キャロルがオタクになってしまった   作:岸寄空路

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遅くなりました。


混戦②

 

「か、仮面、ライダー?」

 

 響は驚きで目を見開きながらデュークを見る。

 

 仮面ライダー。

 

 それはかつて響を不良から助けた者が名乗った名。やった事は褒められたことではない。だが、響からすれば自分を助けるために手を汚した恩人を忘れてはいなかった。

 

「な、なんで……」

「おや? 仮面ライダーを知っているのかい?」

 

 動揺している響の様子にデュークは驚きながらも冷静に問いかける。

 

「という事は既に他の転生者にでも会ったのかな?」

「て、転生者?」

「そんなことより――」

 

 デュークの言葉を龍也は遮った。転生者の情報を響達に与えても混乱を招くだけだと考えたからだ。

 

「俺に用があるんだろ? デューク」

「あからさまな話題転換だけど乗ってあげようか」

 

 そう言いながらデュークはソニックアローを構える。

 

「要求はただ一つ、僕の実験を邪魔しないでもらいたい。聞いてもらえるかな?」

「当然――」

 

 瞬間、ブレイザー――龍也はナイトフェンサーを構えデュークと対峙する。

 

「断る!」

「だろうね!」

 

 龍也がナイトフェンサーで斬りかかり、それをデュークがソニックアローで受け止める。

 

「はあ!」

 

 龍也が二刀流で斬りかかる。しかし、デュークはソニックアローでそれを防ぎつつ距離を取る。

 

「ふん!」

 

 透かさず頭上に向けて矢を放つ。矢は空中でレモン形のエネルギーへと変化した。

 

「ちっ!」

『QUEEN!』

 

 龍也は舌打ちしながらクイーンメモリを取り出す。同時にレモン形エネルギーが弾け、無数の矢が龍也に降り注ぐ。

 

『QUEEN! Maximum Drive!』

 

 龍也はマキシマムドライブを発動させてバリアを生成し防ぐ。

 

「ガイアメモリか……ならこれはどうかな!」

『レモンエナジースカッシュ!』

 

 バリアを張ったことで身動きが取れなくなった龍也にデュークは近づきながら必殺技を発動させ、ソニックアローにエネルギーを纏わせて直接斬りかかった。

 

「おっと!」

「む」

 

 だがそこで蚊帳の外だった奏が間に割り込み槍でデュークのソニックアローを受け止める。

 

「邪魔しないでもらいたいんだけどな」

「そう言わずにあたしの相手もしてくれよ!」

 

 奏は押し返すと同時にデュークの腹部に蹴りを加える。

 

「ぐっ!?」

「そこだ!」

『CYCLONE! Maximum Drive!』

 

 その隙を逃さず龍也は数メートル押し出される様に吹き飛ばされるデュークに向けてマキシマムドライブを発動させながら拳を突き出す。

 

「ぐお!?」

 

 突き出された拳から強烈な風が吹き出し、その風圧によって更に遠くにデュークは飛ばされていく。

 

「助かったよ、天羽さん」

「気にすんな。あと――」

「ん?」

「天羽なんて呼びにくいだろ? 名前で呼べばいい」

 

 名前の方が呼び易いだろ、と言いながら奏は龍也に向けてウインクする。それは堂に入った動作だった。

 

「じゃあ、遠慮なく。奏さん」

「なんだ?」

「頼みが有る」

 

 デュークの方を見ながら龍也は奏に頼みを告げる。

 

「奴の足止めをしてほしい」

「……理由は?」

「あの娘を助ける」

 

 未だに翼と戦っているクリスの方に一瞬、目を向けて龍也は自身の異能である倉庫からある物を取り出す。

 

「助けるか……。できるのか?」

 

 奏もクリスが何かされているのは理解できる。だからと言って即決で「OK」の返事はできなかった。

 

「少しの間だけで良い」

「……わかった」

 

 顔は見えないし言葉も少ないが本人の態度から何か手段が有るのを理解した奏は龍也に任せる事にした。

 

「あの……」

「立花響」

 

 戸惑い口出しできずにいた響が龍也に声を掛けた。

 

「君はノイズの相手をしてくれ」

「……それは」

 

 龍也の言葉にどう答えたら良いのか分からずに戸惑う響。そんな響を無理矢理納得させるために頼み込む。

 

「人間相手と戦うのを躊躇っているんだろ? そっちは俺達に任せておけ」

「……どうしてですか?」

 

 困惑した響の声を聴き龍也は顔を向ける。

 

「どうして相手は人なのに戦うんですか!?」

 

 ノイズ相手ならともかく人間相手に敵対する理由は無いはずだと考えている響には龍也達の考えていることが分からなかった。危険な武器を持っているから取り押さえるという考えは分からなくもない。それでも完全に納得することなど響にはできなかった。

 

「…………」

 

 そんな響に対して龍也は――

 

「本当は戦いたくなんてないさ」

「え……?」

 

 本音で語ることにした。

 

「戦わずに済むならその方が良い。誰だって怪我したくないし、命の危険があるなら猶更嫌に決まっている」

「だったら、どうして?」

 

 響の言葉に龍也はクリスの方を見ながら一言呟く。

 

「誰かが助けを求めているから」

 

 続いて奏と戦っているデュークを見る。

 

「間違っている誰かを止めるため」

 

 そして再び響の方を見る。

 

「理由なんていくらでも有る。だが、結局のところ俺がそうしたいからだ」

「そうしたいから……?」

 

 予想外な理由に響は呆然とする。

 

「助けたいから助ける。正したいから正す。ただ、それだけだ」

「それ、だけ?」

「ああ」

 

 自らの掌を見ながら龍也は語る。

 

「本当はもっといい方法が有るのかもしれない。だが、それを探す時間あればこそだ」

 

 その手に光と共にバックルが出現する。

 

「それでも譲れない思いが有って俺達が間違っているなら止めればいい」

「それだと、私は邪魔になるかもしれませんよ?」

 

 手に持ったバックルを鎧の上から装着する。ベルトが巻かれ右腰にフリスビーに似た円形のアイテムがセットされる。

 

「“だとしても”だ。お前の意思を否定する気は無い」

 

 バックルに三枚のメダルをセットする。

 

「キャストオフ!」

 

 オースキャナーを構えると同時に龍也が叫ぶと鎧が閃光と共に弾け飛んだ。

 

「何!?」

「なんだ!?」

 

 予想外の光に思わずその場にいた全員が目を閉じた。

 

「響」

「は、はい!」

「俺を止められるなら止めてみると良い」

「え……」

「変身!」

 

 その隙に龍也はメダルのスキャンを終える。

 

『タカ! トラ! バッタ! タートーバ! タ・ト・バ、タ・ト・バ!』

 

 謎の歌が聞こえデューク以外のその場に居た者達の表情が困惑したものになっていた。

 

「……え、え」

 

 目を開けた響が龍也の方に目を向けるとそこに居たのは上から赤、黄、緑の三色の戦士。

 

「仮面ライダーオーズ……」

「仮面ライダー……!?」

 

 響からすれば三人目の仮面ライダーが現れた。

 

「俺は、俺のやり方で助けを求める人の手を掴む!」

 

 仮面ライダーオーズ、タトバコンボ参戦。

 

 




可能なら日付が変わる前に投稿したかったです……。
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