ!」
そう言って俺達はデジンに負けじと言葉を返しつつ、みゆきは俺達に攻撃回数アップの魔法をかける。
最後にみゆきのかけた魔法に弱冠の顔色を変えたデジンだが、すぐにその表情を戻して俺達をねめつける。
速度と攻撃回数の上がった前衛の俺達3人はすぐさまデジンへと肉薄した。
いきなりの行動に一瞬対応が遅れたデジン。
俺達はその隙を逃さなかった。
「そらよっ!!」「てやあっ!!」「おらー!!」
ビシュッ!ズバッ!ザンッ!ザシュッ!ズガッ!ドズッ!
と攻撃回数の増えた分だけダメージを与える俺達。
これにはさしものデジンも慌てて、俺達の攻撃に何とか耐え切りながらも俺達から距離を取る。
だが、そこに移動する事を見越したこなたのクロスボウの矢が既に放たれていた。
「うっし!計算通りー!」
ビシュビシュビシュッ!ヒュッ!ヒュッ!ドスッ!!
3本の矢のうち1本だけだったが、デジンにヒット。
「うぐぉっ!?」
と苦悶の声を上げて片膝をつくデジン。
更にそこにつかさの呪文が飛ばされた。
「当たって~!!バディアル!!あ!?」
ブウゥゥゥン!バシッ!!
つかさのバディアルはデジンの体を捕らえたものの、魔法の抵抗により打ち消された。
「ふん!効かぬわ!!バディアル!!」
ブウゥゥゥンッ!バンッ!!
と、逆につかさと同じ魔法で返すデジン。
この魔法はつかさにヒットしてしまう。
「きゃあああっ!!」
と言う悲鳴とともにダメージを受けてしまうつかさ。
それを見たみゆきがデジンに魔法を放つ。
「つかささん!!受けなさい、デジン!!ツザリク!!」
フォンッ!ドズッ!!
つかさに気をとられていたデジンは回避が遅れたためにみゆきの魔法の直撃を受けた。
「ぐおおおっ!?」
と言う苦悶の声と共に更にひるむデジン。
何とか体制を立て直そうとするデジンだったが、ここで更なる追撃がなされた。
「いい加減、倒れてなさいよ!!」
バチバチッ!バシュッ!!ズガアアンッ!!
と御坂さんの超電磁砲(レールガン)がデジンを直撃した。
「うがああああっ!?な、なんだこれは?こんな攻撃等知らぬ、知らぬぞ!?うおおっ!!」
と未知の攻撃に驚愕しつつも、そのダメージにより瀕死の状態にまで追い込まれたデジン。
「ぬぐ・・・う・・・な、なるほど・・・どうやら貴様等をあなどりすぎていたようだ・・・だ、だが・・・このままただでは死なぬ・・・道連れは・・・もらうぞ・・・バ・・・バディ・・・」
御坂さんの超電磁砲(レールガン)により、もはや倒れるのも時間の問題となったデジンは、己の死を悟ってか、息も絶え絶えの最中にそんな事を呟いていたが、止めを刺す為にデジンに肉薄していた俺とみさおは、デジンが最後に何かをしようとしている事に気付かないままデジンまで後数歩という所まで近づいたその瞬間、俺の背中に強烈な悪寒が駆け抜けたのを感じ、俺は思わず俺の後ろにいる全員を庇うように両腕を広げて踊りでた。
そして、その瞬間、俺に何らかの魔法が当たるのを感じ、そのまま俺の意識は闇に落ちたのだった。
こなたside
デジンとの激戦の最後に、慶一君とみさきちの2人がデジンにとどめを刺そうと肉薄していたが、突然慶一君がみさきちの前に割り込むように入り、みさきちを含めた私たちをまるで守るかのような動きを見せた慶一君だったが、デジンが飛ばした何かを慶一君が受けた瞬間、慶一君は苦悶のうめき声さえも上げずにその場に倒れ込んだのが見えた。
その状況に一瞬唖然とした私たちだったが、デジンを仕留める事が先だと思った私は、目の前で倒れた慶一君を見て呆然とするみさきちたちに声を飛ばしたのだった。
「みさきち!御坂さん!慶一君の事は後だよ!デジンにとどめを!!」
と言う私の言葉に、我に返ったみさきちと御坂さんはデジンに剣を突き立ててとどめをさした。
それを見ていたつかさとみゆきさんが慶一君の下へと駆け寄るのが見えたので、私もその後について慶一君達の元へと急いだ。
慶一君の側で私と御坂さん達とで慶一君の様子を見るつかさとみゆきさんの様子を伺いつつ、言葉を交わした。
「お疲れ様、2人とも。」
「え、ええ。それはいいんだけど、慶一さん、どうなったの?最後に私たちを庇うように動いたように見えたんだけど・・・」
「ああ。そのすぐ後に慶一がその場に倒れたから驚いたゼ。たぶん、眠りの呪文でも食らったんじゃねえのか?」
「そうかな?そうだと・・・いいんだけどね・・・」
「ん?ちびっこ。何だか浮かない顔してんなー。何か気になる事でもあるんか?」
「・・・なんとなく、なんだけどね。嫌な予感がしてるんだよ。あれほどの力のあった相手が最後の瞬間にただの眠りの呪文を飛ばすだろうか?ってね。」
「それってどういう意味?慶一さんが受けたのは眠りの呪文じゃない、って事?」
「・・・結果が出るまでは、わからないよ・・・」
と、そこまで話した時、慶一君を診ていたつかさとみゆきさんの悲鳴が上がった。
「け、けいちゃん!けいちゃん!!起きてよ!しっかりして~!!」
「慶一さん!!目を開けてください!!慶一さん!!」
そんな尋常じゃない2人の様子に御坂さん達も不安げな顔をしていたが、私は2人にどうなったのかを聞く為に声をかけた。
「落ち着いて、2人とも。どうなったの?慶一君の様子は?」
その言葉に2人とも青ざめた表情で私を見て
「こなちゃん・・・けいちゃんが・・・けいちゃんが・・・息をしてないんだよ~!!」
「・・・呼吸だけではありません・・・脈拍もなく・・・心音も聞こえなくなっています・・・」
その言葉に私は、ずっと抱いていた懸念が現実のものとなった事を確信した。
そして、2人はその事を私に告げた後に慶一君にとりすがって泣き始めたのを半ば呆然としながら見ていた。
「ちょ、ちょっと!嘘でしょ?慶一さんが・・・死んだ?ねえ、嘘よね?ねえ!!」
「嘘だろ?なあ、嘘だよな?おい!何とか言えよ!柊妹!高良ー!!」
今告げられた事実を信じたくない2人は、つかさとみゆきさんに詰め寄って2人に問い詰めながら涙を流し始めた。
慶一君の側で泣く4人を見ながら私は、勝負には勝ったものの、その代償はあまりにも大きかった事を悟ったのだった。
こうして3階での探索は幕を下ろす事となった。
だが、私はまだ知らない。
この事が悲劇の始まりであるという事を。
この後に更なる絶望が私達を待っているという事を・・・・・・。
後書きと次回予告
あやの「あやのよ。まさか、こんな事になってしまうなんて思いもしなかったわ・・・慶ちゃん・・・」
次回、らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜
悲劇の連鎖、消滅する主旋律
あやの「もう2度と会えないの?慶ちゃん・・・」
お楽しみに。
今回のキャラ
ロード・ハイマンティ:地下寺院の管理人的存在で、ゲーム中でも彼からは特にたいした情報は得られないが、お金を払う事で体力の回復をしてくれる。
彼が使う魔法は僧侶系の最上級回復呪文の”マディ”なので、体力がやばく、魔力を消費したくない場合にはお金を払ってでも彼に頼るのも手である。
ただし、手癖が悪いので、時折こちらの持ってるアイテムを盗もうとしてくるので注意が必要だ。
今回のアイテム
懐中時計:地下4階のとある場所で使用する事により、時の預言者であるルーンを呼び出す事ができる。彼からは地下7階の事に関するヒントを得られるので情報は入手しておく事になります。
更に重要なのは、同じ地下7階で必要になるアイテムも彼が持っているという事。
なので、アイテムは忘れずに購入しておきたい。
今回の敵
風の王デジン:風の精霊王の称号を持つ。
僧侶系の呪文と風のブレスを主に使って来る事が多い。
そして、取り巻きにもなかなかやっかいなトーガ・ラマを連れている事が多いので、もしこいつ等が取り巻きにいたら真っ先に魔法使い等に倒してもらい、前衛はデジンに集中させてなるべくなら短期決戦で決着をつけたい。
長期戦になった場合、今回の話でも出てきたように僧侶系の一撃死の呪文を唱えられる事があるので、下手をするとパーティに死人が出る可能性がある。
なので、それを出される前に倒すのが理想。
今回出た呪文
バディ:僧侶系の呪文でこの呪文の効果が出ると、一撃でキャラは殺されてしまいます。
これと反対の呪文で”ディ”という呪文がありますが、こっちは逆に成功率はかなり低いですが生き返りの呪文となっています。
最初の設定の方で説明したクリティカルヒットの呪文版と思っていただければいいかと思います。
ただし、効果は100%ではなく、キャラの魔法抵抗力によっては防ぐ事もできる呪文です。