なのはがフェイトにスターライト・ブレイカーで敗けを認める。
それは転生者達に、いや、魔法少女リリカルなのはというアニメを知ってる転生者なら当然の結果だと言える。
が、結果的にそうであっても過程がそうでないという事態は、アニメを知る転生者達にとって許容しがたいモノだった。
例えば、なのはがバインドで拘束されなかった。
例えば、フェイトの切り札たるフォトンランサー・ファランクスシフトをなのはが全弾耐える所か避けた。
例えば、フェイトがなのはのディバインバスターに余裕で耐えた。
例えば、フェイトがスターライト・ブレイカーをシールドで耐え凌いだ。
例えば、単発のスターライト・ブレイカーがなのはが分身する事で、その分身がスタービットの代用品となって連発でスターライト・ブレイカーを撃てるようになったとか。
例えば、最終的に撒き散らした全魔力をさらに集束させて、スターライト・ブレイカー・オーバーチャージという魔法に発展させたとか。
例えば、シングによって広域反応消滅型魔法アルカンシェルの小型術式がなのはの手に渡ったとか。
例えば、ブレイカーやバスターといった使用者の負担を『愛』で0にしたから撃墜フラグがなくなったとか。
後半に関しては転生者が知るよしもない情報だが、挙げればキリがない程に、この世界はアニメを知る転生者の予想を遥かに上回っていた。
だが、シング達以外のなのは達に干渉せずに見守ろうとしてた転生者達は手を出したい、干渉したい、シング達を、、、あの邪魔者達を排除したいと欲を駆り立てた。
が、そんなちっぽけな欲を持つ転生者達は、平和な世界でぬくぬくと育ち、チートを持って転生しても覗きしかしなかった転生者達が、歴戦の英霊達に勝てるはずがなかった。
「あふ……」
「ちょっと退屈~。 キミ達さ、持つだけ持って勝てるわけないだろ? 僕のマスターであるシングでさえ、勝つために訓練してるんだから……あ、そうそうそのシングからの伝言なんだけど、もうこれ以上のイレギュラーは要らないから、大人しくしててね、、、だって」
「ぐ……」
「キミ達がどんな力を持ってるか知らないけど、使われる前に無力化すればなんてことはない。 自分達を心配してくれる家族の元へお帰り」
エルキドゥとフェゴールはシングの頼みで、次の最終決戦に介入しようと準備してた原作遵守派の所へと
これを機に、地球にいた原作遵守派は完全にいなくなった。
☆
なのはがフェイトを座覇がフェイトに付きまとっていた転生者を倒して、エルキドゥもフェゴ姉さんも戻ってきて私達はアースラで最終決戦前のプレシア・テスタロッサの通信を待つ。
と、言ってもまだ通信が来ないのでフェイト側の転生者の取り調べを行う。
「さぁ! キリキリ吐けぃ!!」
「ちょ、待って、まだダメージ抜けてないのっ!」
座覇がまだダメージが残ってだらけてる転生者を無理矢理起こし、転生者は痛い痛いと喚きながらも、椅子に座って私と向き合った。
「えーっと、とりあえずはさっきぶり、白岩さん」
「私の名は白岩ではない。 シングだ」
「あ、はい。 私はキキーテル・ジブラルタ。 キキで良いです」
「では、キキよ。 貴様は限りなく私達に近い……そうだな物語とか関係なしにある程度介入またはガッツリと介入する転生者で間違いないな?」
「ええ、そうよ。 ちなみにフェイトちゃんを狙った転生者は私以外に居ないわ」
「最初っからフェイトと行動してたみたいだが、どこで出会った?」
「んー、フェイトちゃんが此処に来る前、私が転生した世界で買い物してたのよねー。 そっから仲良くなってかな」
つまりは、原作前のリニスという使い魔が居なくなった辺りからの知り合いか?
「なるほど……で、貴様の転生特典はなんだ? ああ、これは黙ってて問題ない」
「………………BLEACHの死神のスキルと斬魄刀一本。 始解はなんとか出来るようになったけど、卍解は無理」
流石に斬魄刀の始解の能力は言わないか。 しかし、BLEACHの死神のスキル、、、か。 成りはそうだったから死神のスキルを貰ったのは本当だろうが、死神だけと思い込まないようにしておこうか。
「プレシア側の転生者は?」
「協力者として居るんじゃない? あ、庭園には居ないのは確認済み」
「プレシアの様子は?」
「あー原作通りかな。 フェイトちゃんの虐待もあったし、変化は全然見られなかったかな」
ふむ、プレシアなら私がジュエルシード抑え込んだ時、監視していて私の、、、冒涜的なアレを見て何かしらの変化があると、思ってたんだが……本当にないのか?
☆
キキの取り調べを終えて数時間。
ここまで通信が来ないと、またイレギュラーでも起きたのかと不安だったが、ブリッジから外部からの通信が来たと報告が来た。
なのは達と一緒にブリッジへと行くと、通信モニターに予想外の人物が居た。
「嘘、ジェイル・スカリエッティ……」
『おや? ふむ、管理局の制服を着てないのに私の名を知る存在が此処にも一人……これは興味深いがよく見たらフェイト嬢のオトモダチかね? 私の存在を明かしたのかい? プレシア・テスタロッサ』
キキの漏らした声を聞いて、私達に目をやったジェイル・スカリエッティ。
そして後ろに居るのだろうプレシアに問い掛けるが、、、
『そんな事はどうでもいいのよ!! 娘よ、私の娘!
「え?」
「なんだって?」
プレシアの言葉にキキとアルフが困惑する。
当然だ。
ほぼ物語通りと言われた私ですら困惑してる。
『まぁ、落ち着きなよ』
『落ち着いてられるわけないでしょ!! フェイトが、私の可愛い娘が!! 得たいの知れない化け物の住処に捕らわれてるのよ!! フェイト、ふぇいと……ああ、だめ、だめよ……私を一人にしないで……』
……………………ああ、これもしかして……。
『いやぁ、すまないね。 今プレシアはおかしくなってね』
「母さんに何をしたの!?」
『うん? これ、私が何かした流れにされてる? キミの名推理を否定して申し訳ないがね、フェイト嬢。 これは……あー、、、何て言うかそこの白い子のせいなんだ』
「ああ、やっぱり?」
『ふぇいと……いま、ふぇいとの声が聞こえたわ。 ふぇいと、そこにぁぁあああああああ!! なんで? どうして!? ジェイル!! これはどういうこと!? なんで! 娘の近くにアレがあるの!? だめよ、あんなの存在しちゃダメなのに! ふぇいと、そこから離れて!! 離れなさい! 帰ってきて、帰ってきなさい!! 今すぐよ、いますぐに!! 帰ってきたらいいこいいこするから、ピクニック……そうよ、またピクニックに行きいきま……』
『ええい、うるさいよ。 ぷすっとな』
フェイトの声を聞いて此方側を見ようとしたところで、狂気の原因たる私を見て発狂。
それをジェイルが強力な睡眠剤を投与して、プレシアはがくりと崩れ落ちる。
これで漸く話を進めることが出来ると思った矢先に……
「母さん? かぁああさぁあああん!! お前、貴様、母さんに何をしたァァアア!!」
と、まさかのフェイト発狂。
とりあえずうるさいので眠らせておく。
「やかましいよ。 ドスッとな」
首にガスっと手刀を入れて、フェイトを気絶させるのに成功。
『……………………私が言うのもアレだがね。 容赦ないね、キミ』
ジェイルの言葉にうんうんと頷くアースラクルーとなのは達。
頷いてないのはうちの子達だけだ。
自覚はあるので問題ない。
「そんな事より質問に答えてほしいんだけど」
『ん? なんだい? 私もキミについて幾らかの質問があるんだが、此方の質問にも答えてもらえても?』
「構わないよ。 では此方からまず一つ。 私が気になってるのは先のプレシア女史の反応だ。 私が知ってる彼女の情報は彼女のクローンであるフェイトは人形レベルの認識で、愛娘であるアリシアは左利きなのに対し右利き、しかも愛娘の命を奪った原因にもなった黄金の魔力を持ち、愛娘には持っていなかった魔力だった事からも嫌悪の対象で、お使いに失敗すれば児童虐待レベルの体罰……とてもフェイトを愛娘として可愛がる人間じゃなかったし、先程まで得た情報では私の知る女史であった……との事だったけど?」
『よく知ってるね。 確かにプレシアはフェイト嬢を娘と認識してなかった。 そう、アルフくんとキキくんを追い出し、フェイト嬢を追い詰めてジュエルシードを探すよう言い出した辺りまではね。 では何故変わったのか……それはフェイト嬢が庭園を出て一人っきりになった時の孤独感がある種の恐怖を呼び込んだ。 キミがジュエルシードを抑え込んだ時に見せたあの、アレを思い出したプレシアは誰もいない庭園で助けを求めて、求めて、求めた先が……』
「庭園の奥に眠るアリシアちゃん」
『正解だ、キキくん。 しかし眠るアリシア嬢では女史の恐怖を打ち消すことは出来なかった。 それよりもアリシア嬢の寝顔と体罰で気絶したフェイト嬢の顔が重なり、さらにキミのあの姿が悪い方向で嵌まった……するとどうなる?』
「また自分は置いていかれる。 その恐怖も合わさって母性が生まれ、フェイトさんを人形から娘へ娘から愛娘へ認識したわけね」
『それも正解だ、リンディ・ハラオウン提督』
「それでなんで広域指名手配中の次元犯罪者がそこに……」
『ああ、次の質問は私だよ。 クロノ・ハラオウン執務官。 これはそういう流れだろ?』
「そんな流れはない」「一理あるな。 次はジェイルからどうぞ」「シング!?」
一人噛み付くクロノをクーフーリンに頼んで抑えつけ、ジェイルの質問を促す。
『キミたちはなんだい? 地球という魔法文明のない世界で、そんな膨大な魔力を持ち魔力を使った術を行使する。 魔導師のそれとは技術体系が違いすぎるし、何よりも我々や時空管理局の事を知りすぎてる。 それに私の顔を見ただけで私の名を看破したキキくん……キミもその白い子の同類と見た』
ふむ、私達のことか。 これは難しい質問だ。 答えるのは別に難しくないが、これは私個人で話してもいいモノじゃない。
が、此処は話しておこう。 同じような状況があって誤魔化せる程世の中単純じゃないしね。
「私達は転生者だ。 上位世界で一度死に、そして神と呼ばれる頂上の存在により、個人が好きな下位世界での能力をその世界で生き残れるように保証として、あと前世の記憶を持ったまま転生した特異体質の存在だ。 まぁ、ある種の例外はいるがな」
ステラとか座覇とか……。
そんな転生者事情を暴露して、近くのキキやなのは達が驚いていた。
キキは別の理由として、なのは達からしてみれば一種の死者蘇生のようなものだからなぁ。
『なるほどなるほど……だから奴らは……』
奴ら? ふぅん、なんとなくだがジェイル・スカリエッティがあそこにいる理由がわかった。
管理局で勤めてる転生者あるいは最高評議会側に転生者が現れて、その転生者によって追われる身となったか、だな。
しかし、この状況でどう対処する? ここに通信したということは二人とも自首する形なのは間違いない。 何せここは時空管理局所属のアースラだし。
駄目元で私に助けを求められても、この艦のメンバーを敵に回したくない。
「次はこっちだな!? ジェイル・スカリエッティ! なんで広域指名手配中の次元犯罪者がそこにいる!?」
『そりゃあ、勿論時空管理局から襲撃を受けてね。 スポンサーも私を見捨てられて、途方にくれてた所をプレシア女史に拾われたのさ。 ま、女史からしてみれば助けを求めたのが私なんだがね』
スポンサー……確かジェイル・スカリエッティは管理局の最高評議会だっけ? それに見捨てられたって、フリーって事だから貰っちゃってもいいかな?
私はこっそりとアルフを誘って物陰に隠れる。
さりげなくキキと座覇が私達を隠すようにカバー入って内緒話スタート。
(アタシに何か用かい?)
(実はジェイル・スカリエッティが求めてるのが私達の保護下かどうか聞いてきて)
(はぁ!? なんで?)
(まぁ、ここは推測に入るけど、時空管理局に自首したら高い確率でプレシアとスカリエッティは闇に葬られる。 お話しとしてプレシアは死んでもらわないとダメっていうグループがいるし、スカリエッティを追い詰めた管理局員にとって、スカリエッティは早々に逮捕しとかないといけない。 そしてスカリエッティを追い出した連中にとって、スカリエッティ程の頭脳は後々邪魔になるから早々に抹殺したい。 以上の三点からプレシアとスカリエッティには生きてもらわないとダメだし、死なれると私達に降りかかる災厄がどれほど膨れるかわからないから)
(んー、わかったけどどうするんだい? 見ての通りアタシが向こうに行く隙はないし、アンタに知らせる術もないよ)
(そこはそれ。 とりあえずアルフは向こうに行って聞いてくれるだけでいい。 その後は私がなんとかする)
(……………………)
(フェイトの今後の幸せにも繋がるから)
(本当だね? 嘘だったら承知しないよ?)
(嘘じゃないから大丈夫)
と、アルフをなんとか説得していざ送り出そうとした時に、問題が発生した。
それはアースラの中で転移魔法使おうものなら、すぐさま気付かれるということ。
例え海鳴市に転移しようと庭園に行こうにも、アースラの責任者であるリンディ・ハラオウン提督の許可がいる。
あ、やばい、本格的に困った。
『お困りですか?』
そうなんだよねー。 いや、規格外とは言えすずかにだって出来ないことあるだろうし、私の困り事はすずかじゃどうあっても無理なのは――ー
『じゃあ、助けますね♪』
ふぁ!?
突然のすずかの乱入。
いや、乱入とは言えない乱入は、すずかという規格外を知ってる私ですら理解できない惨状が起きた。
まず庭園が浮いてる空間の遥か向こうから隕石みたいなのが降ってきて、庭園に爆着した隕石はジェイルを始めとした生命体を取込み、庭園で研究していたであろうプレシア女史の研究データを吸収、その後隕石は浮上してまた彼方へと去っていった。
え? は? えっと……はい。
完
もうすずかを魔改造するだけでなんでも解決できそう。
あ、あとまだ続きます