キャロルがオタクになってしまった   作:岸寄空路

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連休中にできる限り投稿するぞー。


増える謎

 響が二課に協力することになってからしばらく経ち、もうすぐ流星群が起こる時期になった。

 

「で、クリスちゃんは発見できていないと」

「紫」

「……わかっていますよ。フィーネ相手じゃ難しいのは」

 

 クリスを発見できない苛立ちから攻撃的な言動している紫。諫めている燈も表情は暗い。

 

「やはり原作と同じタイミングしかないか?」

「こうも見つからないとそれ以外無いだろうな」

 

 龍也もキャロルも時間があれば町中を探し回っていたがクリスを見つけることは出来なかった。

 

「仕方がないからそれ用に対策するしかないな」

「と言うと?」

「こいつだ」

 

 キャロルの手にはメモリガジェット、スパイダーショックが乗っていた。

 

 

 

 

 

 

「龍也さん、何か隠していますよね?」

 

 その日、龍也は未来に呼び出されていた。

 

「何のことかな?」

「惚けないでください」

 

 嫌な予感がし誤魔化そうとする龍也だがそれを許さない未来。

 

「別に龍也さんが何をやっていても関係無いんですけど……」

「だったら――」

「それに響も関係しているんじゃないですか?」

 

 当たらずとも遠からず。ノイズやクリスの事は確かにいずれ響に関わることではある。

 

「なぜそう思うんだ?」

「乙女の勘です」

 

 怖いわ。龍也はそう思った。

 

「別に全部教えて欲しいわけじゃないです。ただ――」

「ただ?」

「響が危険なら止めたいんです」

 

 そう言われると龍也は知らぬ存ぜぬでは通せない。

 

「あー、その……」

「…………」

「……危険なのは間違いないな」

「――やっぱり!」

 

 立ち上がりかけた未来を龍也は無言で座らせる。その目は「黙って聞け」と言っている様に未来は感じられた。

 

「危険だが響を止めるのは無理だ」

「どうしてですか!?」

「あいつは守ることを選んだからだ」

「守る? 何を……」

「未来や家族を」

 

 龍也の言葉に目を見開く未来。自分達のために危険なことをしていると思ったのだろう。

 

「ああ、勘違いするなよ。別に人質だとかで脅されたわけじゃないから」

「じゃあ――」

「はっきり言えば自分と同じ目に遭わせたくないからだろうな」

 

 本人から直接聞いたわけじゃないがノイズやロボットに襲われた響の戦う理由はなんとなく理解できた龍也はそう述べた。

 

「……まさかライブと関係が?」

「…………」

 

 未来の独り言は龍也に聞かせるつもりは無いのか小声だった。龍也自身は知っているが響や未来とはそこまで話していないので知らないものとして対応し、今の言葉も聞こえなかったことにした。

 

「なんで龍也さんはそこまで詳しいんですか?」

 

 訊ねたのは私ですけど、と未来は疑わしそうに龍也を見る。未来が龍也に響のことを聞いたのは龍也が仮面ライダーの格好をしていたのを知っているからだ。実際、龍也がリディアン音楽院と同じ町に住んでいるから響に何かあっても助けてくれるだろうと打算的な考えで響の希望通りに進学したのだから。

 

「残念ながら今は話せない」

「……いずれ話せるんですか?」

「まあね」

 

 フィーネさえどうにかすれば、と注釈は付くが。

 

「わかりました。だったらそれまでは聞きません」

「助かる。……ああ、それと――」

 

 話が終わったタイミングで龍也は小袋を未来に渡す。

 

「これは?」

「クッキー。甘い物でも食べれば少しは落ち着くだろ」

「……ありがとうございます」

 

 最後にそう言って未来は去って行った。

 

 

 

 

 

 未来と会った次の日、それは響と未来が流れ星を見る約束の日。そして――

 

「雪音クリスが現れる日なんだが……」

『このタイミングで来るということは、そういう事だな』

 

 その場合、十中八九フィーネの味方になっているということだ。

 

「説得できるか……?」

『さあな。紫次第だ』

 

 キャロルと話しているうちに響がノイズと戦っている地下鉄に辿り着く。

 

「まあ――」

『Airget-lamh』

「まずは会って話してみるしかないな」

 

 龍也は人のいない地下鉄の入り口近くで鎧を纏った。

 

「さて響は――あ」

 

 龍也が出入り口に目を向けるとちょうどシンフォギアを纏いノイズと戦っているところだった。

 

「しまった! 遅れ――」

 

 急いで響に協力しようと飛び出そうとした瞬間、上から何かが降ってきた。

 

「!」

 

 バックステップで回避し降ってきた何かを確認すると――

 

「ロックシード!?」

 

 ロックシードと気づくと同時にクラックが開き初級インベスが五体現れ、龍也に向けて戦闘態勢を取る。

 

「……?」

 

 だが龍也はそれよりも気になる事が有り、考え込んでしまう。

 

(今のクラック……森じゃなかった?)

 

 クラックの向こうの景色が森じゃなかったことに疑問を浮かべる龍也。考え込んでいるうちにインベスが近づいてくる。

 

「おっと!」

 

 意識を戻した龍也はナイトフェンサーでインベスを斬り付ける。しかし、インベスから火花が出るだけ大したダメージになっていない。

 

「一撃じゃ無理だろうから……こうだ!」

『NASCA!』

 

 龍也が取り出したのはナスカメモリ。形状はT2メモリと同じである。

 

『NASCA! Maximum Drive!』

 

 それを本来のナイトブレイザーには無い腰に追加されたマキシマムスロットに入れてマキシマムドライブを発動させる。

 

「行くぜ……!」

 

 龍也は目にも止まらぬ速さで五体のインベスを斬り刻んだ。そして一瞬の間を置いてインベス達は爆散した。

 

「!? これは!」

 

 爆散したインベスの破片が龍也の鎧に当たると甲高い金属音が響き、すぐさま龍也は破片を確認する。

 

「機械!?」

 

 それは生物であるインベスではあり得ない金属片とケーブル、どう見ても機械の部品だった。

 

「なんで、って考えるまでもないか」

 

 スーパーロボットがいるなら機械のインベスが居ることにも特に疑問を持つことは無い。造ったという事だろう。

 

「ただ……」

 

 それでも違和感は有る。それを解消するために龍也は無言でキャロルに連絡を取った。

 

『機械のインベス、か』

「やっぱりおかしいよな」

『ああ』

 

 キャロルも自分と同じ疑問を持った事で龍也も自身の感じたものが間違っていないと判断する。

 

『スーパーロボットを造れるような奴がわざわざインベスを造るとは思えん』

「だな」

 

 音声しか聞けないがキャロルが眉間に皴を寄せているのが龍也には容易に想像がついた。

 

『ロックシードならば自分で使うためだからと言える。スーパーロボットも戦力として考えればおかしくない』

「可能性としては生産が楽だとかコスト面の問題が考えられるけど」

『無いな』

 

 キャロルは龍也の挙げた可能性を切って捨てる。

 

『今まで戦ってきたスーパーロボットが何で出来ているかお前も知っているだろ? だから生産面での負担など実質無い』

「じゃあ、これは?」

『回収して調べない限り何とも言えん』

 

 話はそれで終わりだ、と言わんばかりのキャロルは結論を述べ、それを聞いた龍也は破片を自身の収納空間に入れた。

 

『ところで響はどうした?』

「! そうだ!」

 

 インベスの事で頭が一杯になっていて忘れていた響の事を思い出しすぐさま移動を開始した。

 

 

 

 その頃、響と合流した翼と奏の前にネフシュタンの鎧を纏った雪音クリスが現れていた。その姿に翼や奏が驚き固まっている中、響は別の事が気になっていた。

 

(なんだろう、あれ?)

 

 それはネフシュタンの鎧とは不釣り合いな腕輪、いや手枷。あれではまるで罪人では無いかと響は思い、更に観察すると鎧を纏った少女の表情に気づいた。

 

(あれ? なんで――)

 

 さっきから挑発的な言動しているのに――

 

(口しか動いてない?)

 

 表情が少しも変化していなかった。

 

 

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