キャロルがオタクになってしまった   作:岸寄空路

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三日連続投稿。
まあ、今日休んだからですけど。
次からは遅くなります。

しかし、やっぱり初代の人気はすごい。(感想を見た感想)


改造人間(ただしどんな改造かは言っていない)

(さて、どうするか)

 

 龍也は一号(The First版)の姿になっている。

 

 だが別に改造人間な訳ではない。

 

 ぶっちゃけ、ただのコスプレである。

 

 もう一度言う。

 

 ただのコスプレだ。

 

 ベルトの機能は自動着替えマシーンでしかなく、ヘルメットと服装を転送しているだけだ。見た目はそっくりなだけで改造など一切無い。ベルトが現れたのもキャロルから貰ったベルトの機能でしかない。

 

 裃龍也は改造人間……ではない。むしろ昭和ライダーで言うならライダーマンである。

 

 別にIQ200は無いが。

 

 ちなみにジーンメモリの能力を使い変身時のみ改造人間化するアイデアも有ったが別にノイズと戦えるようになる訳でもないので止めた。

 

 閑話休題。

 

 龍也が変身したのは変装の為だ。キャロルと父のおかげでコンサートの件で自分に疑いが向くことは無くなった(ほぼ無理矢理だが)。この上で目立つ訳にはいかない。それ故にキャロルが用意した物がこの変身ベルトだ。本来ならこんな物を用意する必要は無いのだが、龍也には特典の所為で呪いの様なモノを掛けられている。

 

 それは――巻き込まれ体質、と言うべきものだ。

 

 龍也は特典を選んだ時点で原作に関わる気はゼロだった。自分が関わって原作より良い結果になる保証などない。むしろ悪い結果になるかもしれない。そう考えていた龍也は原作とは違うところでモブキャラとして過ごそうとしていた。だから戦闘力はいらない。だから特典も完全に趣味の物にした。

 

 だが――

 

「さすがにそれは面白くないよね」

 

 龍也が転生する直前、神は言った。

 

「僕は言ったよね? 次に転生する世界は『戦姫絶唱シンフォギア』だけど前世の記憶と特典はいるかい? って」

 

 それはある意味、自業自得とも言える結果だった。しかし、もしも――

 

「君はそれに『はい』と答えた。だから望み通りにした」

 

 可能ならば――

 

「それじゃ次は僕の望みを叶えてもらうよ。楽しませてくれ」

 

 文句を言わせてほしい。

 

「君には嫌でも原作キャラが関わるトラブルに近づくようにしてあげるね」

 

 最初に言えよぉ!!

 

「『人が人を助けていいのは、自分の手が直接届くところまで』だっけ? 君が最も感銘を受けた火野映司のセリフ。じゃあ手の届く範囲で事件が起きても黙って見ていられるかな?」

 

 この邪神がぁああああああ!!

 

 以上の出来事が有り、龍也の近くでは何らかのトラブルが起きる。幼い頃にキャロルに遭遇したのもこれの所為と言っても良い。

 

 閑話休題。

 

 龍也は構え工場内を見渡す。ピアスや染めた髪などが目立つ男達十五人ぐらいが縛られ薄汚れたマットの上に転がされている響と未来の周りを囲んでいる。

 

(まずは――)

 

 龍也は前傾姿勢となり下半身に力を込める。

 

(まっすぐ行ってぶん殴る!)

 

 先頭に立っていた男に向けて跳躍、勢いそのままに男の腹に向けて拳を叩きこんだ。

 

「がっ!?」

 

 男は体をくの字に曲げて吹っ飛び、響達の頭上を越えてそのまま壁に叩きつけられた。

 

「なっ!?」

「まっちゃん大丈夫か!?」

「ゲホ! ゴフォ! ゲェエエ!」

 

 殴られた男は胃の内容物を吐き出す。痛みに耐えられないのか腹を抑えている。その様子を見て男達の表情は恐怖から怯えている者と仲間をやられた怒りで顔を歪める者、何が起きたか理解できずに戸惑う者に別れていた。

 対する龍也はと言うと――

 

(あれー?)

 

 予想以上に男が吹っ飛んだことに戸惑っていた。

 

 無理もない。

 

 龍也がまともに対人戦を行ったのはこれが初めてなのだ。組手や模擬戦などはよく父親やヤミー相手に行っている。だが、はっきり言おう。

 

 それを基準に殴ってはいけない。

 

 ヤミーは言わずもがな、龍也の父親はOTONAである。さすがに震脚で地面を隆起させる事が出来る風鳴弦十郎ほどぶっ飛んではいないが、その肉体は鋼の如し。ファラ曰く「剣が刺さらないのですが」レイア曰く「コインが金属音を立てて跳ね返るのだが」ミカ曰く「カーボンロッドを素手で受け止めていたゾ」ガリィ曰く「ってか本当に人間ですか?」と言われてしまうほど防御面が規格外である。本人は「鍛錬し続けたおかげだ!」との事。鍛えただけで剣が通らなくなるのはどういう理屈だろうか。訂正、やはりぶっ飛んでいる。

 

 閑話休題。

 

(もうちょっと手加減しないとまずいか)

 

 いくら殴るのに躊躇しない相手とはいえ龍也にも慈悲の気持ちはある。内蔵に損傷を与えるのは気が引けた。手足の骨を折るぐらいなら躊躇無くできるがそれはそれである。

 

「このぉ!」

 

 固まっていた龍也に向かって一人殴りかかってきた。龍也は冷静にその拳を掌で受け止める。

 

「ぐぅ!?」

 

 そのまま男の拳を掴み腕力だけで投げる。

 

「がぁ!?」

 

 男は背中から地面に落ちて痛みに悶える。

 

「てめぇ!」

 

 更に三人襲い掛かってきたのを跳び回し蹴りで撃退する。すると――

 

「あ」

 

 骨を砕いた感触が足に伝わってきてしまい、龍也は思わず声を上げた。

 

(もっと手加減できるようにならないと)

 

 力加減できていない事に脳内で頭を抱える龍也。

 

(このままグロ画像を生産し続けていたら響達のトラウマになるよなぁ……)

 

 その悩みは響と未来の心の心配だった。男達? 考慮する必要は無い。殺す気は無いが。

 

(これはあれだな……投げるか)

 

 殴る蹴るは手加減が難しいと悟った龍也は投げに徹する事にした。これならばやりすぎないという判断だ。

 

「調子に乗りやがって……!」

 

 そう言って男の一人がナイフを取り出した。それに追従するように五人の男が同じようにナイフを取り出す。

 

(あ、やべ)

 

 凶器を使ってくるのは予想できたのでそこまで驚かない。龍也の心配は無傷で乗り切れない事だ。刀傷を負えば正体がばれる可能性が高い。まあ、メタルメモリを使えば良いだけだが。そう思った龍也は手元にメモリを出そうとする。

 

「おらぁ!」

 

 その動作を見た男は龍也に向かってナイフを振り上げる。龍也は男の腹に掌底を当てて対応する。だが背後からもう一人近付きナイフを突き出す。それに気づき振り返るが龍也の腹にナイフが刺さる。

 

「んー!」

 

 ちょうどその場面を見ていた響が悲鳴を上げる。悲鳴を聞きながら龍也は痛みに耐えつつ男の顔を殴った。

 

「ごべぇ!?」

 

 歯が何本か抜けていくのを見ながら龍也は腹の状態を確認する。

 

(っつう……! 怪我は――あれ?)

 

 そこで龍也は気づく。痛みこそあるが血が流れていない事に。

 

(スーツの表面は傷ついてるけど……腹まで届いていない?)

 

 この時、龍也は知らなかった。この一号スーツ、耐久性、防弾防刃性能が高い。何故か? それはこのスーツは風鳴弦十郎に着せる事も考えているからだ。震脚しても傷一つ付かない性能を目指した結果、かなりの防御性能を誇っている。けっして龍也が心配だから性能増し増しにした訳ではない。ないったらない。有ったとしても九割だ。

 ちなみにヘルメットも銃弾など軽く弾く。龍也は当然知らない。

 

(なんでか解らないが、バレてない内にっと)

 

 殴り倒した男が持っていたナイフを拾う。その様子を見ていた男達は武器を持った事を警戒し何人かが響達を人質にしようと近づく。

 気づいた龍也は跳んだ。

 

「ライダァァァ……ジャァァァンプ!」

 

 天井に向かって。

 

 龍也の大声に男達は固まり龍也を見る。龍也はまるで天井が地面かの様に手足を付けていた。重力を無視しているように見えるが握力で体を支えているだけである。伊達にOTONAに鍛えられていない。

 

「ライダァァァ……パァァァンチィィィ!」

 

 勢いよく天井を蹴り男達に向けて拳を振り上げて落下する。落下地点にいた男は何とか回避する。しかし、龍也の狙いは殴る事ではない。

 

「……よし」

 

 男と響達の間に立つ事だ。龍也は響に近づきナイフでロープを斬る。

 

「てめぇ!」

「おっと」

 

 近づいてきた男を蹴り飛ばす。他の男達を巻き込んで吹っ飛んだ。

 

「これで……よし」

「あ、ありがとうございます」

 

 未来を縛っていたロープも斬り龍也は漸く二人を解放することに成功する。

 

「お礼は良いから早く避難しろ」

「逃がすと思ってんのか?」

 

 声のした方を向くと男達が廃材など工場内に有った物を持って遠巻きに見ている。おそらく出入口を塞いで響達を逃さないようにしているのだろう。

 

「ど、どうしましょう……」

「ふむ……」

 

 残り九人。響と未来を守りながら闘うには人数が多い。守りきれない。龍也はそう判断し、力技に出た。

 

「よいしょっと」

 

 最初に殴られ壁際で蹲っていた男を抱えた龍也は――

 

「ソイヤー!」

 

 男達に向け思いっきり投げた。

 

「ぎゃああああああ!?」

「まっちゃん!?」

「てめえ、血も涙も無いのか!?」

 

 お前らが言うな。そうツッコミたくなる言葉を無視して龍也はメモリを取り出す。

 

『UNICORN!』

 

 そして本来1号には付いていないはずのベルトの横に有るマキシマムスロットに挿して叩く。

 

『UNICORN! Maximum Drive!』

「今度こそ……ライダァァアアパンチ!」

 

 叫びながら龍也は壁を思いっきり殴った。ユニコーンメモリの力で強化したライダーパンチによって壁は崩れて人一人は余裕で通る穴が開いた。

 

「よし、ここから出るんだ」

『は、はい』

 

 龍也のやった事に呆然としていた響と未来は言われるがままに壁に開いた穴から出ていく。

 

「……って逃がすか!」

 

 同じように呆然としていた男達は龍也達に襲い掛かろうとするが――

 

「お?」

 

 パトカーのサイレンの音が近づいてくるのが聞こえてきた。

 

「やべえサツだ!」

「ずらかるぞ!」

「逃がすかよ」

 

 そこから響達を救出し必要以上に手加減する理由が無くなった龍也による蹂躙が行われた。警察に捕まった男達の状態はさまざまだったが共通していたのは骨が必ず部位関係なく折れるか砕けているかだけだった。

 

 その後。

 

「いやー無事でよかった」

「ご心配お掛けしました」

「おかげで助かりました」

 

 響達には龍也は車に連れ込まれているところを見て警察に連絡して待っていた事になった。ちなみにアリバイはガリィが予備のダミーメモリを使って誤魔化した。なぜガリィか。一番演技が上手いと龍也が思っているからだ。

 

「仮面ライダーって名乗っている奴に助けられたとか聞いたけど」

「はい! すごかったです!」

「…………」

 

 どうやら響に正体はばれていないことに内心ほっとする龍也だったが、気づいていなかった。最も警戒するべき相手に疑われていることに。

 

(声、似てるよね……)

 

 だって声色を変えてはいたが時々素が出ていたし、変声器も使っていなかったのだから。

 

(まあ、黙っていてあげよ)

 

 後に正体が明かされる日まで未来は気づかない振りするのだった。

 




最後らへんちょっと適当すぎたかな?

あと言っておきたいことが。

シンフォギア世界で改造人間はいらない。
何故なら肉体改造でOTONAになれば良いだけだから。
1号さんも言っていたじゃないですか!
1号「肉体改造なら認めよう」と!
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