魔法少女リリカルなのは~愛、恐いなぁ~   作:極麗霊夢

11 / 24
第二話 黒い少女

 目の前に広がる惨状。

 日曜日、なのはちゃんのお父さんがやってるサッカーの試合の日。

 その日に起こるであろう出来事をすっかり忘れてました。

 

「いや、だって最近見直ししてなかったし、干渉とかしてなかったから、今どこら辺かわからなかったし、だいたいこう言う時のために他の巻き込まれたくなーいとか、人々を守る!!的な転生者が居るはずなのに、何してたのか……小太郎!」

 

「はっ! 僕が監視してた転生者によると、『主人公、高町なのはの決意が本物になるイベントだから静観が正しい。 町の人達には悪いけど』という発言を漏らしてました」

 

「…………段蔵の方は?」

 

「段蔵のとこもそのような感じでありまする。 ただ怪我人がないように治療魔術や助けに入ると言っていました」

 

「巻き込まれたくないと常々言ってる連中は結界を家で被って引き込もってるぞ」

 

 やってくれる人はやってくれるみたいか。

 それでも限界はあるだろうけど、なにもしないよりかは良い。

 

「エルはこのまま私の側に、クーフーリンと力自慢の百貌は復興作業、他は救助活動開始!!」

 

『『『ハッ!』』』

 

 

 ★

 

 

 総督の命により、救助活動することになったわしは総督の共にあることを良しとしたエルキドゥに嫉妬しながらも、地面から出てくる大木の根をマスタークロスで輪切りにしたり、襲われそうになってる一般人をマスタークロスで引っ張ったり、降ってくるコンクリートの破片を拳で打ち払ったりしながら中心部へと突き進む。

 勿論、わしだけでなく、段蔵や小太郎、ハサンらめも同じだ。

 そんな中、頼光殿は剣圧で総督の家を守護していた。

 本人曰く、母とは愛する者が帰っこれる家を守るのが仕事で、当然娘と夫も守るのが母との事らしい。

 フローレンス殿は避難所で怪我人の手当て、そしてこの事態が収まった時、病院が満員だった時のための医療部隊として動く準備中だ。

 

「ぬっ! バニングス!」

 

「修司!? ちょ、これ、どうなってんの!?」

 

「ジッとしておれ! ぬぅぁぁあああっ!!」

 

 バニングスの頭上から大木の根が降り下ろされそうになったのを気付き、全身張り巡らしてる気を手に集中させ……

 

「石破天驚拳!!」

 

 現状出しうる最高の技で根を吹き飛ばす。

 

「な、なに!? なんなの!? あんた達またなんかやったの!?」

 

「ええい! 毎度毎度我らの所為にするでない!」

 

 バニングスを引っ掴み、この場を離れて近場の避難所へと向かう。

 

「ぐぇっ! ちょ、運ぶならもっとマシな運び方ないの!?」

 

「文句言える元気があるなら問題あるまい!!」

 

「あるわよ! ぶっ飛ばすわよ!!」

 

「月村に総督を困らせたと言うぞ!」

 

「何してんのよ! このままで良いから避難所に連れていきなさい!! すずかが居ない避難所にしなさいよ!」

 

「そこは祈れ!」

 

「居たとしてもさっきみたいなこと言わないでよ!? いまだにシングが絡んだすずかが恐いんだから!!」

 

 誰も慣れんと思うがな……あれは。

 

 と、バニングスと会話しながら避難してると、後ろからバッタバッタと倒れる音が聞こえ振り返ると、そこに居たのは目を真っ赤に輝かせた月村が居た。

 

「シングちゃんの名前が聞こえたけど、座覇くんにアリサちゃん……シングちゃんは何処?」

 

 まるで嘘は許さないと言わんばかりの雰囲気に、バニングスは泡を吹いて気絶した。

 

 正直言うが、わしも月村のことはあまり得意でない。 総督に対する愛は本物であるが、それだけなのだ。 彼奴の線引きは総督とその他大勢で、自分の家族すらその他大勢の中に入れており、内訳もどれ程コンパクトに縮めているのやら……。

 

「当然コンマレベルです。 本当は全てシングちゃん一色で考えたかったけど、ほらシングちゃんは優しいでしょ? 私の人間関係がシングちゃん一人だとシングちゃんが傷つくから……あ、勿論私はシングちゃんだけでも大丈夫というかシングちゃんの考えを別に否定はしてないんだよ? 本当だよ? でもさ、シングちゃんも吹っ切ればいいのにね? シングちゃんには私がいれば良いし、私はシングちゃんさえいれば他は……その他大勢なんてそんな無価値なの要らない」

 

 う、うむ。 その独占愛もわしらは否定せん。 わしらもそれでいつも争いあってるが、あそこまで酷くはない。

 

「それで月村よ。 総督だったか?」

 

「うん! 今どこにいるの? 護衛役なら知ってるよね?」

 

 輝かしい笑顔で聞き返してくる月村。

 その月村の真横から大木の根が襲い掛かろうとして、いざ助けようとした瞬間、月村が腕を払うように振ると襲い掛かった大木の根は、月村の小さな手に収まって握り潰される。

 何が起きたのか、月村が何をしたのか、我が目を疑ったが、いくら現実を避けても目の前にソレが見えるせいで現実逃避が出来ん。

 いくら吸血鬼の末裔でもあり得んし、わしのようにガンダムファイターでも、英霊でもないただ少し人から離れた人間。

 

「月村、おぬし何者だ?」

 

「私はシングちゃんの恋人だよ? 座覇くんが言う気とか、クーフーリンさんが言う魔力だとか、エルキドゥさんが言う神力だとか、そんなの世界最強の力の前では無力なんだよ? そう、愛の力の前では全てが無価値」

 

 四方から鞭のように放たれる根を何でもないかのように凪ぎ払い、握り潰し、蹴り千切り、眼力で弾く月村。

 

 

 

 

 ………………………………………………………………………………………………総督、月村は本当に英霊とかではないのか? わしにはデビルガンダム以上の化け物に見える。

 

 

 ☆

 

 

 私は無実だ!

 

 とりあえず、各方面から来そうな苦情みたいなのを先読みして、無実を訴えたけが、誰も信じてくれなさそうだ。

 にしても、この状況はなんだろう?

 

「答えて、エイリアンの総督」

 

 今、私の目の前に居るのは黒く左右非対称のツインテールの黒のパーカー、貧乳の黒のビキニ、黒のホットパンツ、右手に黒刀、左手にはゴツい機関銃。

 はい、まんま私の2Pカラー……いや、2Pカラーは私なんだけども……。 ここは一つ()の存在としてなりきってみよう。 うまく行けば仲間に出来そうだし?

 

「………………」

 

「この惨状も貴女の仕業なの? この世界の人類も……」

 

「それはいくらなんでも早計だが、この状況を知らないのならお前はザハと同じか」

 

「ザハ!? 彼もこの世界に!!」

 

「ああ、先に言っておくが私たちはエイリアンではないぞ。 人間としてこの世界に転生した存在で、この騒動は私達とは無関係だ」

 

「人、間? 貴女達が?」

 

 私の目の前に居る女、それはブラック★ロックシューターTHE GAMEに出てくる人類側の最終兵器……ホワイト(ステラ)

 

「別段、珍しいこともないだろ? お前だって元は前世の私の遺伝子によって産み出されたクローンなのに、お前も人間に転生している」

 

 はい、まったくの出鱈目です。 私の出自というか前世は総督じゃない。 でもそんなこと言っても通じないだろうし、ザハだった人が私に忠誠を誓ってる事もあってテキトーな事で言いくるめるしかない。 もう座覇くんの総督呼びにも慣れたしね。

 

「わ、私は人間、だもん! 貴女とは……」

 

「違う……か? だがな、私は人間、、、地球人をネブレイドしたし、地球人の遺伝子情報はその時に取り込んでる。 ギブソン博士が私の遺伝子をどう使ってお前達を産んだのか知らないが、ギブソン博士自身の遺伝子も組み込んでいたのなら、私とお前はやはり同じだ」

 

 確か、ステラや他のグレイ達は私の遺伝子だけでなく、ギブソン博士の遺伝子も掛け合わせてた的な……なかったっけ? まぁ、どうでも……ん? ネブレイド? あれ? なんか、なんか引っ掛かるような………………気のせいかな? うん、気のせいだ。

 

「違う!!」

 

 私の言葉を否定して、ステラは地を蹴って私に迫る。

 自衛力もなく、座覇くんのような超人的身体能力のない私では反応しきれないけれど、私のリボンは最古にして神々が造り(たも)うた兵器。

 迫るステラの一撃はリボンで反らされ、ステラを元の場所へ弾いた。

 それはもうベチンッと良い音がした。

 だがそれで落ちてくれたら、苦労はしない。

 瓦礫を退けて立ち上がるステラはキッと私を睨むが、今日はもう此処までということで……。

 

「何処に行くの!?」

 

「もう事態は収まりつつあるからな。 救助活動は此処までだ」

 

「え? ええ!? きゅ、救助……活動?」

 

 町上空に走るピンクの光線が、大木に触れると大木の根や大木は幻のように消えて、残ったのは根によって荒らされた町。

 

「え? あれ? じゃ、じゃあ本当に?」

 

「ま、原因はわかっていたがな。 こうなるまで放置してたのは私のせいとも言う」

 

「ご、ごめんなさい! 私、勝手に勘違いして、思い込みで襲ったりして……」

 

「ふぅ~ん」

 

「え、なに?」

 

「いや、ああ、お前の今の名前はなんだ? 私はシングだ」

 

「シン、グ……私はステラ。 ステラ・ホワイトラブ」

 

「は? …………ステラ・ホワイトラブ? ぷっくくく……なんだ、それは……っははは!」

 

「そ、そんなに笑わなくても……」

 

「くっくくく……ステラ、私のとこで活動しないか? あと何度かこのような事態が起こるんだ。 私には以前のような力はないし、部下も……まぁ、それなりには居るがやはり手が足りない……どうだ?」

 

「え? 力がない?」

 

「ああ、先程のも私の部下が私を守っただけだ。 今の私はたぶんだがお前にすら勝てん」

 

 こう、自分で事実を口にすると堪えるものがあるなぁ、やっぱり。

 だけど事実だ。 私は弱い。 か弱いと言っても過言じゃないくらいに……。

 力を持ってる原作組にすら勝てる気がしない。 だから私は仲間を集めて守ってもらわないといけない。

 

「………………………………………………………………うん、いいよ。 でも、前みたいにネブレイドしたらダメだからね?」

 

「しないよ、地球人だぞ? 出来るわけがない」

 

「そっか……うん、そうだね」

 

 こうしてステラを仲間に入れて、私は家に帰った。

 

 

 ☆

 

 

 大木の根っ子事件から時間が経ち、町はだいぶ落ち着きを取り戻した。

 その大半は影ながらフォローしていたクーフーリンと忍二人、ハサン達だ。

 あと、今回の件でいい加減呼び方を変えろと言われたので、さん付けがなくなった。

 そして昨日の夜、すずかが私の家にお泊まりに来た。

 明日というよりは今日、すずかの家で友達全員集めてのお茶会のはずなのに、すずかは家に来たのだ。

 お茶会の準備とかがあるだろうに……。

 

「うにゃシングちゃんのくちびる……おいひいれしゅ」

 

「なんて寝言だ」

 

 さて朝日が登って目覚めたからには、すずかも起こさなくてはいけない。

 

「すずか、朝だよ。 起きな?」

 

「んー、やぁ……シングちゃんの匂いをハスハスするー」

 

 頭を抱えた。

 

 すずかはなんというかネット語? ヲタ語? を覚えて以来、ネットサーフィンしてさっきのような事を口走る事が少しある。

 その殆んどは私に向けて言っており、まぁ、良く言えば言う相手をちゃんと見極めてると言うか……忍さんからは私が教えてるんじゃないかと勘ぐってる。

 ま、それを言おうものならすずかがバーサークするんだけどね。

 セ○ムの高町恭也くんすら圧倒するのは口が開きっぱなしだった。

 

 ああ、それとこの間、頭に過った私の仮説。

 総督を知る各関係者が、私の事を総督と断言しちゃったこと。

 月村すずかが吸血鬼の末裔で、私の血を吸ったこと。

 吸血鬼の吸血行為が眷属を生み出す以外に、遺伝子や魂の情報を少なからず吸ってると仮定して、その全てが事実なら、すずかは私の前世……は若干覚えてるし、一般人だったから前々世の総督の魂の情報を吸血行為で取込み、その情報からネブレイド能力を取得した。

 ネブレイドを取得したことで、私の血をさらに吸血することで、総督の魂情報を取り込んでいき強くなったのなら、原作組の一般人枠だったすずかがこれほどまでに強くなったのに納得が行く。

 

 ま、私の前々世が本当に総督だったらの話で、すずかの吸血が私の仮説通りならの話だけどね。

 今はまだ私の前々世を調べる手段はない。




というわけでホワイトことステラさん登場。
この子もザハと同じ存在です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。