らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜   作:ガイアード

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復活の慶一、しばしの休息、そして、こなた達の思いと俺の戒め

風の王デジンとの戦いの後、俺はデジンが最後に放った魔法に嫌な予感を感じ、皆を庇う為に反射的に前に出て魔法を受けた。

 

そして、その後の俺の意識は闇に落ち、気付いた時には、俺は水の底で意識を覚醒させる事となった。

 

突然の事に驚き、軽くパニックになる俺だったが、そんな俺の側に俺を見て泣いているかのような顔をしているこなたに突然抱きつかれると同時に、唇を重ね合わせる事になった。

 

その事に更に驚く俺だったが、とりあえずは水面へ出なくてはと考え、俺はこなたを体にしがみつかせたままで水面へと泳いで行く。

 

そして、水面から顔を出すと、周りには俺の姿を見て驚きの表情を浮かべる皆の顔が見えたが、すぐにその表情は泣き顔へと変わると、御坂さん、黒子、龍兄と俺にしがみついているこなた以外の全員からボディアタックの洗礼を受ける事となった。

 

そして、俺にボディアタックを食らわせた全員は泣きながら俺にしがみつき、俺の名前を呼ぶ。

 

俺はこの状況に困惑しつつ、龍兄にこの状況についての説明を求めると、帰って来た答えに俺は大きなショックを受けた。

 

そして、それと同時に俺は皆の行動の意味を理解し、自分のかけた心配を悔やみながら皆にお礼の言葉を伝える。

 

そんな俺に皆は”お帰りなさい”と言ってくれたのを受けて、そんな皆の想いにとてもありがたく、そして申し訳ない気持になったのだった。

 

そして、俺を交えて編成しなおしたパーティで地上へと戻る道すがら、今回の件に関する話を聞いた俺は、益々皆に対して申し訳なく思うのだった。

 

泉の効果もあり、体力、ダメージ共に全回復していた俺達だったが、龍兄の少し休息を取ろうという提案に皆もまた、俺の事を心配してか、それに同意をした事で、しばらくの休息をとる事となったのだった。

 

俺が死んでから、少しの時間が過ぎていたが、いくつか驚く事もあった。

 

その1つが、俺も知らない間に俺達の拠点の為の物件を買い込んでいた事。

 

そして、金庫や、アイテムの倉庫も完備されていて、俺達が集めた重要アイテムや装備品等もそこにしまえるようになっていた事。

 

更に、俺自身の部屋もちゃんと用意されていた事だった。

 

俺だけが知らない時間の流れを感じ、ちょっとした浦島太郎状態を味わったのだった。

 

俺の復活を祝う為のパーティをする、という事になり、皆は俺を俺の部屋に押し込めた後、パーティの準備をする為に買い物に出たり、料理を作ったりと忙しく動き始めたようだった。

 

俺も何か手伝い等をしたかったが、俺は今夜の主役なんだから、という理由で一切の手伝いを禁じられ、俺は手持ち無沙汰ながらも自分の部屋を見回しつつ、今俺はちゃんとここに存在しているのだ、という事を改めて実感したが、それと同時に、初めて感じた死の感覚を思い出して少し身震いしていた。

 

いろいろな事を考えつつ、そのままベットで横になっていた俺だったが、何時の間にか眠ってしまったらしい。

 

パーティの準備の合間にも、俺の様子を見にちょくちょく俺の部屋へと来ていた仲間達の1人がそんな俺を見つけて、慌てて俺を起こそうと体を揺すりながら声をかけてきた。

 

「慶一くん!ねえ、慶一くん!起きて?ねえってば!生きてるのよね?ねえ、慶一くん!!」

 

そう叫ぶ声を聞いた俺は、かるく「うーん・・・」と唸りつつ目を覚ますと、そんな俺の顔を見るなり目に涙を貯め始めたかがみを見て俺は慌てて

 

「お、おい!どうした?かがみ。何かあったのか?」

 

そう尋ねると、かがみはそのまま泣き出しつつ俺に抱きついて

 

「・・・よかった・・・ちゃんと生きてた・・・よかったよ・・・慶一くん・・・」

 

そう言うかがみに俺はかがみの不安な気持ちに改めて気付いて

 

「大丈夫、ちゃんと俺は生きてるよ。不安にさせちゃったみたいだな、本当にすまない。」

 

そう言って俺の胸の中で泣くかがみの頭を優しくなでてやりながら、優しい声でかがみを安心させるように言う。

 

かがみはそんな俺の言葉に泣き顔のまま俺を見上げて

 

「ごめんね?慶一くん。ちょっと前まであんたが死んじゃってたし、復活して今こうしてまた私達の側にいるって事がまだ信じられなくて・・・だから、その・・・まだ不安が抜けてなくて泣いちゃって・・・」

 

そんな風に言うかがみに俺は、益々すまない気持ちになりながら

 

「いや、そうさせたのは俺の所為だもんな、仕方ないさ。ごめんな?かがみ。本当に・・・」

 

そう言う俺にかがみも左右に首を振って

 

「ううん、いいの。ちゃんとあんたはここに居るって事が改めて確認できたからさ。私こそ、急に泣いて困らせちゃってごめんね?」

 

そう言うかがみに俺は、同じように首を左右に振って

 

「かがみが謝る事じゃないよ。それより、部屋に来たって事は俺に用事があったんだじゃないのか?」

 

と、気を取り直してかがみに尋ねると、かがみは”はっ”として

 

「あ、そ、そうだったわ。パーティの準備が出来たから、あんたを呼びに来たの。用意ができたらリビングまで来てよね。そ、それと・・・」

 

俺に対する用件を言ったかがみは俺を上目使いに見ると、不意に俺の唇に自分の唇を重ねて来た。

 

「ん?むぐっ!?」

 

と、突然唇を奪われた事に驚く俺だったが、かがみは顔を赤くしながらすぐに唇を離し、赤い顔のままドアの方へと体を向けると

 

「・・・あんたにまた会えて、本当によかったわ。と、とにかく、皆集まってるから早く来なさいよね?」

 

そう言って部屋を出て行くかがみを俺は赤い顔のまま見送っていたが、すぐにかがみの言葉を思い出して皆が待つリビングへと向かったのだった。

 

こなたside

 

慶一くんが無事に復活を果たし、私達は意気揚々と地上へと戻り、しばしの休息をとることとなったのだが、早速慶一君の復活祝いのパーティを行おうという皆の提案を受けて、私達は早速その準備を始めたのだった。

 

その際に、慶一君も手伝いたいと言ったのだが、慶一君は復活したばかりなのだし、今回の主役でもあるから、という事で、慶一君を部屋に押し込めて休んでいてもらう事にしたのだった。

 

なんとか復活をとげた慶一君だけど、私も皆もまだ、慶一君の復活に実感が湧かず、これが本当に現実なのかという事に不安を覚えた私達は準備の合間もちょくちょく慶一君の部屋に行っては慶一君がそこにいる事を確かめて安心する、という事を繰り返す事になった。

 

そして、ある程度準備が済んだので、そろそろ慶一君を呼ぼうと思っていた私は、とりあえず周りを見渡して手が空いてそうな人を探した。

 

すると、そこに丁度手が空いたらしいかがみがいたので私はかがみに

 

「かがみー。悪いんだけど、そろそろ慶一君を呼んで来てくれない?こちらももうすぐ準備終わりそうだからさー。」

 

と、そうかがみに言うと、かがみはその言葉に少し顔を赤らめつつ慌てつつ

 

「え?あ、わ、私?わ、わかったわ。と、とりあえず呼びに行ってくればいいんでしょ?」

 

そう言うかがみに私は頷いて

 

「そういうことー。それじゃよろしくねー。」

 

そうかがみに言うと、かがみは私の言葉に頷いて

 

「これ位はおやすい御用よ。たかが慶一くんを呼びに行くだけだしね。そ、それじゃ、行って来るわね。」

 

と言ってかがみがその場を後にしたのを見送って、私達は残りの仕上げをする。

 

「こなちゃん。こっちはできたよ~?御坂さんたちにこれ運んでもらって~?」

「龍也さん、こっちもあがったわ。これお願いできる?」

「こちらは私が運びますね。それと泉さん。飲み物は用意出来ていましたか?」

「こっちも手伝うゼ。ちびっこ、私にも指示頼むー。」

 

と言う4人に私達も頷きつつ

 

「了解だよ、つかさ。御坂さん、これ向こうのテーブルに運んでねー。みゆきさん。飲み物は黒子に頼んで酒場へ取りに行ってもらってー?みさきちはみゆきさんのフォローをしてあげてー。龍也さんはそれ運んだら黒子と一緒に酒場へ行って来てくれるー?」

「分かったわ。つかささん、こっちは任せて。」

「はいよ、あやのちゃん。それと、こなたちゃん。飲み物の件、了解だ。黒子ちゃん、一緒に行って来よう。」

「わかりましたわ。龍也さん、荷物持ちはお任せしましたわよ?」

「おっしゃ!任せろちびっこー!高良、私も手伝うぞー?」

「それでは、こっちの方をよろしくお願いしますね?日下部さん。」

 

と、それぞれに役目を果たす為に動くのだった。

 

そして、程なくして慶一君を呼びに行ったかがみが帰って来たのだが、何故か微妙に顔が赤いなあと感じた私は戻って来たかがみに声をかけたみた。

 

「おかえりー、かがみん。ちょっと顔赤いねえ。向こうで何かあったのー?」

 

と、少々ニヤニヤしながら聞いてみると、かがみはあからさまに動揺しつつ

 

「かがみんいうな!!べ、別になんでもないわよ。あんたは少し勘ぐりすぎ。」

 

と、そう言っていたのだが、とてもそうは見えないのがバレバレだったので、私は更にその事を追求してみた。

 

「そんな風にとぼけてもその態度でバレバレだよー?ほらほら、ここは素直に言っちゃいなよー。」

 

そう追撃する私にかがみは隠し事をしておけないと諦めたのか大きな溜息を1つついて

 

「・・・うう・・・もう!わかったわよ!!言えばいいんでしょ!?言えば!!さっき慶一くんを呼びに行ったけど、部屋に入ってみたら慶一くん眠ってたのよ。ちょっと前まで慶一くん死んじゃってたし、消滅(ロスト)までしちゃってたでしょ?だから、眠ってる慶一くんを見て凄く不安になってそれで慌てて慶一くんを起こした挙句に慶一くんの前で泣いちゃったからそれが恥ずかしくて顔を赤くしてたってだけよ。どう?これで納得した?」

 

少しやけっぱちな感じでそう私に説明するかがみの態度に私は半分納得しつつも、半分はなんだかまだ納得出来ない感じだったが、今は復活パーティの方が先だしその準備も出来ているから、まあ、良いかと割り切って

 

「まあ、ちょっと納得できない部分もあるけど、わかったよ。かがみの不安になる気持もわからなくもないしねー。私もそんな所見たら少なからず動揺してたと思うしね。とにかく、こっちの準備はおっけーだから、かがみも席についててね。」

 

そうかがみに言うと、かがみは再度溜息を1つついてから、私の言う通りに指定の席についた。

 

そして、その後に続くようにつかさや峰岸さん、みゆきさんらも準備を終えたようで

 

「こなちゃん。わたしもとりあえず席についておくね?こなちゃんも準備が済んだらこっち来てね~。」

「私も一通りは済んだわ。先に席に着かせてもらうわね。」

「黒子さん達もそろそろ戻るでしょうか?とりあえず私も席につきますね。」

「私もやる事終わったし、席につくぜ?御坂ももう終わったかー?」

「大丈夫よ、日下部さん。こっちは準備おっけーだから。じゃあ、私も席につくわ。」

 

と、皆がそれぞれそう言いつつ席に着くのを見つつ、私もそろそろ席に行こうとした時、黒子が龍也さんと一緒にテレポートで帰って来た。

 

「ただいま戻りましたわ。ご注文の飲み物、これで全部ですわよ?」

「ふう。ただいま、みんな。それにしても、黒子ちゃんのテレポートにはまだまだ慣れないなあ・・・とにかく、飲み物はこれで揃いだな。」

 

という2人に私は

 

「ご苦労さまー。黒子、龍也さん。こっちも準備はおーけーだから、席についていいよー?あ、それと飲み物を全員に配らないとね。それじゃ・・・っと。」

 

と、ねぎらいの言葉をかけつつ席に着くように促して私は届いた飲み物を配ろうと、木箱を開いたのだが、そこにかがみとみゆきさんがやってきて

 

「こなた。私も手伝うわ。1人じゃ大変でしょ?」

「私もお手伝いします。それに、慶一さんもいらっしゃったようですし。」

 

そう言って私を手伝おうとしつつ、そう声をかけてくる2人に私は頷きつつ、みゆきさんの慶一君が来たという言葉にリビングの入り口に視線を向けてみると、そこには用意されたご馳走などを見て驚きの表情を見せている慶一君がいた。

 

「お待たせ。って、こりゃ凄いな。ご馳走じゃないか。」

 

という慶一君の言葉に私達も満面の笑顔を見せて出迎えたのだった。

 

慶一side

 

かがみとのさっきの出来事から、赤い顔のままリビングに向かうのは少々気まずいと感じた俺は、少し顔の火照りを覚ますために、リビングへ行く前に洗面所へと行って顔を洗って赤い顔を落ち着けた。

 

そして、その後、料理のいい匂いに誘われるがままにリビングへと向かうと、そこにはご馳走が並び、そして、飲み物を配っているこなたとかがみとみゆきの姿が目に入った。

 

俺は3人を見つつ、そして、テーブルに並べられたご馳走を見て

 

「お待たせ。って、こりゃ凄いな。ご馳走じゃないか。」

 

と声をかけると、俺の声に気付いた皆が俺の方へ一斉に視線を向けたのを見て、その勢いに押され恐縮する俺だった。

 

そして、そんな俺に気付いたみゆきが、俺の手を取って

 

「お待ちしてましたよ?慶一さん。さあ、お席へどうぞ。今日はあなたが主役なんですから。」

 

そう言って俺を主賓の席へと案内してくれた。

 

俺はそんなみゆきの行動に

 

「あ、ありがとう。何だか照れるな。」

 

そう言いつつ照れながらも俺の座るべき席についたのだった。

 

そして、全員が席に着いたことを確認したこなたが飲み物を手にして

 

「さあ、皆。準備は滞りなく済んだよ?これから慶一君復活おめでとうパーティをはじめるから、皆飲み物を手にとってー?」

 

と、そう言ったので、俺を初めとする全員が飲み物を手に持って立ち上がる。

 

そして、続けてこなたは

 

「それでは、僭越ながら私が乾杯の音頭を取らせてもらいます。では、せーのっ!かんぱーい!!」

 

その声にあわせて皆も飲み物のグラスを掲げて「「「「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」」」」と叫び、俺の復活を祝うパーティが始まった。

 

皆が作ってくれたご馳走を口にし、喉に染みとおるドリンクをあおって俺は改めて今、自分がちゃんと生きてこの場にいるのだという事を実感した。

 

そんな事を考えつつ、俺はぐるりと視線を巡らせ、テーブルの周りで談笑する皆の顔を見る。

 

皆が皆、とても嬉しそうに、そして、とても楽しそうに笑っていた。

 

それを見た時、俺がいなかった一時の間、この笑顔すら皆が失くし、誰もが笑えず、ただ悲しみが皆を支配していたという事を考えた時、俺はそんな皆に対して再び申し訳ない気持で一杯になっていたのだった。

 

そうして心持ち落ち込んだ気分が顔に出ていたのだろう。

 

そんな俺の表情の変化に御坂さんが気付いたようで、俺に声をかけて来た。

 

「どうしたの?慶一さん。浮かない顔してるわね?」

 

と言う御坂さんの指摘に俺は力なく笑いつつ

 

「はは。そうかな?そんなに浮かない顔してたかな?」

 

そう返すと、御坂さんはうんうんと頷いて

 

「それはもう、ね。どうしたのよ?何か気になる事でもある訳?」

 

そう尋ねてくる御坂さんに俺は苦笑しつつ

 

「ん・・・なんというのか、俺が自分で起こした行動が原因で皆を悲しませてしまったからね。一時でも俺があの笑顔を消してしまっていたのだと思うと、何だか皆に申し訳なくてね。」

 

そんな風に言う俺の言葉に御坂さんは軽く溜息をつきつつ

 

「まあ、確かにあんたの言う通り、あんたが死んで、更に消滅(ロスト)してしまって数日は皆、ものすごく落ち込んでたわ。こなたさん達は悲しみで泣いて、私や黒子も悔しさで泣いて、って所よ。あんたがしでかした事は皆にも悪い意味で多大な影響を与えた、それは間違いないわね。」

 

と言う御坂さんの言葉に俺は、胸に槍が突き刺さる感覚を覚えながら

 

「う・・・そうだよな・・・まさにそのとおりだよな・・・はあ・・・」

 

と更に落ち込む俺。

 

そんな俺を見て御坂さんは苦笑しつつ、そして、また1つ軽いため息をついてから

 

「・・・正直、あんたを失ってから、あんたに対する皆の思いの大きさをあの時に知った気がしたわ。それと同時にその繋がりの強さみたいなのもね。結局あんたは皆にとっていなくちゃいけない存在なんだって事も今回の事で理解できたわ。」

 

そんな風に言う御坂さんの言葉に俺は

 

「俺が、皆にとっていなくちゃならない存在、か・・・」

 

そう呟くと、そんな俺の言葉に御坂さんも頷いて

 

「そういう事よ。だから、あんたはこれからも、自身の存在を重く見なくちゃいけないわ。とは言っても、あの時のあんたの動きを見て思ったけど、あの行動はあんたにとっては条件反射にも近いものみたいね?だから、今後もあんな場面は出てきそうだな、とは思うけど、それでも、今後は極力無茶は避けるようにするべきね。今回の事を反省しているっていうなら、なおさら、ね。」

 

その言葉に俺は再度胸に何かが突き刺さる感覚を覚えつつ

 

「・・・言葉もないな。あの行動は俺の条件反射のようなものだけど、今後はより慎重に行動するように心がけなきゃいけないか・・・」

 

と、そんな風に言う俺に、何時の間にか俺達の会話を聞いていた皆が

 

「そうだよー?もう2度とあんな思いはごめんだからね?」

「あんたを失うなんてこと、もう2度と味わいたくはないわよ・・・」

「けいちゃんと会えなくなるなんていやだもん。わたし達はずっと一緒なんだから。」

「今や慶一さんのいる日常が私達の日常なんです。今更なかった事、なんて言いたくはありませんから。」

「私もだゼ!おまえがいなきゃつまんねーよ。もうこれが私の日常になってるんだかんな。」

「お友達を失う悲しみはもうごめんだわ。それは、これからも、なんだから。」

「そういう事だ。お前も今回の事を反省してるなら、今後は無茶は禁物だ。」

「まあ、これに懲りたら慶一さんも今後あまり無茶はなさらないことですわね。無茶をしたらどうなるか、しっかりとその心に刻まれた事でしょうし、皆さんに免じてお説教タイムは勘弁してさしあげましてよ?」

 

と、口々にそう言って来るのを受けて、御坂さんは軽くウインクをしつつ笑っていて俺もまた、皆の言葉に再び反省しつつ

 

「わかったよ。今後はあまり無茶はしないようにする。俺ももう、俺の行動で皆を悲しませる事なんてしたくないからな。こなた、かがみ、つかさ、みゆき、みさお、あやの、龍兄、黒子、そして、御坂さん。心配かけた事、悲しい思いをさせた事、本当にすまなかった。」

 

そう俺の今思っている気持を言葉にすると、皆もまた、そんな俺の約束に笑顔で頷いてくれたのだった。

 

そして、俺の復活パーティはこの後も続くのだが、その最中に、今回心配をかけた事のお詫びとして、休息をとる数日間、こなた達に付き合う事になったのだった。

 

それから俺の復活パーティも終わりを告げ、後片付け等を行って一端は各自の部屋へ引き上げたのだが、俺だけはまだ、リビングに居残っていた。

 

今回の事、今後の事考えながらお茶を飲んでいた俺だったが、そこにこなたがやって来て俺に声をかけてきた。

 

「あれ?慶一君、どうしたの?」

 

そう言ってくるこなたに俺は苦笑しつつ

 

「いや、まあ、色々考え事をな。それよりもこなた、お前こそどうしたんだ?」

 

そう尋ねると、こなたもまた苦笑しつつ

 

「うーん・・・今回の復活パーティで興奮してるせいかあまり眠くなってないからさー、ちょっと気晴らしって奴かな。」

 

そう言ってくるこなたに俺は

 

「そっか。それじゃ、少し落ち着くまでここにいたらどうだ?お茶も入れてくるぞ?」

 

そう言うと、こなたは俺の言葉に頷いて

 

「そう?ならお願いしちゃおうかな。それとさ、少し話さない?前もこんな事あったけど、あの時も話してたもんね。」

 

そう言うこなたに俺は頷いて

 

「ん、そうだな。じゃあ、また話でもするとしようか。それじゃお茶持ってくるぞ?」

 

そう答えると、こなたも頷いて

 

「うん。よろしくねー。」

 

と言って、席につき、俺がお茶を運んでくるのを待っていた。

 

そして、俺がお茶をこなたに渡すと、少しの間、俺達は談笑を始める。

 

しばらく談笑をしていた俺達だったが、ふいにこなたが俺に

 

「ねえ、慶一君。君に見せたいものがあるんだけど、今からちょっと付き合ってくれる?」

 

そう言ってくるこなたに俺は頭にハテナマークを浮かべつつ

 

「ん?これからか?一体どこへ行こうって言うんだ?」

 

と言う俺の言葉にこなたは、いたずらっぽく笑いながら

 

「それは着いてからのお楽しみだよー。さあ、さあ、こっちこっち。」

 

そう言って俺の手を引くこなたに連れられて、俺達は家を出る。

 

そして、少し歩いた場所に大きな樹があり、そこには墓標のように突き立てられた剣が1本立っていた。

 

俺はそれを凝視した後、こなたに

 

「なあ、こなた。お前が言っていた場所ってここの事か?ここって一体なんなんだ?それに、この剣、まるで墓標みたいに見えるな・・・」

 

そう尋ねると、こなたはふっと悲しげな表情になって

 

「これはね、君が消滅(ロスト)した時に龍也さんが立ててくれた君のお墓の跡だよ。」

 

そう言うこなたに俺は驚きつつ

 

「え?これが・・・俺の、墓?」

 

そう言うと、こなたは頷いて

 

「そうだよ。君を失ってもう復活も出来ない事に絶望していた私達の代わりに龍也さんがこのお墓を作ってくれたんだ。君の復活の方法を思い出すまでの間、私もずっとここに来ては泣いてた。かがみも、つかさも、みゆきさんも峰岸さんもみさきちもね。ここは・・・皆の悲しみが集まった場所でもあるんだよ・・・」

 

そう言うこなたに俺は再び罪悪感を感じながら

 

「・・・そうか・・・つくづく俺のやった事は・・・みんなを守っても・・・みんなに残したのは悲しみだけ・・・結局これじゃ、無意味に死んだだけか・・・俺って奴は・・・」

 

そう呟きつつ、俺は自分を責める。

 

そんな俺を黙ってじっと見つめていたこなただったが、俺の側に来て俺の手を握ると

 

「確かに今回の事は君の無茶だったかもしれない。でも、それでも、君は私達の側に戻って来てくれた。もう1度私たちに笑顔をくれた。またこうして、君のぬくもりを感じさせてくれたから、だから、もういいよ。もうそんなに自分を責めないで?私は・・・私達は君が戻って来てくれたことが本当に嬉しいんだからさ。」

 

そう言って顔を上げて俺を見つめるこなたを見て、俺はすっと目をつぶって

 

「ありがとう、こなた。俺、こんなだからさ、今後もまた無茶をしないとは言い切れない。それに、悲しませないと約束する事もできない。だけど、俺は、それでも、お前や皆を・・・」

 

そこまで言葉にする俺にこなたは更に言葉を重ねてきて

 

「うん。わかってる。それが君だって事は十分すぎるほどね。だから、私も、そして皆も君だけに無茶はさせないよ。本当に危険な時も、君が無茶しそうな時も、その無茶をせめて半減させれるようにくらいは頑張るからさ、だから、一緒に戦おう。自分が、自分がって背負いすぎず、皆で助け合おう。それが私達の望む所でもあるんだからさ。」

 

そう言ってくれるこなたに俺は力強く頷くと

 

「ああ。ありがとう、こなた。そうだな、俺は1人じゃない。俺の周りにはこんなにも頼りになる仲間がいる。俺はもっとその事を自覚しなくちゃ、だよな。こなた、頑張ろう。皆で頑張って必ず元の世界に戻ろう。」

 

そうこなたに言うと、こなたも俺の言葉に笑みを浮かべて頷いてくれたのを見て、俺は決意を新たにしたのだった。

 

俺達の誓いを済ませ、こなたは再び俺の墓の跡に向き直ると

 

「さて、慶一君も戻って来た事だし、これももういらないよね。それじゃ、お墓は撤去と行きますかー。」

 

そう言って俺の墓の跡を崩そうとしているこなたに俺は声をかけた

 

「待ってくれ、こなた。それはそのまま残しておこう。」

 

そう言うと、こなたは俺の言葉にきょとんとしつつ

 

「え?でも、なんか嫌じゃない?自分が生きてるのにお墓だけ残ってるとかさー。」

 

そう言うこなたに俺は苦笑しつつ

 

「まあ、お前の言いたい事もわからなくもないけどさ、けど、俺はこの墓は残したい。この墓は俺にとっての戒めでもあるしな。それに、皆にとっても、な。」

 

俺の言葉にこなたは首を傾げつつ

 

「私たちにとっても?それって?」

 

そう聞いてくるこなたに俺は頷いて

 

「今回は俺の無茶で俺は死んだ。そして、最悪の所まで行った。それは、今後戦いが激化してくれば、俺以外にも起こりうることだ。だから、無茶な行動の結果がこれだという目に見える目印を置いておきたい。そう思ったんだ。そうすれば、これを見るたびに思い出すだろ?俺達が味わった辛い気持をさ。」

 

そう説明すると、こなたも頷いて

 

「そっか。そうだね。じゃあ、これはこのままここに残しておくよ。そして、自分達の心が緩みそうになったらここに来て思い出す。そうすれば気合も入りそうだしね。」

 

そう言うこなたに俺も頷く。

 

そして、お互いに戒めをした俺達はもう1度俺の墓の跡を目に焼き付けてから、家へと戻った。

 

そうして、用事を済ませて今日はもう休もう、という事になったが、今日のかがみの件の事もあってか、今日だけは同じ部屋で皆で寝ようという事になり、その事に抗議する権利を持たない俺は、溜息をつきつつも皆の言う事にしたがって、その日は広いリビングを寝室にして休んだのだった。

 

そして、後2.3日は体を休ませる事となったが、その休みに皆とそれぞれに付き合って過ごす事を約束もしたのだった。

 

 




後書きと次回予告

つかさだよ。

昨日までけいちゃんがいなくなっちゃってたから、わたしもそうだけど、皆も不安だったみたい。

久しぶりにみんなで一緒に寝ちゃったね。

次回、らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜

しばしの休息、緩やかな時間、前編

少しの間だけでも楽しく過ごしたいな~。

どうぞ、お楽しみに。

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