らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜 作:ガイアード
こなたside
ミッションの最後にデジンの攻撃を受けて死んでしまった慶一君を連れて、私達は地上へと戻って来た。
地上に戻りながらも私は、今回の件について地上で待っている皆にどう説明をするべきだろうか、と考えていたが、そんな私の思考も結局纏まりきらず、地上への階段の側まで帰って来た。
仕方なく皆のいる場所へ帰るギリギリまで考え事をしようと思った私だったが、階段を上り終えた私の目に飛び込んで来たのは、何故か私達を迎えに出て来ていたかがみ達だった。
いつもは私たちよりも先に慶一君達が階段を上っていたのだが、今回は事情が事情なだけに私が先に行かざるをえなかったので、その結果、もろに不自然さをかがみ達の前で晒す事となった。
かがみはすぐにはその事に気付かなかったものの、黒子や龍也さんはそれに気付いたようで、私に声をかけてきた。
それにとりあえず応える私だったが、そのすぐ後でつかさ達も姿を現した事から、その不自然さに気付かれてしまう事となった。
どう皆に説明するのがいいだろうか、と考え込む私だったが、その後にみさきち達も現れた事で慶一君の事を結果的には皆に知られる所となってしまった。
半ば予想はしていたが、やはりかがみ達はそんな慶一君の変わり果てた姿に泣き崩れ、その様子を胸を痛めながら見つつも、私は私の責任を果たさなきゃいけないと思い、かがみ達に事情を説明した。
それと同時に、悲しむかがみ達に、慶一君が復活できるかもしれない可能性がある事を伝えた。
そして、私の言葉に頷き、慶一君を抱え上げてくれた龍也さん達と共に、私はその可能性のある場所へと歩き始めた。
”カント寺院”へと歩みを進めながら私は皆に伝えておかなければならない事があったので、その説明の為に口を開いたのだった。
「皆、歩きながらでいいからちょっと聞いてくれる?」
そう切り出すと、かがみが私に
「何よ?何か話す事でもあるの?」
と、私に聞いて来たので、私はそれに頷くと
「うん。これから行くカント寺院の事とかね。」
そう言って皆の顔を見ると、皆が私に注目しているのが見て取れたので、それを確認した私は更に言葉を続ける。
「これから行く”カント寺院”は以前みゆきさんも麻痺の治療でお世話になった所だから、あの時パーティのメンバーにいた人達なら知ってるよね?」
そう言うと、その時にパーティだった面々がコクリと頷く。
それを見て私は更に言葉を続けた。
「あの時メンバーにいなかった人も場所は覚えて欲しいんだ。そして、そこでは毒や麻痺の治療だけでなく死者の蘇生もやっている所なんだよね。私もゲームの方ではキャラが死んだ時はそこによくお世話になったものだよ。まあ、それはともかく。そこでの蘇生においては僧侶系の蘇生魔法が使われるんだけど、この魔法って言うのはプレイヤーキャラで僧侶の職業ならいずれは覚える魔法なんだよ。」
と、そこまで話した時、みゆきさんが私に質問を投げかけてきた。
「僧侶の、ですか?という事は今であればつかささんや峰岸さんがそれを習得する、という事なんですか?」
その言葉に私は頷くと
「そうだよ。まあ、そうでなくても最初に慶一君が私達の成長の仕方を考えてくれたように転職していけば私達も覚えれるね。」
と、みゆきさんの疑問に答える私に、今度はかがみが質問をしてくる。
「え?それじゃあ、今はつかさ達に頑張ってもらえば寺院を利用しなくてもよくなるんじゃないの?」
そんなかがみの質問に私は苦笑しながら
「あはは。確かにかがみの言うのも間違ってはいないかな?でもね、このゲームの場合はそれだと結構危険なんだよ。確かにレベルアップして呪文を覚えれば寺院での余計な出費はしなくても済むかもしれない。けど、私達で覚えて使うのと、寺院で使ってもらうのとでは成功率が違うんだよね。寺院ではその呪文に対する研鑚がなされているから、成功率の信頼度は格段にあがっている。でも、私達じゃその経験が足りないのもあって、覚えてすぐに使ったとしても寺院程の成功率は望めないって事だね。」
そう説明すると、かがみも納得したようだが、顎に手をあてながらまた何か考え込んでいるようだった。
そんな中、慶一君を抱えている龍也さんが私に
「・・・つまり、こなたちゃんはその、より高い成功率に賭けてみたい、って事なんだな?」
そう言って来たのを受けて私は、その言葉に頷いて
「うん。そういう事。後、もう1つ伝えておかなきゃいけないことがあるから皆聞いてくれる?」
そう言うと、皆も再度私に注目してくれたのを見た私は言葉を続けた。
「さっき私は龍也さんにも言ったけど、慶一君の蘇生をするのにより成功率の高い方を取ったと言ったよね?」
その言葉に全員が頷くのを見て、私は更に言葉を続けた。
「それを聞いてなんとなく分かったんじゃないかな?って思うけど、蘇生の成功率は高いって言うだけで、100%じゃないんだよ。失敗の確立はかなり低いけれど、それでもゼロじゃない。万が一、それがありえるかもしれないって事も覚えておいて欲しいんだ。」
その言葉にその場にいる全員に緊張が走るのが分かった。
そして、みゆきさんは、そんな私の言葉におそるおそる質問を投げかけてきた。
「・・・万が一、そうおっしゃいましたよね?泉さん、教えていただけますか?その万が一がどのようなものなのかを。」
そう聞いてくるみゆきさんに私は頷いて
「わかった。みゆきさん、それに皆もよく聞いて?まず、蘇生に失敗した時だけど、1回目で肉体は灰になる。ここまではまだいいんだよ。次で成功すればちゃんと元の肉体に戻って復活するからね。けど、本当に怖いのは灰になってからの蘇生に失敗した場合なんだ。」
私はそこまで言って、一端言葉を切る。
そんな私に御坂さんが続きを促す為に声をかけてくる。
「・・・こなたさん、灰からの蘇生に失敗した時には、どうなるの?」
私はそんな御坂さんの言葉を聞き、ちょっとだけ顔を伏せてその答えを言う事に抵抗を感じつつも意を決すると伏せていた顔を上げて皆を見つめながら
「・・・灰からの蘇生に失敗したら・・・そのキャラはこの世界から・・・完全に消失(ロスト)する・・・」
苦しげな表情でそう言う私の言葉の意味がいまいち理解できないのか、皆一様に首を傾げていたが、その中で黒子が
「・・・ええっと、消失(ロスト)ってつまり、どういう意味ですの?」
と、皆を代表して聞いて来たので、私はもう1度皆の顔を見ながら
「消失(ロスト)って言うのはね、この世界から完全に存在そのものが消えてしまう、って事だよ。今の状況を例に取ると、慶一君の蘇生に失敗して灰になり、再度蘇生をかけて失敗した場合、慶一君はこの世界から存在そのものが消えてしまう、って事なんだよ。そして、そうなってしまったら・・・・・・」
そこで私は一端言葉を切り、この先の言葉を紡ぐ為に深呼吸する。
そんな私を見て、その緊張に耐え切れなくなったのか、みさきちが焦ったように声をかけてきた。
「ど、どうなるんだよ、ちびっこ!続きを早く言えってヴァ!!」
急かすように私の次の言葉を求めるみさきちに、私は気圧されつつもその先の言葉を続ける。
「・・・そうなってしまったら、もう2度と慶一君は復活が出来ない。そして、その方法もない、って事だよ・・・」
そう告げると、この場にいる全員の顔色が青くなるのが見えた。
「・・・だ、大丈夫よね?今のはあくまでも1例って奴でしょ?そうよね?泉ちゃん。」
青い顔をしながらも私にそう聞いてくる峰岸さんに私も頷いて
「そうだね。今のはあくまでも1例。でも、本当に低い確立であるけど、その危険もある事だけは覚えておいてね?」
そう答える私に、峰岸さんも、そして周りの皆もほっとしたような表情をしていた。
そんな話をしているうちに私達は”カント寺院”へと到着する。
私達全員は慶一君の無事復活を心の中で願いつつ、寺院の中へと足を踏み入れた。
寺院の中には高位な雰囲気を思わせる僧官数人と、そのお弟子さん達らしい人が数十人いて、お弟子さん達は忙しそうに右往左往しているのが見て取れた。
僧官の中の1人が建物の中に入って来た私達に気付いてこちらに歩み寄り、私達に声をかけてきた。
「ようこそ、みなさん。この”カント寺院”へどのようなご用向きですかな?」
ニコニコと穏やかな笑みを浮かべながらそう尋ねてくる僧官らしい人に私は、龍也さんの方を指差して
「実は、あの人が抱えている人がダンジョンで命を落としてしまいましたので、彼の蘇生をお願いしたくてやってきました。」
そう答えると、僧官は龍也さんと龍也さんが抱えている慶一君を見て
「・・・事情はよくわかりました。さあ、こちらへどうぞ。奥にあるベットに彼を寝かせてください。」
そう言って、慶一君をそこへ連れてくように指示する僧官さんの言葉に従い、私達は慶一君を奥の治療室っぽい場所にあるベットへと連れて行き、慶一君を寝かせた。
そして、それと同時にお弟子さんの何人かともう2.3人の僧官さん達が治療室に入ってくるのが見えた。
「では、治療を始める前に、我が寺院への寄付をお願いします。」
その言葉に私達は頷いて、今手持ちである資金をかき集めて蘇生代分を僧官さんへと手渡す。
「はい、これを。それじゃ、お願いします。」
そう言ってお金を手渡し、お金を受け取った僧官さんはコクリと頷くと
「確かに。では、始めましょう。皆さん、皆さんも蘇生の呪文をかけるタイミングに合わせて祈って下さい。呪文はこの言葉の後にかけますので、これから教える言葉が終わると同時に強く祈って下さい。その事が更に成功率を引き上げる手助けにもなります。では、教えます。~ささやき~いのり~念じろ!!~この言葉の後に呪文がかかりますのでよろしくお願いします。」
そう説明してくれる僧官さんに私達も神妙な面持ちで頷くと、1人の僧官さんが慶一君の頭の方に立って慶一君に手をかざし、精神集中を始めた。
私達はそれを見守りながら例の言葉が紡がれるのを待つ。
そして、いよいよ言葉が紡がれる気配を感じ取った私達は、両手を胸の前で組んで祈る準備をした。
そんな中、蘇生の儀式は始まりを告げる。
「では、行きます。~ささやき~いのり~念じろ!!~カドルト!!」
念じろ、その言葉の後に私達は強く慶一君の復活を願う。
(戻って来て!慶一君!)
(私達にはあんたが必要なんだから、帰ってきなさい!!)
(けいちゃん、もう1度、声を聞かせて・・・)
(慶一さん、信じてますよ・・・)
(慶一、もう1度お前の声が聞きてえよ。だから、戻って来い!!)
(慶ちゃん、みんなの為にも、帰って来て)
(慶一、お前はまだ約束を果たしていない。戻って来い!無責任なまま終わるなよ?)
(慶一さん、みなさんがあなたの帰りを待っていますわ。だから、帰って来て下さいな)
(この先もあんたがいないと意味がないわ。だから、戻ってきなさい!)
呪文が慶一君に作用し始め、それと共に私達もそれぞれの思いを念じる。
そして、徐々に慶一君の肉体が輝きを増し始め、一瞬激しく光ると、その光は徐々に消えていく。
その様子を見て呪文が成功した、誰もがそう思ったのだが、光が消えると同時に突然慶一君の肉体が白く変色したかと思うと”バサッ”と言う音と共に慶一君の体が灰と化した。
それを見た瞬間私達は思わず混乱してそれぞれに声を上げていた。
「ちょ!?ちょっとーーーっ!!」
「わあああっ!慶一くんーーー!!」
「え?何?なにがおきたの~!?」
「慶一さん!?え?あの?えええっ!?」
「うわーーー!慶一ーーー!!」
「慶ちゃん!?嘘?な、何が起きたの?」
「慶一!?ど、どうなったんだ?蘇生の魔法かけたんだよな?」
「慶一さん!?白、灰?えーーー!?」
「し、失敗?失敗なの?どうなってんのよーーーっ!!」
そう言って声を上げる私達に僧官がばつの悪そうな表情で
「・・・まことに申し訳ない。蘇生に失敗してしまたようです。ですが、チャンスはまだあります。今一度蘇生を行いましょう。」
と言う僧官に今にも飛びついて揺すりまくろうとする私達だったが、それよりも先に慶一君の蘇生を済ませなければと思いなおして
「・・・お願いします。今度は失敗はなしですよ?大体、私達よりも成功率が高いはずなんだから、しっかりしてもらわなきゃ困りますよ。」
その言葉に罪悪感を滲ませた表情の僧官は神妙に頷くと、再び灰になった慶一君に手をかざして呪文を唱え始めた。
「わかっています。では今一度、参ります。~ささやき~いのり~念じろ!!~カドルト!!」
”念じろ”の所で今一度慶一君の復活を強く願う私達。
呪文が効果を表し、強烈な光が発せられる。
だが、私達のその願いはついにかなう事はなかった。
光が収まり、慶一君のいた場所に目を向ける私達。
その目に飛び込んで来たのは、灰の塊。
慶一君の姿はどこにもなく、ただ、灰が鎮座しているのみだった。
その光景を目にした私達は思考が停止。
そんな私達に僧官は罪悪感をにじませながら、私達に認めたくない事実を告げた。
「・・・残念ですが、彼の魂は消失(ロスト)してしまいました・・・我々の力及ばず、申し訳ありません。」
ぼんやりした頭でその言葉を聞いた私達。
僧官さんはせめてもと、私達に慶一君の灰を袋に詰めて手渡してくれた。
それを手に取り呆然と見つめ、私達は踵を返して無言で寺院を後にした。
どこをどう歩いて帰って来たのかわからないが、私達はかがみ達が購入しておいてくれた家へと帰って来た。
のろのろとした足取りで私達全員はキッチンにある大きなテーブルについた。
私は手に持っていた灰の入った袋をテーブルに置く。
しばらくの間そこにいる全員が放心状態でいたが、そんな中、かがみが最初に言葉を発した。
「・・・ねえ、どうなったの?こなた、慶一くん、どうなったの?」
その言葉に私はびくりと震え、そして、袋を見つめてから
「・・・最悪の展開になっちゃった・・・慶一君、消えちゃった・・・私達の前から永久に・・・消えちゃった・・・もう、助ける方法も・・・ない・・・」
私のその言葉に目を見開いて驚愕の表情を見せるかがみ。
そして、次の瞬間にはその目からは涙がこぼれ始めるのが見えた。
「・・・嘘・・・嘘よ・・・消えたなんて・・・そんなの嘘・・・嘘だあああああ!!こなた!嘘よね!?まだ何か方法があるんでしょ!?慶一くん、助けられるんでしょ!?ねえ、こなた、何か言ってよ!嘘だって言ってよーーー!!」
そう叫んで私の体を揺するかがみの顔を見ているうちに私もまた、その事実に涙を流し始める。
「ごめん・・・こんなはずじゃなかった・・・助けられるはずだった・・・ごめん・・・ごめんなさい・・・みんな、ごめんなさい!!わあぁぁぁぁあ!!」
そう言って泣き叫ぶ私たちの声がきっかけになり、それが周りへと広がった。
「けいちゃん!やだよ、けいちゃん!!会えないなんてやだよ~~~!!」
「慶一さん・・・慶一さん・・・あんまりです、こんなお別れの仕方なんてあんまりです・・・うううう・・・」
「嫌だ!そんなの嫌だ!!慶一が居ないなんてそんなの嫌だあああああ!!」
「慶ちゃん・・・どうして・・・どうして・・・もうあなたの声は聞けないの?あなたの顔は見られないの?一緒に帰るって言ったわよね?一緒に頑張るって言ったわよね?なのに・・・そんなのって・・・うう・・・」
「慶一・・・俺は・・・俺は何も出来なかったのか・・・くそっ!!何が兄だ!!何が弟は俺が守るだ!!俺だけがのうのうと生き残って、結局俺は慶一に色々な事を押し付けたままじゃないか!!くそっ!ちくしょう!!」
「・・・結局私は慶一さんに何もお返しができませんでしたわね・・・それにしても、私が出会った殿方の中ではかなりまともな方でしたわね・・・慶一さんとならお友達になる程度でしたらいいとも思っていましたが・・・残念ですわ。」
「・・・思えばずっと助けられて来たのよね・・・私も何も出来なかった。何も・・・それが悔しくて・・・仕方ないわ・・・」
それぞれがそれぞれの思いを口に出し、慶一君への思いや起きてしまった現実に私達は疲れ果てるまで泣き、叫び、私も自分を責めた。
やがて、全員が疲れてそれぞれの部屋へと引き上げて行ったが、私は1人キッチンに残って慶一君の灰の入った袋を見つめていた。
そんな私に、何時の間にか部屋から戻ってきたらしい、龍也さんが声をかけてきた。
「・・・こなたちゃん。大丈夫かい?」
その言葉に私は涙が残る顔を上げつつ
「・・・大丈夫、とは言えないですね・・・かなり、凹んでます・・・」
苦笑しながらそう答える私に、龍也さんは私の側に来て私から慶一君の灰入りの袋を取り上げる。
私は「・・・あ・・・」と小さく声を上げてそれを見ていた。
そんな私に龍也さんは複雑そうな表情を向けながら
「・・・こなたちゃん、ありがとう。慶一を助ける為に頑張ってくれて感謝してる。」
そう言ってくる龍也さんの言葉に私は再び涙が溢れてくるのを感じながら
「・・・お礼なんて・・・結局私は・・・慶一君を助けられなかったんですから・・・」
涙を流しながらそう言う私の頭に龍也さんはぽんと手を置くと、私を見つめながら優しい顔で
「確かに結果はそうなってしまったかもしれない。でも、あのまま何もしないよりはずっといい。少なからず助けるための努力ができたのは大事な事さ。それに、こなたちゃんが居てくれなかったら、蘇生の事なんかも分からなかっただろうからね。これからの為に君は大事な事を俺達に教えてくれたじゃないか。それだけでもありがたいことだよ。」
龍也さんの”これからの為”と言う言葉に私は首を傾げつつ
「これから?これからって・・・龍也さんはどうするつもりなんですか?」
と、龍也さんの言葉の意味について尋ねると、龍也さんは1つ頷いて
「慶一と一緒に皆で元の世界に戻る事はかなわなくなった。だけど、まだ、皆がここにいる。俺は慶一の意思を引き継いで、皆を元の世界に戻す為に動く、そのつもりだからね。」
その言葉に私は驚きつつ
「・・・龍也さんの決意はわかりました。でも・・・もし帰れたとしても慶一君の居ない世界なんて・・・」
そう言う私に、龍也さんは少し困ったような顔をしつつ
「こなたちゃんの気持はわかる。慶一に好意を持ってくれていたしね。兄としてとても嬉しい事だよ。でも、こなたちゃん。君には、君だけじゃない、皆にも待っていてくれる人が向こうの世界に居る。そんな人達が悲しむ事をきっと慶一だって望んではいないさ。辛いかもしれないけど、その事もよく考えて欲しい。」
そこまで言って言葉を切った後、気を取り直した龍也さんは更に言葉を続けた。
「なんにしても、すぐには動けないだろうから、しばらくの時間は取ろうと思う。こなたちゃんも、皆も、少しゆっくりと休むんだ。」
そう言ってくれる龍也さんに私は頷いて
「そう・・・ですね。色々ありすぎて疲れました・・・少しの間、ゆっくりと休もうと思います。」
そう言う私に龍也さんもにっこりと笑って頷いてくれた。
そんな私の言葉に龍也さんは満足したようで、龍也さんは慶一君の灰入りの袋を持って踵を返し、家の外へ向かおうとしたのを見て、私は思わずそんな龍也さんに声をかけた。
「待ってください。龍也さん、その袋を持ってどこへ行くつもりなんですか?」
その言葉に龍也さんは背中を向けたままで
「せめて家の近くに墓でも作って埋めてやろうと思ってね。慶一はこんなふうになってしまったが、それでもあいつの痕跡は俺達の側に置いてやりたいからね。」
その言葉を聞いた私は龍也さんに
「私も一緒に行ってもいいですか?せめて私も・・・見送るくらいはしたいですから・・・」
そう言うと、龍也さんは私に
「わかった。それじゃ、一緒に行こうか。この家の近くに大きな樹がある。その根元に埋めてやろう。こなたちゃん。後で皆にも教えてやってくれな。」
そう言ってくれるのを受けて、私もそれに頷くと
「はい。それじゃ行きましょうか。」
そう言って私達は2人して家を出て、近くにある大きな樹を見る。
龍也さんはその樹をじっと見つめ、その後、その樹の根元を掘りはじめた。
私も掘るのを手伝い、そこに慶一君の灰入りの袋を入れて土を被せる。
そして、目印に慶一君が使っていたお古の剣をそこに突き立てた。
慶一君のお墓が完成し、私達はしばらくそこで手を合わせて慶一君の為に祈った。
それらの事を全て終えた時、私は私たちの中心で奏でられていた旋律(おんがく)が止まった事を自覚した。
2度と戻らない旋律(おんがく)を思った時、私は再び涙を流す。
主旋律はここに、消滅したのだった。
後書きと次回予告
美琴よ。
まさに最悪の結果になってしまったわね・・・もう私達には慶一さんを救う方法は本当に残っていないのかしら・・・
次回、らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜
一筋の光明と最後の賭け、そして・・・
もう1度、取り戻すわ。私達の希望を。
どうぞお楽しみに。
今回のでみゆき、つかさの2人がレベルアップし、呪文を取得。
僧侶系
ディ:死んでいるキャラクターをHP1の状態で復活させる。成功率はかなり低い。
バディ:慶一君を死に至らしめた呪文系クリティカル。効果は100%ではないが、呪文に抵抗出来なかった場合、受けた相手は即死する。
バモルディ:僧侶系の召喚呪文で、魔法使いのソコルディとは召喚される魔物が少し違っている。
モガト:悪魔系のモンスターを追い払うが、成功率は低いのであまり使えない。
魔法使い
パリオス:敵、味方に張られた防御呪文を打ち消す。両方とも消されてしまうので、使いどころを考える必要のある呪文。
バスカイア:敵に虹色の光を当てて攻撃する呪文。ダメージだけでなく、状態異常も引き起こす。
バコルツ:敵の周囲に盾を作り出し、相手の放つ呪文を無効化する。
特別解説
カドルト:ディよりも上位の呪文で成功すればHP満タンで復活する。成功率はディよりは上ではあるが、よっぽど厳しい場合以外はカント寺院での蘇生がお勧めです。
今回は以上です。