リアルイベント・バレンタインデー
いま、私の目の前にはお菓子がある。
勉強机いっぱいのお菓子。
今日は2月14日、バレンタインデーである。
バレンタインデー。
恋人がまたは片想い中の女性が、好きな人にチョコを渡し愛の告白を告げるリアル充イベント。
また女同士で友チョコなんかもある。
さて、そんなイベントにうちの恋人である月村すずかが、
学校で突撃して来なかったのでおかしいなとは思ってたけど、すでに私の部屋に置いていたとは……朝、なかったのになぁ。
「しっかし、大きい」
特大のぬいぐるみくらいはある。
明日感想を聞かせてねと言われたので、恐らくチョコだと思うけど……うわぁおっきいなぁ。
梱包されてあるリボンをほどき、包装紙を丁寧に剥いで、箱を開けて呆然とした。
まず、まず私から見てチョコの右側を見る。
ホワイトチョコレート塊。
いや、人の形を模してるから塊と言うには語弊がある。
問題はホワイトチョコレートのモデルだ。
恐らくツインテールであろう片側のテール。
リボンもあって私が今付けてるのと同じ箇所に食紅が塗ってあってリアルだ。
目も食紅でちゃんと紅い。
胸はストンとまな板。
お腹まではある。
次に左側を見る。
普通のチョコレートの色だ。
ただこれも人を模してる。
ぶっちゃけすずかだ。
もうこと細やかに描写もしたくないから言うけど右側に私が半分で、左側がすずか半分を合わせた巨大チョコ。
それがすずかからのバレンタインチョコ。
とても一人で消化できる量じゃない。 あ、手紙。
「なになに……この世で一番誰よりも大切なシングちゃんと私を模したチョコだよ。 うん、見たらわかる。 時間を掛けてもいいのでちゃんと食べてくれたらいいな……か」
………………………………よし、食べよう。
☆
もそもそ、まぐまぐ、ぐっぐっぐっ……。
「うん、美味しいんだけどね。 流石にきっつい……」
すずかの巨大チョコを食べてると、バタンッ!と扉が開かれた。
誰だろうと扉の方を見ると、そこにはお母さんが輝かんばかりの笑顔で立っていた。
「お母さん?」
「シングちゃん、これ! ハッピーバレンタイン~」
お母さんに渡されたのは熱い緑茶だった。
「緑茶?」
「ええ! すずかちゃんのチョコ大きかったから同じチョコは飽きるかなって、だから愛情を込めてお茶を
「………………ありがとう、お母さん」
お母さんの心遣いに感謝して、私はお茶を飲みながらチョコを食べた。
☆
翌日。
すずかに昨日の内に全部食べて美味しかった事を伝えた。
すずかは一日で食べきると思ってなく、かなり驚いていたけど、まぁ、そこは愛だよと答えた。
すまぬ。
いつもの長さだといつ終わるかわからないので、こんな短さになりました。