らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜   作:ガイアード

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第5章~主旋律の消滅と復活編~
悲劇の連鎖、消滅する主旋律~前編~


こなたside

 

慶一君達と一緒に地下寺院と呼ばれるこの階の探索を行い、色々大変な事はあったものの、私達はなんとかこの階の最後の目的地へとやって来た。

 

そして、この地下寺院の管理者を追い払い、私達はこの階最大の敵である風の王デジンと相対する。

 

流石に王を自称するだけの事はあり、私達はかなりの苦戦を強いられる事となったが、相手の油断をついてなんとかデジンを仕留める事に成功した。

 

しかし、私達も無傷では済まず、デジンの最後の苦し紛れの攻撃は慶一君の命を奪い去る事となり、結果的にこの勝利に大きな代償を支払う事となってしまった。

 

慶一君が死んだ、その事実を聞かされ、私は慶一君に取りすがって泣く御坂さん達を少しの間呆然と見ていたのだが、私はまだこのミッションが完全に終わっていない事を思い出した。

 

そう、風の王デジンを倒し”あいつの持つアイテムを入手する”そこまでをやって初めて私達はこの階でのミッションを終わらせる事が出来るのだ。

 

そこに思い至った私は気を取り直すと、風の王デジンが倒されて消えた場所に向かって歩みを進める。

 

そんな私の行動に気付いたみゆきさんが私に声をかけてきた。

 

「・・・ぐすっ・・・泉さん?何をなさろうとしているんですか?」

 

と、まだ泣き声のままのみゆきさんにそう聞かれた私は、みゆきさんに

 

「・・・まだ私たちのミッションは終わっていないからね。それを果たす為に慶一君の言っていたアイテムを探すんだよ。」

 

そう言う。

 

私のその言葉にみゆきさんは少し驚いたような、けど、そんな私の行動がよくわからないといったような声で

 

「アイテム、ですか?けど、泉さん、今はそれどころでは・・・」

 

そう言ってくるみゆきさんに私は少し強い口調で

 

「わかってる!けど、このミッションの成功は慶一君が望んだ事だよ!?だったら、私達が慶一君の意思を尊重してあげなきゃ慶一君が私達にしてくれた事が無駄になっちゃうよ!!」

 

そう言い返す私に、みゆきさんやつかさ達までもが少し驚いたような顔でこっちを見ていた。

 

そんな皆の顔を見て少しだけ大声を出した事に罪悪感を感じつつも、その事で少し頭が冷静になれたので、私はみゆきさんに

 

「・・・怒鳴ってごめん、みゆきさん。大丈夫、慶一君は大丈夫だから。だから、慶一君がクリアしたかったミッションを今は私達が引き継いでクリアして地上に戻ろう。」

 

そう言って謝りつつ、私は慶一君の意思の為にそう伝えると、御坂さん達も涙を拭いつつ立ち上がって

 

「・・・そうね。それが慶一さんの望みでもあったわよね。こなたさん、私はどうすればいい?」

「私も・・・なんかやるよ・・・ちびっ子、指示を頼む。」

「ぐすっ・・・わたしも頑張るよ、こなちゃん。どうすればいい?」

「慶一さんの望みを果たしましょう・・・それに、泉さんの慶一さんは大丈夫と言う言葉を私は信じようと思います。地上に戻るまでは泉さん、あなたにリーダーの肩代わりをお願い出来ますか?」

 

と言う皆に私は頷くと

 

「わかったよ、みゆきさん。地上までは私に任せて。御坂さん、みさきち。悪いんだけど慶一君を両側から支えてくれる?つかさとみゆきさんは御坂さん達の後ろについて移動してね。私はアイテムを入手したら皆の先頭になる。地上に帰り着くまでは私が慶一君の代わりの目になるから敵を見つけたらすぐに知らせるからよろしくね。」

 

そう指示を出す私に皆も頷いてくれ、私もそんな皆に頷きで返すとデジンの消えた場所に目を向けた。

 

すると、そこには一本の蝋燭が落ちているのを見つけ、私はそれを拾い上げる。

 

そしてそれを確認した後、私は皆に

 

「アイテムを見つけたよ。これでミッションは完了。後は地上まで戻ろう。」

 

そう声をかけると、皆もそんな私に頷いて地上へ向けて動き出す私の後ろについて来てくれたのだった。

 

移動の途中、御坂さんが私に

 

「こなたさん、ちょっといい?今回、慶一さんが死んだのはデジンが最後に放った魔法が直接の原因らしいけど、それがなんなのかわかるの?それに、慶一さんは大丈夫、とも言っていたわよね?その事についての説明を聞きたいんだけど。」

 

そう尋ねて来たのを受けて、私が他の皆の方にも目をやると、他の皆も私の知っている事を聞きたがっているようだったので、私は移動をしながら私の知っている事を皆に説明する事にした。

 

「いいよ。その前に、皆RPGをプレイした事はある?」

 

そう尋ねると、皆は少し考え込みながら

 

「一応ゲームはやった事はあるわ。」

「私も少しはプレイした事あるぞ?」

「私もあるよ?あまり上手くはないけどね~。」

「私は残念ながらあまりゲームはした事がありませんので・・・でも、その事が今回の事に関係が?」

 

口々にそう言う皆の言葉に耳を傾けつつ、最後のみゆきさんの言葉に頷きながら

 

「そっか、なら説明しやすいかな?みゆきさん、実はそうなんだよね。とりあえずみゆきさんにも分かるように説明するけど、そういったRPGではキャラクターの攻撃によって敵にダメージが与えられるんだけど、その攻撃に確立は低めなんだけど、相手に大ダメージを与える攻撃が存在するものが多いんだよ。そういうものを知っている人達の間ではその特殊な攻撃の事を会心の一撃とか、クリティカルヒット、と呼んでいるんだよ。」

 

そこまで言って一端言葉を切り、皆が頷くのを見て私は更に言葉を続ける。

 

「で、私達の今居るこの世界でもそれが存在するんだよね。この世界ではそれが”クリティカルヒット”なんだよ。そして、ここで注意したいのはこの世界における”クリティカルヒット”は他のRPGのものとは違い、残りHPに余裕があれば大ダメージを受けてもなんとか耐えれる大ダメージ型の特殊攻撃とは違うんだ。それがこの世界での恐ろしい所でもあるんだけど、この世界ではそれはまさに一撃必殺。それを受けたら即死する、という物騒なものなんだよね。そして、それはこの世界では”物理的クリティカルヒット”と呼ばれてる。そして、この世界ではさらにそれと対をなす”魔法によるクリティカルヒット”も存在するんだよね。それが僧侶系の、とある呪文なんだよね・・・おそらくは慶一君はその”魔法によるクリティカルヒット”を受けてしまったんだと思う。ただ、それも100%、という訳ではなくて、魔法抵抗ができればその魔法も効果がでない事もあるんだよね。けど、慶一君は運悪く魔法抵抗が出来ずに、魔法の影響をもろに受けちゃったんじゃないかな?って思ったんだ。」

 

そこまで説明すると、皆もとりあえずは納得してくれたようだった。

 

そんな中、私の言った僧侶系にある呪文、という部分に反応したのか、つかさが

 

「けいちゃんが死んじゃった理由はわかったよ。こなちゃん、さっきこなちゃんはその呪文が僧侶系にある、って言ったよね?それって、いずれは私も覚える呪文かもしれないの?」

 

そう尋ねてくるつかさに私は頷くと

 

「そうだよ。おそらく次かその次あたりのレベルにそれがあるんじゃないかな?ちなみにその呪文の名前は”バディ”って言ったと思うよ。」

 

つかさにそう説明すると、つかさは不安そうな顔で

 

「・・・そっか・・・わたしもいずれは・・・怖いな・・・私はそんなのより、誰かの傷を癒したりする呪文の方がいいよ・・・」

 

そう言って落ち込むつかさに私は少し考えてから

 

「確かにつかさには似合わない呪文かもね。でもさ、時にはその呪文が誰かを守るために役に立つ事だってあると思うよ。それに、その呪文を活かすも殺すも使う人次第だしね。大丈夫だよ。つかさならきっと正しく使うことが出来るはずだから。つかさの事を知ってる私が言うんだから、間違いないって。」

 

そう言ってつかさを励ますと、つかさもそんな私の言葉に気持が少しだけ楽になったのか

 

「・・・ありがとう、こなちゃん。その言葉で少しだけ気持が楽になったよ。」

 

さっきまで硬くしていた表情を少しだけ和らげながらそう言うつかさに、私も頷いて見せたのだった。

 

そんなつかさと私のやりとりを見ていた御坂さんは更に私に

 

「そっか、慶一さんが死んだ原因はそういう事だったのね?そっちは理解できたわ。それじゃ、もう1つ、慶一さんは大丈夫、と言った事に関して聞かせてくれる?」

 

と、聞いてくる御坂さんに更にみゆきさんも

 

「そういえば泉さんは先ほどもそうおっしゃっていましたよね?私もその事に関しては少し気になっていた所です。そちらに関してもご説明いただけるとありがたいのですが。」

 

そう言って来る2人に私も頷いて、2人の疑問に対する説明を始めた。

 

「そうだね。その事も話しておかないとね。この世界が私達の知るゲームの世界だという事はみゆきさんにも、そして、御坂さんと出会った時にも話したよね?」

 

私がそう言うと、その言葉に2人とも頷きで応えるのを見て更に言葉を続けた。

 

「この世界が私達の知っているゲームの世界であるならば、これと似たようなゲームをやった事のある私は当然、ゲームのプレイ中に死亡するキャラも見ているんだよ。そして、そうなってしまった場合、そのキャラを復活させる必要がある。思い入れのあるキャラならなおの事復活はさせたいものだからね。そして、復活の為にキャラを連れて行く場所も知っている。この世界にもそう言う場所がある、って事なんだよ。」

 

その私の説明に2人は頷いていたが、みゆきさんが

 

「そ、それは本当なんですか?泉さん、その場所はどこにあるんですか?」

 

そう聞いて来たので、私はその言葉に頷きつつ

 

「うん。その場所は私達が今いるリルガミンにあるよ。そして、みゆきさんもよく知ってる筈だよ?以前にみゆきさんの麻痺を治した場所だからね。」

 

私のその言葉にみゆきさんは小さく「あっ!」と声を上げたのを見て、私はそんなみゆきさんに力強く頷いて見せたのだった。

 

その後、私の説明を一通り聞いた皆の顔をちらりと覗き見てみると、皆の顔に少しだけ明るさが戻った事を感じている私だった。

 

そんな話をしながら歩いて行くうちに、私達は地上までもう少し、という所まで戻って来ていたのだった。

 

かがみside

 

慶一くん達が一度、4階でアイテムを回収してから再びダンジョンへと潜って行ってからいつも以上の時間が過ぎていた。

 

皆の事、そして、慶一くんの事が気になる私ではあったけど、今のままの私たちでは動くに動けない状況だったので、とりあえずはおとなしく皆が帰って来るのを待っているしかなかった。

 

この頃になると私達は、自分達を鍛えるついでに宝箱で得たお宝やゴールドによって大分資金に余裕も出来ていて、冒険者の訓練所で待機しているうちにグリーグさんから紹介された私達の本拠地にするべき物件(いえ)が購入出来るほどになっていたので、慶一くん達が帰ってくるまでの間私達は密かにその物件(いえ)の購入を済ませて慶一くん達を驚かせてやろうと色々と準備をしていた。

 

物件(いえ)を購入し、各部屋の掃除や当面の生活用品の購入、家具などの配置を済ませてある程度の準備を整えた私達は、慶一くん達の驚く顔を想像しながら皆の帰りを待っていた。

 

そんな中、私はちょっと小腹が空いたので、軽いおやつでも買って来ようと思い、皆が集まるキッチンでくつろぎながら話し込む龍也さん達に声をかけてから町へと買い物に繰り出した。

 

目的の物を手に入れて私達の家へと帰る途中、ふいに私のしている慶一くんからもらったペンダントの鎖がちぎれ、ペンダントは私の足元へと落下した。

 

それを見た時、私はいいしれぬ不安に駆られ、とるものもとりあえず家へと急ぎ足で帰るのだった。

 

そして、家に帰り着き、キッチンに1人居残っていた龍也さんに声をかけたのだった。

 

「龍也さん、慶一くん達は帰って来ましたか?」

 

少し慌てたような声でそう尋ねる私に龍也さんは少し驚いたような表情で

 

「いや、まだ帰って来てないな。それより、ちょっと慌ててるみたいだけど、どうかしたのかい?」

 

そう聞いてくる龍也さんに私は頷きつつ

 

「はい・・・実はさっき町に買い物に行ったんですが、その帰り道に慶一くんから誕生日プレゼントでもらったペンダントの鎖が突然ちぎれたんです。それを見た時に何だか嫌な胸騒ぎがしたので・・・」

 

と、慌てている理由を龍也さんに説明すると、龍也さんは顎に手を当てながら

 

「・・・ふむ。成る程な。確かにいつもよりも時間がかかっている感じだし、かがみちゃんがそう思うのも無理はないかもしれないね。よし、なら、俺も一緒にいってあげるから、ダンジョンの入り口前で慶一達を待ってみるかい?それで慶一達の無事が確認できればかがみちゃんも安心できるだろ?」

 

そう言ってくれるのを受けて、私は龍也さんの提案に頷くと

 

「なら、お願い出来ますか?わざわざこんな事を頼んでしまって申し訳ないですけど。」

 

と、龍也さんに言うと、龍也さんも笑いながら

 

「いいさ。それで納得できるっていうんならかがみちゃんの思うとおりにしてみればいい。俺はただ、手を貸すだけだからな。それはともかく、あやのちゃん達はどうする?一緒に連れて行くかい?」

 

と、そこまで龍也さんが言った時、突然、例のテレポート能力を使った黒子がキッチンへと現れたのを見て、私と龍也さんは驚いて

 

「うわ!?黒子ちゃん。びっくりさせないでくれよ・・・」

「ちょっ!黒子!あんたいきなり現れるのは心臓に悪いって言ったでしょ!?」

 

と思わず突っ込む私達に黒子は苦笑しながら

 

「すみません。驚かせてしまいましたわね。でも、テレポートした先に誰がいて、何があるのかは飛んでみてはじめてわかるものですから、まあ、今回はたまたま鉢合わせた、って事でご勘弁下さいまし。それはそうと、お2人で何か話していらっしゃたようですわね?何か相談事ですの?」

 

と、一応謝罪してきた黒子に私も苦笑を返しつつ、とりあえずの事情を説明した。

 

「・・・なるほど。かがみおねえさまのご心配ももっともですわね。私もおねえさまの事が気になりますし、私もご同行させていただきますわ。」

 

そう言う黒子に私は

 

「かがみおねえさま言うな!まあ、いいわ。なら、一緒に行きましょ?」

 

と、一応の突っ込みを入れつつそう言うと、そんな私に黒子も頷いてくれたのを見て、私は早速出かける準備をする為に自分の部屋へと戻ろうとした時、私達の騒ぎ声を聞きつけたらしい峰岸もキッチンに現れた。

 

「なんだか騒がしい声が聞こえたから来てみたんだけど、何かあったの?」

 

と、首を傾げつつそう言う峰岸に私は、軽いため息をつきつつももう1度事情を説明したのだった。

 

結局、峰岸も私達について来る事になり、私達はそれぞれに出かける準備を済ませると、街の外れにあるダンジョンの入り口へと向かったのだった。

 

ダンジョンの入り口についた私達はとりあえずそこから誰かが出てくるまで入り口の近くでじっと様子を伺う。

 

しばらくして、ダンジョンから誰かが上がって来る足音を感じ、私は入り口を凝視した。

 

そして、ダンジョンの入り口に姿を見せたのは、こなただった。

 

私はその事に内心でほっとしつつも、こなたに声をかけた。

 

「おかえり、こなた。まさか、あんたが先に出てくるとは思わなかったけど、とりあえずは無事みたいね。ミッションは終わったの?」

 

と言う私の言葉にこなたは私に気付いて手を振りながら

 

「おー。かがみん、ただいまー。うん。とりあえずはクリアーだよ。とはいえ、まさかこんなお出迎えがあるなんて思わなかったよー。ひょっとして心配だった?ねえ、心配だった?」

 

といつもの調子でむかつく笑みを浮かべながらそう言ってにじり寄ってくるこなたに私は内心ドキリとしつつも照れ隠しで

 

「う、うっさい!別にあんたの事なんか心配してないわよ!ま、まあ、無事に済んだんならそれでいいわ。」

 

とそっぽを向きつつ私はそう言うと、こなたは更にからかうように

 

「心配してないとか言いながらしっかりと心配して私達を待っていたかがみ萌えー。」

 

と言うこなたに私は思わず

 

「な、何よ!私は別に心配してない、って言ってるじゃない!」

 

そう怒鳴ったが、こなたはそれにもまったく意に介さずに

 

「はいはい、そうですねー。ほんとかがみは素直じゃないんだからー。」

 

と言うこなたの言葉に私は顔を真っ赤にしながら

 

「こ、こなたーーー!!」

 

と、思わずいつもの調子で返す私を見るこなたの表情に何か違和感を感じたが、この時点ではその意味には気付かない私だった。

 

龍也さんたちもこなたの姿を見てほっとしているようだったが、その後に現れた人の姿に更に安心感を増した私だった。

 

「あ、おねえちゃん、皆、ただいま~。」

「かがみさん、皆さん、ご心配をおかけしました。」

 

とそう言ってくる2人は、私の親友と最愛の妹の2人。

 

けど、ここで、私はその2人を見た時に、もう1つの違和感を感じた。

 

それは、いつもなら先に出てくるのは前衛の3人だったにも係わらず、今回は後衛である3人が先に姿を現したからだった。

 

その事に同じように違和感を感じたのか、黒子が3人に

 

「?こなたさん、つかささん、みゆきおねえさま。おねえさま達はどうしたんですの?いつもは慶一さん達が先頭で出てきていましたわよね?」

 

そう尋ねると、さっきまで明るい表情を見せていた2人の表情が急に悲しげなものに変わるのが見て取れた。

 

そして、こなたの方をちらりと見ると、こなたもまた、少しバツの悪そうな顔をしているのが見えたのだった。

 

その表情に私は、さっきまでの安堵感から急に嫌な予感が頭の中を巡り始めるのを感じていた。

 

黒子や龍也さん達もそれを感じたらしく、こなたに質問をしていた。

 

「こなたさん。ひょっとして、何かあったんですの?はっ!?まさかおねえさまの身になにか・・・」

「こなたちゃん。何かあったのかい?何故慶一達がまだ出てこないんだ?」

「みさちゃんも、よね?泉ちゃん、何かあったの?」

 

と言う3人にこなたはどう応えようか悩んでいるようだったが、そうしているうちに、残りの3人がダンジョンから上がってくるのが見えたので、私達はそっちへと視線を向けた。

 

そして、そんな私の視界に飛び込んで来たのは、御坂さんと日下部に両脇で抱えられ、ぐったりとしている慶一くんの姿だった。

 

その姿に驚愕する私達。

 

そして、嫌な予感が止まらないままに私は日下部達に声をかけたのだった。

 

「・・・く、日下部、御坂さん?一体何があったの?慶一くん、どうしたの?どこか怪我でもしたの?」

「お、おねえさま、みさおさん、ご無事で・・・慶一さん?あの、おねえさま、慶一さんは怪我をされたんですの?」

「みさおちゃん、美琴ちゃん、無事だったか。ん?慶一?おい!どうした!慶一!!しっかりしろ!!」

 

と龍也さんが慶一くんに呼びかけるが、慶一くんはその呼びかけにまったく反応しない。

 

震える声で峰岸が日下部に

 

「み、みさちゃん、一体何があったの?慶ちゃんは何で動かないの?」

 

そう問い掛けると、日下部は凄くつらそうな顔をしたのを見て、私は思わず事情を聞きだそうと詰め寄ろうとしたのだが、そこにこなたが割って入って来て

 

「待って、かがみ。皆も落ち着いて聞いてくれる?今から今回のミッションの報告も兼ねて、慶一君の状態についても説明するからさ。」

 

と、酷く真剣な表情でそう言うこなたに私もとりあえず気持を落ち着かせて頷く。

 

皆もそんなこなたの言葉に頷いたのを見たこなたは、私達に事の経緯を話してくれた。

 

「まずはミッションの事だけど、これは成功だよ。3階の探索は今回で終わった。で、慶一君についてだけど、まず、この事実だけは伝えておくよ?慶一君は・・・死んでる。」

 

こなたから聞いたありえない言葉。

 

私達はその言葉にしばし呆然とこなたと慶一くんを見ていた。

 

「・・・死・・・んだ、ってどういう事よ・・・ねえ、こなた!死んだってどういう・・・」

「それは・・・本当の事なのか?こなたちゃん。」

「慶一さんが、死んだ?何かの・・・間違いではないんですの?」

「嘘・・・よね?泉ちゃん・・・慶ちゃんが・・・死んだなんて・・・」

 

そうやって必死に言葉を搾り出す私達にこなたが見せたのは、その事実を肯定する為に首を縦に振った事だった。

 

その事実に私達は頭が混乱しはじめる。

 

そんな私達の様子ををあらかじめ予見していたのか、こなたは落ち着いて私達にできるだけわかりやすく続きを話してくれた。

 

「このミッションの最後にね、ボス的存在の敵がいたんだよ。私達は苦戦しながらもそいつと戦った。でも、そいつは自分が息絶えるその最後の瞬間に私達に相手を一撃で死に至らしめる呪文を放ったんだ。慶一君はその事にいち早く気付いたみたいで、その呪文が私達の誰かにあたる事を恐れて思わず私達を庇うように動いて私達の誰かの代わりにその呪文を受けちゃったんだよ。その結果、こうなっちゃった、って事なんだよね。これで、わかってくれたかな?」

 

そう言うこなたに私達も混乱しつつも事情は理解できた。

 

そして、まだ混乱する心のまま、私達は慶一くんの側へと歩みより、目を閉じて微動だにしない慶一くんの頬に触れてみた。

 

「・・・まだ、あたたかい・・・本当に・・・死んでるの?嘘、でしょ?嘘、よね?私をからかってるんでしょ?皆も、そうよね?ねえ!!なんとか言ってよ!?ねえ、嘘だって言ってよー!!ああああああ!!」

 

そう言って慶一くんにすがって泣き始める私の側で、龍也さんは慶一くんの側でたたずみながら

 

「・・・この馬鹿野郎が・・・お前は皆を守るんじゃなかったのか?元の世界に皆で帰るんじゃなかったのか?そう誓ったお前がここで倒れたら、お前は嘘つきだぞ?」

 

そう静かな声で、でも、内心に怒りを感じさせる声でそう言う龍也さんの声が聞こえた。

 

「・・・おねえさまを守っていただけた事には感謝しますわ。でも、あなたが消えてしまったら残された皆さんはどうなりますの?それに、私もまだあなたには仲間に加えてくださった恩を返してはいませんわ。それも返せないままいなくなられては私が困りますわ。それに、あなた自身が皆さんとしたした約束ならば、それを最後まで通せなくては意味がないじゃありませんの・・・そんな無責任な事はあなたの信条ではないのではありませんの・・・?」

 

少し辛そうな声でそう言う黒子の声も聞こえ、更には峰岸の涙声も私の耳に飛びこんで来た。

 

「慶ちゃん!お願い!目を開けて!!だめよ!私達は一緒に元の世界に帰るんでしょう!?その為にはあなたがいなければ意味がないのよ!?私達だけが帰れたとしても意味がないのよ!?私達の中にあなたがいる日常が大事なんだから!!だからお願い・・・」

 

と言う峰岸の言葉には私達の思いも詰まっている気がした。

 

それを思った時、私の目からはもっとたくさんの涙が溢れ出して来たのを感じながら、私はその場で慶一くんの頭を抱きしめながら泣き続けていた。

 

けど、そんな私達にこなたは声をかけてきた。

 

「皆、悲しんでいる所を悪いけどさ、慶一君を連れて行かなきゃいけない所があるんだ。龍也さん、慶一君を運ぶのに手を貸してくれる?」

 

と言うこなたの言葉に、1番冷静を保っていた龍也さんは

 

「慶一を運ぶのは構わないが、どうするつもりなんだい?」

 

と、そう尋ねると、こなたは真剣な表情のまま、私達に

 

「これから慶一君を生き返らせるんだよ。その為に慶一君をカント寺院に運びたいんだ。」

 

そう話すこなたにみゆき達もまた真剣な表情で私達に頷くのが見えた。

 

そして、同時にこなたが言った”慶一君を生き返らせる”という言葉に私達4人は驚きながら

 

「そ、そんな事ができるの?こなた。」

「こなたちゃん。その言葉、確かなんだね?」

「こなたさん。そこにその方法があるんですのね?」

「泉ちゃん、本当なの?本当に慶ちゃんは・・・助かるの?」

 

そう尋ねる私達に、こなたは力強く頷くのだった。

 

その言葉に希望を見出した私達は、慶一君をカント寺院に運ぶ為に動き出す。

 

私達の誰もが、慶一くんと再び会える事を信じて。

 

その事をこの場にいる誰もが疑わなかった。

 

そう・・・誰もがそれを・・・・・・。

 

 

 




後書きと次回予告

黒子ですわ。

ダンジョンで起きていた出来事、そして、私達の目の前に突きつけられた事実。

辛い事ですが、それでも、慶一さんの復活の為に寺院へとまいりましょう。

次回、らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜

悲劇の連鎖、消滅する主旋律~後編~

私達の今後の身の振り方を考えなくてはなりませんわね・・・

どうぞお楽しみに。
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