すずかと烈火の将が他所で戦って、私がシャマルを除いた残りのヴォルケンリッターを相手に足止め中。
正直、シャマルが原作でなのはにやったリンカーコア摘出をいつやられるか戦々恐々としている。
なんとかシャマルも動けない状態にしたい。
「……アザバール、私の魔力を送るから中継して『圧』を掛けてくれる?」
私の指示に了承の意思が返ってきて、余ってる魔力をアザバールに送ろうとしたらアザバールが悲鳴を上げた。
え? 何? とアザバールが浮かんでる場所を見ると、そこに居たのは複数の騎士。
瞬時に状況を把握してヤバイことを理解する。
何故なら爽やか系王子様みたいなのと、美女騎士達が今まさに聖剣を放とうとしている。
避ける? 何処へ? 横へ跳んだとしても左右に5人ずつ並んでる。 なら上か下? いずれは飲まれる。 母さん達を召喚? 却下! 母さん達を召喚して突撃させても間に合わない。 すずかを呼び寄せるにしても距離が空きすぎて……チッ向こうにも騎士が何人か行ってる!! 新しいサーヴァント召喚は……まずこんなテンパった状況でうまく出来る自信ないし、アザバールはさっきの不意打ちで沈黙して、中では修復に優先されて各機能がダウンしてる。
……………………………………………………あ、これ死ぬ。
朝陽のような光が、世界中の希望と言う名の輝きが、闇すら飲み込む極光が、私の『圧』を、私の魔力を切り裂いて私へと迫る。
「…………………………
最後に発した言葉は誰に向けたモノか。
すずかかステラか……
私自身わからなかった。
★
桃色女騎士さんに止めを刺そうとしたら、間に剣を挟まれて邪魔された。
一旦距離を置いて、後方にジャンプすると先程まで居なかった桃色女騎士さんの左右に銀と赤い髪の女騎士が2人居た。
「……………………仲間、なわけないよね。 誰かな?」
「円卓の騎士が1人……ベディヴィア!」
「同じく……トリスティン」
「弱きを助け、悪を討つ!」
「聖天の騎士団、ここに推参!!」
「ペッ」
吐き気がした。
悪を討つ? 私を? いや、シングちゃんを悪と評するクソ共に殺意が沸く。
はぁ、このクラスカード、私に結構負担掛かるから結構キツいんだけど、まぁ、シングちゃんの平穏を乱すバカは一掃するが一番!
「10秒、、、延長。 ラストにアレ行くよ!」
「す、すずかさん!?」
驚くサファイアを無視して超加速で2人に迫る。
べでぃ……銀色と赤色が驚くも、すぐに迎え撃とうと剣を構えるが、遅い。
今すぐにでも振り下ろせたその大鎌を私はピタリと止めて、シングちゃんが居る方向を見る。
いつも寡黙なアザバールが悲鳴を上げた。
それだけでも珍しいのに、私の胸のざわめきが強くなり、一刻も早くシングちゃんに会わないとという脅迫概念に駆られたのは今が初めてだ。
「シングちゃん!」
もはや私の頭に桃色女騎士や銀と赤の女騎士の事は、頭から消えて即座にシングちゃんの下へ駆けた。
墜落するアザバールを放置して、次に見えたのがシングちゃんが展開してる『圧』。
その前に佇む騎士みたいな……うん、確実に銀と赤の騎士の同類だ。
今、まさにシングちゃんへ剣を向けてる騎士達を通りすぎて、シングちゃんを庇うように立つ。
間に合って良かったと、安心するが私の姿は夢幻召喚の無茶な運用でボロボロ。
アレらの攻撃をシングちゃんに、届かせないようにするのが精一杯だ。 さて、どうしたものかと思考を加速させるが、そんなもの知ったことではないと言わんばかりに剣に纏ってた光が、私を飲み込む。
「すずかぁ!!」
シングちゃんが私の名前を呼ぶ。
でも、もぅ……
―――大好きな人が名前を呼んでくれてるんだ。
―――もうひと踏ん張りくらい出来るよね?
私の背後から暖かいのが拡がり包み込む。
・ステイタス
クラス:キャスター
真名:すずか
≪以下略≫
備考欄一部抜擢……夜の一族として自覚し吸血鬼へと変貌。 真祖としてのポテンシャルを得た未来のすずか。
・ステイタス
クラス:フォーリナー
真名:スズカ
≪以下略≫
備考欄一部抜擢……シングの血を吸うことでネブレイドし、エイリアンとして覚醒した未来のすずか。
わかる。
私が三人にわかれて、吸血鬼の私がシングちゃんを安全地帯に避難させて、エイリアンの私が光を引き裂いて私の隣に居る。
「さぁ、私の未来の妻に手を出したんだ……決めるぞ、未熟者」
「今は言わせてあげる」
エイリアンの私の言葉に苛立ちを覚えるけど、まずはシングちゃんを泣かせた敵を倒す。
完全に完膚なきまでに倒すと決意する。
すると私が知覚してる全てが、私より遅く感じるようになる。
所謂ゾーンという奴だ。
もっともそれは未来の私達には適さないらしく、欠伸して私が動くのを待ってる。 キレそう。
それからエイリアンの私と今の私、吸血鬼の私による蹂躙劇が始まった。
最初に襲ってきた騎士達は、隠れてたもう1人の仲間が転移で助けたらしい。
最初の敵は見逃すけど、この騎士達は絶対に逃がさない!!
☆
英霊のすずかにアザバールの中心部まで運んでもらった私は、アザバールに魔力を渡して修復しながら外の状況を把握する為、全方位モニターで外を見ていた。
闇の書の守護騎士は撤退しており、今すずか達が戦ってるのは前に管理局に勤めてるギャルタス・ノーメンが言ってた聖天の騎士団なのだろう。
しかし、すずかが3人とか、私の身が持ちそうにないんだけど……。
「シンちん、そんな事考えてないで、アタシ達に言うことがあるだろ?」
「シ ン グ ちゃ ん?」
「言え、何故あの闇の書の騎士共に囲まれてる時にオレ達を喚ばなかった?」
「まさかとは思うけど、あの海の一件で僕らが頼りにならないなんて思ってないよね?」
「司令官!! 遺跡探索は古代から生息していた菌が生き、探索者達に未知の病を与えるのです! 何故、私を付き添いに命じなかったのですか!? 死にたいのですか!?」
「主殿、皆さんのお怒りは至極真っ当です。 かく言う僕らも真の英霊にまでは至ってない身なれど、怒ってます」
なんて考えてる場合じゃなかった。
身内の怒りのせいで、今ピンチだ、私。
まずは召喚してから今までそれほど怒りを見せなかったフェゴ姉さんから始まり、涙目で迫る母さん、凄味を効かせてるクーフーリン、髪をリボンにして私を逃がさないようにでも緩く拘束してるエル、未知の菌による病気を心配するナイチンゲール、そして他の諜報員代表で小太郎くんが、、、全員が全員、逃げ場を塞ぐように私を囲ってる。
あ、後で段蔵が涙を流してる。
さて、この状況どうしたものかと頭を悩ませると、私の所へ3人ほど新たにやって来た。
見なくてもわかる。 すずかだ。
「ただいま、シングちゃん」
「ただいま帰ったぞ、私の愛おしい妻よ」
「ただいま帰りました、旦那様」
上から私の恋人、エイリアンのすずか、吸血鬼のすずかが声をかけてくる。
2人は未来のすずからしいけど、うん、エイリアンのすずかも吸血鬼のすずかも大層な果実を実らせてらっしゃる。
特に吸血鬼のすずかは、腕を胸の下で組んでないと前倒れになるくらいだ。 現に吸血鬼のすずかもそうしてる。
「あら、旦那様は私の胸が気になります?」
「「黙れ、無駄脂肪が……」」
むにん♪と組んだまま腕を上げて、そのデカイ胸を強調してきた。
が、そこに2人のすずかが、悪態をつく。
別にすずかはすずかでまだ成長期だから、大きくなる可能性あるし、エイリアンのすずかも十分に大きいと思うけどなぁ。
「そんな虫よりも」
「まずは」
「此方の相手をしてもらおうか?」
「シンちん、今日は寝かせないぜ」
「いえ、睡眠は大切ですので起床したら続きです」
ああ、うん、これは長くなりそうだ。
結局、家族の説教に3日、ステラや座覇の注意に2日、アリサに登校日に休んだ事を問い詰められて1日費やした。
すずかが増えた。