らき☆すた〜変わる日常、異世界冒険ウィザードリィ5の世界〜   作:ガイアード

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仲間との合流、決意の旋律達

突然異世界へと飛ばされてしまった俺達。

 

そして、この世界で俺達は2手に分かれてしまう事となった。

 

初の戦闘を経験し、俺は体に傷を負ってしまう。

 

それでも何とか盗賊を撃退して町へと辿り付く俺達だったが、そこに着くまでに俺の中に渦巻いていた疑念は、その町の看板に書かれた名前を見て確信へと変わるのだった。

 

俺達が町に辿り付くかなり前・・・・・・。

 

龍也side

 

慶一の部屋に俺達は集まり、慶一のプレイするゲームを皆で見ていた。

 

しかし、突然起きた異変により、俺達は謎の光に包まれて意識を失った。

 

が、俺はそんなには長い時間は気を失っていなかったようで、誰かの気配と足音で意識を取り戻す。

 

俺は体を起こして周りを見渡すが、そこは石組みで作られた建物の一室のようだった。

 

「お?気がついたみたいだな。大丈夫か?兄ちゃん。」

 

突然に俺に声をかけてくる者がいて、俺はその声の方に反射的に振り返ると、そこには防具?のような物を着込んだ中々に鍛え込まれた体格の男が立っていた。

 

「・・・あんたは誰だ?ここは一体?」

 

俺はその男を一瞥した後に再び周りを見渡してその男に尋ねると、その男は俺を不思議そうな顔で見て

 

「俺は、ここの冒険者の訓練所の所員さ。名をグリーグと言う。兄ちゃんこそ何者だ?この辺りでは見ない顔だな。」

 

そう言う男の言葉に聞きなれない単語を耳にして、俺は困惑しつつ

 

「俺は龍神龍也と言う。グリーグ、って言ったか?冒険者の訓練所ってのは一体何だ?」

 

そう尋ねると、グリーグは俺を不思議そうな顔で見て

 

「何って、訓練所は訓練所さ。ここでは様々な職業の基礎を学び、その職業につくだけじゃなく、更に上位の職業への転職も行っているのさ。こんな事、このリルガミンでは常識だぞ?」

 

そう言うグリーグの言葉に俺はまたしても聞きなれない言葉を耳にして

 

「職業については何となくだが理解できた。しかし、もう1つ教えてくれ。リルガミン、ってのはなんだ?どこかの地名なのか?」

 

俺のその言葉にグリーグは眉をひそめ

 

「兄ちゃん、それは本気で言ってるのか?リルガミンを知らない、と。今まで色々な奴を見てきたが、リルガミンの事を知らない奴は初めて見たぜ?まあいい。こっちに来てみな。ここからも見えるぜ?リルガミンの城下町がな。」

 

そう言って俺を窓際へと手招きするグリーグの所へ俺も行ってそこから外を見ると、そこには俺の見たことのない城と町並みが見えた。

 

「・・・な・・・んだこりゃ・・・こんなの見たことないぞ?俺は一体どうなっちまったんだ・・・。」

 

窓から見える光景に驚く俺に、グリーグは

 

「・・・ふむ。その様子からすると、訳ありみたいだな。まあ、何にしてもここはそう言う場所で、あそこが俺の言っているリルガミンの城下町だ、って言う事さ。」

 

と、腕組みしながらそう言うグリーグに俺は尋ねてみたい事があったので

 

「なあ、グリーグ。俺はどうしてここにいたんだ?」

 

そう尋ねると、グリーグは1つ頷いて

 

「ああ。その事か。お前さんはこの訓練所の裏手で倒れていた所を他の訓練所所員が見つけてな。ここに保護したのさ。そう言えば、お前さんのほかに後2人、側に倒れていた娘達がいたな。」

 

その言葉に俺は驚きつつ

 

「何だって!?グリーグ、その娘達はどこにいるんだ!?」

 

思わず大声を上げる俺にグリーグは気圧されながらも

 

「おいおい、落ち着け。2人ともお前さんの寝ている場所の横のベットで寝ているよ。ちゃんと我々も3人共保護したから問題はないはずだ。」

 

そう説明するグリーグの言葉に俺は振り向いて、俺の寝ていたベットの所へと走って行く。

 

そして、ベットで眠る2人の姿を確認してみると、そこに寝ていたのはつかさちゃんとあやのちゃんだった。

 

俺は2人を起こそうと声をかける。

 

「つかさちゃん!あやのちゃん!大丈夫か!?」

 

俺がそう声をかけ、体を揺すると、2人とも「「うーん・・・。」」と唸りながら目を覚ましたのを見て俺は心底ほっとしていた。

 

「・・・あ、龍也さん・・・おはようございます~・・・ふああ、まだ眠いよ~。」

「ううん・・・ん?あ、龍也さん・・・あの、その格好は一体?」

 

つかさちゃんはまだ眠そうだったが何とか目を覚まし、あやのちゃんも同じように目覚めて俺を見た瞬間、そう言葉を発していた。

 

俺はあやのちゃんの指摘を受けて自分の姿を見ると、何故かレザーアーマーのような物を着込み、腰にはロングソードが下がっていた。

 

「あれ?なんだこれ?俺はいつの間にこんな格好を・・・ってそれを言うならあやのちゃん、つかさちゃん。君達もだぞ?」

 

俺のその言葉に2人とも自分の体を見て驚いていた。

 

「え?何これ?わたしいつのまにこんな物つけたのかな?」

「革でできているみたいね・・・まさか龍也さん、私たちが寝ている間にいたずらしたんじゃ?」

 

その言葉に俺は慌ててぶんぶんと首を左右に振りながら

 

「いやいや、そんな事はしないよ。それに、俺も気付いたらこの格好だったからな。君らに指摘されてはじめて気付いたんだし。」

 

俺のその言葉に少しだけ疑いの眼差しを送る2人に俺は苦笑しつつ

 

「それはともかく。なんだか大変な事になってしまったみたいだぞ?2人とも、窓の外をみてごらん?」

 

そう俺が言うと、2人は顔を見合わせてからグリーグのいる窓へと小走りで行って窓の外を見た。

 

「え?えええ?何これ?ここ、どこなの?」

「見た事のない町・・・龍也さん、これは一体?」

 

そう尋ねてくる2人に俺は、さっきグリーグから聞いた説明を2人にもしてやる。

 

すると、2人は驚きながらもまだ自分達の置かれた状況が信じられない、といった風だった。

 

そんな俺達を見ていたグリーグが

 

「あんたら、どうやら訳ありみたいだな?どうだい?良かったら俺にも訳を聞かせちゃもらえないか?場合によっては力になってやれるかもしれないが。」

 

その言葉に俺は少し考えてから

 

「・・・うーん・・・これは俺達の身にも起きた事ではあってもにわかには信じられない事なんだが、とりあえず話すとだな・・・・・・と言う訳なんだ。」

 

結局俺はグリーグに説明をする事にした。

 

グリーグは俺の説明を聞いて首をしきりに捻っていたが俺の方に再び顔を向けると

 

「・・・うーむ・・・その話が本当だとしたら、お前さん方は異世界からの来訪者、って事になるのかもしれないな。」

 

そう言うグリーグに俺は再び驚いて

 

「い、異世界だって?ここがそうだって言うのか?」

 

その言葉にグリーグは後頭部をかきつつ

 

「お前さん方の話とこちらの話の食い違いもそうだが、俺はお前らの言う地名を知らないし、お前もまた、リルガミンを知らなかったのだろう?更に言うなら、先程のそこのお嬢ちゃん方2人と兄ちゃんのあの町を見た時の反応といい、自分達のしている格好も何が何やらと言う事ならば、俺達からしてみれば、兄ちゃん達はこの世界とは別の場所から来たか、記憶を失っているか、という事になる訳だが、記憶を失っているという事であれば、兄ちゃん達がこの町の事や世界の事を忘れているとしても、自分達の事や、現在自分達の置かれた状態をそうもはっきりと自覚しているの見る限り、記憶を失ってるにしてはその辺が明確である事を考えてみても、兄ちゃん達が記憶を失ってるとは考えられん。と、なれば、後は、兄ちゃん達が異世界から来た、という事の方が理由としてはしっくりくる、って事だ。ここに、この世界に住む者達ならば、誰でもこの訓練所は知っているし、あの町の事も知っている。何しろあの町こそが我々の生活の拠点なのだからな。冒険者も一般人も、あの町の庇護の下に暮らしているのだからな。」

 

その言葉に、俺はただ絶句するしかなかった。

 

(異世界、だと・・・?どうして俺達はこんな場所にいる・・・。そもそもここが異世界だとして、俺達に元の世界に帰る方法があるのか?俺達はこれから一体どうしたら・・・。)

 

そうして、俺が考え込んでいる時、ふいにつかさちゃんとあやのちゃんが声を上げた。

 

「そうだ!おねえちゃん、おねえちゃんはどこにいるのかな?わたし達はけいちゃんの部屋からここに来たんだよね?そこにはおねえちゃん達も一緒だった。でも、今ここにはわたし達しかいないよ?」

「あ!そういえばそうね?みさちゃん達も同じ所にいて同じように巻き込まれたはずよね?なのにここには私達しか・・・ねえ、グリーグさん。その場所には私達以外に誰かいなかったんですか?見つかったのは私達だけだったんですか?」

 

そのあやのちゃんの言葉に俺も我に返ると

 

「そうだ!グリーグ、俺達を保護してくれたと言ったな?その時には俺達だけしかいなかったのか?他に人はいなかったのか?」

 

慌ててそう尋ねると、グリーグはしばし考え込む表情でいたが、やがて顔をあげると

 

「いや、俺の方では兄ちゃん達3人の保護しか報告を受けていない。他に人がいたのなら、その報告は俺の方へと上がってくるはずだ。」

 

その言葉に俺達はは更に落ち込む。

 

そんな俺達の姿を見たグリーグは俺達を気遣うように

 

「なあ、兄ちゃん達、その連中はお前さん方の知り合いか何かなのか?」

 

そう尋ねるグリーグに俺は沈痛な表情で頷くと

 

「ああ。俺の弟と弟の仲間達、そして、この子達の姉と親友さ。俺達は弟を中心にして集まる仲間だった・・・。」

 

その言葉につかさちゃんとあやのちゃんも心細さから泣きそうな表情になっていた。

 

そんな俺達の状態を見たグリーグはまた考え込む仕草を見せていたが、やがて

 

「あんたらと同じように、巻き込まれた、そう言っていたな?ならば、その兄ちゃん達もこの世界へと来ている可能性はあるだろう。まだ悲観する事はない。それに、何かの偶然に2手に分かれてしまった可能性もあるだろうしな。だから、まだ希望を捨てる事はないぞ?それに、同じような場所に来ているとしたら、そっちの兄ちゃん達もリルガミンへと向かうかもしれん。他にこの辺りには町などないからな。もしもその兄ちゃん達がリルガミンへとたどり着いていたら、きっと出会えるはずだ。だから、兄ちゃん達もリルガミンへと行ってみればいい。」

 

その言葉に俺はしばし考え込んでいたが、俺はつかさちゃんやあやのちゃんの方へと向き直ると

 

「つかさちゃん、あやのちゃん。どうやら今の俺達にはそうするしか選択肢はなさそうだ。そして、慶一達が無事にリルガミンへとたどり着いている事の願うしかない。だから、一緒に行こう。君達は俺が必ず守ってみせるから。」

 

そう言う俺に、つかさちゃんとあやのちゃんも悲しい顔のままではあったけど頷いて

 

「・・・そうですね。それしか今は方法がないみたいだし・・・。」

「私も2人と一緒に行くわ。その方がいいと思うし。それに、守ってくれるんでしょ?龍也さん。」

 

そう言うあやのちゃんに俺は力強く頷いて

 

「もちろんだ。君らに何かあっては慶一が悲しむからな。それは任せてくれ。」

 

俺の力強い言葉に2人は元気をとりもどしたようだった。

 

「話は決まったようだな。なあに、きっと兄ちゃん達の仲間も無事でいるさ。上手く出会えるといいな。」

 

グリーグのその言葉に俺達は

 

「ありがとう、あんたには世話になったな。俺達を保護してくれて感謝してるぞ。」

「わたし達を助けてくださってありがとうございます。」

「これからも希望も持てました。本当にお世話になりました。」

 

そう言うと、グリーグは照れたように笑いながら

 

「いいって事よ。困ってる冒険者に道を指し示す事もまた、俺達訓練所の所員の役目でもあるからな。」

 

そう言うグリーグに俺達もにっこりと笑って一礼すると、リルガミンに向けて歩き出そうとしたのだが、グリーグはそんな俺達を慌てて引きとめた。

 

「ちょっと待ちな、兄ちゃん達。見た所、兄ちゃん達はすでに職業が決まっているみたいだ。これから先、その職業が兄ちゃん達を助ける事になるかもしれないからな、3人の職業について教えるから一応頭に叩き込んでおいてくれ。」

 

その言葉に俺は「職業?」と聞き返したのだが、グリーグは俺の言葉に頷くと

 

「そうだ。まずは兄ちゃんだが、あんたは戦士(ファイター)だ。あらゆる重量武器、防具を使いこなし、体力にも優れ、近接戦、中距離戦にも秀でている。そして、そっちの2人のお嬢ちゃんだが、僧侶(プリースト)だ。武器防具はある程度の物はつけられ、そして、回復に特化した呪文を使いこなす。」

 

その言葉に俺は自分の手を見ながら

 

「戦士(ファイター)ね・・・。まあ、俺は元々格闘家だからな、とりあえずは納得だ。」

 

そう呟く俺。

 

そして、つかさちゃんとあやのちゃんはグリーグの言う僧侶(プリースト)の言葉に困惑していたが、あやのちゃんは

 

「武器と防具、ってなんだか物騒ね・・・でも、呪文て何なんですか?グリーグさん。」

 

その質問にグリーグは頷いて

 

「うむ。僧侶(プリースト)の呪文というのは、僧侶(プリースト)の使える技(スキル)だと思ってくれ。そのスキルを嬢ちゃん達の世界には存在しない魔力というものの助けを借りて使うのさ。そして、その呪文は嬢ちゃん達の懐にある呪文書に書かれているから確認してみるといい。そして、その呪文書も嬢ちゃん達の能力が上がることで使える種類や数が増えていく。」

 

グリーグは2人にそう説明した。

 

その説明を聞いて、つかさちゃんとあやのちゃんは自分の懐をまさぐり、何かを取り出した。

 

それは一冊の本のようだったのだが、それを2人は開いて見入っていた。

 

「・・・何か書いてあるよ?見た事のない字だけど、何故か読める・・・。」

「そうね・・・えーっと・・・『ディオス』と『バディオス』ね?」

 

その聞いた事のない言葉に俺も首を捻っていたが、グリーグは2人の呟きに頷くと

 

「そう。それが呪文だ。戦闘時やキャンプの時にその呪文を唱える事で効力を発揮できる。よく覚えておきな?嬢ちゃん達。」

 

そう説明するグリーグにあやのちゃんは驚いた顔で

 

「せ、戦闘って・・・どういう事ですか?」

 

そう尋ねると、グリーグはさも当然という表情で

 

「どうって・・・冒険者の職業だからな。その職業の特性を使って戦う事はこのリルガミンではあたりまえの事だぞ?それぞれの職業の仲間とパーティを組んで戦う、それはここでは基本だって事だ。」

 

その言葉に困惑顔のあやのちゃん。

 

俺は戦う、という部分に疑問を持って、グリーグに質問をぶつけてみた。

 

「グリーグ、戦うって言う事だったが、ここの世界の人間は何と戦っているんだ?」

 

その質問にグリーグは1つ頷いて

 

「うん。ここには冒険者が潜るダンジョンがある。戦うのはそのダンジョンに巣食うモンスターどもさ。ここの世界の冒険者はそいつ等を倒し、日々の生活の糧を得ている、と言う事だ。」

 

その言葉に俺は苦い表情で

 

「・・・モンスター・・・ね・・・。つくづく変な世界へ足を踏み入れちまったようだな・・・。」

 

俺の呟きにグリーグは俺の肩をぽんと叩いて

 

「なあに、最初は戸惑うかもしれんが、すぐに慣れるさ。それに、ひょっとしたらだが、そのダンジョンに兄ちゃん達が元の世界に戻る為の手掛かりがあるかもしれないぞ?」

 

その言葉の最後の部分に俺は思わず反応し

 

「何だって?それは本当か!?グリーグ!!」

 

その言葉にグリーグは顎に手を当てつつ

 

「まあ、あくまでも、ひょっとしたら、だ。あのダンジョンには何かと謎が多い。その謎を解明出来た者はまだいないからな。兄ちゃん達がそれを解明する事が出来たなら、希望はあるかもしれん。」

 

グリーグのその言葉に俺は、1つ覚悟を決めると

 

「ありがとう、グリーグ。もし、弟達と出会えたなら、あんたからもらったその情報を活用させてもらう事になるかもな。とりあえず俺達はこれからリルガミンまで向かう事にするよ。」

 

グリーグにそう伝えると、グリーグは俺に

 

「そうか。月並みな言葉だが、気をつけてな。それと、もし上手く弟達に出会えたならここへ連れて来い。その弟もひょっとしたら兄ちゃん達同様に職業がとっくに決まっている可能性もあるからな。俺がそいつ等を見てやろう。」

 

そう言ってくれるグリーグに俺は頷き、再びお礼を言うと

 

「つかさちゃん、あやのちゃん、行こう。まずはリルガミンへ行って、慶一達を探してみよう。」

 

そう言うと、2人とも頷いて

 

「うん。そうだね。龍也さん、私たちの事、守ってね?」

「みさちゃんや慶ちゃん、柊ちゃん達に出会える事を信じて、行きましょ?」

 

そう言うあやのちゃんに俺達も頷いて、訓練所を後にした。

 

訓練所から町まではすぐだったが、どうやら訓練所のある方は町の裏口のようだった。

 

そのまま俺達は町の中へと入る。

 

そして、町の中を見回しながら

 

「へえ?中々に大きい町だな。それにそれなりに活気もあるようだ。」

 

そう俺が呟くと、つかさちゃんとあやのちゃんもその光景に目を丸くしながら

 

「うわ~・・・わたしも見たことのない物ばっかりだね~・・・。」

「そうね。それに、結構な人達が武器や防具を携帯しているみたい。本当に私達のいた世界とは違うのね・・・。」

 

そんな風に言う2人に俺もこの風景を見ながら頷いた。

 

そして、少し先に町の入り口らしい場所を見つけた俺は2人に

 

「2人とも、あそこが町の入り口みたいだ。あの付近に立って、町に入ってくる人間を見ていよう。もしも慶一達が通りかかればすぐに分かると思うしな。」

 

その言葉に2人は頷いて

 

「うん。わかったよ。それじゃ早速行こうよ。」

「そうね。3人で見ていれば見逃す事はないかもだしね。」

 

そう言う2人に俺も頷くと、2人を引き連れて町の入り口付近で立ち、町に入ってくる人間を見つめていた。

 

そして、その場所に立ってからあやのちゃんが俺に

 

「ねえ、龍也さん。もしここで待っていても慶ちゃん達が現れなかったらどうするの?」

 

と、聞いて来たので、俺は少し考えてから

 

「そうだな。その時は情報を集めやすい場所へ行って聞き込みをしてみるのがいいかもしれない。それに、その場所は俺達が訓練所を出てくるときにグリーグが教えてくれたしな。」

 

そう言う俺にあやのちゃんは

 

「ギルガメッシュの酒場、って言ってたわね?」

 

俺はその言葉に頷いて

 

「ああ。もしもの時はそこへ行ってみよう。それまではここでしばらく待ってみよう。」

 

そう言うと、2人とも頷いて町の入り口に目を戻したのだった。

 

慶一side

 

龍兄達が先に町についている事を知らない俺達は、町の入り口の前で町の名前を記した看板を見て俺の感じていた疑念が確信に変わるのを感じていた。

 

とりあえずこうしていても仕方ないので、俺は皆に

 

「皆、とりあえず町の中へ入ろう。出来れば落ち着ける所があればいいが、それも中に入って見なきゃなんとも言えないからな。」

 

そう言うと、そんな俺の言葉にこなたも頷いて

 

「落ち着ける所かー・・・ここが本当にあの町なら、やっぱり行く所ってあれかな?」

 

そう言うのだった。

 

その言葉に俺はこなたにある種の確信を持って

 

「・・・やっぱりこなたもその結論にたどり着いたか?」

 

そう尋ねると、こなたもコクリと頷いて

 

「まあね。一応、私も知ってはいるし。」

 

そう言うこなたと俺の会話がよくわからないかがみ達が俺達に

 

「2人して話してるけど、何なのよ?その場所って。」

「2人共なんか知ってるんか?」

「よろしければ、お2人の知っている事をお聞きしたいのですが・・・」

 

そう聞いて来たので、俺は3人に

 

「ああ、すまんすまん。落ち着ける場所っていうのはギルガメッシュの酒場の事さ。この町が俺の知ってるあのゲームの町であるなら、冒険者達の集まるその場所へと行くのがいいだろうと思うからな。食事とかも出来るし何より、この場にいない仲間達の情報を集められるかもしれないからな。」

 

そう説明すると、3人は俺の言葉に納得したようだった。

 

「とにかく、町の中へレッツゴー!」

 

そう言ってこなたがいきなり先頭きって町の中へと飛び込んでいったのを見て、俺達も慌てながら

 

「ちょ!まて、こなたー!!」

「勝手に1人で突っ走るなー!!」

「待てよちびっこー!抜けがけはずるいってヴァ!!」

「ま、待ってください、皆さん!」

 

そう言ってこなた達を追って町に入ったが、その瞬間に俺達は聞き覚えのある声に声をかけられた。

 

「あ!こなちゃん!それにけいちゃんにおねえちゃん、日下部さんにゆきちゃんも!!」

「みさちゃん!慶ちゃん!!それに柊ちゃん達も!!」

「慶一!皆!無事だったか!!」

 

という言葉に俺達は弾かれるように俺達はその声の方へと顔を向ける。

 

そこには心配していた仲間達の姿があった。

 

俺達は思わずみんなの所へと駆け寄る。

 

「つかさ!あやの!龍兄も無事だったか!やっぱり皆もこの世界に来てたんだな!?」

「つかさ、峰岸さん、龍也さん、無事でよかった!!」

「つかさー!峰岸と龍也さんも、心配したのよ?とにかくよかった・・・。」

「あやのー!!柊妹、龍也さん!無事でよかったってヴァ!!」

「皆さん、よくご無事で・・・心配しましたよ?」

 

と俺達が言うと、龍兄達もまた、俺達に

 

「慶一、かがみちゃん達も。皆こそ無事でよかった。」

「おねえちゃん!けいちゃん!こなちゃん!ゆきちゃんと日下部さんも無事でよかったよ~・・・。」

「みさちゃん達も無事でよかったわ。とりあえずは一安心よね。」

 

そう言って俺達は再会を喜び合った。

 

その後は俺達は町の中を見回し、改めて異世界に来た事を実感する事となった。

 

それと同時に、俺とこなたが疑念を持っていたこの町だったが、その疑念は確信へと変わったのだった。

 

龍兄から聞いたギルガメッシュの酒場の名前とそして、町の人間がある噂をしているのが耳に入ってきたからだ。

 

その噂にはどれも、ソーン、ゲートキーパーの名前が必ず出ていた。

 

俺はそれをギルガメッシュの酒場に向かう途中で何度も耳にする事となった。

 

それで初めて俺は、この世界があのゲームの世界であると確信した。

 

そんな事を考えながら酒場まで歩いていた時、最初の戦闘で受けた傷が突然に痛み出した。

 

俺はその突然の事に思わず顔をしかめる。

 

その事に気付いたこなたが俺に声をかけてきた。

 

「!?慶一君、痛むの?大丈夫?」

 

その言葉に事情を知るかがみ達は俺に心配そうな顔を向けた。

 

そして、事情を知らない龍兄達が、かがみ達にこなたの言った言葉の事を尋ねていたが、その答えを聞いて3人は

 

「慶一、怪我をしていたのか?傷はどんな具合なんだ?」

「けいちゃん、大丈夫?わたし、けいちゃんがそんな事になってたなんて知らなかったよ・・・。」

「とにかく、早く落ち着ける場所へ行きましょ?慶ちゃんの怪我の状態を見ないと・・・。」

 

そう言ってくれる3人に俺は

 

「ちょっとドジってな。背中に傷をもらっちまった。つかさ、大丈夫だ。傷はそんなに深くないから。それと、あやの、酒場はもう少しだし、とりあえずはそこに入ってから、だな。」

 

そう言うと、再び酒場へと足を向けた。

 

だが、ここで、かがみがある事に気付いて声をあげる。

 

「あ!でも、酒場に行くのはいいけど、私達お金持ってたっけ?」

 

その指摘にみさおとみゆきは困惑顔で

 

「そういや、この武器と防具はあったけどお金はなかった気がすんぞ?」

「それに、こちらの世界の通貨って何なのでしょうか?それがわかりませんとどうしようもないですね・・・。」

 

その言葉に俺とこなたは懐から皮袋を取り出して

 

「たぶん、これが使えるはずさ。」

「さっきの戦闘で手に入ったからね。そのまま持ってきたんだよ。」

 

と言うと、かがみはその事に驚いて

 

「え?あんたらいつの間にそんな?」

 

と、驚きの表情を見せるかがみに俺は

 

「俺だけじゃなく、かがみたちもこの袋は持ってるはずだぞ?何しろ敵を倒した時に何故かこの袋に自動的にお金が納まったからな。俺も懐に僅かな重さを感じて驚いたんだ。それに、これはここに来ている皆が持ってるみたいだし。」

 

そう言うと、かがみ達も慌てて懐をまさぐって見ていたが、そこから皮袋を取り出して中身を出してみて驚いていた。

 

「嘘、本当に入ってる。しかも、これって金貨?」

 

その言葉にこなたが頷きつつ

 

「うん。というか、この世界の通貨はこれをゴールド、って呼んで取引してるみたいだね。とりあえず今の私たちの手元には200ゴールドずつあるみたいだよ?」

 

その言葉にみさおとみゆきも実物を見て驚いていたようだった。

 

更に、龍兄達も

 

「ん?お前らも金はもっていたのか。俺達も俺達を保護してくれた訓練所の人が餞別に、って持たせてくれたのがあるぞ?だから、お前らが金を持っていなかった場合は俺達がその代金を出そうって思ってたところだ。」

 

その言葉に俺は驚きながら

 

「訓練所?訓練所だって?やはり、それもここにあるんだな。そっか、龍兄達はそっちの方にいたのか。俺達とは丁度反対の場所に居たって事だったんだな。」

 

俺の言葉に龍兄も頷いて

 

「どうやらそうみたいだな。俺達は町の裏口からこっちへ来た。そして、町の入り口でお前達を待っていたんだからな。」

 

その言葉に俺は頷いて

 

「そうか。でも、これで何とかお金の事に関しては大丈夫そうだな。それじゃ、酒場へ行こう。皆もおなかすかしてる筈だしな。」

 

俺がそう言うと、誰かのおなかの音がぐー・・・と鳴るのが聞こえた。

 

何気なしにその音の方に目をやると、そこには顔を真っ赤にしたかがみがいた。

 

こなたはそんなかがみに気付いてにやにやとしながら

 

「うーん。やっぱり食欲魔人のかがみだね。体は正直だー。」

 

と言ってかがみをからかうのだが、その瞬間こなたの脳天にかがみの拳が突き刺さった。

 

「う、うるさい!誰が食欲魔人よ!!変な事言うと殴るわよ!?」

 

と言うかがみにこなたも涙目になりながら

 

「・・・もう殴ってるってばー・・・。」

 

そう言って頭をさするこなたを見て皆からも笑いが起きたのだった。

 

この殺伐とした世界に来て、久々に見る光景に、俺も思わず頬を緩めていた。

 

そして、気を取り直すと、皆と一緒に酒場へと入って行った。

 

酒場で食事の注文を取りながら、その食事が来る前に、先程の俺の傷を龍兄達に見せた。

 

「・・・こいつは・・・傷は確かに浅いかもしれんが、それでも傷による影響はでそうだな。」

「・・・凄く痛そう・・・何とかできないかな・・・。」

「傷を治す為の方法か物があればいいんだけど・・・・・・あれ?」

 

そこまで言って、あやのは急に声を上げた。

 

その言葉に俺は驚いて

 

「あやの?どうした。何かあったのか?」

 

そう尋ねると、あやのは懐からなにやら本のようなものを取り出して本を開き、そのページを見つめていた。

 

そして、俺に向き直ると

 

「慶ちゃん、傷を私に見せて?」

 

そう言って来たあやのに俺は困惑しつつも、自分の傷を見せた。

 

あやのは俺の傷に手をかざすと『ディオス』と言葉を発した。

 

そして、その言葉と共に光があふれ、俺の傷にその光が作用すると、俺の傷が小さくなっていくのを感じた。

 

つかさもあやののやっている事を見ていて何かに気付いて、慌てて俺の側に来て同じように傷に手をかざして

 

「峰岸さん、わたしも手伝う。けいちゃん、ちょっとだけ待っててね?『ディオス』」

 

あやのと同じ言葉を発したつかさ。

 

そして、再び光が溢れ俺の傷を覆っていく。

 

そして、俺の傷は完全に塞がった。

 

それを見て安堵するあやのとつかさだったが、こなた達はその光景に驚きの表情を見せていた。

 

「つ、つかさ、峰岸、あんた達、今何をやったの?」

 

と、かがみがおそるおそる聞くと、2人は魔法の書をかがみに見せて

 

「これだよ。おねえちゃん。私はどうやらこの世界では僧侶(プリースト)の職業らしいんだよね。」

「さっき見せたのは、怪我を治す呪文なの。初めてだったけど、上手く行ってよかったわ。」

 

と言う2人にかがみ達はただただ驚いていたのだった。

 

みゆきはそんな2人に自分の魔法書を見せて

 

「実は私も魔法が使えるみたいなんです。ですが、お2人とは魔法の種類が違うみたいですね。私の魔法書には回復の呪文はないみたいですから。」

 

そう言ってお互いに魔法書を見せ合っていた。

 

それからは傷も回復し、俺達は食事を取りながら、この世界の事、お互いの状況の事、これからの事を話した。

 

俺は俺の持ってる知識を総動員して、皆にこの世界の事と現状を伝える。

 

「・・・・・・と言うのが大まかな所だな。」

 

そこまで話すと、龍兄が俺に

 

「ふうむ・・・魔女ソーン、そしてゲートキーパーか。今のこの世界は大分危ない、って事なんだな?」

 

と言う言葉に俺も頷いて

 

「ああ。そうだな。それと同時に考えなくちゃいけないのは、これから俺達が元の世界に帰る為にどう行動するか、だ。」

 

と、皆を見回しつつそう言うと、こなた以外は皆、困惑の表情をしていた。

 

こなたは、そんなみんなの様子をみつつ

 

「うーん・・・こういう物の王道パターンはその、ソーンを倒してゲートキーパーを救い出し、まさにゲームクリアをする、と言うのが元の世界に帰るお約束だよね?」

 

その言葉にかがみは複雑な表情で

 

「そうは言うけどさ・・・私達がそれをやるの?というか、出来るの?」

 

その言葉にみさおもまた困惑顔で

 

「そうだよなあ・・・。私らは普通の女子高生と男子学生の集まりだぜ?そんな大それた事出来るとは思えねえけど・・・。」

 

みさおの言葉につかさも

 

「・・・そうだよ。それに怖いよ・・・わたしには戦う事なんて出来るとは思えないよ・・・。」

 

そう言って落ち込む。

 

みゆきやあやのも同様に暗い顔をしていた。

 

そんな皆にこなたが

 

「・・・それでもさ、元の世界に帰る為の方法になるかもしれないなら、やるしかないよ。少なくとも私達には可能性はあるんだよ?だったら、その可能性にかけてみようよ。」

 

その言葉を聞いて俺は少し考え込んでいたが、やがてその場から立ち上がると

 

「こなたの言う通りだ。今の俺達には元の世界に戻る為の選択肢はほとんどないといってもいい。だが、僅かでも今の俺達にある可能性はこれしかない。きついかもしれない、怖いかもしれない、苦しいかもしれない、くじけそうになるかもしれない。だが、それでも前に進もう。その為にはみんなの力が必要なんだ。皆、勇気を・・・皆でもとの世界に帰る為に、勇気を奮い起こしてくれ!!」

 

そして俺は更に言葉を続けて

 

「そして、皆で帰ろう。あの楽しい日常へ、俺が皆に力を貸す!だから、頑張ってくれ!ここにいる誰一人も欠けずに帰る為に!!」

 

その言葉に目をつぶり腕組みをしながら考え込んでいた龍兄も目を見開いて

 

「そうだな。それしかないかもしれないならやるしかない。俺も力を貸す。だから、皆も頑張ってくれ、力を合わせよう。皆で。そうすればきっと打ち破れる。俺はそう信じるぞ?」

 

そして、そんな俺達に賛同するかのようにこなたも声をあげる

 

「私もやるよ!?絶対に元の世界に帰ってみせる!その為に私も頑張るよ!?」

 

その言葉を聞いていたかがみ達もためらいは残っているようだったが、俺達を見つめると

 

「・・・わかったわ。私もやる。何が出来るかわからないけど、力を合わせる事でもとの世界へ帰る道を切り開けるなら、やってやるわよ!!」

「そうだな。一歩踏み出してみっか。私もやるゼ?慶一、龍也さん、ちびっこ!!」

「私も及ばずながら力になりたいと思います。この魔法の力がお役に立つと信じます。」

 

そして、そんな風に声を上げる3人に呼応するかおのようにつかさとあやのも

 

「おねえちゃんや皆がやるのなら、わたしもやる。頑張ってみるよ。」

「皆の力になれるなら、私もやってみるわ。」

 

そう言ってくれたのを受けて俺も力強く頷くと、テーブルの中央に手を伸ばして

 

「いいか?皆。これからどんな戦いが待っているのか想像もつかないが、決して最後まであきらめずに頑張ろう。そして、絶対に皆で元の世界に帰ろう、それを今ここで誓おう。」

 

そう言うと、皆もまた、俺の手の甲に自分達の掌を重ねて

 

「やってみせるさ!きっと元の世界へ!」

「皆で帰るんだよ?絶対にね!!」

「一刻も早く、こんな世界とはおさらばしてやるわよ!!」

「ちゃっちゃと片付けておしまいにしようゼ!?」

「皆さんと共に、頑張ります!!」

「わたしもやるよ!?皆がいれば怖くないもん!!」

「この力を役立ててみせるわ。だから・・・」

 

あやのの最後の言葉を補足するように俺は叫ぶ。

 

「だから、皆で戦おう!!」

 

その言葉に皆も「「「「「「「「おーーーー!!」」」」」」」」と気合を入れて、俺達は元の世界へと帰ることを誓い合ったのだった。

 




後書きと次回予告

こなただよ?

ようやく皆と無事に合流できて、これからの方針も決まった。

さあ、いよいよダンジョンへ出発だ!!

次回、らき☆すた変わる日常~異世界冒険、ウイザードリィ5の世界~

やるぞ!ダンジョン攻略、旋律達の挑戦!

絶対に元の世界へ帰ってみせるよ!!

今回はあやのの設定を少し変えてあります。

最初は魔法使いの予定でしたが、あやのもプリーストではじめることにしました。

そして、今回の魔法

「ディオス」僧侶系初期の治癒呪文で効果はかなり弱い。最悪は数度欠けないと体力完全回復にもならないと言う代物です。

今回は使用していませんが「バディオス」僧侶系初期の攻撃呪文で、敵1体にダメージを与えます。が、これも初期なのでかなり弱いです。

それと、僧侶系補足。

僧侶はアンデット系のモンスターの呪いを解く事でアンデットモンスターの無力化もできます。
呪いを解いて数を減らせばかなり楽になります。
消した分の経験値はもらえませんけどね。
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