らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜 作:ガイアード
休息期間、1日目と2日目、みゆきとつかさ編
皆が俺の復活を祝い、そして、俺はこなたに自分の墓の跡地に案内された。
そこで俺は、こなたと共にこの墓を残す事で、今後の俺達の戒めとする事を誓い、俺達は家へと戻る。
俺とこなたが居なくなっていた事は、かがみ達にちょっとした混乱を引き起こしたようだったのだが、俺とこなたが家に帰って来て玄関を開けると同時に、丁度俺達を探しに行こうとしていたかがみ達と鉢合わせて、俺は再びかがみ達のボディアタックの洗礼を受ける事になった。
俺が、皆にも何も言わずにいなくなっていた事にかがみ達に泣きながら責められる俺は、自分の行動の浅はかさをもう1度知る事となった。
皆に詫びつつ宥める事に終始していた俺だったが、そんな俺を見るこなたは、ただただ苦笑するばかりだった。
ようやく落ち着いた皆と明日以降の事を話し合い、今日は休む事となったが、俺は皆に強制的に皆が寝る場所の中心に布団を設置され、周りで寝る皆のプレッシャーを受けながら休む事となったのだった。
そして、翌朝、昨日のかがみのように今度は、つかさに泣きながら起こされる事となった。
朝食を摂りながらも俺のほうをちらちらと見てくる皆の視線。
それがどういうものかは俺にもわかっていた。
俺は、昨日復活を果たすまでしばらくの間この世界で死に、更にはその存在までもが消失(ロスト)していた。
一時は俺の復活も絶望的な状況だったが、俺を助ける手立てを見つけて皆がそれを命をかけて実行した結果、俺はこうして復活を果たした。
俺の復活は絶望的、しかし、それを覆して今俺はここにいる。
その事は彼女達にとってはまだ、夢みたいなものでもあるのだろう。
だからこそ、自分達が目を離した隙に俺がいなくなっていたり、眠ってから起きた時、彼女達はそれが夢だったら、俺が復活した事が現実でなかったら、そんな不安な気持を強く持っている為なんだろうな、と思ったのだった。
だからこそ、俺は皆のそんな行動を知りつつも、皆がそれで気が済むのなら、と、そんな皆の行動をあえて受け入れた。
しばらくは大変だろうけど、俺がしてしまった事を考えたら、俺はその事に対して何も言う資格もないんだから、と皆へのせめてもの罪滅ぼしと考えた。
そんな事を考えつつ、朝食終えると、この何日かの休息の時間を御坂さん達以外と付き合う事を約束していたので、早速昨日の晩の話し合いで決めた順番で動く事になった。
俺はその最初の相手であるみゆきに声をかける。
「みゆき、とりあえず俺の方は準備が済んだけど、そっちはどうだ?」
俺のその言葉にみゆきはにっこりと微笑んで頷きつつ
「私の方も大丈夫ですよ?それじゃ慶一さん、早速行きましょうか。」
そう言うみゆきに頷いて、一緒に家を出た。
この世界に来てからは戦いばかりの日々。
俺達自身にも元の世界へ一刻も早く戻る、その事に終始して他に目を向ける余裕がなかった事もあるのだが、改めてリルガミンの城下街を見回してみると、色々な物がある事に気付く。
そんな風に考えながら歩く俺の腕に、不意にみゆきが抱きついて来たのを感じ、俺は驚いて
「お、おい、みゆき?どうした?」
と、その行為に顔を赤くしつつみゆきに尋ねると、みゆきもまた、少し赤い顔を俺に向けて
「私がこうしたい、そう思っただけです。ご迷惑でしたでしょうか?」
そう答えるみゆきに俺は照れたまま
「い、いや、迷惑、って事はないけど、ちょっとびっくりしたかな。」
そう言うと、みゆきは不安そうな表情をほころばせて
「そうですか?それならよかったです。」
そう言って、俺の腕を抱く力を少し強めたようだった。
そして、俺達は改めてリルガミンの街の中を歩く。
その中でいくつか、街の特産品等を扱う屋台のような店等もあり、俺達はそれらを覗いてまわった。
俺やみゆきも、そんなものの中で興味を引くものもあり、俺達はそれらに見入っていた。
そんな中で、みゆきがとある細工物のブレスレットに見入っていたようだったので、俺はそんなみゆきに声をかけてみる。
「みゆき、ずいぶん熱心に見入っているみたいだったが、それが気に入ったのか?」
そう言う俺に、みゆきはにこりと微笑みながらコクリと頷きつつ
「はい。デザインや装飾が結構気に入りました。」
そう答えるみゆきを見て、俺はそのブレスレットを手にとってそして、それを購入する為に店主にお金を支払った。
そして、買ったブレスレットを持ってみゆきの側に行って俺はみゆきに
「ほら、みゆき、左手を出せ。俺がつけてやるから。」
そう言う俺にみゆきはおろおろしつつ
「え?で、でも、いいんですか?」
そう言うみゆきに俺は頷いて
「ああ。これも俺の罪滅ぼしの一端だと思ってくれればいいよ。俺にはこんな事しかできないけどな。」
その言葉にみゆきはまだ恐縮しているような顔を見せつつ
「そ、そうですか?なら、ありがたく受け取らせてもらいますね。とはいえ、元の世界に帰ったらこれも消えてしまうのかもしれませんが・・・」
その言葉に俺は苦笑しつつ
「はは。確かにみゆきの言う通りかもな。けど、この世界で、この場所で、これを買ったという事実だけはきっと残るだろう。その思い出だけでも持ち帰れるなら、この行動も意味のあるものだ、って思うからな。」
その言葉にみゆきもブレスレットに視線を落としつつ頷いて
「ふふ。そうですね。ここで、この場所で慶一さんにこれを買っていただいたという事は紛れもない事実ですよね。たとえこれが消えたとしても、思い出だけはきっと消えません。私が絶対に消しません。」
そう言って微笑むみゆきに俺も笑顔で頷くと、俺達はその場を後にした。
次に向かった場所は、みゆきが俺を助ける為の文献を調べた、この世界での図書館とも言える資料館だった。
みゆきはここで、俺を助ける為の資料を漁る日々を送ったという事を教えてくれ、さらには、この資料館では俺やこなたも知らないような事が書かれている文献などもあるらしく、俺もこの資料館には興味を持った。
何かの調べものをする時には、みゆきやかがみと共にここに来て資料を漁るのも悪くはないかも、と思いつつ、しばらくの間みゆきとこの場所で文献を見てまわったのだった。
その後、ギルガメッシュの酒場で食事をしてから午後も街の中を散策。
その〆に家に戻る前に俺の墓の跡へと2人してやって来た。
昨日の俺とこなたとで話をした事をあの日のうちに皆にも伝えた事もあり、みゆきも黙って俺の墓の跡をしばらくの間見つめながら、何事かをじっと考えているようだった。
俺は、側に座ってみゆきの気の済むまでの間、待ち続けた。
そして、ようやく考え事を済ませたらしいみゆきが俺の方へとやって来て
「お待たせしました、慶一さん。」
そう言ったので、俺はその言葉に頷いて立ち上がろうとしたのだが、ふいにみゆきが俺が立ち上がろうと顔を上げたその瞬間に俺の頬を両手ではさんで唇を重ねて来た。
俺はいきなりの事に顔を真っ赤にしつつ慌てていたが、やがて、みゆきはそんな俺から唇を離すと同時に何かを決意したような目を俺に向けて
「・・・慶一さん、お話したい事があります。初めに言っておきたいのですが、この事は私の我侭です。それを踏まえて私の話を聞いて欲しいんです。」
その言葉と、真剣な目に俺も真剣な顔になりつつ頷くと、みゆきは一瞬目を閉じ1度だけ軽く深呼吸すると、再び目を見開いて話を始めた。
「・・・私が慶一さんと初めて出会ってそして、この世界にやってくるまでの間、私は皆さんや慶一さんと共に色々な事をやりつつ過ごしてきました。そんな中、私の中で慶一さんに対して、気付けば淡い気持ちを持ちはじめていたようです。そして、この世界にやって来てあなたを失う事態になって、その時にようやく、自分の慶一さんに対する気持に気付きました。」
そこまで言ってから一端言葉を切り、もう1度深呼吸をしたみゆきは、真っ直ぐに俺の目を見据えてこう言い放った。
「慶一さん。私は・・・あなたが好きです。あなたを失って、初めて私は自分のその気持に気付いたんです。」
その言葉に俺は激しく混乱しはじめた。
(みゆきが俺を好き?え?聞き違いじゃないよな?い、一体何がどうなって・・・・・・)
と、心の中で焦りつつ、俺はみゆきに対して何も言えずにただただうろたえるだけだった。
何か言わなくては、そう思いつつ、頭をフル回転させる俺だったが、突然の事態に俺は混乱状態のまま言葉を搾り出した。
「み、みゆき。お前の気持は本当なのか?本当に、お前は俺の事が?」
そう言う俺に、みゆきは真剣な眼差しのままコクリと頷く。
その言葉に俺は、言うべき言葉を何とか頭の中からひねり出す。
「お前のその気持はとても嬉しい。だけど、俺は、そんな事すら思いもしなくて、その・・・お前の気持に対する答えがすぐには出せそうにない・・・けど、お前の真剣な気持は理解できたから、だから・・・」
俺がそこまで言った時、みゆきは俺の言葉を遮って
「わかっています。突然にこのような事を伝えるのは、慶一さんにも大いに混乱をもたらすものだという事も。最初にも言いましたが、これは私の我侭です。あなたに気持だけでも伝えたいという私の我侭。ですから、私もすぐには慶一さんに私のこの気持に対する答えは求めません。ただ、知って欲しい。知っていて欲しい。そんな私の我侭ですから・・・」
そこまで言ったみゆきの言葉に俺は、少しだけ頭を冷静にする事が出来、俺はみゆきに言うべき事を伝えるべく言葉を紡いだ。
「ありがとう、みゆき。お前の言いたいことは分かった。お前の真剣な気持もさ。今はこんな時だし、やるべき事もあるから仕方がない。けど、お前のその思いに対する答えは時間がかかるかもしれないけどきっと出す。だからそれまでは俺に時間をくれないか?」
そう答える俺に、みゆきは少し驚きの表情を見せた後
「慶一さん・・・ありがとうございます。ですが、今は私達がするべき事に集中しましょう。大丈夫です。それまで私は待ちますから。慶一さんが納得の行く答えに辿り着くその時まで待ちますから・・・」
俺は、そう言ってくれるみゆきに、今すぐに答えを出せない自分自身に罪悪感を感じつつ
「ありがとう、俺に時間をくれて。俺も切り替えて行く。まずはきちんと元の世界へ戻る事、だな。みゆき、これからも俺に力を貸してくれ。」
俺のその言葉にみゆきも力強く頷くと
「もちろんです。皆さんと、そして、慶一さん、あなたと共に元の世界に戻る為にこれからも協力は惜しみません。慶一さん、絶対に元の世界へ帰りましょう。私達のあの日常へ・・・」
その言葉に俺も頷いて
「そうだな。俺達の過ごしてきたあの日常へ・・・」
そう言い、俺達は互いに頷きあい、家へと戻ったのだった。
そして、家に戻るまでの間、みゆきは俺の手を握り、家の玄関の前まではずっと俺と手を繋いでいたのだった。
家の前で俺の手を離し、玄関のドアをくぐって中へと入っていく上機嫌なみゆきの姿を軽い溜息と共に見送った俺は、今回みゆきが伝えてくれた事をもう1度思い起こしながら、次のつかさの順番に備えるのだった。
家に戻った後、みゆきはこなた達にデートの結果を聞くために色々詰め寄っていたようだったが、あの時、俺の墓の前で言った事を結局はこなた達には言わずにいたようだった。
それでも、出かける前よりも上機嫌になっていたみゆきの態度には少々納得は出来ていない感じはあったが、こなた達もこれ以上問い詰めても無駄だと悟ったのか、みゆきに対して問い詰める行為はやめにしたものの、今度は俺に詰め寄り尋問して来る事となった。
散々苦労しつつ、俺は何とかみんなの追求を逃れきって、その日は精神的にも大分参った状態で休む事になったのだった。
そして、その翌日。
今日はつかさと行動する日だったので、その事を頭にいれつつ、俺はキッチンへと朝食を摂る為に向かった。
今回はつかさも早起きが出来ていたらしく、キッチンに現れた俺を満面の笑顔で迎えてくれた。
「おはよう、けいちゃん。今日は私も早起きがんばったよ?だから、朝御飯も今日はちゃんとわたしが作ったから、食べて欲しいな。」
そう言うつかさに俺も照れつつも頷いて
「わかった。ありがたくいただかせてもらうよ。」
そう言って俺は、つかさの作った朝御飯に箸をつけた。
つかさの料理の腕は相変わらず良くて、俺は改めてつかさの得意分野に納得していた。
朝食を終えると、洗い物を終えたつかさが出かける準備を済ませて戻って来たのを見た俺は、つかさに
「ん?つかさ、もう準備はいいのか?」
そう声をかけると、つかさも頷いて
「うん。片付けも済んだから大丈夫だよ。それじゃけいちゃん。今日はよろしくね~?」
そう言うつかさに俺も頷いて
「ああ。それじゃ出発するか。」
そう言うと、俺達は連れ立って家を出た。
その際にこなた達の見送りも受けつつ、俺はつかさと共に街へ向かった。
家を出るとすぐにつかさは俺の手を握って来たのを受けて、俺は驚きと照れとで少し顔を赤くしつつ
「お、おい、つかさ?」
そう言うと、つかさも顔を赤くしつつも
「えへへ。ちょっと照れちゃうね。でも、お願い。こうしていると安心するから。」
その言葉に俺は、つかさの心の中に不安があるのだという事に気付いて
「ん。わかったよ。それでつかさの気が済むのならそうしてくれ。俺にはその事についてどうこういう権利もないしな。それだけの事に今回はなっちゃった訳だしな・・・」
そんな言葉につかさは少しだけ悲しそうな表情を見せてから
「そうだね。けいちゃんと会えなくなったって思ったら悲しかったよ。すごく不安だった。今のわたしにはけいちゃんがいない日常なんて考えられない。けいちゃんがいなくなってその事に気付いたから・・・」
そんな風に言うつかさの言葉に、俺は罪悪感を感じつつも、つかさを安心させるように頭に手を置いて優しくなでてやりながら
「ごめん、つかさ。でも、ありがとう。そんな風に言ってくれて俺もとてもありがたい。少なくとも今の俺は皆に必要としてもらえている、その事が分かるだけでも嬉しいもんだ。」
そう言う俺の顔に視線を向けるつかさは、俺の撫でる手が気持いいのか、くすぐったそうな顔をしていたが、おもむろに俺に抱きついて
「必要だよ?みんなにとってもけいちゃんは必要な人だよ。それに、わたしにとってもそうだよ?あ、でもね?けいちゃんと一緒なら元の世界に戻れるかもしれないから、とかそういう事だけじゃなくってね?えと、その・・・元の世界でもどこでもけいちゃんには側にいて欲しいって事だからその~・・・」
と、あわあわしながら必死に説明しようとするつかさに俺は思わず吹き出しつつ
「はは、わかってるよ。つかさの言いたい事はわかったから大丈夫さ。ありがとうな、つかさ。」
そうやって御礼を言うと、つかさもとりあえず自分の言いたかった事が通じた事にほっとした表情を見せて
「そ、そうかな?それならよかったよ~。そ、それじゃけいちゃん。改めて出発だね~。」
そう言うつかさに俺も頷いて
「ああ。時間も限られてるしな。それじゃ行くか。そういえば、今回はつかさが俺を色々と連れて行ってくれるんだったよな?俺がいない間に色々見つけたって言ってたようだし。」
そう言うと、つかさは笑顔で頷いて
「うん。この世界に来て、わたしもこの世界の食材でお料理できるようになったからみんなのご飯作る為に街に買い物に行ったりしたからね。そこで色々見つけたんだよ~?」
そう説明してくれるつかさの言葉に俺も頷いて
「そうか、それじゃ楽しみにしようかな。とはいえ、この世界の食べ物にも慣れたもんだよな、俺達も。」
そう言う俺につかさも頷きつつ
「そうだよね。わたしも最初はすごく戸惑ったよ?本当にこんなの食べられるのかなあ?って。」
そう言って苦笑しつつ、再び俺の手を握って歩き出すつかさに、俺も歩幅を合わせつつ
「だよな。でも、食べてみると、俺達の世界で食べる食材と似てるんだからまた驚きだ。」
そう答える俺に、つかさはニコニコと笑いながら
「うんうん。それに、調理方もほぼ一緒だったのがよかったよ~。そうじゃなかったら、みんなにご飯作って上げられなかったと思うし。」
そう言うつかさの言葉に俺は頷きつつ
「そうだな。おかげで助かってるよ。」
そう言う俺に、つかさも照れつつも嬉しそうだった。
そうこうしているうちにつかさと共にやってきたのは、色々な食材が並ぶ屋台が集まる場所だった。
俺は屋台に目を向けつつつかさに
「つかさ、ここをまわるのか?」
そう尋ねると、つかさも俺に頷きを返しつつ
「うん。けいちゃんと色々見てまわるついでにお買い物もすませちゃおう、って思ってたから~。」
そう言うつかさに俺は苦笑しつつも頷いて
「そうか。つかさがそれでいいなら構わない。俺も付き合うよ。それじゃ、まわってみるか。」
そう言う俺につかさも笑顔で頷くと、早速俺達は屋台の食材を見てまわりはじめた。
その最中に俺は、つかさに似合いそうなアクセサリを見つけたので、つかさが食材の支払いで屋台の店員さんと話をしているその間にそれを購入し、丁度買い物を終えたつかさの元へと歩いて行った。
そして、俺はつかさのカチューシャタイプのリボンをはずし、今買い込んだアクセサリをつかさの頭につけてやった。
それは、オレンジ色のティアラで、いつものつかさのリボン姿とはまたちょっと違う雰囲気をかもし出していた。
つかさは、俺の突然の行為に驚いて
「あ、あの、けいちゃん、これって、わたし、もらっちゃっていいの?結構高価そうな感じなんだけど~・・・」
と、なんだか俺に悪いって感じで言うつかさに、俺は笑顔を向けながら頷いて
「ああ。いつものつかさのリボン姿もいいけど、ちょっと大人びた装飾のティアラもつかさにはあってるかも、って思ったからな。それに、これも俺の罪滅ぼしの一環でもあるから、受け取ってくれるとうれしい。」
その言葉につかさは照れたように顔を赤くしつつ
「そ、そうかな~?でも、ありがとうけいちゃん。せっかく買ってくれたから、わたし、これも大事にするね~。」
ニコニコと笑いながらそう答えるつかさに俺も頷きつつ
「はは、それならよかったよ。けど、元の世界に戻ったらそれも消えちゃうかもしれない。だから、一時的なものかもだけどさ。」
俺のその言葉につかさは少しだけ寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻って
「それでも、今こうやってけいちゃんが私にこれをプレゼントしてくれたっていう思い出は残ると思うし、わたしは絶対に忘れないよ?」
つかさの思いに俺は頷くと
「そうだな。思い出は消えない。俺達が忘れない限りはきっと残るはず、だよな。俺も忘れないよ。たとえ元の世界の戻ったとしても、この事は確かにあった出来事だからな。」
そう答える俺に、つかさも嬉しそうな顔で頷くのを見て、俺もまた、そんなつかさに応えるように頷いた。
そして、その後も屋台を巡りつつ、俺達は気付けば俺の墓の跡地へとやって来ていた。
俺の墓を見つめてしばし無言のつかさだったが、ふと俺の方へ向き直ると、俺に抱きついて来た。
突然のつかさの行動に驚く俺だったが、俺は少し慌てつつも俺に抱きつくつかさに声をかけた。
「お、おい、どうした?つかさ。いきなりでちょっとびっくりなんだが。」
俺のその言葉につかさは、泣きそうな顔をその状態のままで俺に向けて
「・・・けいちゃんがいなくなってた事は事実。でも、こうして今、けいちゃんを抱きしめているわたしが感じているぬくもりも本物。それはわかってるの。わかってるんだけど、けいちゃんのお墓を見てると、今わたしの側に立っているけいちゃんが実は幻なんじゃないか、って思えて怖くなったの。だから、こうやって抱きしめて今ここにいるけいちゃんがほんものなんだよ、って改めて確かめてみたくなったから・・・それに、このお墓の前で泣いちゃった事を思い出したら、なんだか悲しくなっちゃって・・・」
そう説明するつかさに俺は、再び罪悪感が胸の奥から沸いてくるのを感じながら
「そうか・・・嫌な事思い出させちゃったかな?ごめん、つかさ。」
と、つかさの背中を優しく撫でてやりながら、再び謝罪の言葉を口にする俺。
そんな俺の言葉につかさは左右に首を振りながら
「ううん。いいの。けいちゃんが確かにここにいる、その事を確かめられたからもう大丈夫だよ?こなちゃんからも聞いたけど、けいちゃんはこのお墓を残したんだよね?ここが私たちにとってもけいちゃんにとっても戒めにするべき場所として。」
そのつかさの言葉に俺も頷いて
「ああ、その通りだ。この墓を見るたびに俺の身に起きた事を思い出し、さらには皆にも無茶をしすぎる事に対する結果を見せ付けて気を引き締める為にね。」
そう答えると、つかさも頷きながら
「そうだね。そうだよね。一歩間違えたらこのお墓はわたし達の誰かになる可能性もあるんだもんね。だから、わたしも引き締めていくよ?もう誰もいなくならないように、わたしも消えたりしないように。だから、けいちゃんも・・・」
その言葉に俺も力強く頷いて
「ああ。俺も消えない。皆も消させない。今この場で俺もつかさと約束する。今後はあまり無茶はしないように心がけるってね。そして、同時に皆を守る時も無茶をしないように・・・」
その言葉で、緊張の表情を見せていたつかさもようやく笑ってくれ、そして
「じゃあ、指きりしようよ、けいちゃん。今けいちゃんが言った事は絶対守るって。わたしも守るから。それじゃ、行くよ~?ゆ~びき~りげ~んまん、嘘ついたら針千本の~ます、ゆびきった~」
そう言って俺達は俺達だけの約束をこの場で交わした。
つかさは照れつつも笑顔だったが、俺は、そんなつかさを見て改めて約束を守っていこうと心に誓ったのだった。
そして、俺とつかさは家へと戻ったのだが、戻るまでも間もつかさは俺の手を握りながらかなり上機嫌だった。
家に辿り着く少し前、ふと足を止めたつかさは俺の顔を見ながら
「ねえ、けいちゃん。これからも一緒にいてね?わたしや、みんなとこれからも。もうわたしの中でもみんながいて、けいちゃんがいることが今のわたしにとっての日常だから。だから、お願い・・・」
少し不安げな表情で俺にそう言うつかさに、俺はつかさの頭にぽんと手を乗せて
「俺にとっても皆がいる事はすでに俺の中での日常さ。だから、いられる限りは俺は皆の側に、つかさの側に居るよ。だから、心配するな。」
そう答える俺の言葉に、つかさはほっとしたような表情になって
「うん。ありがとう、けいちゃん。」
そう言うつかさに俺も頷いて
「俺こそ、ありがとう。さあ、皆が今日の夕食を心待ちにしてるぞ?戻って手に入れた食材で夕食にしなきゃなな。」
その言葉につかさも満面の笑みを浮かべながら
「なら、わたしも張り切るよ~?期待しててね?けいちゃん。」
その言葉に俺も笑顔で頷いて
「なら、今日も期待させてもらおうかな?それじゃ行こう。」
そう言って俺達は頷き合い、家へと戻ったのだった。
手に入れた食材で作った夕食は再び皆からの好評を得た。
楽しい1日の反面、心に誓いも立てる今日を終え、俺は、明日の事に思いを馳せるのだった。
後書きと次回予告
みゆきです。
今回は思わず私の気持を伝える事になってしまいました。
今思い出してみると、すごく恥ずかしいですね。
次回、らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜
休息期間の3日目と4日目、みさおとあやの編